ダヌアの空に97
...ゴゴ..ゴゴーーーーー...ゴゴゴ...ゴーーーーーゴゴ...ゴゴゴ...ゴゴーーーゴゴ..ゴゴゴ...ゴゴ..ゴゴゴゴ..ゴゴ...
ゾーグにキノコ雲が立ち上がる。
火口包囲陣を起点として。
「艦長。作戦egx003終了まで後20セカンド。メイン制御をスイッチ。これより本艦アギュラーラムダ13は、作戦aa3火口包囲陣のメインターフとなります。」
地平まで続く黒褐色の大地に。
爆炎と共に空高く噴き上げられた無数の残骸。
起動宣言 ルー(存)によって。
「ありがとうエマ。ラウル、サブターフに接続。指令開始。」
「ラジャ。サブターフに接続します。ラムダ18、ラムダ19、ラムダ24に告ぐ...」
「ねぇ。イーシャス。集音器解放お願い。」
「ラジャ。3で解放。」
「ありがとう。」
「総員。ガレス、ロスターを中心に全力でイブラデ達を支援する。」
「ラジャ。」
「ラジャ!。」
「ラジァァ。」
「ラジャ。」
「ラジャッ。」
...ゥゥゥゥゥゥ...ドドドドドドドドドドドド...ゴゴゴゴゴゴゴゴ...
唸りを上げて落下して来る。
次々と。
時速500km以上の猛烈な落下スピード。
バルバロイの肉体の破片。
数トンの重さがある。
「何これ...残骸の軌道が変わってるわ...。」
「り、リタ。き、君は航空機材の方の、か、か、観測を、た、頼むよ。」
「了解よ。チーフ。」
「アルマダイシールドの一種かもしれん。ロベルト!。渡すぞ。」
「了解。受け取る。カウント3。....」
「3!?汗。お!。お...ぉ?。」
「3...2...1.。オッケー。受け取った。ようこそメインアナライザーへ。笑。エネルギー反応は0だ。アルマダイじゃない。」
ロベルトが笑いながら銀縁の眼鏡を指で押し上げる。
流石プロだ。
エネルギー系がロスター達のコンパネから、メインパネルに一気に移動した。
数秒の間、彩を失っていたメインコントロールパネルが、彩鮮やかになる。
赤、緑、青、立体の線グラフ、円グラフ、パラメータ...。
「いきなり3はやめてくれ。汗。し、心臓に悪いぜ...。」
ガレスは慎重だ。
モニター1。
バルバロイ達を映している。
本艦で一番大きな正面のモニター。
田舎の映画館のスクリーン並みの大きさがある。
...ドグゥッ...
集音器が音を再生する。
残骸が激突する。
...ブシャァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーー...
モニターが捉える。
カマキリを模した頭部にめり込む。
噴き上がる体液。
...バチィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
半分鋼鉄、半分肉の千切れた皮膚。
バルバロイの顔面に叩きつけられる。
あまりの衝撃に赤い目玉が飛び出して転がる。
人間の身体より大きな目玉。
死人に似た巨人の。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーン...
大地がたわみ、土砂が噴き上がる。
胸部...。
巨大な。
大型のバルバロイのもの。
何匹もの小型のバルバロイを巻き込み地面にめり込む。
クレーターとなって。
....コ...コ...コーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
『...こちらフォー...クイエロー..攻撃.を開始す..る。...』
「13(サーティーン)了解。頼むぞ。」
ラウルの成長がめざましい。
...コォォォーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーー...
『...ラジャ...』
...コォォォーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーー...
...コォォォーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーー...
落下する肉片の間を航空邀撃艇が通り抜けて行く。
最低速度を維持している。
主翼と同じく長い尾翼。
大型の単気スラスター
眩い銀の機体。
前後両翼の先に粒子線の放射口が。
旅客機に似たコックピット。
アルハリドと同じくトライスター社の製品。
上履きに形が似ている。
主力巡洋艦インティバルの艦載機として開発された。
インティバルと同じ反射迫撃装甲。
トップノーズの色でエネルギー系統が別れる。
赤いヒモンの機体、黄色いメロウの機体、青いシカムの機体。
メッサーラだ。
...コ..ココ...コーーーーーーーーーーーーーーーーー...
「く...く、来るよ!。み、見て。モニター7。」
モニター7...。
ナイジェルは時折、カリギュラより緻密だ。
ラムダの頭脳であるカリギュラより。
更に高い上空からも戦闘機の隊列。
急降下して来る。
同じく反射迫撃装甲。
銀色の鏡面。
先端の曲がった細い機体。
レトロだが美しいライン。
周辺国の大型戦闘機コンコードに似ている。
しかし、機材のあらゆる性能でコンコードとは比較にならない。
小さいがコンコードの1個大隊を5分で殲滅する。
弱小なハイドラも、エイジン•ローデシアを一歩出れば、科学的にも軍事的にも超大国だ。
ミラージュは旧旗艦レバンナの艦載機。
ハイドラが世界に誇っていた超長距離艦首砲搭載の主力戦闘艦。
レバンナは撃沈された。
...コ..ココ...コーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...コ..ココ...コーーーーーーーーーーーーーーーーー...
くの字形に並んだミラージュの隊列。
赤い光の球を幾つも投下する。
バルバロイの群れの数キロ手前でリリース。
大規模爆風兵器デイジースラッシャー。
...ドーーーーーーーーーーーン...
「狙いが雑だ...。」
ガレスが怒っている。
メッサーラがバルバロイの上空で一気に加速し離脱する。
...ドーン...
「対機対艦用だから、これ以上は無理。」
ロスターが答える。
...ズズズズズズズズズズズズズズズズズズ...
...ドン...
「デージーじゃダメだ...。やはり。」
ラウル。
素朴な青年が真っ赤になってる。
誠実に、着実に、作戦を実行してる。
...ドーン...
...ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズ...
キノコ雲の爆炎に追われながらメッサーラが急上昇する。
「ダメージは与えている。確実に。」
「殲滅数40ですよ?。」
「確かに...。」
ミラージュが分散して上空へ逃げて行く。
...グゥウオオオォォォォォォーーーーーー...
蟹の様な長い腕が掠める。
...ブシュゥッ...
「危ない!。」
モニュエル(ナメクジ頭)が粘液を吐いた。
「ね、ね...ネスクだ。」
「まずい。」
「ホーク44が捕まったわ。」
リタが振り返る。
ミラージュが鳥餅に絡め取られている。
空中でモニュエルと決死の綱引きをしている。
蜘蛛の巣の蝶のように。
白煙が噴出する。
物凄い勢いで装甲が溶けている。
恐らく。
...ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
ミラージュが吹き飛ぶ。
破片が空高く弾け飛ぶ。
「うっ。くっそ!。」
ロベルトがヘッドセットを外す。
残骸をかわして隊列は続く。
...ドーン...
...ドーーーーーーーーーーーン...
デイジースラッシャーを落として行く。
「これじゃ数ヶ月かかる。効かなくなってやがる。」
ロスターがガレスを覗き込む。
...ズズズズズズズズズズズズズズズズズズ...
...ドン...
デージースラッシャーが花を咲かせる。
連続して立ち上がる灰色の花。
...ドーーーン...
直径数キロの爆炎の花。
「艦長!。ブラックドッグを落としましょう。」
ラウルがコントロールパネルを叩く。
この嘘の付けない男が言うのだ...。
ブラックドッグ...。
...ドーン...
みんなも同じ気持ちだ。
...ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズ...
最大級の生体爆弾。
師団をアルマダイ枯渇に追い込むほどの威力。
子供達...イブラデ達の近くにそんなものを本気で落とすつもりか?。
「ブラックドッグを?。正気か?。アルマダイが枯渇してる。オパが許すワケないだろ?。」
ガレスが声を荒げる。
私の代わりに。
奴は常にイブラデと共にあろうとしてる。
「オパは理解してる。残存10000は多過ぎる。祈で凌ぐと言っている。最も防御に堅いマハで。」
ロスターが腕組みをして答える。
ドレッドヘアに耐閃光ゴーグル。
こいつがゴーグルを目につけているのを、見たことが無い。
〈... 祈で耐えられるのは1度だけ。それを忘れないで。陣には幼い者がいます。彼らはギリギリで堪えています。...〉
「オパからです。」
オパ...。
やむを得ない。
もっと残酷な結末もある。
持ち堪えてくれ。
火口包囲陣。
「分かった。1度だけだ。いいな?。」
「......分かりました。」
バルバロイの肉体が宙を舞っている。
...ココ...コココーーーーーーーーーー...コココーーーーーーーーーーーーーーー...
上空で2機のメッサーラ。
軍事衛星オグワンに匹敵する高度。
ラムダ13にも耐衝撃シフト指示が来ている。
モニターワン。
オパが王笏を振り下ろす。
...マーーーーーーハァァーーーーーー...
《...古代ワイナ語:祈...》
集音器は拾う。
大地をかけ抜けるオパの祈り。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
火口包囲陣が強い光の塊に。
...チカッ...
...チカッ...チカッ...
上空で2粒の強い光。
大気に拡散しながら落下する。
取り舵だ!。
「来るぞ!。ブラックドッグ!。クレラーーーンス!。取り舵!。」
「ラジャ!。行くぞイーシャス!。」
女操舵手イーシャス。
元ギャル。
そして、元巡洋艦ジェースピットのメイン操舵手。
「アイ、アイ、ッサーーーー!。」
2人の操舵手が全力で操舵桿を倒す。
ラムダが激しく傾く。
「総員!。耐衝撃、耐閃光防御!。」
エマが叫ぶ。
...
...パッ...
強い光。
対音対閃光ゴーグルでも防げない。
目蓋が真っ赤に光る。
「モニターオールシャットダウン。耐閃光耐音シールド展開。」
「ラジャ。」
ベストタイミングだ。
エマ。
一気に艦内が真っ暗に。
....
...パゥッ...
....
...
来た。
音なのか振動なのか分からない。
耐音シールドを越えて来る。
鼓膜。
もってくれ。
我々には僅かな余裕もない。
ラムダ13が激しく揺れている。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
この激しい揺れで、ラムダが空中分解しないのが不思議だ。
...ゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
「解除ーー!。オール解除!。」
エマが叫ぶ。
全担当がレバーやハンドルを一斉に戻す。
一気に復帰する。
全てのモニター全てのコンパネも。
情報量が多すぎて目が眩む。
『...アレ...ク.セブ..ン作..戦を..開.始する。...』
モニター18。
航空戦車隊が爆炎の中に飛び込んで行く。
ティゲルワン、ティゲルツー、オリファントの隊列。
粒子砲と生体(粒子)ミサイルでバルバロイを殲滅する。
『...スタ..グツー.突入...する。...』
かなりの苦戦が予想される。
『...アレク..エイト、スタ..グツ...ーに続く。...』
7年前とは違う。
バルバロイは並の出力では叩けなくなっている。
隊列は猛烈な爆炎の嵐の中へ。
『...ガン..フィッ..シュイ...レブン続く。...』
一際大きなキノコ雲の中へ。
デューン本軍への空爆を抜け、半分の航空機材がバルバロイを殲滅しに来た。
全く攻略が進んでいないデューン本軍。
このガレンルハンドに集結してしまったからだ。
ポイントレイバー、バインレイノルズ、ドッグウッド、パインツリー...。
全ての我が師団が壊滅した。
集結したデューン本軍の総数は3000万。
バルバロイも数100万単位だ。
全て我々の予測の100倍以上。
敵艦載機は、マルデックの原子力スターンで、全く降りて来られない。
だが、例え半年かけても、勝てるかすら分からない。
ダルカン、タイクーダイ、ジャミナキラ...。
強力な兵曹を擁している我らでも。
早期に、超大国デューンのアキレス腱、ターシーエネリウムエンデートを掌握。
バルデス前衛艦隊に打撃を与え、ボルボーレとゾアーグを倒すことで、デューン全軍のハイドラ侵攻から撤退を促す。
これが我々の計画だった。
しかし、ボルボーレやキリーク、そしてバルバロイまでもが遥かに強力に進化している。
当初8か月の計画は既に38ヶ月を超過。
とうとう眠れる大国を目覚めさせてしまった。
我らは巨象と戦う1匹の蟻。
とても深刻な状況だ。
ハイドゥクそして、5大アンティカに希望を繋ぐ。
それしかない。
「ば、ば、ば、バルバロイ...ざ、ざ、残存、な、7700!。」
「効いたぞ!。」
「まだ計画の3倍います。」
「後は、火口包囲陣に頼るしかない。」
「ダメだ。火口包囲陣のエネルギー規模38000。もう殆ど残っていない。」
「なんだって...?。」
何だあれは?。
おかしな動きの奴が。
ナイジェルも気付いている。
「おい!。ガ..が、ガレス。ド、ド..ドゥボンがいる。き、気をつけろ。ば、ば、バルバロイに紛れている。」
ドゥボン!?。
「ど...ドゥボンが?。汗。何でドゥボンが...。」
まさか...汗。
「ナイジェル!。間違い無いか?。」
「は、はい!。ま、ま、間違いはありません。」
ドゥボン(ワイナ語:ガマ口)は、ボルボーレのプロトタイプと言われる生き物。
体長は60m。
クジラの腹のような体。
ガマ口と言われる口に無数の目がついている。
サンショウウオのような手足。
特に攻撃力があるわけではない。
ネスクの毒を纏っている訳でもない。
しかし、イブラデの戦いの最大のネックになっている。
「待って!。始動するわ!。」
リタが叫ぶ。
「な、何が!?。汗。何!?。38000で?。」
ガレスが動揺してる。
...ドンドッドドッ...ドンドッドドッド...ドンドッドドッド...ドゴドゴドゴ...
...ドンドッドドッ...ドンドッドドッド...ドンドッドドッド...ドゴドゴドゴ...
バイバルスの太鼓が鳴り始める。
「し、し、シエル達が離脱する!?。何で?。聞いて無いよ?。」
何だって!?。汗
ロスターも慌てている。
火口包囲陣が5層になる...。汗
「大丈夫だ。陣が礼でエネルギーを回復する間の時間稼ぎだ。」
ガレス。
第一層のイブラデ達が陣から離れて行く。
シエル、マセナ、ブリュイエール、タンパー、ディーチーそして、サビアノーア。
主力のイブラデ達が。
... ナーリヤ...ペルーアイルニナアーリーソンシーセンケオーーーーーーーード、ルクエーーーーーーーーーーーーゥェドーーーーレェ ...
「トルの声だ!。」
「トルカカが歌い始めたわ。」
「艦長!。」
「良し。ヘザー。また頼む。歌の意味が作戦に関係する。」
「アイアイサー。音声で出すわ。」
《...音声変換中...》
《...音声変換中...》
《...音声変換中...》
《...古代ワイナ語:マジゥアンティカ武闘歌...》
《.......我...に、海..は巨.大なうねりを上げ、空は怒り光の槍を振るう。風は奈落まで吹き飛ばし、大地は我を無き者として振舞う...》
...ドコ...ドコ...ドコ...ドコ...ドド
...ドンドッドドッ...ドンドッドドッド...ドンドッドドッド...ドゴドゴドゴ...
ワイブーが鳴り響く。
「動き出した!。火口包囲陣が!。」
...ギューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーール...
《...古代ワイナ語:回(歯車)...》
オパが叫ぶ。
〔※オパ : 19歳。女の兵曹。体長29m。シカム系(青)。ラキティカに近い。セティ家 前征天大剛 バラドの嫡子。父のことでバッシングを受けて育つ。マジゥに尊敬と憎しみトラウマ、複雑な感情を持つ。トルカカが姉と慕っている。〕
「え!?。」
ラウルが途方に暮れている。
「え?。ギュ...ギュール(歯車)。」
ロスターまでもが...。
「ま、マハ(祈)じゃないのか!?。汗」
「ガレス!。おまえもか?。汗」
ど、どうなってる...!?。
「ガレス!。ロスター!。クリックと速度コントロールを継続しろ!。ベース部分は同じで良い。」
「ラジャ!。」
「ラジャ!。助かるぜ。艦長。汗」
... カルバァーーーーナソーダスーーーーマポータルナーリノウアカイェーーーノルソゥダスゥーーーーーーーーーーーーーーー ...
《...進むべき道は無く、帰る家は無い。我は己が生まれたことを悔やみ、己の星を呪う。...》
「か、回転し始めた。」
「アルマダイもアルマダイの刃も無いのに...。一体...汗。」
「刃があったらシエル達が死んでしまう!。良く考えろ!。」
ガレスがロベルトに噛み付く。
「ガレス!。言い方!。」
ヘザーが嗜める。
「見ろ!。火口包囲陣がシエル達にエネルギーを送ってる!。」
ロベルトが珍しく取り乱している。
... ザンヌキースヌゥーーーースピカスヌゥーーーーーールルォホルノミィー。ウェドーーススゥーーハアミナルエンジェラーーーーキョゥゥーーーーーー ...
《...しかし、星の夜、何者かが囁いた。耳元で。心地良き風、虫たちの歌声と共に。...》
「陣のエネルギーが上がっていく....。汗」
「消費してるはずなのに?」
リタが首を傾げる。
「トルカカの歌が...?。」
「シエルが止まった!。」
シエルはただ立っている。
〔※シエル : 23歳。イブラデ最年長。体長48m。メロウ系(黄)。漁師 海人。最もラキティカに近い。過疎化の進む、クブワンカ州ルサイン村の英雄。無名のアルム家の戦士。〕
痩せたゾンビが覗き込んでいる。
笠の様な頭甲をしているバルバロイ。
槍を持っている。
レインシェード(雨笠タイプ)と言われる、最も戦闘力の高い奴ら。
「?!。し、シエルどうした...。汗」
ガレスがラジュカムに叫ぶ。
〈...........〉
シエルは答えない。
シエルは動かない。
シエルが弱っている...!?。
危険だ!。
弱みを見せては。
骨の髄までむしゃぶりつかれる。汗
奴らはハイエナやピラニアよりたちが悪い。
シエルはトルカカの歌の癒しを受けている。
やはり負担が大きかった。
しかし、シエルが倒れれば、影響は生半可ではない。
...ゴゴゴゴギャアアアアアアアアァァァァァァーーーーーーーーーーーー...ギィィエエェェェーーーーーーーーーーーー...ギャアアアアァァァァァァーーーーーー...
!
「し、シエル動きません!。」
どうした?!。シエル。汗
しっかりしろ!。
「シエル!。しっかりしろ!。」
ガレスがラジュカムに叫ぶ。
一斉にバルバロイが襲いかかる!。
シエル逃げろ!。
「あぁぁ...。」
し、シエル!。汗
「シエルー!。」
四方からレインシェードが激突する。
槍を突き刺す。
シエル目掛けて。
....ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...バシュウゥゥッ...ドスッ...バスウッ...ドーーーーーーーーーーーーーーーン...
....
...
「あ...あ...。」
...
...シャアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ブシャァァァァァァァーーーーーー...
体液が噴き上がる。




