ダヌアの空に94
私はイモーラン。
冥界の主。
我ら種族は光と熱を操る。
クロカゲは意識と本能を持つのみ。
王であり主である私だけが知能と意思を持つ。
人の言うIQなら1億を超える。
知識は次元が違う。
熱と光を集め直ぐに帰るつもりだった。
我が大王の再臨のため。
この星トリスタンを未来に導いて下さる。
しかし、離れられなくなった。
ここに重力が発生している。
愛という名の重力。
嘲笑するな。
否定しながらも、それにすがって生きる哀れな者たちよ。
愛と重力は密接な関係がある。
人の言う物理でも。
愛は粒子であり波長である。
そして、法則。
決まり事、ルール、プログラム。
この近接宇宙全ての。
重力もしかり。
私はそのせいで、波動を落とし、ここに留まっている。
微かに残る記憶。
人だった頃の記憶...。
...
......
..
あ..ぁぁ...。
愚かで、浅はか。
弱くて、小さい。
儚く、脆い。
しかし...。
柔らかく、温かい。
突然、神である私に戦いを挑み、直ぐに忘れてしまう。
そして、私を許すと言う。
神である私に施そうとする。
何も出来やしないくせに。
腹ペコなくせに。
石や紙で作った謎のガラクタや貧しい食べ物。
理不尽に罠を仕掛け。
意味もなく抱きついて来る。
うるさいし、煩わしい。
無駄で、面倒くさい。
しかし...。
....泣
し、しかし....。
光が溢れている。
目が眩むほど。
温もりに満たされている。
心の闇が溶けるほど。
あの笑顔。
あの笑い声。
心から離れない。
あの匂い。
あの愛おしさ。
あの感触。
忘れられない。
忘れることが出来ない。
柔らかくて滑らか。
そして軽い。
喧嘩をして、仲直りをして...。
伴に過ごし、伴に寝て...。
伴に泣いて、伴に笑った。
何にも変えられない。
かけがえが無い。
宇宙より重いものがあると知った。
無限より価値がある物を見つけた。
この私にとって。
初めて孤独を知った。
4兆年の時を経て。
....
地面が振動している。
..
若い兵士の陣が始動する。
...
...
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
『... 始まった...。....』
フェーン(金属の笛)の和音が鳴り響く。
...ドコ..ドン..ドン...
...ドコ..ドン..ドン...
...ドコ..ドン..ドン...
バラ (小太鼓)の音。
小さきイブラデ達が奏でる。
総大将オパの目や耳となって。
6層のハニカム構造。
483体のイブラデの陣。
陣の状態を伝える。
『...お..い!。汗。ガ.レ...スっ!。違.う...ぞ!。...』
通信が聞こえる。
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
フェーンの和音が風を切り裂く。
そしてオパの意志を陣全体に伝える。
爪の先まで。
『...な、何て....こと..だ!?。汗。違.う...歌だ。...』
ハイドラの戦略装甲車の通信。
...ドコ..ドン..ドン...
...ドコ..ドン..ドン...
...ドコ..ドン..ドン...
『...迂...闊.だっ...た!。どう...す...る?!。...」
変化暗号通信...。
イブラデ達の摺り足で移動しながらの蹴り突き。
一糸乱れない。
『...合わ.....せ.るし...かな.い。急..げ!。...』
...アドゥーーーーーゥゥウウーーーーーーーーーーーライィィーーーーーーーーティーーーーーカーーァァーーー...
《...戦士達よ聞け。我らが空の明王が歌。明王が舞。...》
若き兵曹カルバの歌声が響き渡る。
古代ワイナ語...。
このゾーグの大地全体に。
この地平まで続く黒土の大平原に。
遥か彼方に点在する山々。
エネリウム鉱山特有の形。
そして黄金のドーム ゾルクヌート。
遥かに超えて届く歌声。
長であるオパの王笏の動きに呼応する。
歌のトーンや強さ高さも変わる。
汽笛でも警笛でも無い。
獣の咆哮とも違う。
...ドコ..ドン..ドン...
...ドコ..ドン..ドン...
...ドコ..ドン..ドン...
ワイブー(バイバルスの大太鼓)が大地を揺さぶる。
それぞれがシーアナンジン(千年虫)を宿した、兵曹とも言うべき楽器達。
...ドン...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...
明らかに旋律を持っている。
...ドン...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ... ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...ドッ...
...ハッ...ハッ...ハッ...ハッハッハッハッ...
...ハッ...ハッ...ハッ...ハッハッハッハッ...
...ハッ...ハッ...ハッ...ハッハッハッハッ...
...ハッ...ハッ...ハッ...ハッハッハッハッ...
イブラデ達が一斉に声を上げる。
これは....。
空のアンティカの歌。
...ドンドゥドッドッドッドッドッド...ドンドゥドッドッドッドッドッド...ドンドゥドッドッドッドッドッド...ドンドゥドッドッドッドッドッド...ドンドゥドッドッドッドッドッド...ドンドゥドッドッドッドッドッド...
...パァーーーーーーーーーーーーーーーー...
...パァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
パワーシード(バグパイプ)が鳴り響く。
合図に動き始める。
6層の陣が回転を始める。
別の歯車のように。
まちまちに。
ゆっくりと。
...サンディーーーーーーィィーーーーーーーーーーバフゥーア...イルーーーサ...ナ.ーー..ナァァーリーーーー...ニーーーールーーカンテァーーーーーーーーーーーー...
《...我、嵐の中、異端として生まれた。異端の小さき者として。誰も知らず。誰にも知られず。...》
カルバの歌は続く。
...ドコ..ドン..ドン...
...ドコ..ドン..ドン...
...ドコ..ドン..ドン...
太鼓の鼓動、若者達の雄叫び、そして一糸乱れない足踏み。
絶望と恐怖を勇ましさに高めて行く。
... ナーリヤ...ペルーアイルニナアーリーソンシーセンケオーーーーーーーード、ルクエーーーーーーーーーーーーゥェドーーーーレェ ...
《...我に、海は巨大なうねりを上げ、空は怒り光の槍を振るう。風は奈落まで吹き飛ばし、大地は我を無き者として振舞う...》
マジゥ•アンティカの歌。
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
フェーン(金属の笛)が雄叫びを上げる。
一斉に。
あの子達が慕う兄を救った。
マジゥの歌。
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
... カルバァーーーーナソーダスーーーーマポータルナーリノウアカイェーーーノルソゥダスゥーーーーーーーーーーーーーーー ...
《...進むべき道は無く、帰る家は無い。我は己が生まれたことを悔やみ、己の星を呪う。...》
カルバの歌が淀むことは無い。
...ドコ..ドン..ドン...
...ドコ..ドン..ドン...
...ドコ..ドン..ドン...
鼓動と同期し激しくなって行く。
何十ものバラ (小太鼓)の響き。
... ザンヌキースヌゥーーーースピカスヌゥーーーーーールルォホルノミィー。ウェドーーススゥーーハアミナルエンジェラーーーーキョゥゥーーーーーー ...
《...しかし、星の夜、何者かが囁いた。耳元で。心地良き風、虫たちの歌声と共に。...》
無償の愛を注ぎ込んだ者の歌。
...ガンガンガンガン...
...ジャンガンガンガン...
ジェンカ(鐘)が警鐘を鳴らす。
陣の隅々に。
... デーバィヌグゥオオクナナメルセィーーーーーーアルマヌーーーナムヌグゥオオクナナメルセーーーーーーデハナーーーーザァァーーーーーー ...
《...汝には強き源がある。愛と言う名の強き源が。忘れてはならないと。...》
陣はなお歯車のように回転する。
それぞれの層が別の方向へ。
それぞれの速度で。
... デーバィヌグゥオオクナナメルセィーーーーーーアルマヌーーーナムヌグゥオオクナナメルセーーーーーーデハナーーーーザァァーーーーーー ...
... デーバィヌグゥオオクナナメルセィーーーーーーアルマヌーーーナムヌグゥオオクナナメルセーーーーーーデハナーーーーザァァーーーーーー ...
合唱を始めた。
男も女も。
... デーバィヌグゥオオクナナメルセィーーーーーーアルマヌーーーナムヌグゥオオクナナメルセーーーーーーデハナーーーーザァァーーーーーー ...
イブラデが一斉に声を合わせる。
...ドコ..ドン..ドン...
...ドコ..ドン..ドン...
...ドコ..ドン..ドン...
更に無償の愛で護り抜いた者の歌。
...パァーーーーーーーーーーーーーーーー...
...パァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
秩序を切り裂く。
悲しく奇天烈な音。
パワーシード(バグパイプ)の。
... デーバィヌグゥオオメキラメルセィーーーーーーアルマヌーーーナムヌグゥオオクセメタムルセーーーーーーデハナーーーーザァァーーーーーー ...
《...汝には強き力がある。勇気と言う名の強き力が。忘れてはならないと。...》
カルバにマジゥ•アンティカが乗り移る。
孤独なシャガール族の少年が。
...ドコ..ドン..ドン...
...ドコ..ドン..ドン...
...ドコ..ドン..ドン...
だが。
もはやハイドラに勝機はない。
トヨコが死んだ今。
あの霊能者なき今。
... デーバィヌグオオクマクアメルセィーーーーーーアルマヌーーーナムヌグゥオオウオカンスセーーーーーーデハナーーーーザァァーーーーーー ...
《...汝には正しき標がある。正義と言う名の明らかなる標が。忘れてはならないと。...》
ヒドゥイーンは気づいてすらいない。
誰1人。
...ドコ..ドン..ドン...
...ドコ..ドン..ドン...
...ドコ..ドン..ドン...
タイクーダイの力が遥かに及んでいない。
トヨコは温存していた最期の力を使った。
...ガンガンガンガン...
...ジャンガンガンガン...
使い切ってしまった。
あの場を切り抜けるために。
あの異次元の怪物を倒すために残しておいた。
... デーバィエヌゥータロ。カハヌーーディアルアーーーーーー...
《...汝に問う。他に何を所望するかと。...》
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
無常にもフェーンが鳴り響く。
あの神獣は、神の力を宿すもの。
神の力を具現化する守護獣。
... デーバィエヌゥータロ。カハヌーーディアルアーーーーーー...
... デーバィエヌゥータロ。カハヌーーディアルアーーーーーー...
... デーバィエヌゥータロ。カハヌーーディアルアーーーーーー...
熱気はヒートアップする。
若者達の歌声と共に。
トヨコの祈りは、神への祈りとなり、アモイ神ドーラへの神道を貫通させる。
だからこそタイクーダイは強い。
そして。
今のタイクーダイにはドーラの力は宿っていない。
ただの小さき兵曹獣だ。
... フンムネマールエバ。ヌーカヌソーバイキヌルエメカムリ ...
《...故に我進む。うねりをこの両腕でかき分けながら。...》
...ドンドゥドッドッドッドッドッド...ドンドゥドッドッドッドッドッド...ドンドゥドッドッドッドッドッド...ドンドゥドッドッドッドッドッド...ドンドゥドッドッドッドッドッド...ドンドゥドッドッドッドッドッド...
バラ(小太鼓)が響き渡る。
より力強く...。
漂い始めた不穏な気を隠すように。
ここにはもうバラン線が差し込んでいる。
アルゴとバランが来る。
邪神アルゴとバランが。
デューンの大王クセルクが召喚した。
... フンムネマールイーバ。ヌーカルゥーカカメトーブキヌルエメカムリ ...
《...故に我進む。風をこの胸に受け止めながら。...》
絶望しかない。
ハイドラに取って、いや世界に取って。
もはや。
ハイドゥクですら歯が立たない。
相手は邪でも神なのだから...。
誰も救えない。
この小さき国を。
... フンムネマールイーバ。ヌーコントラキーガーーーサーカルゥーカカメトーブキヌルエメカムリ ...
《...故に我進む。光の槍をこの満身に受けながら。...》
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
...ファーーー...ファーーー...ファッ...
それを知らず、フェーンはイブラデを鼓舞し続ける。
何者も手を差し伸べない。
このひたむきな民族に。
... フンムネマールイーバ。ヌーカルゥーカカメトーブキヌルエメカムリルクエーーニモフォータ ...
《...故に我進む。大地をこの脚で捉えながら。...》
だが、私の重心はこの者たちの中にある。
豪雨の中、括り付けられたカカシのように。
嵐の中、繋ぎ止められた凧のように。
... ソヌイルクリーーバルナ。イーブァ、メセヌーカク、ム、レ、アンティゥカーハ。 ...
《...我、ここにあり。我は、正義のアンティカなり。...》
どうしても離れられない。
何とかしてやりたい。
... ソヌイルクリーーバルナ。イーブァ、エメヌノータ、ム、レ、アンティゥカーハ。 ...
《...我、ここにあり。我は、勇気のアンティカなり。...》
例え2つの太陽に逆らっても。
例えこの星を逆に回したとしても。
... ソヌイルクリーーバルナ。イーブァ、アルマーナ、ム、レ、アンティゥカーハ。 ...
《...我、ここにあり。我は、愛のアンティカなり。...》
あれの力を借りるより無い。
... イルーーバ、シスゥーア。メーフ、ニルマーバノームエアハィ。 ...
《...我、進む。例えこの身が滅ぶとしても。...》
例えナジマの逆鱗に触れようとも。
... イルーーバ、シスゥーア。メーフ、アクタナジールゥノームエアハィ。 ...
《...我、戦う。例え千の神を敵に回したとしても。...》
私が永遠に消えるとしても。
... イルーーバ。アルマーナ、マハ、ヌーカアジヤワーヌナン。 ...
《...我、祈る。愛すべき全ての者達のため。...》
我が同胞。
天空の神ラプロス。
全長10000mの銀の大虻よ。
どうか...。
何とか...。
...
... イルーーバ、アルマーナ、ダイ。 ...
《...我が魂のまま。...》
...ドコ...ドコ...ドコ...ドコ...ドドドド...ドドドド... ドドドド...ドドドド...ドドドド...ドドドド...ド...........
...
...
?
...
音が消えた。
...
...ビュウウウウゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...
風が平原を駆け抜ける。
...
...
...ビュウウウウゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ブゥオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
あらゆる方向から風が吹き荒れ始める。
『...一の舞...が終..わ.っ...た。...』
『...バ..ルバ...ロイ.距...離...49..0m。...』
...ドドーーーーーーン...
!!
大地を揺るがす、ワイブー(バイバルスの大太鼓)の音。
...パゥァー...パァゥワアーーーーーー...パゥワワワゥアワゥァァーーーーーーーーーー...
パワーシード(バグパイプ)の重く大きな調べ。
旋律が変わる。
より力強い曲へ。
『...イブ...ラ..デの.陣。火..口..方位...陣。エ...ネル..ギー...規模。1億..7011.万カ...ルー..デラ。...』
『...曲調...が変..わっ..た!。...』
...ファゥァーファゥァーファゥァーファゥァーファゥァー...
...ファファゥァーファファゥァーファゥァーファファファゥァーーーーー...
フェーンが(金属の笛)呼応して同じ旋律を奏でる。
『...また...想..定外...だ。...』
...ドンタタタッタ...ドンタ...ドンタ...
...ドンタタタッタ...ドンタ...ドンタ...
...ドンタタタッタ...ドンタ...ドンタ...
『...これ..は..確か...汗。マ..ジ.アの...歌。マ..ジ.アア..ンティ..カ...の歌。...』
...パゥァー...パァゥワアーーーーーー...パゥワワワゥアワゥァァーーーーーーーーーー...
『...歌で...は..ない...ウオー..クライ...だ。...』
何と!。
マジア•アンティカの。
もう1人のアンティカの歌。
最強のアンティカの歌。
...ファゥァーファゥァーファゥァーファゥァーファゥァー...
...ファファゥァーファファゥァーファゥァーファファファゥァーーーーー...
『...火口..包囲...陣。エ..ネル...ギー規..模一気...に上がり...ます。3億..5千、6.億9..千!。汗。
き、き、9億3776万!。...』
凄まじいエネルギー量。
...パゥァー...パァゥワアーーーーーー...パゥワワワゥアワゥァァーーーーーーーーーー...
...ファゥァーファゥァーファゥァーファゥァーファゥァー...
...ファファゥァーファファゥァーファゥァーファファファゥァーーーーー...
パワーシードを追い、フェーンが奏でる。
『...ハイ..ドゥ...クの雷爆...並..の...エ..ネル.ギー。汗...』
...ファッファファファーファーーファーーーーーーファーーーーーーファーーーーーーファーーーーーーファーーーーーーファファファファファーーーーーーーーーーーー...
...ドンタタタッタ...ドンタ...ドンタ...
...ドンタタタッタ...ドンタ...ドンタ...
...ドンタタタッタ...ドンタ...ドンタ...
この構造はアルマダイを中に呼び込む形。
6層のこのダイヤルのように動く陣がエネルギー誘い込む。
宇宙の精密な鍵を開け、陣に永遠のエネルギーを注ぎ込ませる。
...ドンドコドッド...ッッドッッッド...
...ドンドコドッド...ッッドッッッド...
...ドンドコドッド...ッッドッッッド...
破バスター • 砦ギャズバァ • 存ルー • 祈マハ • 改ギュール
4つの状態。
4つの戦略。
英雄ペルセソスが数千の悪神を倒すため編み出した陣。
神のみが知る法則。
...パゥァー...パァゥワアーーーーーー...パゥワワワゥアワゥァァーーーーーーーーーー...
...パワウワワゥワーーーーーーワゥワワゥアーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
パワーシードが猛り狂っている。
まるで神々の怒りのように。
あれは気づいてしまった。
いつか消さねばならない。
...ドンドコドッド...ッッドッッッド...
...ドンドコドッド...ッッドッッッド...
...ドンドコドッド...ッッドッッッド...
アトラの戦術予報士。
...ファゥァーファゥァーファゥァーファゥァーファゥァー...
...ファファゥァーファファゥァーファゥァーファファファゥァーーーーー...
更なる叡智に気づく前に。
開けられたパンドラの箱。
...ドコドコドコドコ...ドドドドドドドドドドドドドドドド...
...ドコドコドコドコ...ドドドドドドドドドドドドドドドド...
...ドコドコドコドコ...ドドドドドドドドドドドドドドドド...
激しさを増すバラ(小太鼓)。
高まる恐怖、そして奮い立つ闘争本能そのもの。
『...距...離0!。バ.ル..バロ...イ..と火..口包...囲陣。距..離0!。...』
...ファッファファファーファーーファーーーーーーファーーーーーーファーーーーーーファーーーーーーファーーーーーーファファファファファーーーーーーーーーーーー...
『...来..る!。バ..ルバ..ロイ!。...』
『...来.る..ぞ!。...』
...ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
土砂が噴き上がる。
漆黒の骸骨が飛び出して来る。
鋼鉄のミイラ。
ビルより大きい。
8つの丸く赤い光る目。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
バルバロイが飛び出す。
地中から。
次々と。
両腕も頭。
赤い一つ目の禿頭...。
人間に近い顔。
コールタールのような黒い粘液が流れている。
全てのバルバロイの身体から。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
首が鳥の巨人。
無数の目が胸に並んでいる。
筋骨隆々とした身体。
真っ黒な鋼鉄の。
...ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
全身がガマ口。
鋼鉄の。
目が口に沿って無数にある。
イブラデ最大のディーチーと同じ大きさ。
...ドーーーーーーン...
ずんぐりした鋼鉄の巨人。
頭はナメクジ。
無数の伸びる目。
鎖鎌を握りしめている。
...ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
体長100mの3つ目の鬼。
『...バル...バ.ロ..イ。数3万。数3万。...』




