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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
PR
25/383

タク5

それから、1年と1ヶ月時間が経過した。


治安警察隊の影が、ケインの近辺をちらつくようになった。


ケインは、サンサールシティでの仕事をやめ、アパートも引き払った。


財力を失い、ここでのコネの効かないケインは、今やただの無等級市民だ。


治安警察隊は、階級解放ネットワークのリーダーであるケインを反乱分子としてマークしている。


治安警察はこの機にケインを排除しようといているようだ。


ケイブン派の息がかかった、官僚組織 治安警察は、スーパーシナプスフレーム イザナギの能力を最大に活用することができる。


普通の暗号通信では、ケインの所在は、通信開始後、0.00001秒後にミリ単位で把握されてしまう。


ケインは、マチダの研究グループから、これに対応する特殊な通信機を渡された。


これは、変化暗号通信デルタと言われ、マチダの研究グループ独自の通信網を使い、プロトコルと暗号を瞬間的に、変換させ続ける特殊な通信だ。


しかし、変化暗号通信デルタも、イザナミの前では、安全とはいえない。


今、この瞬間にも、解析され傍受されてしまうかもしれない。


傍受されたと感じたら、デルタのデスボタンを押すことを堅く約束させられた。


この赤いボタンは、最後の陽動を行ない、全ての暗号、機器、回線、プロトコル、アルゴリズムまでも消し去る。


もし、タクに何か重大な変化があれば、サンサールシティ時刻10:50分に、1コールを3回だけする約束をしている。


ある日、ケインは潜伏していた、サンサールシティのタリで、変化暗号通信を受け取った。


約束通りサンサールシティの隣りの市カテリコンで、マチダの派遣する者と会うための。


緑の眩しい公園のベンチには、白人の男が来た。


ヒゲを剃ったマッツだ。


マッツはスリムにもなっていた。


ケインとマッツは手を取り合い再開を喜んだ。


そして、マッツは真顔になりケインに伝えた。


「ケイン。タクくんが促進期に入りました。見に来ますか。」


「マッツ、私は今、治安警察隊にマークされている。今は難しいかもしれない。あなたと会っていることも、勘づかれるかもしれない。マチダさんのラボに行くのはマチダさんや、あなた、そしてタクを危険に晒すことになる。」


「そうか。やはり。では、どうしますか。」


「外で会うことはできないだろうか。ここのように。」


「分かりました。タクくんの促進は早いスピードで進んでいるが、免疫が全てインプットされるには...」


「免疫をインプットって!。それじゃあタクは....ソフトアンドロイドに!?。」


「いやいや落ち着いてケイン。違う。違う。それがミスマチダの技術です。結果は驚くほど良好だ。そうしたら...。あと二ヶ月待って下さい。7月に会いましょう。場所は、セントラルシティのタームパーク。メモして。タームパークの第28区間。恐らく休日の混んでいる時間になります。ケインさん。良く聞いてください。その時、あなたがマークされていなければ、タクくんと一緒に帰れますよ。」


マッツの持って来てくれた話。


ケインは嬉しさを隠しきれない。


すぐにメモを取った。


何回も確認をした。


何回も、何回も。


マッツは、少し困った顔をしながら、何度も待ち合わせの場所と時間を伝えた。


マッツが立ち上がる。


「あまり長居はできませんね。やはり。先ほどから、監視ロボが3機。あそこの木の辺り。アトラのものです。」


マッツは100m先の植林辺りに視線をやった。


マッツのバンドル(腕時計型のマルチ端末)の緑色のレーダーは、3つの標的を指し示している。


マッツは、画面を切り替えた。


バンドルの高性能カメラが標的を拡大して映し出す。


蜂に見せかけた真っ黒い監視ロボが三機こちらを向いている。


ロボは、勘付いた。カメラのように展開していた光学レンズを、偽装の複眼に戻した。


「マッツ。いつ。」


「同じだ。同じ。方法も、今日と。」


マッツは、ケインを見てしっかりとうなずくと、足早に去った。


マッツは、陽動のためショッピングタワーへ向かった。


カテリコンのショッピングタワーは、インフラが古く、テレサというスーパーコンピュータが管理している。


テレサは、イザナギのように、全てのものを制御する力は無い。


イザナギにとってはテレサのせいでショッピングタワーの中はブラックボックスだ。


ケインは、来た道と違う方向へ去った。


ケインは、二度とタリのアパートには戻らなかった。


この日のために、タリで仲良くなった隣部屋の友人に一週間帰らなければ家財を全て売るように依頼している。


更に、二ヶ月経過した。


ケインは、不安でたまらなかった。


治安警察隊にマチダもタクもマッツも捕まってしまったのではないかと。


しかし、今サンサールシティに行くことこそ、全てを台なしにしかねない。


ケインは、海の近くのシムシティの商社でアルバイトをしながら、辛抱強く待つしかなかった。


シムシティの人は気性が荒かったが、治安が悪い訳ではなく、季節労働者が無数に集まるため戸籍が流動的で紛れ安い。


ジリジリと、第一太陽グラディアが照りつける夏のある日、待ちに待った特殊暗号通信デルタが鳴った。


ケインは、隣の席の上司に外出すると話し、この日のために毎日少しずつ用意して、荷物を積んだエルカーをセントエレーンのストレージから出した。


ケインはシムシティにはもう戻らないつもりだ。


ケインは、セントラルシティのタームパーク28区へ向かった。


職場のビル近くを飛行した時、後ろから、警報を鳴らした治安警察隊のスピーダーが追い抜いていった。


スピーダー(飛行バイク)が、次々とケインの職場のビルに向かう。


二台のアパッチ(中型攻撃艇)がビルの上空でホバリングして待機している。


ケインは、身震いをすると特殊暗号通信デルタの通信機のデスボタンを押し、投げ捨てた。


そして、セントラルシティに繋がる基幹空域に乗るための、誘導ビーコンの待ち列に並んだ。



ビルの前の治安警察のスピーダー(飛行バイク)1台が通信機を捨てた方向へ飛んで行く。


展開は予想以上に早い。


誘導ビーコンの牽引が中々始まらない。


今、職務質問をされれば全て終わり。


エルカーの認証はシムシティの上司のものだからだ。


誘導ビーコンが止められている可能性がある。


もしそうなら、万に一つもケインが逃げられる可能性は無い。


ただ、余程大きなことが無いと通行規制は発令しない。


例えば大型の危険生物出現や、地震...。


新たな、ウエイティングがキャンセルされ、30台ほど後ろから治安警察隊のスピーダーが職務質問をはじめた。


ビーコンがまだ繋がらない。


とうとうケインのエルカーまで、治安警察隊が迫って来る。


万事休すだ...。


...ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...ドゥン...


突然誘導ビーコンは点灯し、牽引が開始された。


貿易都市シムシティはビーコン優先の規則がある。


検問は中止され、ケインのエルカーは、一気に高速階層z3に引き上げられていった。


行き先を応答する前にビーコンが開始されるシムシティ独自のルールが、偶然ケインを救った。


ケインは、フルスロットルで、セントラルシティのタームパークに飛ぶ。


ケインの使用した高速階層Z3は、巡行速度が上から3番目に速い階層で、時速600kmが最低速度に規定されている。


ケインのエルカーは 黄色のカロン7000だ。


カロンは曲線の美しいボディをしていて、小型で取り回し易い上に、高性能だ。


ケインは、法定速度680kmを維持した。


カロンにとってこの速度は、遅過ぎるものだ。


単調な動きなら、イザナミはフォーカスしないだろう。


カロンはサンサールシティまでの2000km飛んだ。


誘導ビーコンから再び牽引ビームに変わり、セントラルシティ上空のバーチャルインターセクションで停止させられた。


ここにはまだ治安警察隊の姿は無い。


一般階層に移動後、牽引ビームから解放され、行き先を指定せず自由走行にした。


市内の標示からタームパークを探すことにした。


自然に立ち寄ったことを装うため、各区間をゆっくりと移動した。


28区だけ見つからない。


ケインは、28区間が25区間の隣りの、エルカー乗り入れ可能区間であることに気づき、高度を下げた。


区間内にそれらしき者は見つからない。


28区間と言っても、かなりの広さそして人混み。


ケインは連絡する手段が無いことを思い出し慌てた。


この区間はエルカーを区切られた地面に置く珍しい場所がある。


そして、そこに停車しなければこれ以上中には入れない。


順路に従い大きな木を旋回すると、地面に四角い白線が引いてあり、それぞれ駐車番号が記載されている。


入口らしいゲート前の芝生に向かった。


...キュルルルルー ーーーーーーー...


カロンのエンジン音はケインの不安を他所に変わりなく軽やかだ。


?


男の子を連れた背の高い黒髪の女が立っている。


なぜこんな場所にと、ケインは思った。


女も少年もキョロキョロと辺りを伺っている。


!?


ケインは愕然とした。


女の隣りにいるのはタクだ。


事故に合う前の、全身人間の、容姿そのままだ。


大分背は高くなっている...。


ケインはたまらず叫んだ、


「タク!。ターーク!。」


少年は、振り向き、一瞬怪訝そうな顔をした。


ケインだと気づくとダッシュで走って来た。


あんなに俺のことを嫌っていたのに...。


全力で息子が私の方に来る。


私を求めて走って来てくれる。


ケインはいたたまれずカロンの高度を一気に下げた。


ぶつかったって構うものか。


停車もそこそこに、降りタクの方へ飛び出して行った。


カロンがクリープしたまま...。


警備員の男が慌ててカロンを右手で抑え、ケインを呼び止める。


しかし、ケインの耳には入らない。


タクは飛びつき、ケインは思いっきり抱きしめた。


まさしくタクだ。


ケインは震えが止まらない。


「神よ...感謝します。神よ...。」


何回もタクを抱きしめながら呟いた。


ケインは震えている。


そして、泣き始めた。


涙も鼻水も止まらない。


タクが強く抱きついてきた。


「父さん!。会いたかった。」


ケインは、ひたすらタクの頭を撫でて抱きしめた。


「俺大丈夫だったよ!バカになってなかった。」


「元々バカだ....。」


ケインは冗談を言おうとしたが、しゃくりあげ言葉にならない。


こんなに泣いた記憶がない。


息子のこと以外では。


くしゃくしゃにタクの頭を撫でてやる。


今まで、撫でてやりたくても、撫でてやれなかった頭を。


「父さんの鼻水...。キモイよ...。」


タクはそう言いながらも強く抱きついている。


タクも泣いている。


警備員はその様子を見て、仕方ないという身振りだ。


腰についている機械でカロンを駐車区画に置いた。


...ドーーン...


着地したカロンは、かすかに地面を揺らす。


「ケインさん。」


マチダアツコだ。


「ま、マチダさん...な、何とお礼を言ったら良いか...。」


ケインはしゃくり上げ、悲鳴のような声しか出ない。


何とか大人としての威厳を保とうと思うが、上手くいかない。


それほど、息子を家族を愛している。


「お、お金は、費用は、必ず全額お支払いいたします。」


ケインは震えながら言う。


「お金の話はやめましょう。」


マチダは顔を曇らせた。


「まさか、そんな。そういう訳にはいきません。こんなに、綺麗に元通りにしていただいて...。」


「父さん、俺綺麗?。笑」


ケインは、まじまじと息子の顔を見た。


「ああ、綺麗だ。男前だ。」


ケインは、再びタクを抱きしめた。


「おえっ...キモい...。」


タクはケインからはなれなかった。


こんな憎まれ口も聞けるようになった。


「まだ、皮膚が完全には風合いが出ていないのですが...私の方は今回のタクくんから、大量のデータを取りました。上手くここを乗り切れば北軍から、ジェニファーから、ファンドが降りるかもしれません。」


「いえ、こう見えても100億リルの事業を成功させたことがあるんです。その、今は、信用していただけないでしょうが...。」


「いえ、信用してます。あなたのおっしゃることは。」


「ありがとうございます。でも、先生、お気分を害さないでください。金で解決しようなどとは思いません。ただ...。」


「ケインさん...ごめんなさい。9800億リルです。安く見積ったとしても。もし、支払うことができたとしても、お金の出所は調べられてしまいます。それは私にとってリスクでしかありません。」


ケインは、言葉を無くし下を向いた。


沈黙を破ってマチダアツコがケインに話しかけた。


「ケインさん。私達は陰謀にまみれたこの世界で生きて来ました。一つくらいは、胸を張れる仕事をしたい。そう思って生きて来たんです。私、その夢を叶えられた気がします。私の宝物も喜んでくれるでしょう。あの子も...。でも、もし、何かしてくださるならお願いが2つあります。図々しいかもしれませんけど。」


....ブロロローーーーーーーーーー...


大型のエルカーが旋回しながら降りて来る。


灰色の旧型リンカーンだ。


やっぱりリバウンドしてしまったマッツが操縦している。


「ハイ。お待たせ。ケイン。久しぶり!。」


マッツは、片手で挨拶をし、四角いエルカーを旋回させる。


見かけによらず、運転が上手い。


マッツは、駐車場ではなく、近くの芝の上に、エルカーを停めた。


警備員が、何かを叫ぼうとしたが、マッツは手で静止し、すぐ、そっちに行くから待ってろ、みたいな合図を送った。


警備員は、また、仕方ないという仕草をした。


マッツは、芝生を走って来た。むしろ、前より太っている。


視線を戻したケインは、アツコに言った。


「で、お願いは何です?。何なりと、何なりとおっしゃってください。」


アツコもマッツから、ケインに視線を戻した。


マッツが片手を上げ走って来た。


「ええ....1つは、遠縁の叔母と叔父に手術して貰ったということにして欲しいんです。長い間一緒にいてタクくんに情が移ってしまって...。ねぇっ。マッツ。何の手続きもいらないの。何か考えがあるわけでもない。そう思ってくれるだけで嬉しい。マッツも私も身寄りがいないのよ。」


アツコは寂しそうに笑った。


少し息の上がっているマッツも何回も頷いた。


「私とアツコにとっては、毎日が修羅場だった。毎日タクの顔を見て頑張ってきたら、離れるのが辛くなってしまったよ。タクは、ずうっと目をつぶって寝ていたけどね。笑。」


「そんな、そんなこと、むしろこちらからお願いしたいくらいです。あなた方は命の恩人です!こんな素敵なおじさんとおばさんがいてくれたら嬉しいよな!?。な!。タク!。」


「父さん、おばさんて、失礼だよ...無神経なんだから。」


「あっ!。え、いや、その。私としたことが...申し訳ございません。」


「いえ、いえ。良いのよ。自覚してるから。笑。」


「私もダイアンも、あなた方にお礼をしたいのです。どうやってお礼をしたら良いか。感謝してもしつくせません。もう1つ、もう1つのご希望は、どんなことなんですか?。」


「もう1つのお願いは...もう1つは....もしできたら、できたらで良いのですけど、この子を探してやってください。名前は、アユム。そしてもしできたら、助けてやって下さい。お願いします。場所はバイアール。それしか分かりません。この子は私の宝物でした。」


アツコは写真を見て胸に抱きしめてから、ケインに差し出した。アツコは少し泣いている。


ケインは渡された写真を見た。


「アユムくんは、宝物なのですね。あなたの。分かりました。あなたとの約束。必ず守ります。タク、アツコおば...アツコお姉さんとマッツにさよならだ。」


「アツコさん。目が覚めた時、とても不思議だったよ。とても幸せな気持ちだった。ありがとう。この恩は忘れないよ。マッツも。また、会いたいよ。僕も寂しい。」


「まぁ。...」


アツコは泣き出した。


「それで良いよ。おじさん、おばさんじゃなくても。オッケー。タク。またね!。また会おう。」


「さぁ、マッツがあなた達の為に持って来たエルカーで、すぐにポイントローズマリーから、出国して。」


「エルカーは、カロンを...あっ!。」


ケインはカロンの方を見た。


警備員がカロンに手を置き、こっちを睨んでいる。


「そのエルカーは危険です。マッツが乗って来たエルカーは、私達独自のステルス機能を搭載しています。そして、自動で有効なダミー認証も作り出す、新しい変化暗号通信オクテットラムダを搭載しています。アトラまで、追跡無しに行けると思います。」


「ケイン。治安警察が28区のポイントを固め始めてる。追っ手がすぐ来る。さあ、乗って!。」


「マッツ、マチダさん、何てお礼を。」


「早く!。ケインさん!。お礼を言ってるヒマはないみたい!。」


「ここはミスマチダと、私で何とか切り抜ける。早く!。」


「あ、ケインさん!。カロンのキーを!。」


「ありがとう。マチダさん。」


ケインは、カロン7000のキーをマチダに渡した。


「タク乗れるか?」


「うん。」


「マチダさん。ありがとうございます。このご恩家族として忘れない。また、近い内にまた会いしたいです。」


「アユムのこと、出来たらよろしくお願いします。タクくんの仕様はタクくんに話してあります。パパに説明してあげて。」


「分かった。また。」


「マッツ。ありがとう!。やっぱり元に戻ったな。あまり飲み過ぎるなよ。」


「あんたもな!。逃げきれ!。二人とも。マッツは、いつでもあんたの味方だ。ケイン。また会おう!。」


「タクちゃん。パパに可愛がって貰うのよ!。2人とも何があっても振り返らないで。」


「?。どういう意味です?。」


「ケインさん、元気で!。」


....キーーーーーーーーーーーーーーーー...ドドドドドドドドドドドドドドドド...


エルカーは、爆音と共に、セルフモードで高度を上げる。


タクは両手を振った。


アツコとマッツは、両手を振りエルカーを追いかけてきた。


エルカーは更に上昇する。


...ウゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...

...ウゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...

...ウゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...

...ウゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


入れ替わりに、治安警察隊のスピーダーが次々と28区めがけ、降下して行く。


...ビュウウウォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーー...


10台以上いる。


地上で、ゴマ粒のような2人をスピーダーが取り囲んだ。


「はっ!。い、いかん!。」


ケインは、ハンドルを回したが効かない。


「他、大変だ...。」


マッツは自動運転に設定していた。


エルカーは、ケインとタクの心配をよそに、加速を始め全速力で飛び立った。


ケインは、不安そうな顔のタクの頭をギュッと抱きしめ再びバンドルを切る。


...パーーーーーーーーーン...


...パーーーーーーーーーーーーーン....


28区の方向から銃声が鳴り響く。


そして、サイレンは消えた。

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