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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
287/364

ダヌアの空に124


....ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...


魔獣ボルボーレの力は、この世界では圧倒的。


...trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrr...


...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...


爆風が音速で拡散して行く。


広大な漆黒の平原の隅々まで。


キノコ雲を巻き取りながら。


この平原。


中域にいくつか補給基地があるが、超長距離輸送機ですら、容易にはたどり着けない...。


私は冥界のかみ


ここに存在し、そこにも存在する。


私はどこにでも存在する。


物質界での数多あまたなる局面に、私の無限の側面が対応する。


光、電子、そして重力子がそうであるように。


ここゾーグでも...。


粒子の世界、つまりこの物質界は振動数が低い。


低次元な世界。


囚われていて窮屈だ。


固体が気体より不自由なように。


ここでは究極の存在ですら、一つの側面しか持つことが出来ない。


硬く脆くそして、儚い。


〈...何と...酷いありさま...〉


今また神帝カーは封じ込められている。


〈...うひひひ...しかし...魔獣ボルボーレは強すぎる..汗...うひひ...〉


セクハンニ大神官の獅子方陣によって。


神帝カーは人間ではない。


そして、ハイドラの大神官のパワーは人間の域を遥かに超えている。


エメド、ドラド、ジェイ•ディー...。


『...あぁ...!汗...た...た..大変...!...バイタルが...い..一斉にバイタルが!...明王ラキティカのバイタルが...ガレス...見て!...』


...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


爆炎が吹き荒れ大地は沸騰している。


『...バイタル..が..どし........!...な...何だこりゃ!...酷い下がり方だぜ..汗....何だ.こりゃ!..』


『...どうした!...』


『...ジャイ..ロ...こ..これ..を見て...』


『...反撃...不能..です。攻.撃...翼..の全..兵...曹....反...撃不..能!...』


『....こち...らキー..ス...ラム..ダ...15..艦長...キース........ラムダ...13...決断..を...我が艦は...ティアガー(指揮する兵)を...全て..喪失......二大明王ダルカンや...明王ラキティカ達を失っ...て..我ら..に勝機は..無い...』


『...な..なぜこうなった...?汗...』


『...この..ダメー...ジは..間穴..線の直...撃を受..けたと..し..か...』


...trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrr...


...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...


〈...うひひ...直撃など受けとらん..うひ..うひ..見た通り...〉


〈...魔獣ボルボーレが撃ち返したのじゃ...〉


『...撃ち返した?...』


『...艦長...エメ...ド..ラド..様です...』


〈...魔獣ボルボーレはプリズムシールドと共に全ての粒子線を撃ち返した...〉


〈...しかも増幅させおった..何十倍にも...〉


『...確かに...エネルギー分析器にアルマダイの痕跡が...』


...trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrr...


...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...


〈...恐ろしき怪物よ...汗...〉


〈...うひひひ..何とも手強い..うひ...〉


...trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrr...


...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...


『....もう...40分..だ...ぜ.. 防御翼..は...まさか..このまま...』


『...バカ..言うな...ロス...てめぇ..縁起で..もねぇ...』


〈...大丈夫じゃ...サクラなら.....〉


大神官ばかりではない。


銀色の甲虫カメムシ達も口々に呟く。


...コココーーーーーー...コーーーーーーー...ココーーーーーー...ゴーーーーーーー...コココーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


白煙を吐き大きく旋回しながら。


やかましくて仕方がない。


〈...しかし...サビオは..よう耐えた...〉


〈...うひひひ...あの威力では..不動明王アンティカですら砕け散る...〉


『....後がねぇ...終わりだ..兵曹ラキティカを全..部..失っ...ちまっ..たら...』


大地も焼け爛れ死にかけている...。


〈...いよいよ...ダルバザのようじゃ...〉


〈...うひひひ...それだけは..阻止せねば..うひひ...〉


『...バイタル...バイタル0..です...』


うめき声が聞こえる。


...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー..ゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


焦げて、大地に這いつくばる明王ラキティカ達の。


まるで鳥餅に絡め取られた蟻のように。


『...ノーム...スティンガー..シーアナン...ジン停止...シーアナン..ジン...停止し..ています。...』


彼方には巨大な怪物ボルボーレが見える。


まるで地に堕ちた三日月のような。


...trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrr...


雲を纏っている。


...trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrr...


...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...


対峙しているのは煤だらけの銀の兵曹。


華奢な明王ラキティカ一体のみ。


仔犬と象以上の差がある。


...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...


〈...うひひひ..何とかせねば...何とか...うひひ...〉


串刺しになっている。


兵曹の腕よりも太く鋭い爪に。


『...ノーム..スティンガー...バイタル0..ノーム...スティンガー...バイタル0...』


無数の鋼鉄の。


『...残存..確認を..状況を...把握!..』


見るも無惨に。


その巨大な電極を介した界面爆発。


『...生存は..アイリーン...それから... イルク.ウォーク...あぁっ..い、イル...クウォ..ーク...も..バイ..タル0..イル.クウォ...ーク....バイタ...ル0!....シー...アナン..ジンは生きています...蘇..生開始...します...』


粉々になった甲殻から血だらけの肉が露出する。


『...生き残った..兵曹に..集中...する...』


だが、まだなお生きている。


『...しかし..イル..ク...ウォークが...』


『...直ぐに..停止しろ..残存...兵曹に..集中...全滅するわけ..には...いかない...』


華奢な兵曹の13の火車チャクラは変形し、回転すらままならない。


『...は、はい...』


目の半数と耳が潰れ、露出した内臓は焼け爛れ、白煙を吐いている。


『...アイリ..ーンは?..アイ...リーン..の状態は?...』


だが、退かない。


『...アイ...リーン..の.バイタ...ル32...急激..に低...下して..います...』


火車チャクラの兵曹には力が無い。


知恵も経験も。


『...しまっ..た..アイリ...ーンに..集中...』


生まれたばかりの異端の勇者は。


『...アイ...リー..ン!...アイ..リー...ン!...しっ..かり...!ス..プリ...ンヘ..ラー...照..射....用.意..!...アイリ...ー..ン!...炉..を!...アイ...リー..ン!...炉を...回.し..て!...』


この、世界を覆すはずの孤高な存在は。


《...エミリー。アルマダイを両明王ダルカンに...》


自分が何者か知らず。


《...魔獣ボルボーレよ!...おまえを倒す。この俺が。キドーの父とヒドゥィーンの誇りにかけて。不動明王マジトゥの化身となって...》


己の強大さを自覚すること無く。


『...さ....サビ..ア...ノーア..だ!..い...い..かん..止め..ろ!ロス...ター...』


驕り、欲、苦悩さえ知らず。


『...座標 ..167, 1..6, 30.7....スプ..リン...ヘラー..照射...用意!...ア..イリーン!...5, 4, 3...アイ...リーン!..バイ..タル...が!早.く!...アイリ....ーン!...』


無垢なまま消えようとしている。


『...あんな..ボロ..ボロに...なっち..まって...あいつ..泣..代わって..やり..てぇよ....』


『...何で泣いてんだ...アホか..ガ..レス..泣...』


『...ロス...おまえ...こそ..鼻出..てんぞ...泣...』

今ここで。


...trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrr...


...trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrr...


魔獣ボルボーレを前にして。


『...あ..いつ...バイ...タル..10..もねぇ...泣...』


『...泣い..てる...場..合か...ガレ...ス....何か..何か..考えてやんねぇと...汗...』


...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...


火車チャクラの兵曹は天涯孤独の魂。


『...ガレ..ス!...止..め..ろ!..お..い!...ガレス..!早くしろ!...』


嘗て救えた者はいない。


〈...イモーランよ...何をトンチンカンなことを...黙って聞いておれば...〉


ここでは魂を閉じられないらしい...。


『...いや....だけど...止めるっ..たって...』


〈...物質界で.は..意識を閉じるのは..不可能じゃ...〉


...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...


物質界ではなく、ここの第7宇宙のみの現象...。


〈...おまえさんは...知らんのかい?...神様ともあろうお方が...〉


下等生物が勝手に私の意識に入って来る...。


大いなる私に。


邪魔でならない。


〈...うひひひ...あの子にゃワシ等が付いておる...〉


〈...孤独などでありゃせん...〉


穢れなき魂。


一途で強い思念...。


〈...ワシらの力を分ける。ワシらの血肉をな...〉


恐らく不動大明王ハイドゥクですら動かすだろう。


いつか...。


〈...うひひひ...見ておれ...ドデカいのを送ってやるわい...うっひっひっひ...〉


そして...。


見たことがある。


『...ロクシル...シー..アナン.ジン停止...ボルボーレの..間欠...線の..直撃を...受け..ました...』


この強い光...。


〈...うひひひ...いつまでもボヤいとれ..笑..妖怪めが...うひひ...〉


メロウの黄色く温かい光。


〈...おぬしの方こそ邪魔じゃ...〉


私はこのエネルギーを見たことがある。


『....メイリンダ..と...クノッソス...に..集中だ...照射機..角度調...整...』


覚えている。


この魂を...。


〈...何じゃと?汗...〉


『...ラム..ダ..9へ...こち....ら..ラ...ムダ..20....メイリンダは...こっち..が..近い...こちらで..照射..する...』


私はこの魂を知っている。


『...恩に...着る..ぜ...』


...


一粒の記憶が...


たった一滴の思念が...


私の全身を。


私と言う宇宙を駆け巡る。


まるでプラズマのように。


〈...何と?...〉


...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


《...エミリー。ラムダ17のティアガー(指揮する兵)は私で最後。アルマダイを無駄にしないで...》


白を赤に変えて行く。


無である白を、激しく燃える沸る赤に。


無限のオセロのように。


くつがえして行く。


情熱という名の炎の下に...。


『...そん..な...あん..たを...見殺し..にな...んか..出来な..いよ..!...起動..して!...アイ.....リーン!..炉を...起動し..て!...』


...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


『...エミ..リー...引け..ア...イリ...ーン...はもうダメだ...アイ..リ..ーン...から....撤退す...る....下がれエミリー!...』


一粒の私は無限の私に戦いを挑んだ。


この一瞬を何千億年もかけ闘った。


現在、未来、過去、並行世界、無限の側面を持つ全ての私に。


《...エミリー。行って...。私はここまで...》


『...嫌だ..よ!....アイ....リーン..!...冗談じゃない!...あん...たを..死な...せる...もん..か!...アイ..リーン!...アイリ...ーン!...嫌だ...嫌だ!...ボストーク..に帰..るん...だよ!...一緒に...帰る..ん..だ!...約束..した...じゃ..ないか!...ア..イ.リー...ン!...あん..たと...一緒に!...アイリーン!..』


...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...


肉に宿った魂は強い。


『...命令..だ!...引け!..エミリー!...』


物質界で受けた、重さ、遠さ、加速、高さ、深さ、灼熱、極寒、暗闇そして孤独と絶望。


『...何だ..よ!...何で..だよ!...あたし..達ゃ..8年..も一緒にや...って..来た..んだ!....8年も...だ.よ!人で...なし!...下がるもんか!...』


そこで受ける、愛、許し、優しさ、温もり、情け、施し。


『...馬鹿..野郎!...全滅..させ...たい..の.か!...下がれ.エ..ミリー!...』


一粒の私が制覇した。


『...嫌だよぉ...泣。嫌..だよぉ..見...殺し..に..なん...か..できゃ...し..ない..よ...』


無限の私を。


愛という名の強い力で。


『...オパ...ブリュ...イエールが..K6...ルートを...移動..中!...12f...結晶..山の裏...ボル...ボーレ..方面!...速度72...』


暗黒物質そのものである愛の力で。


たった今。


『...オパ...の..バイ..タル...28...危険な..状態...です...オパ..は...立て...ません...』


...trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrr...


...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...


......


...



そうだ...


私は...


...


私は...


...


『....引き...返さ...せろ...』


...そうだった


『...ブリ..ュ...イ...エー...ルが...オパに..肩を...貸し...てる...』


サビオちゃん...


『...変だ..ぞ....ブリ..ュイ....エール...の動き...』


『...一体..何を...』


あの日...


『...ブリュ..イエ...ール..も...バイ...タルが......ブリュ....イエ..ールの...バイタ...ルは..39....あ、脚..が......あぁ.....あぁぁ....脚が...脚が.....お...折れてる....誇り...高き...最強の....ハイキック...泣...』


リューイを追い込んだのは私。


〈...お...おまえは何者じゃ。汗...〉


《...私が皆の祈りをおさ達に届けます。ブリュイエールと2人で。私達は両明王ダルカンへの拠点となります...》


クロカゲを差し向けた。


セクトルジーナンのあの山に...。


〈...な、何を言っておる...〉


あの子のいる山に。


『...オパ....ブリ..ュイ...エール...そん..なこ...とをし...たら...君達は...死ぬぞ!確実に...』


クロカゲは私の分身。


《...これが私達の宿命...イリーナのプロイセン皇..そしてセティの征天大剛の娘としての...》


一粒の私は知らなかった。


物質化して人として転生した私は...。


〈...何と!...人に転生しておったのか。イモーラン...〉


自分が冥界の神の一滴だとは。


自分自身がリューイを追い込んだことも。


〈...やはりおぬしの仕業であったか...〉


『...誰も...炉を..開か...ない...何故だ...』


大いなる私はリューイがマジトゥに近づくことに危機を感じた。


そして、マジトゥとリューイのような者の融合は、この宇宙では特別な意味を持つ。


〈...うひ...汗...流石に動揺が隠せぬ...うひひ...〉


上様にとっての邪魔者は殲滅しなくてはならない。


このハイドラは、この星の皇帝の敵となる存在なのだから。


そうでない場合を除いて...。


『...イ•マン...より...入..電...』


クロカゲは所詮私の偽物デコイ


《...我らが司令塔メインターフラムダ9よ..このアルマダイ...我らがおさへ託す...》


リューイやマジトゥの敵ではなかった。


『...こちら..ラムダ5... ローズ...ラムダ13....ラムダ..13....応答願い..ます....スプ...リンヘ..ラーを...大明王ダルカン..に解...放し..ます...ご指示を....ラム..ダ13...』


だが、私の目論見は達せられた。


《...われはシータなり。我が希望を両明王ダルカンに。われの力を両明王ダルカンに捧げる...》


リューイをマジトゥから引き離した。


《...ラムダ13に告ぐ。我、タルゴなり。我、明王ラキティカのタルゴなり。我らへの供給。御大方へ。アルマダイの供給を両明王ダルカンへ...》


一粒の私はこの事実を今知った。


『...こちら..ラムダ.11...我ら...は.ティアガー(指揮する兵)....を失った..メイ...ンターフ..である...両明王ダルカンへの..アル...マダ..イ..供給...を行い...たし....貴艦での..制御...を希...望..する...』


制覇した今。


『...ラム..ダ...5..ショ...ーン...本艦の..アルマダイを...両明王ダルカンに..供給...する...指示を求む...』


制覇した私が全ての私を責める。


今...。


激しく。


『...この..まま...では...攻撃翼は...主力..の...二大明王ダルカンすら..失ってしま...う...決断を...ラムダ13...』


人魚姫リューイの悲しき雄叫びが耳を離れない。


『...ラムダ..11...ラム..ダ17...ラムダ5...来ます...』


やっと良心を、愛を取り戻しかけた妖精の。


『...ラムダ7...9...14...合流..しま...す...』


激しく、熱く、強く、無垢で、優しく、温かい、天使の本来の姿を取り戻しかけた。


『...ラムダ2..2...来ま..す...』


楽園から再び永久追放された精霊の悲しみ。


『...ラムダ...20..合流...』


悲しく、悲痛な叫び。


『...ラムダ..19も..来ます...』


後ろ髪を引かれながら、バイキールの塩湖に戻って行く人魚姫リューイ


『...第二..太陽...ゼノン...方面...全機編隊が来る...』


私は忘れられないだろう。


永遠に。


『...全機...翼を...大きく...広げてる...まるで鋼鉄...の鷺だ...』


永遠に...。


『...こち.ら..ラム..ダ9...攻撃翼..一丸...となっ...て明王ダルカン...にエネルギー...を送る...ラムダ13...応答せよ...』


『...来る..ぜ!...』


『...大編..隊...じゃ...ねぇ..か...』


『...アギ..ュラ...ーラムダが..編隊を...組ん..だぞ...』


〈...まるで鷺の群じゃ...〉


カメムシが一斉に眩い羽根を開いた。


『...放電..翼を..開いた...ぞ...』


鷲がホバリングをする様に。


〈...エメドやそろそろ出番じゃ...〉


嘴のような発射口を伸ばして。


〈...援助を頼むぞいドラド...〉


『...エマ...100km..圏内の...全ラムダ...および....ティ..ゲル...ジグルスに...司令...スプリンヘラーで...両明王ダルカン...に..アルマダイ..を供..給する....指揮を..頼む...』


『...ヘザー...スプリ..ンヘラー...を起..動...ササ..ーンに...アルマ...ダイ..を送る...』


『...了解..スプ..リン...ヘラー..起動...』


『...アギュラー...ラム...ダ..編隊...9(ナイン)を..中心に...陣形を...変更します...』


【...攻撃翼 全アギュラーラムダ、アルハリド、ティゲルワン、ティゲルツー隊に告ぐ。スプリンヘラーを両大明王ダルカンに照射する。全ラムダ隊はアギュラーラムダ9(ナイン)に照射。ラムダ9を中継して西の正ダルカンへ。ジグルス隊オール、及びティゲル隊は、本艦 アギュラーラムダ13(サーティーン)に照射。本艦より東の正ダルカンに供給する...】


『...ガレス...全明王ラキティカ..のア.ルマ...ダイ..を..オパに...集める....明王ラキティカ達..と...連携....指示を...』


『....了解!..ヘザー...こっちも..頼む..ぜ...攻撃..翼オールだ...』


『...そっちは俺が....オッケー...いけます...ガレスさん...』


【...こちらガ、ガレス。ラムダ13ガレス。全明王ラキティカ全明兵イブラデに告ぐ。オパは今ブリュイエールと移動中だ。特定の、いや、所定の場所に着いたら合図を送る。オパにアルマダイを送ってくれ。あんた達のやり方で。力の残っている奴はバイタルの低い奴を探して共に。そ、それが、そいつもそいつのアルマダイも救うことになる。そんで、全体の相..じょ効果が得られる。座標を一応伝えるが、あんた達にゃ関係なさそうだ。無視してくれ。武運を祈ってる...】


....ドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーードドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーードドドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーードドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...


...trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrr...


...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...ドゥンドゥン...ドドドゥドゥ...

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