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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
269/364

ダヌアの空に106


『...ボタヌー..カラァ.ジシ...ナミ..ウツフ...サニー...』


「艦長?。」


だがそれは、我々以外にとっては悪いことじゃない。


他の種族を食べていけないと誰が決めた?。


神は咎めやしない。


『...イキガブ..ツ...カール...タイクーダイ...』


スカル(鉄ドクロ)とデスディ(ゾンビ女)が小さなイブラデ達を追い回す。


「何か聞こえるぞ?。」


スカルもデスディも雑魚中の雑魚。


クズ野郎も良いところだ。


そんなゴミが子供達を追い回す。


この子等は小さいが立派に意志を持って生きてる。


それが黒い悪魔のゴミクズに...。


『...ヨイヨエー...ゾナ..ニイー..ハ...マダイクー...』


「ねぇ!。歌!。歌が...。集音器!。」


神はそういう激しい食物連鎖の渦中に我々をわざわざ産み落とした。


〔そう生きろ!〕と命じた。


「聞こえるでしょ?。」


この世界では強さが全て。


「いや...何も...。」


力が全て。


ファントム(落武者)の群れが一体のイブラデに襲い掛かる。


イブラデは動くことが出来ない。


...ソーヤ....エンヤ..エンヤ..ヨヨサノ...サッサ...


同じ進化の過程にある者を殺してはいけない。


インチキ野郎どもはそうほざく。


...ソーヤ..エンヤ..エンヤ...ヨヨサノ...サッサ...


インチキ野郎どもめが!。


いつも。


いつもだ!。


生き物はどれも豊かな感情を持っていると。


人間よおまえ達だけが罪深いと。


ふざけやがって。


そんなものは嘘っぱちだ。


我々だけじゃない。


卑しいのが俺たちだけのはずがないだろうが!。


...ソーーセーリャァ...チョーーサージャア...


ボガードゥ(シャコ人間)は、アロム(イブラデ)の正面に立つ。


いつまで続く。


この地獄は...。


ボガードゥが打撃をしかける。


わざと掠らせて気絶させてから、ゆっくりと食う気だ。


奴は口が小さい。


削り取るように食う。


電動ヤスリのような動きで。


その後ろでモニュエル(ナメクジ頭)が待っている。


奴は唾液で溶かして飲む。


...チョーーサージャア...ソーーセーリャァ...


逆に、人間だけが特別だなんて寝ぼけてやがる。


思い上がりも良いとこだ。


神に似せて作られた?。


は!?。


何言ってんだ?。


気のせいだ。


気のせいも良いところだ!。


...チャン...チャララ..チャン...チャララ...チャンチャ...チャンチャ..チャチャチャチャ...


俺たちの希望。


尊敬の対象が卑しい生き物に捕食される。


...チャン...チャララ..チャン...チャララ...チャンチャ...チャンチャ..チャチャチャチャ...


別に特別なことじゃない。


自然界では。


ドゥボン(ガマ口)はブリュイエールの後ろにいる。


丸呑みするタイミングを待ってる。


ブリュイエールがかなり消耗している。


「私...耐えられないわ...。」


ヘザーが呟く。


アバゥクの市民はウィルハが殺られるのをこんな気持ちで見たのか。


クソだ。


クソッタレが!。


クソ野郎だ!。


どいつもこいつも!。


...チャン...チャララ..チャン...チャララ...チャンチャ...チャンチャ..チャチャチャチャ...


だが。


だがな?。


許さない。


何がどうだろうと許さない。


絶対に。


絶対にだ。


バルバロイを許さない。


バルバロイだけは許さない。


永遠に許さない。


クソ野郎!。


例え宇宙に俺一人になったとしても。


『...タイークゥー...ミ..ーー...イー...コイ...ナー...ホ..モーーガ....ネーーー...』


「聞こえるぞ!。何だ?。」


パルト(蜘蛛人間)がシエルに糸を浴びせている。


ゾアーグの脚を押さえる必死のシエルに。


火口包囲陣が真後ろにある。


シエルは最後の砦。


死守している。


苦しそうだ。


がんじがらめにされて行く。


パルト(蜘蛛人間)は、シエルをゾアーグに踏ませてから食う気だ。


...ガギィャーーーン...


「クソくらえだ!。クソ野郎ども!。」


「ジャイロ!。落ち着いて!。落ち着いて下さい。ラムダは精密機器なのよ!。」


「これが落ち着いてい!.......」


「だからって!。パネルを叩かないで!。みんな同じな....。」


「艦長!。エマ!。聞こえないのか?。泣。き、き、来た、来たんだよ!。き、来てくれたんだ!」


何だ?。


『...タイク...マー...リーー..ハニ...ホーー....レーー...』


まさか!。


...


...


..



何だこれ?。


「何かしら?。」


微かだが確かに...。


『...ヨ..イヨエー...ゾナ..ニイー..ハ...マタイクー...』


『...ダメ!。動か..な.いで!。照..準が!。照準...。ね..ぇ!。ザ..ラ...兄!。ザラ兄...!。機外マイ..ク...どこ!?。...』


『...ユイ..ピ.ィ!。乙.型...は..パス..タップでやる...し.か..無い..!。当.てろ!。...』


『...無ーー理ーーーーー!。...』


「うわぁぁ...。」


ナイジェルの悲鳴。


ビエルジャーダが(6つ目ヘビ頭)がリカムを飲み込む。


...ソーヤ....エンヤ..エンヤ..ヨヨサノ...サッサ...


...ズドーーーーーーーン...


粒子線がビエルジャーダの反対の肘を弾く。


スタロン(イブラデ)が地上にのがれた。


...ソーヤ..エンヤ..エンヤ...ヨヨサノ...サッサ...


「ジ...ジ...ジ..ジンガーが来る!。ジンガーが来るよ!。」


何?。


寝ぼけてんのか?。


ナイジェル。


『...ユ..ー..イ!。こ..う...だ!。下..がり.な...が..ら.撃て!。...』


『...ナイ...ス..だ!。サ..ム.サ!。...』


...ソーーセーリャァ...チョーーサージャア...


...チョーーサージャア...ソーーセーリャァ...


...チャン...チャララ..チャン...チャララ...チャンチャ...チャンチャ..チャチャチャチャ...


「ジ、ジンガーだ!。ま、ま、間違い無い!。ジンガーだ!。」


...チャン...チャララ..チャン...チャララ...チャンチャ...チャンチャ..チャチャチャチャ...


「そんな。トヨコ様は死んだは.......?。あら?。第2レーダーも!。この形状。識別番号.....これは...ジンガー...。ジンガーだわ!。」


...バッスゥゥゥゥン...


『...食..ら.え!。...』


シエルがパルト(蜘蛛人間)の糸から解放された。


「ナイス!。パルチザン!。パルトの糸切ったぞ!。」


飛び上がった。


...ドーーーーーーーーーーーン...


ジャミー乙型がパルト(蜘蛛人間)の脳天に、パルチザンを突き立てている。


パルトの脳天を真っ二つに。


「す、凄い...!。パルトのバイタル下がる!。バイタル70から12。6。た、倒した!。」


...ドドドドドーーーーーーーーーーーーーーーーン...


40mの巨体が地面に叩きつけられる。


凄いぞリュウ...。


『...ボタヌー..カラァ.ジシ...ナミ..ウツフ...サニー...』


「艦長間違いありません!。ジンガーです!。トヨコ様のジンガー!。座標N4、23、156。高度300。時速433km/h!。これは何...?。何かの群れ...。」


クロコク(ワニ頭)がエイリック(イブラデ)の頭甲を剥ぎとろとしてる。


生きたまま...。


死んでしまう。


悲惨す...。


...バッスゥーーーーーーーーーーーーーーーーン....


粒子線!。


乙型だ!。


回り込んで来た。


『...ウチ..が.引き...つけ..る!。逃....げ..てー!。...』


エイリック(イブラデ)が逃げて行く。


あ...!。


危ない!。


クロコク(ワニ頭)の注意を引きつけた。


乙型を蹴りつける。


「キャァァァァ!。」


ヘザーが叫ぶ。


第6モニター前。


...ズザァァァァァァァァドドドドドドドドドドドド...


ジャミーが砂を噴き上げながらターンをする。


「ヒールターン?。お、乙型で!?。」


ラウルが嘆くのを忘れて茫然と見ている。


人間戦車でドリフトしてる。


驚きだ...。


...バッスゥーーーーーーーーーーーーーーーーン....


粒子ライフルだ。


...バッスゥーーーーーーーーーーーーーーーーン...


地面を削り急な弧を描いて行く。


...バッスーーーーーーーーーーーーーーン...


...バッスゥーーーーーーーーーーン...


『...イキガブ..ツ...カール...タイクーダイ...』


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


粒子砲の全弾がクロコク(ワニ頭)の顔面に命中。


顔面が吹き飛ぶ。


体液を振り撒き回転しながら。


「倒れるぞ!。バルバロイが!。逃げろ!。」


『...ヨイヨエー...ゾナ..ニイー..ハ...マダイクー...』


『...急..げ.!。こ..いつ.消化...早い..ら.しい...ぞ!。...』


...ソーヤ....エンヤ..エンヤ..ヨヨサノ...サッサ...


『...サ.ム...サ!。ナム..ジー!。位.置..に...着い...たら...合.図くれ..!。...』


...ソーヤ..エンヤ..エンヤ...ヨヨサノ...サッサ...


ビッグブラッドとビエルジャーダの周りにゼルダ隊が集結した。


ミュウミュウを...。


「ミュウミュウをた、助けて!。助けてあげて!。お願いよ!。」


ヘザー。


「お願い!。」


ガレスも...。


ん?。


...ソーーセーリャァ...チョーーサージャア...


...バッスゥーーーーーーーーーーーーーーーーン....


...バッスゥーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...バッスーーーーーーーーーーーーーーン...


...バッスゥーーーーーーーーーーン...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


粒子ライフルが炸裂する。


背後のビッグブラッドの顔面で。


...チョーーサージャア...ソーーセーリャァ...


『...サ.ム...サ..だ!。準.備..オッ..ケー!。...』


...チャン...チャララ..チャン...チャララ...チャンチャ...チャンチャ..チャチャチャチャ...


『...ナム...ジー。こ..っち...もだ!。...』


...チャン...チャララ..チャン...チャララ...チャンチャ...チャンチャ..チャチャチャチャ...


『...間..違..って.イ...ブ..ラ...デ..君...達、傷..つ...け.んな...?。...』


『...り...ょ..ー。...』


『...タイークゥー...ミ..ーー...イー...コイ...ナー...ホ..モーーガ....ネーーー...』


『...フェ...ー..ズ..k37。フ...ォ..ー....メー..シ..ョ.ン...x。レ..ディ。Go..!。...』


『...タイク...マー...リーー..ハニ...ホーー....レーー...』


ショットアンカーを構えた。


2体のジャミー84。


ビエルジャーダの両脇を。


50mの化け物の両サイドを疾走していく。


...バッスーーーーーーーーーーーーーーン...


...バッスゥーーーーーーーーーーン...


腕を撃ち抜いた。


『...ヨ..イヨエー...ゾナ..ニイー..ハ...マタイクー...』


...グオゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...


...ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...


84が怪物マシンが左右に別れて疾走する。


ビエルジャーダの腕が引きちぎれかけてる。


『...後..は....任..せ.た!。ヤ..マ.ト!。ザ...ラ!。...』


...ソーヤ....エンヤ..エンヤ..ヨヨサノ...サッサ...


...ソーヤ..エンヤ..エンヤ...ヨヨサノ...サッサ...


空から84が降って来る。


「デリャアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーー!。」


「オオリャアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァーーーーーーーーーー!。」


パルチザンを突き立ててる。


2体とも。


乙型からの借り物だ。


上から下へ。


ビエルジャーダを切り裂いて行く。


怪物マシンのパワーとパルチザンの切れ味。


まるで蓋を切り抜くように。



切り開いた胴体。


ビエルジャーダの腹に小さな塊!。


激しく動いてる。


ミュウミュウが!。


ミュウミュウが胃袋で暴れている!。


...バッスゥゥゥゥッ...


パルチザンが胃袋を斬り落とす。


「ミュウミュウが!。」


...ドタァ...


ミュウミュウが!。


地面に転がった。


胃袋ごと。


ミュウミュウが胃袋を破って出てくる。


よ、よ、良かった...。


....ゴゴゴガガガガガガガガアアアアアアアアァァァアアアアーーーーーーーーーーーーーーーー...


乙型がスライディングして行く。


ミュウミュウを拾い上げる。


ヒールターン。


ユーイ....。


赤いラインが無い。


『...おいで!。ミュウミュウ!。...』


違う。


リュウだ!。


「ブリュイエーーール!。ブリュ、ブリュイエーーーーーーーーーーール!。」


ロスターが叫んでる。


モニター4。


ブリュイエールが血だらけだ。


ボガードゥ5匹と壮絶な殴り合いをしている。


流石に武が悪い...。


ボガードゥが一斉にブリュイエールに飛びかかる。


殴りかかる。


「ブリュ、ぶ、ブリュ、ブリュイエーーーーーーーーーーール!。」


万事急須...。


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


お、落ちてきた。


デカい何か...。


真紅の...。


ボガードゥの群れとブリュイエールの間に割って入る。


巨大な。


ブリュイエールよりデカい何か。


「い、い、い、イッカサルだ!。イッカサルが来たぞ!。」


ラキティカが来た!。泣


「イッカサルよ!。イッカサル!。」


ラキティカ筆頭のイッカサルだ!。


左右横に3つ並んだ目。


まるで車のブレーキランプ。


昼間でも強い光。


極限までジニリュウムの筋肉がせり出している。


身体には真紅の光。


神々しい。


まるで宝飾品のような出立いでたちだ。


ダルカンに次ぐ存在。


体長58m。


ボガードゥ達は競争意識に縛られ逃げない。


イッカサルを恐れていても。


こいつらは打撃の強い生物に執着をする。


...ギガギギギギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ...


...ギガギギギギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ...


...ギガギギギギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ...


ボガードゥがイッカサルに襲いかかる。


一斉に。


〈...ブリュイエール。良くやった。下がれ。...〉


イッカサルだ。


間違いない。


〈...し、しかし...〉


〈...聞こえなかったか?。下がれ。...〉


イッカサルがブリュイエールを一瞥する。


メインモニター。


〈...承知しました...〉


気位の高い王女が一瞬で従う。


ボガードゥが飛びかかる。


...スドゥゥン...


秒で地面にめり込む。


数十メートルの化け物が一瞬で。


イッカサルが1匹目の頭を拳で叩きつけた。


頭部は霧散してもはや存在しない。


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーン...


2匹目のボガードゥを殴り飛ばす。


地面を削りながら吹っ飛んで行く。


「危ない!。ブリュイエール!。後ろ!。後ろ!。」


...スドゥゥーーーーーーン...


3匹目上から殴り潰す。


踏み潰された缶のようだ。


「ブリュイエール!。キャァァァァァァァ!。」


ドゥボンが大口を空けている。


4匹目。


イッカサルは左手でボガードゥの首を掴んで投げつける。


振り向き様。


ドゥボンに。


...スドゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーン...


ドゥボンにすっぽりとボガードゥが入った。


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


ドゥボンが倒れる。


動かなくなった。


ボガードゥの潰れた首がドゥボンの背中から飛び出している。


黒い体液が噴き出す。


〈...見ていたか?。ブリュイエール。このように闘うのだ。...〉


〈...はっ。しかと。...〉


血だらけのブリュイエールが片膝を地面に着く。


〈...立て。おまえは深傷を負っている。今は礼は良い。...〉


〈...はっ...〉


...ソーーセーリャァ...チョーーサージャア...チョーーサージャア...ソーーセーリャァ...


...チャン...チャララ..チャン...チャララ...チャンチャ...チャンチャ..チャチャチャチャ...


ジンガーだ...。


なぜジンガーが!?。


「おい!。ジンガーじゃないのか!。あれ!。おい!。レーダー!。」


「そう言ってますよ。」


「み、見て!。ジンガーの下!。数17!。ラキティカがいる。ジンガーがラキティカを連れてきた!。」


リタが興奮している。


『...ボタヌー..カラァ.ジシ...ナミ..ウツフ...サニー..イキガブ..ツ...カール...タイクーダイ...ヨイヨエー...ゾナ..ニイー..ハ...マダイクー...』


メインモニター。


ゴンドラの開いたジンガー。


スラスター全力で噴射している。


機体自体はアギュラーラムダの5世代ほど前のタイプ。シンクビートを元に作られている。


浮遊は反重力プロペラだ。


...ソーヤ....エンヤ..エンヤ..ヨヨサノ...サッサ...ソーヤ..エンヤ..エンヤ...ヨヨサノ...サッサ...ソーヤ....エンヤ..エンヤ..ヨヨサノ...サッサ...ソーヤ..エンヤ..エンヤ...ヨヨサノ...サッサ...


「か、艦長!。生命反応バイタル0です!。ジンガー!。誰も乗っていません!。」


誰も乗っていない?。


「ゴンドラが開いてるぞ?。」


「櫓が!。櫓が!。」


ゴンドラからやぐらが立ち上がって行く。


エレベーターのように。


ゆっくりと。


頂上には黄色い布が。


モニター13がズームアップする。


骸骨になったトヨコ様を。


力尽きて柵に乗り掛かっている。


トレードマークのサングラスが無くなっている。


どこかに落ちたのだろう。


光始めた。


「何だ?。あの光...。」


トヨコ様をかじっている無数のゾーグネズミ。


カラス。


そして虫たち。


「うっぷ。」


ヘザーが口を押さえる。


光を放っている。


強く。


黄色い光を。


...ソーーセーリャァ...チョーーサージャア...チョーーサージャア...ソーーセーリャァ...


「どうやらあの拡声器からです。」


「録音したものか?。」


...チャン...チャララ..チャン...チャララ...チャンチャ...チャンチャ..チャチャチャチャ...


光ますます大きく強くなる。


『...タイークゥー...ミ..ーー...イー...コイ...ナー...ホ..モーーガ....ネーーー...』


ジンガーを覆い隠すほどに。


レインシェイド(雨笠)がイブラデを高々と掲げる。


大きく口を開ける。


顔中口だらけ。


悍しい形相だ。


捕まっているのはケヌゥ(イブラデ)だ。


「ガレス!。イッカサルに助けて貰いましょう?。」


「待ってくれエマ。」


『...タイク...マー...リーー..ハニ...ホーー....レーー...ヨ..イヨエー...ゾナ..ニイー..ハ...マダイクー...』


「煙....。黄色い煙が...。」


「いや違う!。光だ!。ユーフォウムだ!。あれは!。」


トヨコ様と同じ黄色い光。


煙のように燻りながら実体化して行く。


「ぽ、ぽ、ぽ、ポルシトが!。ポルシトが来た!」


...ガッツーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...バギィ...バギバギバギィ...


黄色い組み手がレインシェイドの頭を叩き潰して行く。


ぺちゃんこにレインシェイドの頭が潰れる。


ポルシトが実体化した。


ケヌゥ(イブラデ)は地上に逃れた。


体長10mのまだ色を持たないイブラデ。


こっちに向かって頭を下げる。


少し方向がずれているが。


「オパが!。オパが叫んでる!。」


オパが何かを叫んでいる。


デゥボン(ガマ口)が群がっている。


火口包囲陣の中央に。



次々と幼いイブラデを飲み込んで行く。汗


オパ一人では防ぎきれない。


「ラキティカに通信!。」


「待って下さい!。煙!。白い光の煙!。」


白い巨人が実体化して行く。


「エフライムだ!。間違い無い!。エフライムが来た!。」


巨大な兵曹。


ダルカン級だ。


体長77m。


山の兵曹。


怪力のエフライム。


竜の角。


鳳凰の羽根を持っている。


片手でドゥボン(ガマ口)を掴み上げる。


ドゥボン(ガマ口)が足をばたつかせている。


...ゴリゴリゴゴゴゴゴゴゴンゴギゴギゴゴゴゴーー...


1匹ずつ破いていく。


ドゥボン(ガマ口)の腹を。


まるで、少し硬いビニールを破るように。


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


何もいなかったドゥボン(ガマ口)を投げ捨てる。


...ゴリゴリゴゴゴゴゴゴゴンゴギゴギゴゴゴゴーー...


....バギバギバギバギバギバギバギバギバギバギバギィバギィ...


別のドゥボンの腹を引き裂いて行く。


エフライムは躊躇しない。


....バギバギバギバギバギバギバギバギバギバギバギィバギィ...


....バッシャアアアアアァァァァァァーーーーーーーーーーーー...


「いたぞ!。」


...ドーーーーーーン...


...ドーーーーン


...ドーーーーーーーーーーーーン...


大きな塊が地面に落ちる。


白い膜が貼っているがイブラデ達だ。


自分で膜を千切り飛び出してくる。


オパに抱きついた。


デゥボンの腹を次々に引き裂いていく。


いとも簡単に。


ビッグブラッドが指の間にイブラデを掴んでいる。


さっきの野郎だ。


右に3体、左に4体。


緑の光がビッグブラッドに巻きついて行く。


「スードラだ。スードラが来たぞ!。」


一気に光が収束する。


...バシュウゥゥゥゥゥッッ...


「眩しい!」


ビッグブラッドの指が粉々になって散って行く。


イブラデが地面に落下する。


動いている。


大丈夫だ。


...ドッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


..ドッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


歩くに連れ、ビッグブラッドの右脚、左脚。


右腕。


左腕。


...ズドドッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


手も脚も失ったビッグブラッドが地面に転がる。


生き残ったバルバロイが一斉に群がりむさぼり食う。


ビッグブラッドを。


緑の光を纏う女兵曹スードラ。


羽衣のような放電翼をもっている。


イッカサルがファントム(落武者)の頭を、ヘッドロックでカチ割って行く。


ミュウミュウが黒い兵曹を連れて来た。


「シメオンだ!。」


ビエルジャーダ(6つ目蛇頭)の背後に。


シメオンはバールの、バールクゥアンの意志と炎を継ぐ者。


邪悪のメイファンと正義のシカムの光を併せ持つ者。


おもむろに顎を掴む。


...ギュウウウウウゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーー...


シメオンがビエルジャーダの顎を無理やり開いている。


..バギィバギィ...


力任せにこじ開ける。


ビエルジャーダは抵抗して、シメオンの腕に爪を立てる。


体格はビエルジャーダが50m。


シメオンは63m。


さほど違いは無い。


しかし、力の差は圧倒的だ。


口から体液が多量に噴き出している。


...バギバギバギバギバギバギバギバギバギバギバギバギィ...


ビエルジャーダが痙攣している。


口は180度以上に開き、濡れた箱のように変形している。


シメオンは納得していない。


ビエルジャーダの喉の奥を覗いている。


...バギィゴギゴギブッシャァァァ...


...バギィゴギブッシァァ...


黒の明王はビエルジャーダ顎を握りしめ引き裂き始めた。


ビエルジャーダが真っ二つに裂かれて行く。


巨大な内臓が露わになる。


シメオンはまだ納得していない。


...ドダァーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


ビエルジャーダの右半身が地面に落ちた。


シメオンは内臓を引っ張り上げる。


...ブッシャァァァバシュウゥゥ...


胃のような臓器、腸のような臓器...。


引き裂き始めた。


イブラデを探している。


「全イブラデを、取り戻しました。達死損数は0。怪我をしていますが、全員無事です。」


...ソーヤ....エンヤ..エンヤ..ヨヨサノ...サッサ...ソーヤ..エンヤ..エンヤ...ヨヨサノ...


...サッサ...ソーヤ....エンヤ..エンヤ..ヨヨサノ...サッサ...ソーヤ..エンヤ..エンヤ...ヨヨサノ...サッサ...


「艦長!。さ、さ、サビアノーアが...汗。」


!?


サビアノーアの動きが止まった!。汗


「キャァァアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーー!。」


青いゾアーグが足を振り上げる。


火口包囲陣を踏みつける。


オパ目掛けて。


イブラデ達目掛けて。


「まずい!。汗」


しまった!。


「あぁぁ...。汗」


「逃げろ!。汗」


完全に油断していた。


...チャン...チャララ...


...ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


「鉄砲水だ!。」


...チャン...チャララ...


...ズーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


ゾアーグの脚ほどの直径の水柱が。


...チャンチャ...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


次々と噴き上がる。


...チャンチャ...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


青い犬神ゾアーグの顔面を捉える。


...チャチャチャチャ...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


カーブしながら。


まるで巨人の右フックのように。


...チャン...チャララ...


...ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


水は重い。


...チャン...チャララ...


...ズーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


本当に。


...チャンチャ...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


青い犬神ゾアーグの顔面を直撃する。


...チャンチャ...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...ズゴーーーン...


水流がゾアーグの巨大なピアスを吹き飛ばす。


顎が砕けた。


...チャチャチャチャ...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


水柱が青い犬神ゾアーグの顔面を直撃する。


鉄拳制裁だ。


トヨコ様の。


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