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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
273/364

ダヌアの空に110


モニター一杯に映る80mの巨人。


ササーンの両腕が燦然と光っている。


...バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ...


「行け!。」


ガレスの低く吠えるような声。


水色のシャツ。


背中までぐっしょりと濡れている。


ラウルもナイジェルも立ち上がる。


危ないわ。


何回言えば分かってくれるのかしら...。


「ヘザー。ロベルトのバックアップお願い。」


「分かりました。」


...ガチャン..ガジャ...ガジャァ...


ヘザーがシートを移動する。


ベルトのフックをつけかえて。


銀色の重厚なフックを防御バーh8に。


アタッチは剥き出しのジニリウム。


これなしには、誰も生きてはいられない。


衝撃波が来たら叩きつけられて、全身がグチャグチャに。


...ググググゥゥゥ...


固定ベルトが締まって行く。


この潤滑油みたいな匂い...。


好きになれない。


「来るよ!。」


明王が手を交差する。


...ババババババババババババ...バリバリバリバリバリバリ...


...パウゥゥッ...


...きゃぁぁぁ...


...うぉぉ...


...


...


閃光ゴーグルが意味をなさない。


ま...眩しい...。


焼けそうなほど。


脳の中まで真っ白。


「どうだ?!。」


ロベルトまで...。


MDAプロンプターを肩まで押し下げながら。


凝縮したエネルギーの塊は電光石火。


掌を離れてからは。


光との違いは初速が0ってこと。


ササーンの放ったエネルギーの塊が2匹のけだものを捉える。


来る。


「みんな!。座って!。お願い!。」


ロベルトの顔には数字の滝が流れたまま。


「あぁ。」


この....汗。


大きい...。


「来るわ!。総員耐衝撃!。」


頭から光に呑まれていく。


地上からそびえ立つ巨人が。


スローモーションのように。


...ッ...


炸裂した...。


...


...ッッ...


...ッ...


...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


きゃぁぁ。


...キャーーーーーーーーーーーーーーーー!...


リタの悲鳴は豪快。


彼女は冷静な分、何て言うのかしら。


その...落差がある。


...ガガガガカガガガガカ...


遅れて来る衝撃波。


...ガン...ガギィ...ガギィッ...


激し過ぎる。


クッ...。汗


く、首がもげそう。


...ウゥッ...


...クッ...


みんなの呻き声。


一体、何十万回、いや、何百万回耐えれば良いのかしら...。


...ガジャァーーーーーン...


何か落ちた...汗。


艦体もかなりガタが来てる。


クリティカルじゃなきゃ良いけど。


「当たったわ!。見て!。」


リタが。


モニター1。


重い煙が落ちていく。


...ゴゴゴゴゴゴゴゴ...


大きな大きな塊...。


火の粉と一緒に。


これで終わってくれたら。


何もかも。


クロエ、リリー...待っててね。


ママ必ず帰るから.....。


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


また閃光が炸裂する。


犬神ゾアーグ達の胸で。


...おぉぉ...


「ま、また、め、め、命、命中したぞ。」


...おお...


...凄い...


...ピィィーーーーーーーーーィ...


ロスターの指笛。


「やったぜ。」


またロスターが踊ってる。


レイドのリズム。


浮かれ過ぎだわ。


「ロスター!。座って!。」


「ロベルト。外郭をケアだ。」


「ハッ。艦長。」



あれは...。


青い大きな...。


肉片...。


飛び出して落ちて行く。


青い巨大な肉片。


ラムダより大きな肉片。


金属の塊に近い。


あんなのが直撃したらこの艦は終わり。


一貫の。


「爆発の規模...8テラジューン。やっぱり違う。1000倍以上。」


...ボゥゥーーン...


ヘザーはこの戦いでエネルギー解析を覚えた。


腕はかなりのもの。


...ゴゴーーーーーン...


ロベルトのサブとして活躍してる。


デューンの戦力が私達の想像を遥かに超えていた。


だから未だに、生物兵器戦。


暗号•言語解析の機会があまりない。


第二エネルギー担当クレマンは残念ながら、序盤で亡くなった。


そう。


カリギュラーのモジュラーヒューズを変える時、衝撃波で壁に叩きつけられた。


率先して、みんなをサポートする人だった...。


私がもっと気を配るべきだった。


悔みきれない。


...ボゥゥーーン...


爆発はまだ止まない。


犬神ゾアーグの上体で連鎖し続けている。


これは一つの街を消滅させるほどのエネルギー。


犬神ゾアーグだって無傷ではいられない。


...ゴゴ...ゴ...


倒れる?。


あぁぁ...。


「きゃぁぁぁ。」


犬神ゾアーグ!。白!。倒れます!。汗」


「あ、あ、青もだ。あ、あ、青も!。」


巨人が倒れて行く。


超高層ビルが倒壊するように。


黒煙を引きずりながら。


ゆっくりと。


「影響範囲を演算!。ロベルト!。」


「手を離せない!。ラウル!。頼む!。」


「アイ•アイ•サー。」


...ゴゴゴ...ゴゴ...ゴゴゴゴ...


少しづつ加速して行く。


超高層ビルとは比較にならないほど重い。


肉片が飛び散るだけでイブラデ達には致命的。


....ゴォオーーー....


「た、倒れた!。」


「ヒッ。」


200mの犬神ゾアーグが倒れた。


集音器が地鳴りを拾ってる。


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


モニターの映像から遥かに遅れて。


....ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...


どす黒く猛り狂った爆炎が塊になって広がって行く。


溶岩の雪崩のように。


...キーー...ーーーー..ーーー..ーーー...ーー...


ササーンの炉の爆音すら掻き消して行く。


...チカッ...


「光ってるぞ!。」


...カッ...


「ササーンから高エネルギー反応。ササーンの出力更に上がります。」


ヘザーが叫ぶ。


「ササーンが最大出力で撃つわ!。みんな!。耐閃光、耐衝撃用意!。次のは強いわよ!。」


勝てるかもしれない。


確かに、サクラの力が、ササーンやタイクーダイの本来の強さを呼び戻している。


犬神ゾアーグの妖力を完全に封じてる。


「ササーンが粒子線放ちます。エネルギー量 567兆カルーデラ。」


「今度こそ最後だ。覚悟しやがれ。5つ目野郎!。」


「ねぇ。エマ!。あの目。あの目を見て。白目が無くなった!。」


犬神ゾアーグの目。


ケラムの生き物と同じ。


巨大な複眼。


無数の目が集まって、黒目を作っている。


白目も同じ。


血走っていた白目まで真っ黒になって行く。


こんなことは初めてだ。


悪寒が止まらない...。


「な、ダメだ!。目を見るなエマ!。リタ!。」


艦長?!。


はっ!。汗


し、しまった!。


「あぁ....。」


私としたことが。汗


何てことを。


目が...目が...。


焼けるように熱い...。


ダメだ立っていられない。


何て迂闊なの。


何てバカなの。


私としたことが。


倒れる...。


力が入らない...。


あぁ...。


しまった。汗


...ガッ...


ジャイロが、艦長が...。


だ、抱き止めてくれた...。


大丈夫。


「...うぅぅ....。」


ごめんなさい。


自分で何とかするわ。


大丈夫。


持ち場に...。


「ぉわあぉおぁ 。」


喋れない!。


こ、これが私の声なの!?。


狂った獣物けだもののような声。


ごめんなさい...。


「リタ!。君は大丈夫か!?。


「は、はい。汗。すみません。私...。」


「苦しいのか?。待ってろ。何とかしてやる。血が..汗。大丈夫だ。ヘザー!。ラウル!。手伝ってくれ!。」


ダメ...。


口も手も上手く動かない。


鉛のように重い。


「あぁ...い、今手が...。」


「誰か!。影響範囲が出るまで無理だ!。」


...ガチャ..ジャン...


「あ、わ、私が!。クレランス!。暫くお願い。」


「ああ。頼むぜ。」


...ドダ...ドダ..ドン....ドタ...


「イーシャスすまん。助かる。ちょっと支えてくれ。」


サクラが押さえ込んでるけど、あの5つの眼は魔物の目。


私としたことが...。


ごめんなさい...。


あぁ、力が入らない。


だんだん視界が狭くなって行く。


何とかしなくちゃ。


無理やり折り畳まれて瓶に詰め込まれるような恐怖。


苦しさ...。


助けて...。


引き込まれて行く...。


...パンパンッ...パン...


ジャイロが私の頬を叩く。


だめ...い、息が出来ない。


「寝たらダメだ!。エマ!。エーマ!。しっかり者のお前が何で...。エマ!。寝ちゃダメだ。目を!。目を開けろ!。ほら!。エマ!。エマ!。」


油断をしてしまった。


私としたことか...。


ジャイロ...。


必死に揺り起こそうとしてくれる。


悪い物を飲み込んだ赤ん坊みたいね。


私...。笑


でも、私...。


ダメかもしれない...。


強く抱きしめて、激しく、でも優しく揺り起こしてくれる。


細心の注意を払って。


強面だけど本当に優しい人。


最近は無口で表情も変えない。


任務以外、口をきくこともなくなった。


変えてしまったかと思ってた。


ゾーグのこの過酷な荒野がみんなの心を。


でも、温かい人。


あの時のまま。


あなたは。


変わっていない。


あなたに会えて良かった...。


あなたの部下で良かった。


ゾーグは死と隣り合わせ。


あらゆる場所に落とし穴がある...。


...沈んで行く。


目蓋が重い。


まるで海の底みたい。


ジャイロの声が遠くなって行く...。


私ホントにダメかもしれない...。


「....エー...!。こ.......を..見..!。目........開...け.......!。エ...マ!。......マ..!。馬......野.....郎!。エ......!。あ.....。汗。娘...達..どうするんだ!。泣。あの子達を放って行く気か!。エマ!。」


ハッ!?。


死ねない!。


死ねないわ。


あの子達を残しては。


あなた。泣。


パパ。


力を貸して。


私に力を貸して。


私を娘達のいる世界に戻して。


お願い。


クロエ!。リリー!。


嫌よ。


何とかしなくては。


「目を開けろ!。」


ジャイロが目蓋を開こうとする。


「ダメ。エマの目蓋が破れてしまう!。」


私の目蓋。


鋼鉄の扉よりも重い...。


「ひっ...目蓋が!。エマの塞がって行く。無くなって行く...。」


犬神ゾアーグの呪い...。


迂闊だった...。


「このままでは死んでしまう。少しでもこれが見えれば...。イーシャス!。お前も目を閉じてろ!。危険だ!。」


《...それを目に当てて。...》



「サクラ!」


サクラ?。


「私も聞こえました!。艦長!。」


サクラ...。


「こうか?。これで良いのか?。」


何か目蓋に...。


石...?。


《...そうです。私が力を送ります。...〉


絡みついていた重石が解けていく。


冷たい。


《...また、犬神ゾアーグが力を盛り返しています。...》


気持ち良い。


これはトヨコ様の首飾り...。


見なくても分かる。


あの方の優しさと同じ心のときめき。


孔雀鹿の角。


手に乗る綺麗な青と緑の鹿の。


少しずつ楽になって行く。


「奇跡だわ...。エマの目蓋が。元に...。」


「ふう....。」


サクラがまた盛り返した。


「大丈夫だ。エマはもう大丈夫だ!。みんな!。持ち場に集中してくれ!。」


身体が軽くなって行く。


「エマ。これを持っていろ。目に当ててろ。」


「ジャ....イロ...。これは、ト...ヨコ...様からあ..なたに...。」


まだろれつが回らない。


ジャイロは風土病に侵されている。


ゾーグ特有の。


しかも重度の。


身体が少しずつ固くなって行く。


症状が出始めてしまった。


最後は心臓も脳も石に...。


サクラと犬神ゾアーグの戦いが時間軸がねじ曲げている。


「ササーン撃ちます!。」


「影響範囲より退避完了。」


「総員耐閃光、耐衝撃。」


...ガチャ...ガジャ...ガジャン...


...


...パゥゥゥゥババババババババババババババババババボボボボボボ...


ササーンからの音。


高圧電流が流れるような音。


集音器が拾ってる。


さっきのとは比べ物にならないほど大きな音。


まるで大気ごと爆発しそうなほど。


「エマ。もう大丈夫だ。しばらく休め。良いな?。イーシャス。エマを頼む。」


...バチィィ...バチ...バチバチ...バチィィ...バチバチバチバチ...バチィ...


「了解です。」


...ブゥオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォ...


「見ろ。ササーンの奴。さっきより光がデカいぜ。」


光が増して行く。


...バチィィバチィィバチィィバチバチバチ...


「これで犬どもも終わりだな。笑。」


....キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


「エマ。大丈夫よ。瞳孔は反応してる。」


イーシャスがペンライトをしまう。


犬神ゾアーグめ。粉々になっちまいやがれ。笑」


...バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ...


「エネルギー規模、866兆カルーデラ。臨界です!。」


ぼんやりと見えて来る。


三日月型の粒子の光が...。


「エマ。戻るわね。無理しないで。」


イーシャスがそっと背中を抑えてくれる。


「ありがとう。」


ササーンが腕を交差する。


...


何かしら...。


胸騒ぎがする。


はっ!。


『...キ.ャ...ア...ア....ァー......ーーー....ー...ーー...』



「サクラだ。サクラの声だ!。エマさん。」


ラウルが振り返る。


『...サ...ク..ち...ゃ..!。待..っ.....て!。ウ...チ......も..す.ぐ...着..く!。も........少..し....け!。...』


「..ガレス。犬ども。ありゃ何やってんだ?。..」


「..覚悟決めたんじゃねぇの?。笑..」


いや、待って...。


こんな動き想定していない。


ペルセアのデータに無かった。


「何だ?。エマ分かるか?。」


ジャイロも...。


やはり...。


犬神ゾアーグが片膝を着いて向かい合ってる。


両腕を胸で交差して。


「おい!。エマ!。コスケールだ!。これは。」



コスケール...?。


壁画!。


確かに!。


向かい合う血だらけの獣の神。


最高神ペルセソスの神話。


魔神獣の巣窟 ギアニソス大火山の戦い。


最高神に反逆する魔神達の序章...。


まるっきり同じ....。


えぐれ、体液だらけの胸の前で腕を組んでいる。


...BOOBAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA.....


犬の遠吠え。


巨大艦の警笛より太く重く、そして激しい咆哮。


『...キ.ャ...ア..ァー....ーーー...』


『...サ...ク..ラ...ん..!。ウチ.......今..行.....よ!。...』


...BOOBAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA.....


「キャアァァーー。」


「断末魔じゃ無さそうだぜ...。」


「な、な、仲間をよ、呼んでいる、みた、みたいだ...。」


仲間 ...?。


「ササーン!。どうした!。」


....BUUUUUUUBOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOBUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUBOBOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO....


とんでもない爆音...。


ゾーグ全体に反響してる。


月がすっぽり入るこの広大な大地に。


「ササーン粒子線透過!。ササーンの粒子線透過しました!。」


え?。汗


「うぉ...。汗」


え....汗。


「と...透過しただと!?。汗」


巨大な光の刃が雲の中に消えて行く。


「マジかよ...。汗」


「て、て、てぃて...ティゲル隊!。は、は、離れて!。早く!。は、早く!。」


「何だ....これ。さ、ササーンが近づけねぇぞ。」


...バシュウゥ...


コンテナから火花が...。


「な、ナイジェル!。アフロダイ ソナーが!。アフロダイ ソナーが!。」


「な、な、何だって!?。汗。も、も、もう、よよよ、よ、予備のパーツが...。」


サクラがまた押されててる。


この悪神に。


...BOOOBAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA.....


犬神ゾアーグが復活して行く。


今までのダメージを帳消しにして行く。


これが神の力...。


....BUUUUUUUBOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOBUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUBOBOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO....


「ひぃぃっ。」


鼓膜が持たない。


「きゃぁぁ。」


「うわぁっ。」


「見ろ!。虹色の光が!。」


え...。


虹色の光...。


犬神ゾアーグに、虹色の光。


まさか...。


こ、これ...。汗


「艦長!。」


ジャイロもこっちを見てる。...。汗


まさか...。


「まさか...。」


「ろ、ロベルト!。何だ?。これは何だ!?。」


「ま、待って下さい。こ、こ....れ...波形一致、複合、スピン、け、け...結合、結合子...右連結...陽極性.....。これは.....。」


これ...まさか。汗


「ロベルト!。どうした!?。」


「ぷ、ぷ、プリズムシールドです...。」


「何だと....。」


全員が一斉にロベルトの方を向く。


「だが、何を呼んでる?。」


「更なる災厄?。」


「まさか。エネルギーは集まってねぇはず。」


「まさかボルボーレを?。」


「大丈夫よ。見て。ボルボーレはここにいるわ。320km後方に。」


ボルボーレの身体で幾つもの爆発が起きている。


タイクーダイの黒輝線の集中砲火の直撃を受けて。


どう見ても押してる。


「もし、高速移動が可能なら...。」


「キリークと同じ移動は出来ないはずよ。」


「出来ても1時間はかかる。320kmだぞ?。その時にゃゾアーグは死んでる。」


「おい!。見ろ!。ササーンの攻撃が当たってない。」


「え?。」


「何だって?。」


...BOOOBAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA.....


...うわぁぁぁ...


...キャアアアア...


...おぉぉ...


...ひっ...


...BOOOBAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA.....


凄まじい音量...。


....BUUUUUUUBOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOBUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUBOBOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO....


...きゃぁぁ...


...うをぉぉ...


....


..


...


「き、き、消えた...。」


え?。


【...ど...した。ど..こ........た!?。...】


「ナイジェル。なぜペネループの音声を?。」


「消えたのよ!。艦長!。エマ!。これを見て!。」


「何が消えた?。」


「な、何が消えたの?。」


【...レーダ....上...見...か.....い。半径10....00キ....圏...。反応.....あり......ん。...】


「ま、ま、ま、間違い無い。」


まさか...。


「戦隊オールでも見つからないわ。」


「り、り、リタ。じ、次元レーダーを。」


「了解!。」


ハッ!。汗


計器がもの凄いスピードで。汗


「ロベルト!。グロスメーターを見て!。」


「え?...な、な...何だこれ....。汗」


【...ボル...ーレ消...ま...た...】


【...そん....は...無い...ろ...!。ち...ん...探....!300....生き....が......んな....単に....】


「おい!。あれ!。」


ロスターがモニター5を。


「何だあれは!」


「うわぁあっ!。」


地上に巨大な雲。


雷雲のように蠢いてる。


大きい。


「...艦長!。イチヨンまで上昇します!。...」


「分かった。」


「次元レーダーには何も..。」


「何?ボルボーレが消えた!?。」


ガレスがペネループと通信してる。


【...そちらに行ったかも知れません...】


「何を言っている!」


「高エネルギー反応!」


【...い....い...し...!。副....!。攻撃....の南...距離...4....】


「あのデカい雲、動いてるぞ。」


地上の雷雲。


ゾーグでは良くある。


「エマ!。おかしいぞ!。あれは陸雲じゃない!。」


それ以外に一体...。


【...き、距....距....400...】


400って...。


更に後退した?...。


「ボルボーレです!。」


え?。


雷雲が虹のように。


壊れたテレビのように何かを映し出す。


「キャアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!。」


巨大なイモ虫。


いえ...。


耐熱甲殻を来たクマ...。


巨人にも見える。


「きゃぁぁぁぁ!。」


「わ、ワープしてこっちに来た!。」


え?。


「うをぉぉあぁぁ。」


「何だこれ!。何だこれ!。何だこれ!。」


ビルよりも大きな6本の脚。


聳え立つ山のような身体。


え?。


え?。汗


ひっ...。汗


こ、これ....。


これ...ぼ...ボルボーレじゃないの...汗。


どうしてこんな事に...。


...ガシャ....ガシャ..ガシャン....


「うわあぁぁ。」


「キャアーーーーー。」


艦が激しく揺さぶられてる。


...バリ..バリ...バリバリ..バリ...バリ...


みんな掴まるので必死。


「ボルボーレだ!。」


な...なぜここにいるの...。汗


...ボォゥゥン...


「狼狽えるな!。落ち着け!。みんな落ち着け!。」


...バリバリバリバリバリバリバリバリ...


「エマ何をやってる!。墜落するぞ!。」


...トゥルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル...


ハッ!。汗


しまった!。


「クレランス!。き、緊急離脱!。総員!。耐衝撃!。最大船速上昇!。上昇して!。」


..トゥルルルルルルルルルルトゥルルルルルルルルルルトゥルル...


「まず回避だ!。イーシャス行くぞ。」


「了解!。」


...ドゥンドゥンドドドドドドドドドドドドドゥンドゥンドドドドドドドドドドドド...


...トゥルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル...


...トゥルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル...


...ドゥンドゥンドドドドドドドドドドドドドゥンドゥンドドドドドドドドドドドド...


...ドゥンドゥンドドドドドドドドドドドドドゥンドゥンドドドドドドドドドドドド...


...トゥルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル...


...トゥルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル...

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