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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
263/364

ダヌアの空に100


タンパーががんじがらめにされて行く。


...ツッドーン...


...ゴゴゴゴ...


...ドスゥン...


ドゥボンが来る。


地面を這って。


タンパーに手足を引きちぎられたドゥボンが。


「タンパー!。逃げろ!。ドゥボンが来た!。」


「タンパー逃げて!。」


....グゥボオオオォォォウウウッッ...


タンパーが飲み込まれた。


再び。


「タンパー!」


「タンパー!」


斬撃を封じられてる。汗。


「まずい...。」


...チカッ...


「キャァァ。」


...チカッ...


「眩し...。」


「来るぞ!。耐閃光!。」


ロベルトが。


「黒輝線来るぞ!。」


...コーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...


黒輝線がドゥボンに命中する。


一気に炭化して行く。


...ドーーーーーーン...


...ズドーーーーーーーーーーーーン...


「タンパー!。汗」


「タンパーーーッ!。汗」


「見ろ!。ディーチーだ。」


...スボオォォ...


墨だらけの巨人が立ち上がる。


「おぉぉ...。」


「見て!。あれ、タンパーじゃない!?。」


〈...ううっ。ペッ。ペッ。黒焦げじゃんかよ!。ディーチー!。てめぇ。...〉


焦げたビニールプールの中から。


「タンパーだ。間違いない。」


「よ、良かった...。た、た、タンパー、い、生きてた..。」


最大のイブラデ ディーチーが来た。


〔※ディーチー : 19歳。体長55m。カルティアン (漆黒)系。タント族。素行悪く、2回大闘技の出場を禁じられた。〕


パルトがディーチーにも糸を吐く。


糸が蒸発する。


...ズガーーーーーーーーーーーーーーーッ...


ディーチーがパルトを蹴り飛ばす。


前蹴りだ。


パルトは装甲ごと4つに引きちぎれる。


パルトはバルバロイの一種。


ドゥボンのように復活はできない。


... イルーーバ、シスゥーア。メーフ、アクタナジールゥノームエアハィ。 ...

《...我、戦う。例え千の神を敵に回したとしても。...》


...ガッスウウッン...


ディーチーがビッグブラッドを殴りつける。


過去最大級のビッグブラッド。


ディーチーの倍近い。


ディーチーに比べるとビッグブラッドは華奢だ。


...ガッスン...


...ゴッ...


...ズドーン...


ビッグブラッドの頭が変形して行く。


ビッグブラッドはディーチーのパワーの前に、なす術が無い。


...ッ...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


ディーチーの前蹴り。


ビッグブラッドの首が吹き飛ぶ。


その巨体はガイコツ達の群れに落下する。


ディーチーの周りには大型のボガードゥが集まっている。


全て40mを超えている。


「やばいぜ。ディーチー!。気をつけろ!。囲まれてる。」


「こいつら...。一撃でも食らえばディーチーは..。」


「フォークブルー7がイケるよ!。」


「頼む。ラウル。」


「オーケー。フォークブルー7!。フォークブルー7!。ディ...。」


...チカッ...


「あぁぁ...。」


...チカッ...


ディーチーの目がスパークする。


...コココーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴォォォーーーーーーーーーーーー...


黒輝線がボガードゥを舐める。


「うわぁぁ...。」


「目が...。」


空が黒く光っている...。


...


..


...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


いくつもの鋏、エビ頭が空に噴き上がる。


「い...一撃で...。」


爆炎の中からディーチーが現れる。


...ドーーーーーーン...


...ドドーーーーン...


モニュエルを右手、左手にモノトプス(一つ目の鷲頭)を掴んでいる。


...シュウウウウゥゥゥ...


ディーチーの両手から白煙が噴き上がる。


2匹を引きずって歩いて来る。


まるで子供のように脚をバタつかせている。


...バスウウウゥゥッ...


...ゴン...ゴ...ゴン...


...ゴキ...ボ..キ...ボゴウ....


...ブシャァァァァーーーーー...


...バシュウゥゥ...


...ボゴォゥゥ...


...ゴキィィィ...


...ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...ドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


ディーチーが息絶えたバルバロイを投げ捨てる。


首のネジ切れた哀れな怪物を。


「ねぇガレス!。火口包囲陣の動きがおかしいわ!。ガレス!。」


「そ、そ、揃って、い、いないぞ。汗」


「が...ガレス!。ガレス?。」


!?


ガレスがおかしい。


「おい!。ガレスを!。ロスター!。」


「ねぇ!汗。2人とも気絶してる!。」


「エマ!。」


「手が離せない。クリックを陣に送るわ。ヘザーお願い!。」


「了解!。汗。」


ガレスが泡を吹いてる。


... イルーーバ。アルマーナ、マハ、ヌーカアジヤワーヌナン。 ...

《...我、祈る。愛すべき全ての者達のため。...》


「艦長!。トルカカの歌が終わるわ...。汗」


「火口包囲陣エネルギー保有量0カルーデラ!。か、完全に止まる。汗」


... イルーーバ、アルマーナ、ダイ。 ...

《...我が魂のまま。...》


「ガレス!。ガレス!。しっかり!。ガレス!。」


ロスターが起き上がる。


ガレスの意識が回復しない。


陣は完全に停止した。


ゾーグの大地に。


形の歪な5層の六角形にただ並んだ兵曹。


そこにあるものは、もはや英神ペルセソスが編み出した完全無欠の兵法陣などではない。


無限の魔神獣を封じた魔法陣でもない。


隊列の乱れた若い兵曹の集団。


モニターがイブラデ達を映し出す。


しゃがみ込む者。


「あぁ...。可哀想に。」


エマはモニターを触っている。


まるで病気の我が子を撫でるように。


...ガガガガガガガガ...


レーダーの点滅が真っ赤に染まる。


「ば、ば...ば、バルバロイ。も、も、戻って来る。か、数、数6600。」


「さっきより早いわ。全方位から囲まれる。」


「嗅ぎつけやがったぞ。ハイエナめ。」


「何て鼻の効く奴らなの。」


倒れ込む者。


立っていられない者も多い。


大地に手をつく者。


皆、肩で息をしている。


これ以上動くことが出来ない。


ロスター。ガレス。


「ロスター!。起きてくれ。頼む。おまえ達が頼りだ。」


ロスターが頭を振っている。


アルマダイで構成された陣のコントロール。


ガレスに取っても、ロスターに取っても過酷。


「オパ。聞こえるか?。ジャイロだ。陣の回復を最優先してくれ。エマ、ラウル立て直してくれ。作戦を。」


「もう一度ルーが出来れば勝てます。ルーが1番エネルギーがいらない。攻撃力も高い。」


「陣を維持するためには最低残存量は30000。完全に枯渇している。艦長!。スプリンヘラー起動で補給を行います。」


「... もう無理....だ。みんな、もう限界だ...。これ以上陣を続けるなら、あの子達の半数が死んでしまう。」


何!?


「何だって!?。」


「ガレス!。大丈夫か?。」


「シエル、ディーチー、マセナ、ブリュイエール、タンパー、サビアノーア。みんなを守って!。あなた達が頼りよ。航空戦車隊が援護をするわ。オパ。援軍を出せる?。陣を再編成する?。」


「ダメだエマ...。」


ダメだ。


このままでは。


ラキティカ...。


一部でも来られないか... 。


航空戦艦は...。


「戦闘機隊。空爆を再開する。バルバロイを火口包囲陣に近寄せるな。航空戦車隊に告ぐ。後衛では無く前衛に。バルバロイ前面から全力でバルバロイを叩く。」


『...アレ...ク.リーダー了解。アレク..リーダーからオール。前衛からバル...バロイを叩く...』


『...ホークリーダー...了解。2派に別..れて空爆を再開..する。ホークブル.ーはバルバロイの侵攻を阻止。ホークレッ...ドはオウル隊の粒子攻撃を援助。...』


『オウルリーダー...了解。粒子..線によ...る殲滅作戦を展..開する。...』


〈...エマ。幼いイブラデ達がもう動けません。なので援軍を出すことは出来ません。第二層を中心に火口包囲陣を再編します。幼い者のヒストグラムをカバーします。ガレス。ロスター。もう一度、陣のコントロールをお願いします。陣は再びマハに入ります。...〉


『...スタ..グリーダーから全ス..タグチーム。アレク隊と連携してバル...バロイを殲滅する。...』


『...ガン..フィッ..シュリーダー。アレク隊、スタグ隊と連携して...バルバロイ..殲滅に当る。生体系兵器の..使用を禁止する。あくまでもデージー系兵器で粒子線照...射を補助する。...』


良し。一時的にこれで凌げる。


「火口包囲陣にスプリンヘラーによるアルマダイ補給を開始する。ロベルト。ヘザー。用意を頼む。クレランス。イーシャス。出番だ。」


「ラジャ!。艦長。」


後は、ルー(存)の変わりになる戦力の調達。


イブラデを退避させ生体ミサイルか、ラキティカの一部をユーフォームでここへ...。


...ッッ...


...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


「うおおぉぉお。」


「キャァァァァァーーーーーーーーーー。」


「キャァァァァァァァァ。」


激しくラムダ13が揺れる。


凄まじい衝撃波...。


脳震盪を起こしそうだ。


「うわあぁぁぁぁぁ。」


「ひ、ひぃぃっ。」


安全ベルトが身体に食い込む。


何だ?!。汗


「す、す、すタク、すた、スタグ隊、し、し、消..消滅!汗。」


「な...何があった!?。」


....BOBAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA...


艦全体が揺れるほどの大音量。


「な、何だ?。こ、この音。」


....BOBOOOOOOAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA...


大地に反響している。


...ズーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


大地が激しくたわむ。


凄まじい衝撃波が走る。


皆声が出ない。


モニター1。


メインモニターに巨大な青い足。


ディーチーが膝までの大きさしかない。


「ぞ..ぞ...ぞ....ぞぞ...ぞ...ゾアーグだぁ!泣」

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