ダヌアの空に109
マジか!?。
マジか!?。
こう言うときゃこのゴーグルが!。
レイドのリズムが熱いぜよ。笑
良く見えやがるぜ...チキショー。
最の高てのはこのことよ。
ヨゥ。笑
だが...。
あんなデけぇのが一気に崩れちまった。
ヨゥ。
マジで?。
良く見てみてみねば。
この特別ゴーグルでよ。
「なぁ、兄弟...。」
?
「よぉ。おっさん!。」
あ?。
「ガレス!。」
ダメだこのサラディーンは。
モニターに釘付けになってやがる。
鼻水垂らしてよ。
厳つい顔してピンクの鉢巻してよ。
情っけねぇ顔しやがって。笑
チビ達がやられんのただ見てる。
備えろっつーの。
やれること探せっつーの。
途方に暮れてねぇで。
あ?怒
!
あ、あれ?。汗
か、艦長....。
やけに背中に殺気を感じると思った。
お、俺?汗。
な...なんで?。
俺にキレてる。汗
最近良くキレる。
怖過ぎる...。
イライラして床踏んで叫んで。
「アーーーっ!。」
ヒッ...。汗
...ドンッ...
顔を真っ赤にして。
色が白れぇから耳まで真っ赤だぜ。
まるで赤鬼。
分かるけどよ。
分かるんだけどよ...。
可愛いチビ達がまた喰われそうになってる。
艦長はチビ達を子供みたいに思ってる。
そんなん俺も一緒だぜ。
深刻になってどうする?。
知恵もわかねぇだろ。
こんな時こそ。レイドのバイブスに乗ってよ...。
ただキレても意味ねぇ...。
そんなんガキでも出来る。
だが...艦長はすげぇ人だ。
緑の目。
白髪混じりの揃った短髪。
強面で俺たちにゃ表情すら変えねぇ。
腕相撲でも良い勝負だ。
格闘技バギヤ世界チャンプのこの俺様と。
俺は264cm。
ガレスは313cm。
艦長は188cmしかねぇ。
だが鍛え抜かれてる。
流石に歳で少し弛んでるが。
これ言うとキレるけどよ...。
俺はガレスにゃ負けねぇが、艦長にゃ敵わねぇ。
先週のクルー全員の艦外食事会。
(2、3ヶ月毎にやってるぜ)
俺が腕相撲で勝っちまったら、次の瞬間にゃあ落とされた。笑
冗談キツイぜ。笑
俺があまりに起きねぇから、ヘザーが驚いて水ぶっかけやがった。
頭だけで良いのに。
何かご丁寧に全身にぶっかけてくれてよ。
ずぶ濡れよ。
ガレスと俺で大爆笑よ。
俺やガレスにとっちゃ、単なるジョークだが。
普通の奴なら死んでるがな?。笑
ジャイロはヒドゥイーンタイガー隊。
全体の1%にも満たない選抜隊さ。
ダンもジャイロもそこのレッドベレーだった。
まじすげぇ...。
ライバルで凌ぎ削たって話だぜ。
ダンはジャイロの3個下。
ダンがストレートでトップベレーに上り詰めたのに、艦長は3回も落第してる。
ギリで昇格したって噂だ。
艦長は実は苦労人なのさ。
艦長はいつもダンの下。
しかも万年ダンの部下。
別の配属になりゃ艦長だってデケェ大隊任される格なのによ。
俺なら耐えらんねぇぜ。
ライバルの部下になるなんて。
しかも3つも年下。
俺は3年しかジャイロの部下じゃねぇが、愚痴を聞いたことはねぇ。
兵士の中の兵士だぜ。
あの人はよ。
あぁ。
そんで2人ともアンヌ提督の直系の部下だ。
ダン少佐はもう還らぬお方となっちまったが...。
「ラキティカ10体、バルバロイの群れに接近。交戦を開始します。」
...おっ。
間に合ったな...。
これでチビ達は安泰だ。
...ドーーーーーーン...
...ドーーーン...
...チカッ...
ラキティカが粒子線を吐き始めた。
...ドン...ドーーーーーーン...
...チカッ...チカッ...
これがあるからラキティカは強い。
赤、緑、黄、青。
色んな色の閃光。
不謹慎だが綺麗な光だぜ。
...ドーーーーーーン...
バルバロイの首や腕が空高く舞い上がる。
黒煙と共に。
...ピッ..ピッ...ピピピピピピピピ..
レーダーの青い点が無数の赤い点に合流する。
...ピーーーーーーーーーーーーー...
「ラキティカ。バルバロイの群れと合流。」
ラキティカが手当たり次第バルバロイを殴りつけて行く。
一撃で面白れぇようにバルバロイが倒れて行く。
ラキティカ無双てな。
一騎当千てのはこのことだ。
戦い方はまちまち。
打撃で戦うやつ。
シャコみてぇなバルバロイが簡単に吹き飛ばされる。
一撃で甲殻が粉々だ。
力で突き進むやつ。
デカい赤鬼を押し倒し引き摺ってやがる。
まるでレスラーとガキ。
相手の力を利用するやつ。
巻きついて破壊するやつ。
刃のような爪で切り裂くやつ。
クジラの腹みてぇなバルバロイを切り裂いてる。
確かドゥボンて奴だ。
力の差がハッキリとしてる。
殺人ダコが地面でボロ切れのように踏まれてる。
全くラキティカに相手にされちゃいねぇ。
角や甲殻で突き刺すやつ。
ワニ人間が身体中穴だらけになって倒れて行く。
次々と。
空中に跳ね上がるやつ。
武器を使うやつ。
ラキティカになれば、ここまで強くなる...。
逆に毒を吹きかけるやつ。
身体から電撃を放つやつ。
逃げ惑うバルバロイを追い込んで逃がさねぇ。
打撃で爆発を起こすやつ。
完全に立場が逆転してる。
バルバロイがまるで図体のデカい赤ん坊みてぇだ。
少し哀れだ。
「バイスダルカンチーム。イッサカル、ポルシト、シメオン、スードラ、エフライム。犬神を包囲しました。」
!
メインモニターにバイスダルカン〔※〕達が映し出される。
〔※バイスダルカン : ダルカンに次ぐラキティカ〕
5体のバイスダルカンと10体のラキティカ達が犬神2体を包囲してる。
バイス達はみなデカい。
みな50m超え。
エフライムは80mだ。
見たところ犬神の打撃はバイス達にゃ効いてねぇ。
腕力にもさほど差はなさそうだ。
ラキティカ達は鍛え抜かれた明王。
低級な悪神など相手じゃねぇ。
覚悟しやがれ。
犬の化け物が。
年貢の納め時だ!。
年貢?。
...汗
イッカサルが青い犬神片脚を押さえ込んだ。
3分の1の大きさも無い明王に犬神が振り回されている。
...ドーーーーーーーーーン...
イッカサルがゾアーグ(犬神)の脚を殴りつけている。
...ダーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
脚が陥没し始めた。
イッカサルはラキティカ筆頭。
1番ダルカンに近い。
こいつは取り分け気性が荒い。
この真紅の兵曹は、攻撃力が圧倒的。
言うなら6つ目のメカゴリラ巨人だ。
闘犬にも似ている。
!
...ゴゴーーーーン...
反対の脚をエフライムが掴んだ。
山の兵曹。
白い炎を纏っている。
...バリバリバリバリ...
...バチィィィ...
放電翼がスパークしてる。
鳳凰の羽根みてぇな。
エフライムは犬神の半分もない。
だが、80mは半端なくデカい。
考えても見ろ。
デカいクジラのその3倍だぜ?。
ドデカいだろ。
そして。
龍属性の角から放電している。
かなりのエネルギーを出力してる証拠だ。
バイス達の攻撃は、イブラデや人間の兵器のように透過したりはしねぇ。
何故かは分からねぇが。
ラキティカになるかならねぇかは、上の存在に攻撃が当たるか当たらないからしい。
....ゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
シメオンが黒輝線を吐いた。
黒い身体を持つ大闘技北軍のラキティカ。
今は亡き北軍の伝説のダルカン。
バール•クゥアンの意志と炎を継ぐ。
...ドゥゥーーーーーーーーーーーーーーーン...
犬神の胸で炸裂する。
胸のデカい飾りが吹き飛んで行く。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
5つの目と4本の腕を持つ邪悪なメイファンの戦士。
だが、同時に正義と真実を表すシカムの青い光を纏っている。
防御型の兵曹で地味で打たれ強い。
が、追い詰められた時に繰り出す技はとても強い。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
煙が噴き上がる。
大木をなぎ倒すように、3体のダルカンが犬神を責め立てる。
ポルシトが白い犬神の蹴りをいなす。
イッカサルとは対極的な静のラキティカ。
メロウの光が細長い4つの目から迸ってる。
スードラとシエルがポルシトを援護をしてる。
スードラは緑の光を纏う、青い女明王。
...バリバリバリバリバリバリ....ブチッ...バリッ...
羽衣のような放電翼から火花が飛び散ってる。
...バス..バス...バババ...バスッ...
スードラの放った、無数のエネルギーの矢が、犬神の胸を貫く。
犬神を追い詰めて行く。
「良いぞ!。もう少しだ!。」
ガレスと目が合う。
奴は俺と同じこと考えてやがる。
犬神をラキティカで倒せれば、ボルボーレ打倒も夢じゃねぇ。
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
「あぁ...。」
ガレスが慌ててる。
「こっちもだ。」
....ググググ...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
白と青な同時に口を開きやがる。
ヤバい。汗
口が顔面から裂ける。
尋常じゃねぇ開き方。
口の中には炎が渦巻いている。
「おい!。イッカサル!。」
ガレスもヘッドセットを手に取る。
俺と同時に。
「熱線を吐くぜ?。」
イッカサルもエフライムもゾアーグの脚を離した。
...ゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーー...
ラキティカが一斉にシールドをはる。
大きな球状の光がラキティカとイブラデを覆う。
エネルギーのシールドだ。
ポルシトとスードラも加わった。
途轍も無くデカくて眩しいエネルギーのシャボン玉。
熱線の直撃から仲間を護るため。
犬神達は、延々と熱線を吐き続けてる。
2匹同時に。
何て威力。
イッカサルですらどうしようもない。
ただただ巨大なバナーに炙られてる。
ラキティカ達はシールドで手一杯だ。
苦しそうだ。
...ズゴーーーーーーン...
...ドーーーーーーン...
...バギィ...ゴゴゴゴゴゴゴゴ...
犬神が手当たり次第ラキティカを蹴りつける。
熱線を吐きながら。
光の膜は打撃にゃ無力だ。
「おぉぉ...犬神が...犬神の身体が回復していく。」
マジか?!。汗
ど...どう言う仕組みだ。
....ゴゴゴゴ....ゴコーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
熱線の威力が増していく。
シメオンが溶け始めた。
「これ...臨界を越えそうだ。」
ロベルトが言う。
やべぇ。
...チカッ...
「キャァァァァァァァァーーーーーーーーー」
....
...
...ッ...
....ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
うぉぉぉ。
ば、爆発した...。
...ガキィ...
衝撃波で壁にヒビが...。
ラキティカ達が散り散りに吹き飛ぶ。
モニターに見えるフィギュアみてぇなラキティカ達が。
シールドも...。
黒煙が噴き上がる。
....ググググ...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
犬神達がまた口を開く。
こいつらにはチャージも余熱もねぇみてぇだ。
やべぇぜ。汗
「いかん...。」
ガレスがまた汗だくになってる。
...スドーーーーン...
...ドドーーーン...
黒煙の中から一体の兵曹が犬神に向かって行く。
傷だらけで立ち向かって行く。
たった一人で。
煤だらけの身体。
左腕が溶けてしまっている。
イカしてるぜ。
だが...。
イッカサルには何の秘策もねぇ。
多分。
「た、盾になる気だぜ...。クソ...。何も出来ねぇのか...俺たちはまた。クソッ!クソッ!クソッ!。」
ピンクハチマチがハゲ頭をかきむしってる。
顔を真っ赤にして。
...ゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーー...
...ドーーーーーーーーーーーーン...
...バゴーーーーーーーン...
白と青が交互にイッカサルを踏みつける。
熱線で焼きつけながら。
イッカサルは防戦一方。
頭を蹴られてる。
奴の自慢の角が砕けて折れた。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
イッカサルの目が割れる。
車のライトのような。
綺麗な6つの目が。
やべぇ。
こりゃリンチだ。
容赦無く踏みつけやがる。
甲殻に亀裂が入った。
頭を踏み潰す気だ。
頭を踏み潰してしまう気だ!。
「に、逃げろ!。」
残酷で見てられねぇ。
「犬神がこっちを見てるわ。」
エマが艦長を見る。
「次は貴様らだとでも言いたげだな。」
艦長が唸るように呟く。
犬神を睨みつけながら。
『...こちらTT 6!。イッカサルの援護に入る。バックアップを開始する!。...』
...ゴゴゴゴーーーーーーーーー...
「うわぁぁ。ば、バカ....。」
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
黒煙と破片が地上降って行く。
「TT6消滅!。」
「ティゲルワンが堕とされた...。汗」
何とかなんねぇのか...。
見てられねぇ。
犬神がまたイッカサルを見てる。
....ググググ...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
口を開き始めた。
2匹ともシンクロしてる。
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
イッカサルは動けねぇ。
かなり身体が溶けている。
苦しそうだ。
....ゴゴゴゴゴゴゴゴ...
業火がトグロを巻いてやがる。
万事急須...。
...
ぁぁぁ...
い、イッカサル...。
...
!
...パウゥゥッ...
眩しっ!。
「うわっ!。」
「キャッ!。」
「うーわっ。!」
「キャァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー。」
...
.....
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...バギィ...
...ガン...
き、軋んでる。
...ドドドドドドドドドドドドゴゴゴゴゴゴゴゴ...
ラムダ13が...。
激しく揺れてる。
デケェ黒煙が犬神を覆ってる。
何だ...これ。
桁外れの衝撃...。
何だ....。
もう終わりか...。
俺たちは....。
!
何見とれてんだ!。
レーダー!。
「おい!。レーダー!。ナイジェル!。」
「さ、さ、ササーンがく、く、来る。き、距離な、700。そ、そ、速度914。」
!
ササーン。
ササーン!。
来た?。
来てくれた?。
助かったぜ....。
だが914...。
す、すげぇスピードだ。
ブチ切れてるぜ、こりゃ。笑
「ササーンが来た...?。」
このオヤジ、キッモ。
手ェ組んで泣いてるぜ。
乙女か!。
「ササーンの粒子線がゾアーグに命中。」
リタが振り返る。
撃ってくれたのか...。
やっぱ、ダルカンの粒子線はケタが違う。
「右急旋回用意。」
クレランスは冷静だ。
「チーフ。さっきからまた重反転が無くなってるわ。」
「了解。まず回避だ!。行くぞ!。イーシャス!。」
...ブゥオッ...ブゥゥオッ...ブオッ...
「アイ、アイッ、サーーーーーーーーー!。」
イーシャスが全体重を操舵桿にかける。
動きがまるで慣れたオヤジだ。
ゾアーグの羽根が掠めて行く。
「うをぉぉぉ...汗。」
ギリで。
回転しながら。
あの羽みてえなデケェ白い模様。
何でできてんだ?。
偉く重そうだ。
金属でも木でもねぇ。
青の犬神がまた体液だらけだ。
白は膝を突いちまってる。
「艦長!。ササーンから入電。」
「良し繋げ。エマ。ラウル。サポートを。」
「了解。」
「了解。」
《...我、東ダルカンササーンなり。ゾアーグとは我が交戦す。バイスダルカンは直ちにラキティカを援護。バルバロイを殲滅せよ。...》
流石ササーンだぜ。
《...御意...》
《...仰せのままに...》
《...承知...》
《...御意...》
《...仰せのままに...》
バイス達の声だ。
シメオン達が下がって行く。
どうやってパスタップに入ってるのか分からねぇが。
《...ラムダ13。我々の神官の護衛が急務だ。...》
ん?。
俺たちにか?。
「トヨコ様は亡くなったわ。ササーン。」
《...分かっている。トヨコの後継者がいるのだ。我々の新たな霊的守護者が。南南西の方角。何者にも護られず、驚異に晒されている。...》
「トヨコ様の後継者?。」
《...そうだ。トヨコから力を引き継いだ者がいる。...》
「さ、さ、ササーンから、なん、な、南南西のほ、方角。り、リタ見える?。」
「南南西。こちらからだと...。あれかしら...。あれしかいないわ!。いました!。ジャミーゼルダ隊!。ジャミー84。えぇっと...識別No.z24...。サクラ?。サクラ•マイ2士いました。」
なぜ、ゼルダ隊が....。
《...そうだ。その者の護衛が必要だ。その者が新たなる神官。結界で我等を護っている。...》
「この小さな光。なぜゼルダ達が?。」
《...ゾアーグの力は弱まった。今や航空隊の攻撃も可能なはずだ。...》
「ロベルト。エネルギー変換測定をお願い。領域周辺を!。ラウル。ジャミー隊に指示を。」
「ラジャ。30km圏内に防御翼、ブラックホーク隊、パンサー隊がいますが、どっちにしますか?。」
「確かに!。イーシャスの言う通り、重力の交流反転が収まってる。行けるぞ!。航空隊!。」
ロベルトが興奮気味だ。
「ゼルダ隊が良いわ。ブラックホーク、パンサーは対キリーク戦でギリギリ。」
「了解!。ジャミーゼルダ隊。聞こえるか。ジャミーゼルダ ザラ。」
『...こちらs11ザラ。聞いてました。...』
「護衛を出してくれ。相応の攻撃力がいる。地中にエネルギー反応がある。バルバロイが向かってる。」
『...兵曹を派遣できませんか?。こっちは手一杯です。バルバロイ相手なら乙型か84なら2機必要です。そんな余裕はありません。...』
『...ザラさん。俺が行く。...』
『...イルゴル勝手に発言するな。...』
『...ザラ。人選を頼む。バイスもラキティカも犬神の熱線で今深傷を負っている。ティゲルワンを2機つける。...』
『...やむを得ません。わ、分かりました。少し待って下さい。ヤマト......』
『...ウチが行きます。リュウ君の稼働増えるけど、それが1番確実。...』
『...ザラ。俺がユーイの分をカバーする。チャージの間ヤマトがユーイの代わりを。...』
『...ヤマトそれでイケるか?。...』
『...あぁ。俺の方は問題ない。バックホーン持ってないから、サブチャージャーを全部こっちに出してくれ。...』
『...分かった。決まりだ。ラウルさん。ユーイ少尉が出ます。...』
「良し。分かった。ユーイ少尉。宜しく頼みます。」
『...いいよ。ユイピィで。笑。...』
「あ...。」
『...じゃあ、踏むよ!。みんな後はお願い!...』
...ブゥオオオオォォォォォォーーーーーーーーーーー...
ユイピィの乙型が黒煙を噴いている。
『...おお!...』
『...ラジャ!...』
『...任せろ!笑...』
『...頼むぜ!ユイピィ!...』
『...GO!。ジャミー!。GO!。...』
...ズダァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
いきなりトップスピード...。
もうマッハの世界。
すげぇJKだ。
全く。
「来るぞ!ソニックブーム。」
「シールド展開します。バレルロール用意。」
「倒すぞ!。イーシャス!」
「アイ、アイ、サーーーーーーーーーーーー!。」
今度は逆のプリケツを乗っけてる。
操舵桿に。
...バシ...ジャリ...バンッ...バンッ...
...ドオオォォォーーーーーーーーーーーン...
何だ?。汗
「大丈夫だ。砂利が噴き上がってる。」
ササーンの吹き上げた土砂か?。
...ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...
「ササーン!。ゾアーグに接近!。」
ここまで土砂が。汗
...ドドドドドドドドドドドドドドドド...
透明なガラスに見えるがこれはモニターだ。
外を写してる。
ヘザー用縦長のコンパネの横。
下界が見える。
1000メートル下に真紅の明王。
猛烈な速度で走ってる。
!
「えっ?。」
おおぉ!
「おぉぉ。」
「うをぉぉぉぉぉぉ。」
と、と、と、飛んだ...。
ジャンプした。
90mの鋼鉄が...。
高く高く。
ササーンが青い犬神に向かって飛んで行く。
ササーンが右腕をフックみてぇに構えた。
「じ、じ、ジャンピングネックブリーカードロップ!。」
ひっ!。汗
び、び、びっくりしたぁ。
「るせぇ!。ハチマチ野郎!。びっくりすんだろ!。汗」
「何だと貴様!。」
キレやがった。
右腕が青い犬神の首に引っかかる。
「あぁ...。」
ぉぉぉ...。
...ガゴゴゴゴ...
犬神の顎が砕けて行く。
た...確かにこれは、あの幻の格闘家 ジャイアントババロアのジャンピングネックブリーカードロップ...。
間違いねぇ。
あの大技をササーンが?。
「奴もババロアフリークに違いねぇ。」
「だな...。ババロアフリーク...て、おい!。そんなこと言ってる場合か?。」
そんなこと言ってる場合か!。
ハチマチは完全に頭が逝っちまってる。
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
青い犬神が倒れて行く。
....ゴゴ...ゴゴゴゴ...ゴゴ...
白い犬神の口に炎が渦巻いている。
顔が裂けるまで大きく開いた口。
射線にササーンとイブラデ。
まずいぞ...。
「お、オパ!。犬神が熱線を吐く。」
ガレスがヘッドセットを鷲掴みにする。
イブラデ達が射角にいる。
この至近距離じゃ、流石のササーンも。
...ゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
「ササーン!。」
ヤバい。
「熱線ササーンに直撃。」
ひっ...汗
け、煙が立たない...。
あの嫌な黒煙が...。
ササーンは熱線を反身で受けてる。
バナーで焼かれる金属みたいに。
動けないのか、動じてないのか...。
青い犬神を見てる。
やっぱり白は眼中にない。
白が脚を振り上げる。
ササーンが右手を白い犬神にかざす。
...パウッ...
ササーンの掌から光の球が犬神に。
....
...
....
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
白い犬神の胸で炸裂する。
赤い大きな火の粉が幾重にも飛び散る。
...ドーーーーーーン...
...ドーーン...
...ドーーーーーーーーーーーーン...
白い犬神が後退する。
白の熱線が止まった。
奴の胸は毛ごと焦げて、えげつないほど削れてる。
今だ!。ササーン!。
青い犬神が立ち上がって行く。
顎が砕けてガタガタになってるが。
歯が折れて、下の顎も歯も砕けてる。
歯肉が丸見え。
下の顎は砕けて歯茎が骨から剥がれている。
神がこんなになるのか...。
ダメージは相当なはずだ。
顎から体液が滝のように流れ落ちている。
タンカーの煙突ほどもある頭。
!
「危ねえ!。」
白がササーンを踏みつける。
ササーンがかわし腕でいなす。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
体勢を崩した白がササーンを背にして地面を踏みしめる。
《...イッカサルよ。...》
おぉ?。
「ササーンだぜ?。」
犬神はデカい。
《...ハハッ...》
ササーンが白の腕と肩に手をかけ引きずる。
白がプラスチックのように引き寄せられる。
《...イブラデを外郭まで逃す...》
ササーンは犬神よりも重い。
今は炉で身体を浮かせていない。
《...御意。如何にして...》
「危ない!。」
...グウゥォォォ...
青が背後からササーンを踏みつける。
...ドドーーーーーーーーーーーーーン...
ササーンが肘と肩で受け止める。
《...オパに従い、ラキティカで火口包囲陣を組むのだ...》
何だと?。
「いや、無理だ!。」
...ドーーーン...
...ダーーン...
ササーンは白から手を離し、青の受け止めた足を抱える。
《...我等で火口包囲陣を?...》
イブラデと俺たちゃ、そのために4年間毎日過酷な訓練を積んできた。
格闘のプロ中のプロの俺やガレスが真剣に。
絶対に無理だ。
不可能だ。
《...オパに従い、トルカカの歌いに合わせ成立させよ。可能か?...》
「それは無理だ!。いくらラキティカでも。しかもあんた達は図体がデケェじゃないか!。」
《...ハッ。意のままに。我等は陣においてもイブラデの師たる者。造作もありますまい。...》
「やべぇ。まただ!。」
....ググググ...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
犬神が口を開き始めた。
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
ササーンが両手を胸の前で合わせる。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
ササーンの方から破裂音が。
「何だ?。」
...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
ジェットエンジンの更に強烈な奴。
「さ、ササーンが炉を起動したぞ!。」
...パゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ...
ササーンの周りに光の球が広がって行く。
ササーンの放つエネルギーが熱線を遮断してる。
...ゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
「シールドだ...。まるでファザス。」
ホントだ...。
アンティカやダルカンがエネルギーのバリヤを張るってのは聞いたことがある。
...ゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
だが、間近で見たのは初めてだ...。
...パゥゥゥゥババババババババババババババババババ...
!
「うわ。眩しい。」
ササーンの両腕に光が集まって行く。
さ、さ、さ、ササーンが撃つぞ!。
「おい!。ササーンが撃つぞ!。」
「艦長!。ササーンに高エネルギー反応。74兆カルーデラ。粒子線です!。」
「まずい。クレランス!。離脱!。総員耐閃光!。全艦耐衝撃防御!。」
...バチィィ...バチ...バチバチ...バチィィ...
...ブゥオオオオォォォォォォォォォォォォォォォ...
モニターの中で、ササーンの両腕が燦然と光っている。
...バチィィバチィィバチィィバチバチバチ...
目が焼けそうだぜ。
...バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ...
ササーンが手を交差した。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
空に向かってエネルギーが突き抜ける。
光の柱が。
ササーンが両腕を離し、犬神にかざす。
....バウゥ...
2つの眩い光の球が...。
凝縮した、エネルギーの塊が、犬神達を直撃する。
...
...
...ッッ..
...
....ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...




