ダヌアの空に121 / ドンキ編4
...ドドドドーーーーーーーーーーーーー...
!?
〈落ちて来た。潰される!うわぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー〉
何か落ちて来た。
ヒィィィ。
「ひっ!おわあああああああああぁぁぁーーーーーーーーーーっ!」
死、死ぬ...ひっ...。
...ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...
ひぃぃ...。
ひっ...死んだ?...ワシ...
...ザザッ..ザッザッ...
ワシ....死んだ....?
あれ!?。
い、生きとる。
地面がまだ振動しとる。
「うわあぁぁ!」
....ゴゴゴゴゴゴゴゴ...ドドドドドドドド...
...ドーーーーーーーーーーーーーーーン...
煙が...。
煙幕が。
エリザベスのライトに照らし出される。
な、な、何やねん!。汗
どデカいの落ちて来た!。
光...。
サーチライト...
〈あ...あわわ.......あ...危なかった...汗。き、寄生主ごと潰されるところだった〉
カエルがまた喋っとる...。汗
〈この様...ラプロスが見たら何と言うか...〉
反対側の地べたに。
凄い土煙。
何も見えん。
〈弱みは見せられぬ〉
暗くて見え...。
装甲車か?。
光が2つ。
パイロットは無事やろか...。
青い光...。
た、た、立ち上がった!。汗
あっ...!?。汗
め、目だ!。
巨人!?。
はっ!?。
「ば、ば、バルバロイや!汗」
....キィィーーーーーィィーーーーーーキィィーーーーー...
ハッ!
高圧炉の音...。
へ、兵曹...?汗
ち、小さい。
兵曹の割に小さい。
背の高さは電柱くらい。
小型や!。
しかも...全身の甲殻が砕けとる。
痛々しい。
兵曹が、ここまで、怪我をするとは。
重症や...。
こんな怪我した兵曹、初めて見た。汗
〈子供の兵曹...。ひ、瀕死ではないか...〉
体液が噴き出しとる。
動くと滝のように流れる。
まるで鉄のマネキン。
目は人と同じ2つ。
華奢だ。
子供の兵曹や。
〈トルカカよ。私の声が聞こえるか?。〉
と、トルカカ!?。
こいつがトルカカ?。
な、な、何やと!?。。
このガキの兵曹が!?。
こいつのせいでトロイは死んだ。
こいつにトロイは殺された。
許されへん。
子供だとしても。
おまえがうろちょろせんと任務を....。
そしたらトロイ...。
ふざけ...。
......。
しかし...。
しかし、酷い怪我や。
ブラブラな脚で何とか立っとる。
...ゴゴーーー...ゴゴーーーー...
ひっ...。
《...音声変換中...》
《...音声変換中...》
ラジュカムが拾う。
文字が点滅する。
《...サビ兄ちゃん...》
サビ兄ちゃん?。
はっ!?
...ボワァブゥゥォォォーーーーーーーーーーーーーーーーン...
「ううわあああああぁぁぁぁぁ!汗」
な、何や...今度は。汗
う、ウミガメ!?。
銀に光っとる。
羽ばたいとる!。
カナブン!?。
そ、それにしてはデカ過ぎる。汗
一体どないなっとんねん。汗
この塹壕は...。
眩しいほど光っとる。
しかも、全身銀色...。
〈来たか。ラプロス。〉
ら、ら....ラプロス!?。
...ボワァァァァーーーーブゥゥワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
凄い羽音...。
デカい扇風機みたいに風が吹いて来る。
羽に当たったら切り刻まれるぞ、これは...。
目から赤く強い光。
まるでサーチライト。
塹壕の暗闇を照らしつける。
いきなり出てきた。
こっち向いた。
これは...。
羽...。
「ううわっ!虻や!汗。銀色の!ううわっ!銀の虻や!。」
え!?...えぇぇ!?...虻!?....こ、こんなデカいアブ初めて見るわ。汗
〈黙れ!ブサイク!〉
ハッ!?汗
まさか...。
ら、ラプロス言うたら...て、て、天空の神。
神話のハイドゥク戦記に出てくる大虻の女王やないかい。
1300万年前の怪物や。
全長30kmあってプラチナで出来とるらしい。
え、偉いこっちゃ。汗
実在するとしたら、その恐ろしさは、ボルボーレの比やない。
眼から繰り出す強烈な熱線で、一度戦闘神ナジマを退けたらしい。
あのナジマ様を。
...ブゥゥブゥブッブゥゥ...
何か音出してる!。汗。
鳴いてる!。
大虻が。
カエルの周りを旋回してる。
ゆっくりと。
ホバリングや。
羽から来る風が寒いほどや。
しかし...。
まるで宝石。
輝いてる。
これが巨大化するんやろか...。汗
30km言うたらザブルからグレンまでの距離。
車で半時。
なんちゅうデカさ。
〈そう怒るな。〉
...ブゥゥゥゥゥ...ババッ...ブゥゥブゥゥ...
〈分かっている。だが、助けてやりたい。〉
銀の虻がカエルと喧嘩しとる。汗
....ドドドド...
地震?。汗
いや...兵曹が震えとる...。
トルカカが。
...ゴゥオオオーーーーーーーーーーーーーーッ... ゴゴゴゴーーーーーーーーー...ゴォォゴゴゴゴーーーーーーーーーー...
「うわああああぁぁぁ!」
ほ、吼えた。
で、デカい声で吠えやがって!。汗
耳おかしなるわ。
《...音声変換中...》
《...音声変換中...》
《...サビオ兄ちゃんが。死んじゃう。汗...》
何言うとんねん。
このガキ。
こんなボロボロになって...。
...ブゥオオオオォォォーーーーーーーーーーーーンン...
ラプロスはまだ旋回してる。
カエルの周りを。
あの体格差や。
カエルに勝ち目は無い。
ただ飛んでるだけでも迫力がある。
...ブゥゥゥゥゥ...ババッ...ブゥゥブゥゥ...
〈あの火車の兵曹を救わねばならない。〉
カエルが岩の上で必死に抗議しとる。
虻に食われるんちゃうか?。
...ブゥゥブゥブッブゥゥ...
〈何故って...〉
このカエル...。
どうやら味方みたいや。
ハイドラの兵曹を救いたいと言うとる。
....ゴゴゴゴーーーーーーーーー...
うわ...!汗
《...音声変換中...》
《...音声変換中...》
《...怖い......》
脅かさんといてくれ...汗
当たり前や!。
怖いに決まっとる。
〈おまえが賛成してくれたら、この力を使ってやれる。〉
力?。
....ゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーゴゴゴゴーーーーーーゴゴゴゴーーーーーーーーー...
《...音声変換中...》
《...音声変換中...》
兵曹は思念で話す。
こいつは子供やからまだ声なんや。
《...助けに行かなくちゃ。僕が行かなくちゃ...》
助けに!?。
どこへ行くちゅうねん!。
〈トルカカ!。行ってはいけない!〉
....ゴゴゴゴゴゴーーーーゴゴゴゴーーーーーゴゴゴゴーーーーゴゴゴゴーーーーーーーーー...
《...音声変換中...》
《...音声変換中...》
《...僕が...。僕が囮になって。あいつを。...》
あいつて...まさかボルボーレ。
何言うとんねんこのガキ。
〈トルカカ!登ってはいけない!。なぜ聞こえぬ!〉
ボルボーレやぞ?。
300mの化け物やぞ。
あんなん山脈や。
....ブゥオオ...ボォボォ....ブゥゥ...
ラプロスが空中で静止しとる。
こいつ、まさか...巨大化するんちゃうか。汗
....ゴゴゴゴゴゴーーーーゴゴゴゴーーーーーゴゴゴゴーーーーゴゴゴゴーーーーーーーーー...
《...音声変換中...》
《...音声変換中...》
《...サビオちゃんが...僕のせいだ。...》
変換音声が舌足らず。
こいつまだホンマに子供や。
こんな血だらけになって。
お、お、折れてるやん!。汗
腕も。
満身創痍やんけ...。
〈ウラノスが反対していると?...いや、従って貰う。リーダーは私この私。〉
う、ウラノス!?。
海神のことや!。
全長100kmの古代魚。
....ゴゴゴーーーーーーーーー...
《...音声変換中...》
《...音声変換中...》
《...行かなきゃ。...》
あの身体で。
この塹壕も10mはある。
無理や。
泣いとるやないか。
震えとるやないか。
大人のワシだってチビってまう。
まだ子供。
当たり前や。
食われそうになって。
ぶん回されて。
...ガッ...
げっ!壁に手ぇかけた!。
〈トルカカ!。落ち着け!。行ってはいけない〉
ホンマに登る気か!?
あ、あかん!。
....ゴゴゴーーーーーゴゴゴゴーーーーゴゴゴゴーーーゴゴゴゴーーーゴゴゴゴーーーーーーー...
《...音声変換中...》
《...音声変換中...》
《...サビ兄ちゃん...助けに行くよ。...》
は!?
何が出来ると言うねん。
〈行ってはいけない!敵を利するだけだ!〉
カエルの言う通りや。
相手は300mを越える鉄の怪獣。
助けられるワケがない、
それに脚も腕も折れとるやないかい!。
...ガッ...
土壁に脚を突き刺した。汗
こいつ。
何ちゅう根性や。
ほ、ホンマに登る気や!。
...ガッ...
...ドーーーーン...
〈トルカカ!。待て!。トルカカ!〉
「おい!。坊主!。おい!。おーーーい!」
...ドッ...
....ズドーーーーーーン...
き、聞こえてない。汗
全く聞こえてない...。
〈なぜ聞こえぬ!〉
登れてまう。
あかん。
...ドッ...
....ズドーーーーーーン...
ダメだ。
わざわざ殺されに行くようなもんや。
食われてまう。
...ガッ...
...ドーーーーン...
トロイ!。ちょいすまん。
「おおぉい!。坊主ーー!。トル、トルカカアアァァァーーーー!」
き、聞こえへんのか?。汗
ダメだこりゃ。
エリザベス!。
え、エリザベスっ!。
立ってくれ!。
動いてくれ!。
あの子が殺されてまう!。
エリザベス!。
「エリザベスーーーーっ!」
...グゥウォ...
アカンか?...汗
「エリザベス!。立ってくれ!。頼む!。」
...ピーーーーーーーーーーーーーーーー...
...グルル...ドルル...ブルルルルル...
動け!。
....ドド...
「エリザベス!。あの子が死んでまう!」
....
こいつは、ワシとの適合手術を受けた時、3回目、寿命の200歳をとうに越えてた。
アページの適合手術は普通2回まで。
アページの寿命はどんなに長くても150歳。
成績の悪いワシはホンマは手術を受けられんハズやった。
アページが余ってなかったから。
アページが足りんかったのは、後にも先にもこの時だけや。
運のなさがワシらしい。
それをこいつは頑張ってくれた。
このワシに適合してくれた。
あれから28年。
ホンマに良うやってくれた。
最後にもう一度。
もう一度だけワシに力を貸して欲しい。
エリザベス!。
エリザベス!。
トルカカが!。
...ガッ...
...ドーーーーン...
トルカカが、登って行く。汗
何というガッツや。
エリザベス!。
エリザベス!。
...ドッ...
....ズドーーーーーーン...
「エリザベーーーーース!」
...
頼む。
可哀想過ぎる。
...ガッ...
...ドーーーーン...
あんな幼い子が。
助けてくれ。
俺に力をくれ。
...ドッ...
....ズドーーーーーーン...
エリザベス!。
トロイおまえもそう思うやろ?。
...
トロイおまえが生きて...
...
トロイ...。
助けてくれ...。
...
トロイ...。
「トロイ!」
....。
...ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ブルルルルル...ブルッ...ドル...
!?
ゆっくりと地面が離れて行く。
身体が浮いて行く。
た、た、立ち上がった!?
「偉いぞエリザベス!」
こいつは喋らんが気持ちは伝わる。
身体だけじゃなく、心臓が繋がっている。
魂が繋がっている。
全力で立ち上がった。
...ゴゴゴゴゴォォーーー...
《...音声変換中...》
《...音声変換中...》
《...うぅぅ...行かなくちゃ。僕が行かなくちゃ...》
あいつは幼いが立派な兵曹や。
戦士や。
勇者や。
「坊や!。坊や!。」
全く聞こえてない。汗
聞こえるはずやのに。
ラジュカムを通して、ワシの声が。
耳までやられとんのか?
そしたらおしまいや。
いや、恐怖と使命感で一杯なだけかもしれん。
余裕が無いだけや。
きっとそうや。
何か...。
何とか...。
気を引きつけられんか?。
子供の好きなもの。
ワシには子供がおらんから分からん。
何が好きなんか。
落ち着かせるようなこと。
安心するような...。
そや、ギャグや。
一発ギャグや!。
「坊やーーー!。坊や!。これ見てみぃ!。おもろいで!?。行くでーーー。おしゃまんべ!」
...
...
...ドッ...
....ズドーーーーーーン...
〈ブサイク。貴様ふざけるな!〉
あ、あかんダメや....。
古い。
古かったわ。
せや。
「こ、これはどうや!?。坊や!。坊やーー!。ほら見てみぃ!。行くで?。...んーー...コマネチ!」
....
〈ブサイク貴様。やはり消すしかない〉
...
...ドッ...
....ズドーーーーーーン...
あかん...汗。
虚しいだけや。
せ、せや!。
あれがあった!。
歌や!。
ハイドラの子が大好きな。
トロイもワシも夢中やった。
マーツマンの歌や!。
マーツマンマーチや!。
「い、いくでぇ!。坊や!。聞いてくれ。行くで。歌いまーす。せーの、そうだ うれしいんだ いきる よろこび たとえ むねの きずが いたんでも〜〜♪」
〈な、何と言う調子っ外れな...汗〉
オカンがよう歌てくれた。
「なんの ために うまれて なにを して いきる〜♬」
〈何と言う下品な声...〉
ワシを慰める時に。
「こたえられない なんて そんなのは いやだ〜♪」
〈何という品のない節回し...〉
ワシの知っとる唯一の歌。
アマルが突然来て、虐殺を始めた。
「いまを いきる ことで あつい こころ もえるーー♬」
〈下品の極みだ!。歌い方が猥褻過ぎる!〉
子供ながらに、棒を持って飛び出そうとした。
「だから きみは いくんだ ほほえんで〜〜♩」
足を引きずって。
丁度、今のあいつと同じや。
〈しかし...なぜか...〉
家族も友達もおじさんも親戚もみな殺された。
地下室に隠れてた、オカンとワシだけ残して。
「そうだ うれしいんだ いきる よろこびーー♪」
オカンも3日後とうとう屠殺隊に殺られた。
〈胸が熱くなる...〉
屠殺と言う意味を大人になって知った。
「たとえ むねの きずが いたんでもぉーー♩」
〈なぜだ?〉
...
...ガッ...
あかんか...?汗
...ドーーーーン...
「ああ マーツマン やさしい きみはーー♫」
...ドッ...
〈止まった。汗〉
「いけみんなの ゆめ まもるためぇーーーーてかぁ?♬」
ダメかぁ...。汗
ダメなのか。
...ゴゴゴゴーーーーーーゴゴーー
《...音声変換中...》
《...マーツマンのマーチだっ!...》
〈な、何と。届いた。〉
聞こえた!。
聞こえたんや!。
聞いてくれたんや!。
...ゴゴゴゴーーーーーーゴゴーーゴゴゴゴーーーーーーゴゴーーゴゴゴゴーーーーーーゴゴーーゴゴゴゴーーーーーーゴゴーー...
《...音声変換中...》
《...いつも姉ちゃんが歌ってくれた。僕が寝るまで。頭ぽんぽんしてくれて。...》
〈トル..........................〉
「坊やーーー!。トルカカァーー!。待ってくれ!。行ったらあかん!。聞こえるかぁ!。殺されてまう!」
...ゴォォゴーーーーー ...
《...音声変換中...》
《...誰?...》
しめた!。
〈バカ者!。大きな声を出すな!。私の思念がトルカカに届かぬであろう!〉
さっきより光が、目の光が弱まっている。
明らかに。
今すぐや。
絶対にや。
止めなアカンやつや。
〈ブサイク!。貴様私を無視...................................................................〉
「坊や!。友軍や。装甲騎兵や!。ハイドラ軍。シムウォーカー アページ(qpeege474)。ワシは装甲騎兵隊 第152部隊 ファイヤーフォックス分隊 ag1997装甲騎兵 カルロス、カルロス•ドンキホーテや!」
...ゴゴゴ...ゴゴ...ゴゴゴゴゴォォーーーーー...
《...音声変換中...》
《...装甲騎兵の人?...》
笑ろた!?。
笑ろたぞ!?。
〈ち、畜生めが!。貴様の話など.........................〉
「そうや!。装甲騎兵や!友軍や!」
また、笑ろた。
大怪我しとるのに。
〈こ、この野郎!私を無視するとは!許さぬ!断じて許さぬぞ!このブサイクめが!〉
愛敬ある子や。
だが、目の光がまた弱まった...。汗
〈トル........................................................〉
「坊や行ったらアカン!絶対に!絶対にここを出たらアカン!」
...ゴゴゴ...ゴゴ...
《...音声変換中...》
《...行かなくちゃ...》
〈待.........................................................................〉
「殺されるぞ!悪いことは言わん!。」
...ゴゴゴ...ゴゴ...ゴゴゴゴゴォォーーーーー...
《...音声変換中...》
《...僕、怖いんだ。弱虫だから...。...》
〈私が癒...........................................................〉
「弱虫なんかやない!。坊やは!坊やは!一生懸命やった!あんな怖い怪物と戦った。その小さな身体で。もう十分や。もう十分過ぎる。ナジマ様もそう言うてくださる。」
また笑った...。
人懐っこい子ーや。
...ゴゴゴ...ゴゴ...ゴゴゴゴゴォォーーーーー...
《...音声変換中...》
《...装甲騎兵のおじさんの方が小さいよ。僕よりチビだ。...》
〈ま、待て!。ラプロス!。おまえの出る幕ではない!歴史を変える気か!ナジマが出てきてしまう!〉
「いや、俺はデカい方だ。装甲騎兵としては。な何て言っちゃったりなんかして。」
ワシは外に出ることすら出来ない。
ましてや、ボルボーレや犬神と対峙するなんて。
〈し、しまった!。ラプロスが出ては展開が変わってしまう〉
何て腰抜け。
〈何んだ?。ん?。んん。ギョエェェーーーーーーーっ!〉
おい、ドンキ!。
カルロス•ドンキホーテ!。
おまえはそれでも男か!。
...ゴゴゴゴゴォォーーーーー...
《...音声変換中...》
《...カエルたん♡...》
おまえの取り柄は勇気だったんちゃうんか!?。
アホでも...。
〈や、や、止めろーーーーーっ!指で押すなぁ!〉
しょうもない天然ボケでも、人のために一所懸命なことが、誇りだったんちゃうんか!。
...ゴゴゴ...ゴゴ...ゴゴゴゴゴォォーーーーーゴゴゴゴーーーーゴゴゴゴーーーー...
《...音声変換中...》
《...つんつん。カエルたん。つんつん...》
ドンキ!。
〈つ、潰れるーーーーー。うぐ!。や、止めろ。止めろ〜〜〜。ち、ち、ちゅぶれるぅぅ。...》
「ゴオラァァ!カエル!。黙っとけ!。邪魔すな!大切な話や!」
...ゴゴゴ...ゴゴ...ゴゴゴゴゴォォーーーーー...
《...音声変換中...》
《...もう、僕行くね?。助けに行かなくちゃ。サビオちゃんを。...》
震えてるのに...。
〈うぐぐ。潰されるか思た...ひぃぃ。〉
眉間からも血が...汗。
...ゴゴゴ...ゴゴ...ゴゴゴゴゴォォーーーーー...
《...音声変換中...》
《...兄ちゃん、今行く...助けに行くよ!...》
...ガッ...
...ドーーーーン...
「ま、待て!。い、行くな!。こ、殺され...行くようなもんや!。」
...ドッ...
....ズドーーーーーーン...
あ....あんなデカい化け物に。
...ガッ...
...ドーーーーン...
...ドッ...
トルカカは登って行く。
塹壕の外、満天の星空に向かって。
....ズドーーーーーーン...
鉄の兵曹が土の壁を伝って。
ワシにはこの子を引き留める権利も力もない。
どうしたら...。
何か、何とか...。
何か...。
...ガッ...
...ドーーーーン...
「トルカカーーー!」
...ドッ...
....ズドーーーーーーン...
...ゴゴゴ...ゴゴ...ゴゴゴゴゴォォーーーーー...
間も無く頂上や。
《...音声変換中...》
《...装甲騎兵のおじさん。ありがとう。僕頑張るよ。...》
さっきより確実に弱っている。汗
...ガッ...
...ドーーーーン...
「トルカカーーーーーーっ!トルカカぁーーーーーーー!」
...ドッ...
....ズドーーーーーーン...
「行ってはいかん!。殺される!」
...ガッ...
...ドーーーーン...
「トルカカーーーーーーー!。戻って来い!」
...ドッ...
....ズドーーーーーーン...
「トルカカーーーーーーーーーーーーーーーーーーぁ!トーーーールーーーーカーーーーカーーーーーーーーーーーーぁ!」
...ガッ...
...ドーーーーン...
ワシと同じ境遇やないか。泣
...ドッ...
....ズドーーーーーーン...
あの子はあの時のトロイとワシ。
ワシは勘違いをしてた。
...ガッ...
...ドーーーーン...
...ドッ...
....ズドーーーーーーン...
あの子は死ぬ気や。
《...あやや?。うひひ。うひ。エメド殿、ドラド殿。と、トルカカが!。トルカカが出てきましたぞ。出てきてしまいましたぞよ。...》
良し決めた!。
『...トル..カ.カが、出..てき...まし.た!...』
『...ダメ..だ!トル..カ.カ!ト...ルカ..カを...隠せ!...』
ワシが助けてやる!。
『...保...護..シー...ルド...発射...用.意...』
《...イモーランの巣に居れば、見つからなかったものを......》
トルカカ!。
おまえを助けてやる。
《...ドラドとワシでトルカカを隠そう。ジェイ!。ボルボーレを頼む。幻覚を見せるのじゃ。...》
《...あい分かった。うひひ...》
このワシが!。
《...ちょい待ち。ラムダが陽動ネットを発射する。...》
この命に変えて!。
《...では、ワシは陽動ネットに幻覚を仕掛けるとしよう...》
ワシに任せろ!。
トルカカ!。
〈ふん。笑。笑わせるな。貴様のようなブサイクに何が出来る?〉
ワシは、ブラックドッグ(超大型生体爆弾)を2つ持って出る。
我ながら緻密かつ勇敢や...ふっ。笑。
トロイとワシの分。
2人分は重いが。
エリザベス!。
頑張ってくれよ。
〈そんなおもちゃで魔獣が倒せるか。愚か者!笑〉
トロイ。
待っててくれ。
天国で。
他人に褒められた事も、尊敬された事も無いこのワシ。
だが...。
自慢できるものがある。
こんなワシでも。
誰かのために頑張れることや。
自分の正しいと信じた道を進めることや。
母さんがワシにしてくれたように。
そして、ビビりながらでもやり抜く勇気。
それは誰にも負けへん。
ブサイクでも、ダメ人間でもな。
自分に正直に生きていたら、自分が自分を許し、認め、尊敬してくれる。
それが自信と言うものや。
〈何をほざいている。笑。ブサイクめが。ん?。き、消えた...〉
「イヒヒヒヒ。カエル君!」
〈はっ!。汗。ブサイク!。い、いつの間に!。どうやって登って来た?汗〉
「おら!捕まえたど!」
〈うっ。や、止めろ!は、離せ!〉
「どやこれで!笑」
〈く、苦しい!や、やめてくれ!〉
「人にもの頼む時は止めてくださいやろ!フッフッフッ」
〈何だ!。何なのだ!。その邪悪な顔は〉
「おまえ確かイモーラン言うてたな?」
〈ハッ!汗。し、知らん!何かの間違いだ!〉
「何やと?。これでどや?笑」
〈く、苦しい...止めろ...ください〉
「イモーラン言うたら冥界の王よな?」
〈うぐっ。は、離せ!。だからどうした。〉
「一つ頼まれてくれんか?ひっひっひ」
〈貴様何を企んでいる!は、離せ苦しい〉
「ワシに力を与えろ!イモーラン!ギオニソス山でペルセソスに貸したように」
〈こ、断る!。貴様になど〉
「なぁーにぃーー?。イヒヒヒ!ええのんか?こちょばしてまうぞ!ごらぁ!」
〈うぐぐ。う、ぐ、つ、や、止めろ。ウハ、ウハハ...や、止めて...く、くすぐったい。止めろぅぅ。く、苦しい。わ、分かった、分かったから、離せ!〉
「早よせい!先に力を与えろ!もっとこちょばされたいんか?!ゴォラァ!」
〈だ、ダメぇぇーーーーっ。汗。わ、わ、分かったから、は、は、離してくれ...〉




