ダヌアの空に88
...ゴゴゴゴーーーーーー...ゴゴゴゴーーーーーー...ゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーー...
土煙で何も見えない。
フロントシールドに激しくぶつかる。
...ドドドドドドドドドドドドドドドド...
...チッコーーーーーーーーーーーーーン...チッコーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
リミッターが鳴ってる。
コンパネはジャミーの進む方向を示してる。
『...スライディングしてる!。ジャミーが!。左に大きく湾曲!。キリークの脚にぶつかる!。...』
大きな赤い矢印で。
『...ユイピィ!。ユイピィ!。危ない!。危ない!。あぁぁ。...』
まるでレーシングカートのゲームみたいに。
角度も高さもギリ。
『...地高3.5。げ、限界だ...。あぁぁ....あ、あ!..。...』
ウチもジャミーも最大限にバンクしてる。
...バキイィィッ...
...ガンッ...
...
トップホーンが吹っ飛んだ。
ジャミー84のメインレーダー。
アフロダイレーダー。
....ガゴッ...
...ガゴッ...
ヒッ...。汗
脚の棘に接触し始めた。
うわぁああああああああああああぁぁぁ。
...だ、ダメかも...。
...これは....。
...うぅぅ...
...バッッッ...
『...出たぞーーっ!。出た!。ジャミーが出たぞーーーっ!。...』
...スライディングだぜあれ...
...ヒュー...
...オーーー...
...凄いぞ...
...ウォーーー...
...おおぉ...
...キャーー...
...やった...
...ヒューー...
...ジャミーが抜けたぞ!...
...おぉーー...
...おお...
...ウォォーー...
...神よ...
...イェーイ...
...オーーー...
...何て奴だ...
...スライディングしたぜ?..
....ヒュー...
....おおぉ...
...援護するぞ...
...オーー...
...ウォーーー...
...何だあのテク...
...やりやがったぜ...
...ジャミーで...
...やったぜ!...
...ヒューヒュー...
...ウォー...
...すげぇ...
...オー...
...やったぞ...
...ハンパねぇ...
...何だあれ?...
...行け行けー...
...いいぞージャミー...
...良くやった...
...ウォーーー...
土の煙幕から抜ける。
やったの...?。
抜けれたの?。
!!
あぁ...。
キリークがペネループに。
真っ逆さまに。
間に合わ...。汗
!?
...ゴウッ...
大きな塊が浮いてる。
大きな岩?。
まるで月...。
じ、じ...ジャミナキラ?。汗
土煙が噴き上がってる。
『...と、飛んだ...。...』
80mの怪物。
アモイの守護者。
タイクーダイと同じ。
...ゴ...ゴゴ...ゴ...
『...ジャンプしたぞ!。...』
遠くだからスローモーション。
間近では爆速。
土砂が空に噴き上がる。
『...ぶつかる!。...』
キリークめがけて飛んでる。
バッタみたいな大きな目。
鏡みたいな赤い複眼。
カッパにもイグアナにも似た怪物。
両肘から煙。
飛び出した拳。
目に見えないスピードで。
ハンマーみたいな両腕。
大きくて重い。
キリークの尻尾とは比べ物にならないほど。
巨大で重い。
太くて長い前脚。
『...音速超えてる。...』
目にも止まらない。
ジャミナキラのハンマーパンチ。
この大きさでこのスピード。
いつの間にかキリークに到達してる。
打ちのめしてる。
『...来るぞ!。ソニックブーム!。...』
...スゥゥゥゥーーーーーー...
...
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
大気が割れる音。
...ゴ....ガッ.....
...ゴゴ...ボゴ...ガゴ...ゴゴゴゴ...バキバキ...
....ズズズ...
ジャンピングダブルパンチ。
凄まじい破壊力。
大きな鋼鉄の重しがキリークの顔面そして身体にめり込んで行く。
キリークがまるで卵の殻みたい。
あの重いキリークが空中で粉々に。
本体はもう地面にめり込んでる。
!
燦然と光ってる。
ジャミナキラの赤い目。
撃つ気だ!。
巨大な楕円の目。
植物巨人の。
『...おぉぉぉぉ...。撃つぞ!。ジャミナキラが。...』
機材が上空に離散する。
一気に。
『...離脱!。...』
『...退避する!。...』
『...伏せろぉ!。ユイピィ!。伏せろぉっ!。...』
時間が無い...。
『...ジャミーをカバーする!。...』
10式隊が前に来た。
防波堤になってくれる。
近くで見る10式。
大きい。
ミニチュアなんかじゃない。
進路の両サイド。
光?。
ファザスだ!。
ファザスを組んでる。
ファザスフォーメーション。
全ての10式がスパイキーを地面に撃ちこんだ。
ウチの為に。
「ありがとう!。みんな!。」
『...z38!。前の土地が下がってる!。そこで防風体制を!。...』
「了解です!。ありがとう!。」
若い男の人...。
ウチより。
「アクセル。トゥ447、12。」
《...ダァ...》
ジャミーがオートで動く。
...ゥゥゥ...
...ダン...ズダン...
...
ここだ!。
ホントに窪みが!。
「見つかった!。ありがとう!。T67!。」
『...問題ない。役に立てて良かった。...』
歳下の子...きっと。
「アフロダイシールド全開!。」
《...ダァッ...》
パワーが6まで落ちた。
12%から一気に。
レッドゾーン。
ジャミーの残量も少ない。
「防風体制。」
《...ダァッ...》
「スパイキーアンカー。」
《...ダァッ...》
...バッス...バッスゥ...バス..バス...バス...バッスゥ...
地面から土煙。
アンカーが大地にジャミーを固定する。
スパイキーが外れなくなるバグが良くある。
今日だけは勘弁してよ?。
イグニッションキーが揺れてる。
サーフボードのキーホルダー。
透明な紫の。
カヌルとミイサ。
それからメラファンとタンジア行った時の。
綺麗だった...タンジアの海。
カリビア。
そして夕日。
メラファンはウチらの3つ歳上。
ミイサの彼氏。
夏の思い出...。
...
来る!。
ジャミナキラの粒子線が。
...ピシュウウウンッ...
うわ。
眩しい!。
目が!。
目が!。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
大気が裂ける音。
暗闇からこの閃光。
雷のラスボス。
キリークが吹き飛ぶ。
次々と。
焼けて引き千切れてく。
影しか見えない。
眩しすぎて。
耐閃光シールド、耐音圧シールド、ゴーグル、ヘッドセット。
瞼...。
役に立たない。
こじあけて飛び込んで来る。
...ドーーーーーーーーーン...
ジャミナキラが前脚から着地した。
地面を剥ぎ取りながら。
ジャミーごと飛び上がる。
何て重量?。
...ゴゴゴゴ...ドドドド...
身を隠さなきゃジャミーごと噴き上げられる。
爆風と衝撃波。
ハンパ無い。
『...良くやった。シカモア。偉いぞ。シカモア。...』
ルイスの声?。
『...聞いたか?。ルイスだ!。レオパードのルイスだ!。...』
ルイス少佐は有名人。
ハイドラ軍のエース。
ジャミナキラが倒れ込む。
ウチらの近く。
超絶デカイ。
目だけでジャミーよりデカイ。
怖い...。
光...消えてる?。
シールドから見える目。
焼けるように輝いていた赤い目。
アルマダイが切れたんだ...。
アルマダイによって生かされている植物。
乾燥した強いヘチマの匂い。
目を閉じている。
この子も生きてる。
この子だって生き物。
この子も戦っている。
...ギィヤアアアアアアアアアアアアアアアアァアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー...
咆哮を上げる。
生き残った2体のキリーク。
...ババババババババババババババババ...
...シュウゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
緑色の強い光が空を切り裂く。
...シュウゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
塹壕から見上げる化け物。
聳え立つ怪物。
微かな緑色の光に照らされている。
観光地の巨大な石像のみたいに。
金属の蜘蛛の上には如来様の顔が乗っている。
阿修羅のように結合して。
穏やかな筈の目は真っ赤に血走っている。
よく見ると細かい爬虫類の目が複合してる。
昆虫の複眼。
悍しさしか感じない。
もし、兵曹達やレオパード、ジャミナキラ達がいなければ、みんな心にトラウマを残しただろう。
幸いウチらの仲間はキリークの何100倍も強い。
エネリウム線を吐き続ける。
...バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ...
顔が半分になったのと、まともなの。
ジャミナキラの粒子線に怯えて、狂ったようにエネリウム線を吐いてる。
...ババババババババババババババババ...
...シュウゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...シュウゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ...
ジャミナキラが怖いんだ。
キリークにはこの戦いで、ジャミナキラへの恐怖が染み付いた。
あの巨大な化け物がジャミナキラを恐れてる。
カヌルが言ってた。
ジャミナキラはスナックみたいに、キリークを食べる。
...グウェ...ガガガガガガ...ゴゴゴゴガガガガーーーーーーーーーーーーーー...
来た!。
顔が半分になった方。
...ドッスーーーーーーーーーーーーーン...
...ドドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
脚でジャミナキラを滅多刺しにしてる。
ジャミナキラから煙が。
ヘチマの匂い、凄く強くなってる。
『...ジャミナキラが腐り始めたぞ...』
『...シカモア。頑張れ。もう少しだけ。母さんが動けるようになるまで。ジャミーが来てくれる。ジャミーが助けに来てくれる。だから耐えてくれ。シカモア。...』
あのルイス少佐がウチを待ってる...。
第1ジャミナキラ シカモアを励ましてる。
優しい声。
強く芯の通った声。
少し震えている。
怒りと悲しみで。
ジャミナキラの本当の母さんみたい。
...グウォォォ...
!
目を開けた。
ジャミナキラが。
大きな目。
ジャミーより大きな目。
...ゥゥ...カチ...
白くなった目。
...ピー...
可哀想に。
...カチッ...カチッ...
心細そう。
苦しんでるんだ。
母さんに助けを求めてる。
...ピー...ピー...カチ...カチャ...
!
クロッカーが反応してる!。
ここはもうペネループの圏内!。
ペネループが手繰り寄せてくれるかも。
きっと。
裏側でありとあらゆる手を使って。
きっと、いくつもの手、いくつもの目が張り巡らされてる。
ハイドラのメインフレーム ペルセアが、ハイドゥクの子供を探した話はあまりにも有名...。
ロボットやコンピューター、車、トースターそして、芝刈り機。ありのあらゆるものを遠隔で操作や改造をして。
今から15年前...。
タンジアの双子の1人。
その時は、何万個の捨てられたおもちゃや機械がタンジアの多くの家庭に押しかけた。
掃除機やラジコンのパトカー、ロボットのおもちゃ。
玄関を叩いたり、家に勝手に上がり込んでうろついたり。
言葉を話すのもいたみたい。
... ハイドゥクノコハドコ ...
って...。
だからペリシーダもきっと。
でも、受信ランプはつかない。
どうしよう...。
あと6分。
ダメだ。
外すしかない。
トランジスター。
待って!?。
点滅....。
《...パラメータ転送中...》
《...パラメータ転送中...》
「ゼイン!。ゼインー!。クロッカーが反応してる!。パラメータを送ってるわ!。」
ゲージが85%まで一気に上がる
「85になった!。」
...キーーーーーーーー....ーーーーーーーーーーーーーーー...ーーーーーーーーーーーーー..
微かなエンジン音。
ティゲルツーは上空に。
『...ホントか?。やったぜ!。やったな!。ユイピィ!。...』
ジャミーの上500mにいる。
いや...。
でも85から動かない。汗
どうする?。
このまま待つのが楽だけど...。
何もかも忘れてクロッカーだけを信じたい。
信じる者は救われる。
でも...。
「ねぇ。見えてる?。ゼイン。」
『...あぁ。動かないな。どう思う?。おまえら。...』
『...クロッカーこのままでトランジスターしかないな。ユイピィには悪いが...』
そうだよね。
『...私もそう思うよ。ただ、援護がねぇ。ムスタファもティゲルワンも全く援護出来てないよ。...』
でも行くよ。ウチ。ワルタリさん。
『...今は、パラメータをペネループに届けることだけを考えてくれ。...』
『...なら一択だろ?。俺たちが守ればいい。...』
...ゴゴゴゴゴゴ...ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...
ジャミーは爆走してる。
『...そうだよ。私たちが援護すれば何とかなるだろ。多分。まぁ...最悪、手はある。1匹だけなら...。...』
『...な!?。そうか!。...』
...キィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
ティゲルが高度を下げてジャミーについてくる。
『...ユーイ。その座標からペネループまで4700だ。至近距離でトランジスターを外して。...』
「りょー!。ねぇ。その時はクロッカーはこのままで良いの?。」
『...そうだ。そのままだ。トランジスタは外せるか?。重いぞ。あと、6分だ。座標教える。右斜め前だ。送る。行くぞ。...』
?。
何かゼインが落ち着いてる。
何かあった?。
まいいけど...。
「来た。まだ距離あるね?。あ、いける。外せる。多分。」
...カチン...
『...良し。頼むぞ。...』
『...おい。ゼイン何してる?。...』
『...ザック。ワルタリ。認証パス教えろ。...』
『...何でだよ。こっちで出来るよ。本人の承認いるもんな。笑。するよこっちで。モーダルこっちに出してくれ。...』
『...いいから教えろ!。パスワードも!。...』
『...な、何だよ。汗。何で怒ってる?。同意するって言ってるだろ。個人の意思を...。...』
どうしたの?。汗
『...ザアック!。早く教えろ!。時間が無いんだ!。上官に逆らったらどうなるか分かってるだろ!。バカ野郎!。おい!。ワルタリ!。おまえもだ!。...』
ゼインが変。
ここの所。
『...な、何だよ。あんた!。昨日から横暴すぎるよ。どうした?。いったい。...』
『...うるせぇ!。早くしろ!。このクソ野郎ども!。...』
『...イカレてんじゃねぇのか?。マジで!。ほらよ!。やってらんねぇ。...』
『...横暴!。おまえ酷いね!。最低のキャプテンだよ!。...』
「何やってんの!。揉めてる場合じゃねぇから!。」
!
...ギィヤアアアアァァァァァァァァーーーーーー...
『...来るぞ!。キリ...ークが。...』
まずい。
見つかってる。
『... 全軍。z38...を防御。 ...』
『...イエロー...イーグルリーダー...からイエローイーグル..へ。これより...ジャミーz38..の援護に回...。イエローワンから..イエローエイトは...』
『...TT19(ティーティーナインティーン)これ...よりZ38..援護に...入る。...』
『TT7、TT14。ペネル..ープ...防衛からジャミーの防衛...着く。...』
『...メッサーラ..隊。コンドー..レリーダーより...メッサーラ隊..ベーターへ。MM8を...リーダーに。隊を分割。ベータ...はジャミーを援護する。...』
『...こちら...TLリーダー。TY20。合流す..るか?。応答を...求む。どうぞ。...』
...コココ...コココ...ココーーーーーーーーーーーー...
メッサーラ隊。
一斉にミサイルを投下した。
...ゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
今出たらウチは吹き飛ばされる。
いつ出たら...。
「いつ出たらいいの!。ねぇゼイン!。」
『...もっと近くまで移動だ!。攻撃が止んだタイミングだ!。もっと近づけ!。...』
もう時間ないのに...。
...シュウゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ...
キリークがエネリウム線を吐いた。
...ボン...ボウン...ボン...ボン...
メッサーラが墜とされる。
かなりの精度。
この昆虫の射撃。
...バババババババババババババリバリバリバリ...
ムスタファ隊。
イエローイーグル。
ジャミーの頭上を掠めて行く。
地面スレスレ。
急上昇する。
キリークに見つからないように。
....ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...
33mmバルカン。
キリークの甲殻に弾かれてる。
全く効かない。
...ピシュゥーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
全機のアフロダイパワーレーザー。
キリークの表面を舐めるように這っていく。
キリークには効かない。
煙が上がるだけ。
全く効いてない。
『...ダメだ。こちら...イーグルリーダー..。イエローセ..ン、イエローイレ..ブン、そしてイーグルリーダーは粒子線..撃つ。他に残量のある者...?。...』
...シュウゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ...
...ボゥン...
...バウゥン...
...バゴゥン...
...ボゥン...
...シュウゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ...
ムスタファが次々と堕とされる。
ごめんね。泣
でも...。
『こちらイエロー...ナインティーン。残量...無い。デージー..スラッ...シャーを持ってる。...』
ウチには時間が無い。
『...了解!。デージー..残弾のある者。z38...最大限ケアして...発射。セブ...、ワンは粒子線放射後ベイルアウト。...』
待っていられない。
「ねぇ!。もう時間ない。ウチ出るよ!。攻撃控えて!。ゼイン!。ティゲルツー!。ティゲルツー!。援護お願い!。他の機材!。攻撃控えて!。ジャミーが出られない!。」
『...どう...する。TY20。...』
『...ユーイの。z38の言う通りだ。本機のみで防衛をする。ティゲルワンTT13。TT17。ペネループの防衛を。...』
『...TT13了...解。...』
『...TT1...7了解。...』
「今だ。行くよ!。ジャミー!。GO!。」
《...ダァッ...》
『...ジャ...ミーが..出るぞ。...』
『...z38が..出る。攻撃..中止だ。...』
『...ラジ..ャ 。...』
『...了解..。...』
『...キリーク来...るぞ。TY。援護..。援護...を。...』
キリークが近づいて来る。
光る頭を回転させながら。
モーテルの看板みたいに。
高速道路沿いの。
重い脚で地面をえぐりながら。
土を噴き上げながら。
こいつは今浮いてない。
巨大な鉄の塊。
重い鉄の。
...ギャァァァァァアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
『...2匹とも...狙いはz38だ。ジャミー..。...』
....ドドドド...スゴゴゴゴゴゴゴゴ...ゴゴゴゴゴゴ...
来た!。汗
『...早い..。汗...』
やべぇ。
追いつかれた。
ヒッ...。汗
『...危な...い。...』
...ビュウウオォウウッ...
『...尻尾..が。汗...』
毒針!。
尾根球が...。
...ブウウゥゥゥゥワアアァァーーーーーーーーーーーーン...
わわぁ。
...ひっ。汗...
...あ、当たる...
「キャァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ。」
わあぁぁ...。
...ガッツーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
え?。汗
キリークの尻尾を押え込んだ?。
もうミサイルの無いオリファント。
『...グッ..ドジョブ!。ケニ..ー!。...』
アームでガッチリと。
...ガッズン...
抱え込んだ。
今度は6本全部で。
『...いい...ぞ!。オリフ..ァント!。...』
...ウゥゥゥゥーーーーーーン...キィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
オリファントがキリークの尻尾の1つを巻き込んでる。
た、た、助かった...。汗
力比べをしてる。
揺さぶってる。
凄いパワー。
怪物相手に。
まるでタカアシガニと対決するカナブン。
でも空中でキリークの力に負けてない。
『...クッソ。残量...足りな...。...』
「OC14!。ありがとう!。」
...ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...
ジャミーは爆走をし続ける。
ペネループ目指して。
『...あれ。操縦桿効かないね?。あれ。コンパネ消えた。...』
?
『...俺のもだ。あ...。おい!。どうしてだ?。...』
ヤバい。
今、ティゲルに何かあったら。汗
...ビーーーーーーーーー...ビーーーーーーーーーーーーー...
『...え!?汗...』
「ねぇ!。汗。どうした?。」
《...ベイル..アウトシー...クエンス..スタート...》
『...何だって!?。汗...』
何て?。汗。
『...ゼイン!。何であんたのだけ平気?。...』
《...ベイ...ルアウト..シークエン..ススタート...》
『...おい!。ゼインおまえ。何をした?。汗。...』
何!?。汗
『...笑。手柄を横取りされてたまるか!。てめぇら。俺様はキャプテンだぞ。...』
え!?。
『...お、俺様....?。手柄っておまえ...。...』
『...何?。その口の利き方。今日のあんたホントおかしいよ。...』
『...口答えばっかしやがって!。地平の彼方に消えちまえ!。笑...』
『...何?!。おかしいぞ。ゼインおまえ...。...』
『...ゼイン。あんた何してる。何だよ?。このシールド!?。うわわゎ!。...』
『...うおぉぉ!。し、シートが!。シートが上がって行く...何しやがった!。...』
『...うわあああああああああ。...』
『...あぁぁぁ。...』
....ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン...
...ドーーーン...
....ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
何?この音!?。汗
《...ベイル...アウト。射..出。...》
...バスウッ...
...バスッ...
『...おまえ達の戦いは、ここで終わりだ。ポットは自動でN区127°まで飛んで行く。着地したら2人とも大人しく待ってろ。後続のレッドアローが拾ってくれる。...』
《...ベ...イルアウト。射出。...》
...バッスウッ...
...バスッウッ...
『...ゼインてめぇ!。...』
『...変な気起こすなよ?。出たらウインテルンの朝飯だ。特にワルタリ。おまえはまるまる太ってて美味そうだからな。前から言いたかったんだが。w...』
『...失礼!。失礼だよ!。ホント失礼!。あんた、頭おかしいよ!。何でそんな失礼なこと言う!。あんた頭おかしいよ!。...』
『...返事はハイだろ?。てめえら。笑...』
『...クッソてめぇ。何がキャプテンだ。こんなふざけた真似が通用すると思ってんのか!。...』
『...こんな奴だと思わなかったよ!。...』
『...ポットのアルマダイはフルチャージしてある。その気になれば0度線まで届く。...』
『...え?。どういう事?。...』
『...フルチャージ?。ゼイン!。おまえは?。このティゲルはどうなる?。...』
『...奥さんと子供達。大切にな。...』
...バウンッ...
...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...バッスゥッ...
...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
ポットが噴射を始めた。
『...うわぁ...ぁぁぁぁぁぁ...ぁぁぁ...。...』
『...うお..おおぉぉー..ーーーーーー...。...』
『...あばよ。笑。...』
ティゲルツーから光の塊。
2つ。
加速して行く。
点滅して綺麗。
彗星みたいに...。
ゼインは1人で戦うつもり。
....ギョワゴゴ...ゴゴ..ゴゴゴ...ゴーーーーーーーーーーーー...
『...まずい..。来た..!。顔の壊れ..る方。...』
オリファントを狙ってる。
...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
オリファントがキリークの尾を掴んだまま、頭の周りを回転してる
『...オリファント..パワー...思い知れ。...』
キリークの尻尾!。
...バッスゥッッ...
かわした。
...ギャァァァァァアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...バシュウゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ...
『...相打ちだ!。...』
顔なしの毒針がもう一体の顔を貫通する。
「もう平気!。逃げて!。」
逃げて!。
何とか逃げるから!。
オリファント!。
『...オリファント!。アーム外して離脱しろ!。...』
...ビュウゥゥゥゥ...
またかわした。
尻尾を掴んだまま。
...バッスゥッッ...
...ギャァァァァァアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...バシュウゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ...
仲間同士で攻撃し合ってる。
キリークの体液が噴出してる。
『...このアー..ムは離さない!。絶対に!。...』
...ガゴッッ...
キリークが8本の尻尾でオリファントを狙う。
空振りをして自分の身体に毒針を打ち込んでる。
...ビュウウオォウウーーーーーーッ...
...ブウゥウワッッ...
尻尾が交錯する。
『...ジャッ...キー!。ベイル..アウト..!。離脱しろ..!...』
...バッスゥッッ...
...ギャァァァァァアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...バシュウゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ...
かわしきれてない...。汗
時間の問題。
あぁ...。
「危ない!。」
『...ジャッキー!。ベイルアウト!。...』
「オリファント!。逃げて!。後は何とかするから!。逃げてーー!。オリファント!。」
『...あぁぁ!。...』
『...バカ逃...げろ!。ジャ..ッキー!。脱出...だ!。ジ..ャッキー!。ジャッ...キーー!。...』
オリファント!。
...ガッスウゥーーーーーーン...
あぁぁぁ...!。
食らった!。汗
オリファント機体が駒みたいに回転してる。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
あぁぁ...
叩きつけられた。
地面に。
あぁぁ...オリファント!。
『...ジャッ..キー!ジャッキー...ーー!。ジャ..アアック!。ジャアア...ック!。...』
悲痛な叫び。
ミサイルホールダー、アフロダイアンテナ、フロントノーズ。
部品が飛び散る。
何もかも...。
空高く
煙が上がってる。
オリファントは地面に。
アームは離れない。
キリークを足止めしてくれてる。
オリファント自身がアンカーになって。
『...顔なし...ノーマーク!。来る..ぞ!。TY20!...』
...ココ...コ...ココココ...
ティゲルが旋回してる。
来る。
猛スピードで。
『...喰らえ!。この野郎!...』
...キュワアアアアァァァァァァーーーーーーーーーーーー...
ティゲルの主砲が燦然と光ってる。
『...ティゲルが撃つ..?!...』
『...近づき過ぎ...てる!。撃てない!。燃料ない..はずだ!。ティゲル!。ほ、砲撃...準備!。き、気づいてないのか!?。バックアップ..!。援護する!。...』
...コーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
撃った!?。
...
...
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
顔なしの頭が吹き飛ぶ。
『...う..撃った。...』
!
もう1匹が!。
キリークが尾を切った。
自ら。
...ギャァァァァァアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
は、早い。
『...ジャミーが危ない!...』
『...TY20!。な、何でスプリ..ンヘラー開い..る!。...』
『...残存0だ。どう...する気だ!。やむ得...い!。粒子放射用...!。ジャミーとTY..援護する!...』
『...大丈夫だ!。任せろ!。ぬかりは無い!。俺がこいつを止める。...』
『...どうやっ..て!?。...』
『...俺はザブル大の教授。これでも融合爆発の権威なんだぜ。笑...』
...ギャァァァァァアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
『...知らなかったか?。バケモノ!。さぁ!。口開けろ!。...』
「ゼイン!。ゼイン!。ぶつかる!。ぶつかる!。キャアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーー!。」
《...ターゲットキャッチ。ターゲットキャッチ。自動停止シークエンス。...》
「まさか...。汗」
!
ムッフィちゃんが...。
パスタップが!。
《...前方 北 5° 距離550m ターゲット super0 ペネループ...》
《...ターゲットキャッチ。ターゲットキャッチ。自動停止シークエンス。...》
『...送ったぞ!。ユーイ!。トランジスタを外せーー!。ユーイ。行け!。振り返るな!。何があっても!。あと5分だ!。駆け抜けろ!。おまえに託した!。全ておまえに託した!。...』
《...前方 北 5° 距離550m ターゲット super0 ペネループ...》
《...ジャミー 緊急停止...》
《...ジャミー 緊急停止...》
《...ジャミー 緊急停止...》
『...グッドラック!。ユーイ。...』
「えっ...?。な、何で...。」
ゼイン!。見ててくれないの?。
どうして?。
「ジャミー!。ブレイクダウン!。」
《...ダァッ...》
慣性で止まらない。
早く。
ダンバー止めて!。
...スーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ...
ジャミーは姿勢を下げながら減速してる
ダンバー外れて!。
早く!。
あと5分しかないの!。
油圧だから反応が遅い。
もう手遅れかもしれない。
みんなの日常...。
幸せ。
平和。
いや。
走ればまだ間に合う!。
...ガチャ...ガチャ..ガチャ...
落ち着いて!。ユーイ!。
キーが回らない。
トランジスタ外せない!。
ああぁ!。
どうしよう!。
『...スタン...バイ!。ファ...ザス!。ジャミーを...覆う。...』
ダンバーを止めないと。
イグナイト回らない!。
...ガチャン...
回った!。
『...ユー...!。.....イ!。...を!...君....愛...て...!。...』
?
タイマー起動した!。
...
...
...ツッ...
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
何!?。汗
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
凄い爆風。
今度はアルガード隊がファザスで。
...ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...
何の爆発!?。
キリークが火を噴いて止まってる。
モニター3(スリー)。
まるでタジン鍋みたい。
なんなの?。泣
...ドーーーン...
シリンダ...。
どこなの!?。汗
「ジャミー!。シリンダオフ!。」
《...ダァッ...》
こんなとこに...。
トランジスタ!。
...ガッ...
はっ!?。
動かない!。
どうしよう!?。
分からない!。
外れない。
どうしよう!。汗。
どうしよう!。
《...ユーイ...》
「助けて!。ウル姐!。助けて!。お願い!。どうやったら外れるの!?。」
あっ!。
一回押すんだ!。
ウル姐!。
そうだよね!?。
...ガン...ガン..ガツッ...
揮発メモリは5分も持たない。
きっと。
ダンバー外れた!。
「ジャミー!。ジャミー!。パイルダーオフ!。」
《...ダァ...》
「早くしてジャミー!。時間が無いの!。」
ジャミーがゆっくりとしゃがみこむ。
コックピットが地面に近づく。
フロントシールドが開いていく。
左右に。
そしてコックピットシールドは前に。
《...Energy out...》
《...Energy out...》
《...Energy out...》
コンパネが赤く点滅。
ジャミーのヘッドアイの光も消えて行く。
4つのヘッドアイ。
同時に細い銀のパイプ階段が地面に。
距離は520m。
...ガッッッーーチャン...
お、重い...。
思っていたのより全然重い。
トランジスタ。
こんなの持って走れるの?。
重い。
左手が効かない。
い、痛い...。
「ううっ。」
...ガンッ...
ダンバーがまた硬い鉄の塊に。
完全に燃料切れ。
折れた脇腹から電流が流れる
「ペネループ。スーパー0!。応答願います!。こちらジャミーゼルダ38!。パラメーターを!。トランジスタを持って行く!。」
《...Energy out...》
《...Energy out...》
《...Energy out...》
《...Energy o..t...》
「ペネループ!。応答して!。ムッフィちゃん!。これで合ってるよね?。パスタップ!。pur432。」
応答無いよ!。
どうしよう。
「スーパー0!。ペネループ!。お願い!。返事をして!。」
《...Ener..y o..t...》
《...E..ergy out...》
《...En...y .....t...》
《...E.... o..t...》
「スーパー0!。スーパー0!。お願い!。ペネループ!。スーパー0!。スーパー0!。応答を!。ペネループ!。応答してよ!。泣」
『認証コードを入力して下さい。』
『トリミナルアクセスループ。変化暗号通信』
『計算値の照合を開始』
『フレーム名を選択してください』
「何言ってるの?。ムッフィちゃん!。」
パワーが!。
ああ...。泣
行くしかない!。
行こう!。
方向も分からないまま...。
でも何もしないよりマシ。
あっ!。
ムッフィちゃん。
ペネループと交信した!?。
「来て!。一緒に!。ムッフィちゃん!。」
...ガチャン...
...ガチャ...ガチャ...ガチン...
...チャラ..ラ.ラ...チャラン...ガッ...
ムッフィが教えてくれるかもしれない。
トランジスタ。
お...重いぃ...。
「持ち上がらない...。」
首からかけるわ。
ベルトを...。
...ズキン...
「キャアアァァーーーーーーーーーーーーッ。」
い、痛い。汗。
全身を電流が流れる。
持って。
ウチの身体...。
「くっ...。このぉ...。」
...ガンッ...
ハシゴに。
銀の。
コックピットを跨いで。
脚が弱ってる。
踏みしめられない。
む、ムッフィちゃん。
ごめんね。
耳をトランジスタに結ばさせて。
左腕が使えない。
右腕でトランジスタを抱えて右腕で階段も。
重い...。
痛い。
挟まって、指がもげそう。
立ってるのがやっと。
間に合わない...。
飛び降りる?。
無理!。
脚を挫いたら終わり。
ジャミーはもう助けてくれない。
全てのランプが消えた。
でも、ありがとう。
良くやってくれた。
後は、ウチが...。
...ズズズ...
...ヒッ!...汗
す、滑る!。
「キャアアァァァァァァァァァァーーーーーー。」
しまった!。
...バスウゥン...
...ドスッ...
...ドサン...
...ガチャン...ガチャン...ガ...ガ...ガ...
「あぁぁ...。」
い、痛い...!。
痛ぁいぃ。
...ヒッ...
「あ、あぁぁぁぁぁ...。」
左腕打ちつけた。
腕が...。
腕が上がらない。
「あぁ...。と、と、トランジスタが!。」
バカ。ウチのバカ。何てマヌケ...。
雨が降ってる。
なぜ?。
うっ。
くっ。
立つのがやっと。
トランジスタ。
このデカい四角い金属の筒。
今度も持ち上がんない?。
...バシャ...バシャ...バシャ...
...ズキッ...
あ、あ、脚もやった。
ごめんねムッフィちゃん。
泥だらけ...。
ひっ!。汗。
ムッフィちゃん壊れた...。
ユーイのバカ!。バカ!。バカ!。
ウチのバカ。泣。
これじゃ、もう、分からないじゃんよ!。
ウチのマヌケ!。
ウチの大バカヤロウ!。
...バシャ...
あぁぁ...。
「うーーーん!。」
い、痛い...。
重い。
滑る...。
重いぃ。
あ!。
...バシャーァーーン...
顔が地面に。
痛あぁっ...。
腕。
目に泥が...。
「うーーーーー。あぁあ!。」
滑る!。
重い。
...バシャ...バシャ...バシャ...
...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ
...バッシャーァーーーーーーーーン...
うわあぁ。
「うぅぅ。泣」
無理だよ。
うぅぅぅぅ。
「うぅぅ。泣。うううぅぅ。」
...バシャ...バシャ...バシャ...
...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャzxx
...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...
...バッシャーァーーーーーーーーン...
痛い。泣
「あぁぁあぁぁ。泣」
...バシャ...バシャ...
持ち上がんないよ。泣
「うぅぅ。うん。あぁーーっ!。」
...バシャ...バシャ...
...バッシャーァーーーーーーーーン...
「あぁぁぁぁ。泣。あぁぁぁぁぁ。」
しっかりしろ...。
みんなを!。
パパを助けるんだろ?。
カヌルやミイサやゼイン....。
!?
ゼイン!?。
あぁ...。
あぁぁ...ぁ。
...ヒッ!...汗
あの爆発は...。
あの...。
うそ...。
うそよ...そんなの...。
ゼインまで...。
「わあああああああああああああ!。泣。わあああああああああああん!。泣。わああああああぁああああああああ!。泣」
...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャバシャ
ウチのせい。
うっ...。泣
くっ...。
ウチのせいでみんな...。
「はああはぁああん。泣。わあああああああああああああ!。泣。はわああぁわあああああああああああん!。泣。わああああああぁああああああああん!。泣」
...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャバシャ...
...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...
どこ走ってんのよ。
バカ!。
何回も転けるなんて!。
方向も分からないで走ってるなんて!。
どうやってパパ助ける気なの!。
どうやってみんな助ける気なのよ!。
ウチのバカ!。
バカ野郎!。
「わああああああぁぁん。泣。わあああああああああああああーーーーん!。泣。はわああぁわあああああああああああん!。泣。わああああああぁああああああああん!。泣」
...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャバシャバシャ...
!
え!?。
!
光った!。
ムッフィ!。
光った!。
こっち?。
こっちの...。
こっちだ!。
ムッフィちゃん!。
また光った!。
こっち。
光った!。
こっちだ!。
点滅!。
「こっちだ...。」
...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャバシャ...
光が強くなる!。
「こっちだ!」
...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...
私の足、私の身体。
壊れても良い。
...ド..コ...ドコ...ドコ...ドドドド...
どうなっても良い。
だからペネループに...。
これを。
...ドド...ド...ド...ゴゴ...ゴゴ...ゴ...ゴゴ...ゴゴゴゴゴ...
トランジスタを!。
...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...バシャ...
!!
ひ、光....。
見えた!。
光のシールド。
肉眼で。
初めて。
大きな青い光のシールド!。
...ドドド..ドドド...ドドド...ドド..ドドド...ドドドドドド...
防御翼の。
「ファザスフォーメーションシールド!。」
やった!。
見える!。
スーパー0のいるファザスフォーメーションシールド!。
「見つけた!。ペネループ!。見つけたわ!。」
この丘を下った所に!。
...ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...
?
地面が揺れてる...。
激しく...何?。
一体...。
何!?。
...コココーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ...
...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ブゥワワアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
低空飛行!。
「キャアァァァァーーーーーーーーーーーーッ!。」
ミラージュ!。
コックピットを開けてる!。
パイロットが発煙筒?。
発煙筒を振ってる。
何か伝えようと。
え!?。
何か後ろを...。
...ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...
地面が波打ってる。
地平線。
ゾルクヌートの壁。
ウチの来た方角。
赤い斑点。
光の斑点。
数が増えていく。
ムッフィちゃんが光ってる。
『...キリ...クだ!。全...戻っ...来..!。2000...。全...戻..って来た!。...』
えぇ...。
...。
あぁ...。
あの光。
キリークの複眼。
この距離。
何秒稼げるだろう...。
丘を...。
ナジマ。
戦闘神ナジマ。
ウチを隠して。
これをあそこに。
丘の下のあの光にこれを届けるまで...。
お願い。
この坂を下れば...。
きっと。
...ギィヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴーーーーーーーーーーーー...
はっ!。汗
!?
心臓も鼓膜も破れそう。
あぁぁ...。
あ..。
あ...。
大きな如来様の顔。
目の前に。
部屋の天井まで届きそうな頭。
大きな蠍。
鋏はもう私を触ってる。
赤く血走ってる複眼。
やはり化け物の目。
ウチをしっかり見てる。
触れられるほど近い。
ブロンズ像のような光沢。
坂から上がって来た。
大きな顔がすぐそこに...。
大きな鋏が私を挟もうとしてる。
ウィンテルンの女王...。
終わった...。
何もかも。




