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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
239/364

ダヌアの空に75

どこまでも広がる漆黒の闇。


どこまでもどこまでも。


ゾーグの無限の闇。


微かに漂う土砂の匂い。


地上には土煙が舞い上がる。


...ドン...ド..ド...ドド...ドドドド...


地鳴り。


黒い斑点が蠢いている。


薄暗い光の粒が無数に灯る。


バルバロイの見えない目。


無数に。


広範囲に。


鋼鉄の死神 バルバロイ...。


コールタールにまみれた巨大な化物。


トヨコの力で半減した。


しかし、未だ無数にいる...。


...ゴゴ...ゴゴゴゴ...ゴ...ゴゴゴ...


空に小さな光が二つ。


蛍のように。


旋回を繰り返し降りて来る。


ハイドラ軍のシムゴード(航空戦車)だ。


ティゲルワン。


『...こちらtt6。(ティーティーシックス)まもなく座標pt46に到達。前方1200。イブラデ達を確認。指示を待つ。...』


!?


光。


...チカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ...


強い光。


...チカッ...


闇を切り裂く眩い。


...チカチカチカーーーーーー...


...チカチカチカチカチカ...


バルバロイの大群の中から。


赤、青、黄色、紫..緑.....。


これはペギリュウムの光...。


ヒドゥイーン達の狼煙のろし


誰が...。


《...みんな!。トルカカだよ!。...》


暗闇にトルカカの声が。


トルカカが狼煙を点灯させている。


座標?。


誰に?。


ティゲル隊とは違う方向に...。


『...こちらtt3(ティーティースリー)。バルバロイが総シールド!。総シールドを展開!...』


...ブ.ゥ..ワ...ッ...


...ブ..ウ.....ゥ..ン...


...ブ....ワ...ッ...


大地が微かに光始めた。


危険を察知したゴキブリ巨人の大群が。


緑のエネルギーの膜を。


《...ワールボール!。みんな!。用意して!。ぼ、僕が合図したら投げてっ。バルバロイに!。...》


トルカカはイブラデ隊に話しかけている。


ラジュカムを通して。


ワールボールは煙の狼煙。


ヒドゥイーン最古の狼煙。


太古から今も続く。


狼煙で何を?。


【...こちらピート。tt6、tt3攻撃待て。...】


『...tt6了解。...』


『...艦長。トルカカに止めさせますか?。...』


『...いや...。奴は何をしてる?。誰に狼煙を?...』


『...わ、分かりません。...』


『...こ、これ!。ね、ねぇ!。次元レーダーを見て。これ...』


『...まさか...』


『...そ、それだ!...』


むれの中央には微かに白む場所。


残ったイブラデ達。


数は300前後。


まるで生けいけすに囲われた新鮮な魚達。


《...僕らが見えなくなっちゃうよ!。ワールボールなんて投げたら!。...》


《...こんなに化物がいるのに。...》


取り囲まれてる。


サビオ達の光は少し離れた場所にある。


成長したサビアノーアの光。


見事なヒズチソの光。


兄トラフィンのメロウの光。


眩い黄色の光。


そして...。


ハイドラの狂人 モルフィンと同じ。


澄んだ青い光。


強い強い正義の光...。


10km後方。


仲間目掛けて進んでいる。


仲間のイブラデを救いに向かっている。


少しずつ。


【...tt6、tt3に告ぐ。それぞれの射線軸に伴い砲撃開始。繰り返す。それぞれの射線軸に伴い砲撃開始。イブラデ隊の退路を切り開く。...】


...チカチカチカーーーーーー...


トルカカがペギリュウムを点滅させる。


『...tt6了解。粒子放射開始します。...』


『...tt3。放射。...』


...チカチカチカチカチカ...


この狼煙の意味。


ヒドゥイーンにしかわからない。


変化をするからだ。


パスタップの原型。


変化暗号通信はヒドゥイーンの狼煙が原型。


そして世界に広がった。


大神官達が、私や神帝にすら読み取る事を許さない。


しかし誰に?。


いったい....。


『...だ、ダメだ...シールドが!。エネリウムシールドが。...』


『...爆反しない。ま、全く...汗。ぴ、ピート!。出力上げますか?。...』


『...キャップ!無理です!。アルマダイ残量3%。アルマダイエンジン出力限界。維持出来ません!。...』


『...こちらtt3!。出力を4.47へ。再度放射を試みる!...』


...ギュワアァァァァゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...


『...しまった...。間に合わない...』


...グウェェエェーーーーーーー...


...キャアァァァァァァァァァァァァァァァァ...


!!


飛びかかり始めた。


バルバロイが。


一斉に...。


《...今だっ!。投げてぇ!。...》


...グワァーーーー...


...ゴゴゥーーーーーーー...


《...うわあぁぁぁ....》


《...ぎゃあぁぁぁ...》


ラジュカムが変換する悲鳴。


生々しい...。


飢えた怪物が飛びかかる。


女のイブラデの首が落ちる。


猿に似たバルバロイがかぶりつく。


《...は、は、早く!。投げて!。...》


サビオはバルバロイを止めるのに精一杯だ。


...ゴォォォォーーーーーーーーーーーーーーー...


...ゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーー...


ジェットエンジンのような音。


強い光の集団が。


サビオ達の背後。


それぞれが己の光を纏っている。


大きなイブラデ達、自らをポストラキティカと名乗る者。


サビオから更に数キロ遅れている。


彼らも仲間を救いに来た。


間に合わない。


...バッスゥゥーーーーーーーーーーーーーーーン...


イブラデ達がワールボールを投げ始めた。


...ギッヤアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーギエェェェェェーーーーーーー...


一斉に。


...グワァーーーーーーーーーグワァーグゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーギッヤアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーギエェェェェェーーーーーーーグワァーーーーーーーーーグワァーグゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーー...


獣どもが悲鳴を上げる。


ワールボールは耐え難い刺激。


形や色を判別するほど嗅覚が鋭いバルバロイに取って。


...シュウウゥゥゥゥーーーーーーーーーーーー...


...ドッスウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...ブシュウウゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...ギッヤアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーギエェェェェェーーーーーーーグワァーーーーーーーーーグワァーグゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーギッヤアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーギエェェェェェーーーーーーーグワァーーーーーーーーーグワァーグゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーー...


バルバロイの悲鳴がこだまする。


《...まだかなぁ...》


何が?。


トルカカの声に焦りが...。


トルカカは身体を揺すっている。


不安げに。


サビオに抱えられながら。


...ギッヤアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーギエェェェェェーーーーーーーグワァーーーーーーーーーグワァーグゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーギッヤアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーギエェェェェェーーーーーーーグワァーーーーーーーーーグワァーグゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーー...


《...トル!。危っない!。何やってる!。...》


...ガゥスゥーーーーーーン...


サビオは無数のバルバロイに片腕で応戦している。


粒子線で道を切り開きながら。


覚えたばかりの...。


抱えながら庇いながら。


傷を負ったトルカカを。


1つ間違えば腕さえ弾き飛ばされる。


《...まだ来ない...》


...ビュウゥゥゥゥッッ...


《...と、トル!。バカ!。...》


バルバロイの爪がトルカカの頭をかすめる。


...チカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ...


...チカッ...


...チカチカチカーーーーーー...


トルカカはやめない。


ペギリュウムで狼煙を送り続ける。


そしてラジュカムをしきりに覗く。


サビオは前に進めない。


...チカチカチカチカチカチカチカーーーーーー...


トルカカは狼煙をやめない。


自分で避けないからサビオが遅れる。


どうしても。


このままでは...。


《...ば、バカ!。トル!。トルカカ!。...》


!!


危ない!。


....ガアッスゥッッ...


サビオにバルバロイの拳が当たった!。


!?


サビオは吹き飛ばされない。


半分の大きさも無いのに。


破片が飛び散る。


サビオの金属の甲殻。


しかし動きが止まる...。汗。


まずい!。


...ギュワアアアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーー...


...ゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーー...


バルバロイがのしかかる。


次々と...


押し潰され...。


《...ハッ!...》


....ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...



腕が噴き飛ぶ。


頭、胸...。


暗闇に。


液体を撒き散らしながら。


黒い大きな腕。


蟹の鋏のような。


サビオが吹き飛ばした。


両掌波の変速。


体得しただけじゃない。


サビオはメルエンの奥義を変えて使っている。


いつの間にこんな力を...。


《...来たよ!。...》



《...ば、ば、バカ!...》


...バギィッ...


頭の無いバルバロイ。


脚を蹴破られる。


サビアノーアの強い蹴り。


脚が逆に折れ曲る。


...ゥ....ゥゥゥ....ドーーーーーーーーーーーーーーーン...


倒れた。


簡単に。


意外にも。


!?


....ブゥワアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーー...


風...。


...ボボウウウゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...ヒューゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


サビアノーアがトルカカを抑えている。


《...来る!。...》


サビオまでが...。


...ババババババババババババババババババババババババババ...


...ヒューゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


風?。


....ブゥワアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーー...


《...来た!。...》


風が...。


...


...ボワアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーー...


...ブゥワオォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


《...みんなぁ!。伏せてーーーっ!。ふーーーーーせーーーーーーてーーーー!。連携防風体制!。連携防風体制ーーーーーーー!。...》


トルカカが吠えている。


....ブッワワアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーー...


....ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボウウウ...


うっ...。


す、凄まじい風。


こんな上空まで。


...ブゥワオォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


バルバロイが吹き飛ばされる。


押し倒される。


...ババババババボボボボボボボボボボボボボボボボ...


...ズドーーーーーーーーーーーーーーン...ズドーーン...ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


爆発のような音。


こ、これはアルマダイエンジン?。


....ブッワワアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーー...


それもかなりデカい...。


....ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボウウウ...


巨大な規模の...。


何だ?。


バルバロイ上空...。


光の滝...。


夜空に半透明の。


光の洪水が降って来る。


光の壁が?。


ここだけではない。


数キロ先。


やはりバルバロイの上空。


まるで光の山脈。


《...来た!。来た!。来たぁぁぁ!!。笑...》


トルカカが飛び跳ねている。


無邪気に。


一気に光が増す。


...ズドーーーーーーーーーーーーーーン...ズドーーン...ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


超大規模な高圧炉の振動。


....ブッワワアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーー...


....ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボウウウ...


爆風がバルバロイを吹き飛ばす。


身体の小さいサビアノーアが地に吸い付いて動かない。


ただ呆然と見上げている。


トルカカの腰を掴んでいる。


飛ばされないように。


激しい光の洪水。


光の城...。


辺りはまるで昼間のように。


眩い夜の太陽。


色とりどりの。


2つの巨大なシャンデリア。


1000m級の。


『...は、ハリーヤ。第七艦隊5番艦ハリーヤ!。次元潜航解除中。ハリーヤ次元潜航解...』


もう一つの光の構造体。


ハノイ都庁の5倍の大きさ。


宙に浮かぶ。


『...ベイルーブ!。4番艦ベイルーブ!。...』


ベイルーブは艦体を傾けている。


なるほど...。


《...行くぞ!。トル!...》


《...はいっ!。...》


爆風の中をサビアノーアが走り出す。


トルカカを抱えながら。


...ゥ...ゥゥ..ゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...キュ...ル...キュル....キュ...ル..キ...ュ..ル...キュル...キ...ュ..ル...キ...ュル...キュ..ル...


...ブ..ゥ.....ウ.....ウ..ィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン....ン...


主•副•高射•レーザー...100近い数の砲門が。


地上を向いて行く。


一斉に。


上弦下弦の全ての砲塔が。


バルバロイに向いて行く。


ハリーヤそしてベイルーブの砲撃のエネルギー量はティゲルの数万倍。


《...いたぞ!。見えたぞ!。サビアノーアだ!。もう直ぐだ!。オパ!。急がせろ!。戦闘艦の一斉掃射が!。...》


《...シエル!。シェール!。ディーチが遅れてる。少し待って!。シェーール!。...》


《...ディーチーっ!。ディーーーーーーチーーッ!。急げ!。もう少しだ!。...》


身体の大きなディーチが遅れている。ディーチは大きいだけに的になりやすい。


【...全軍 耐衝撃、耐閃光、耐風防御!。全軍 耐衝撃、耐閃光、耐風防御!。...】


ファザスの使えないハイドラ軍には危険な賭け。


【...全軍 耐衝撃、耐閃光、耐風防御!。全軍 耐衝撃、耐閃光、耐風防御!。...】


バルバロイを殲滅する方法もタイミングもこれ以外には無い。


ハイドラ軍の真の敵はゾアーグであり、ボルボーレ。


『...イブ...デ...隊...退路...開...。主砲一...!。発....用意!。..』


...チカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカ...


ベイルーブの下部艦橋が激しく光を放つ。


ペギリュウムライト。


狼煙だ。


《...みんなーーー!。バルバロイの下に隠れて!。今の場所から離れてーーーーー!。急いでーっ!。バルバロイの下に紛ーーーれーーーーーてーーーーーーー!。...》


《...うわぁぁぁ。...》


《...何だ!。あの光。....》


イブラデ達の動きが鈍い。


《...脚元に隠れてーーっ!。大丈夫!。みんな隠れろぉ!。ベイルーブが主砲を撃つ!。バルバロイは見えない!。何にも!。苦痛で見えない!。何にも!。...》


《...ベイルーブが道を開いてくれる!。バルバロイはワールボールで何も見えない!。大丈夫だ!。バルバロイを盾にするんだ!。...》


サビアノーアも吠える。


眩い光。


...キュワアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


ベイルーブの第1番主砲が光を増す。


容赦なく。


躊躇なく。


《...来るよっ!...》


《...構えろ!...》


眩い閃光...。


...ピシュウウウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


激しい光。


大地を這う。


....


...ッッ


....ズゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


暗闇に残光が刻み込まれる。


...ピシュウウウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


目の焼き尽くす閃光。


....


...ッッ


....ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...ピシュウウウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...ピシュウウウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


....


...ッッ


....ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン....ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


夜空に巨大な光煙が立ち上がる。


...チカッチカチカッ...チカッチカッチカッ...チカッチカッチカッ....


正確無比。


イブラデ達は数体食われただけ。


トルカカのジェットコースターのような指示を必死でこなしている。


イブラデは若くても選ばれた戦士。


動きは的確だ。


【...イブラデ隊はシエルの指示に従い団結。ポストラキティカにエネルギーを供給。ファザスを展開。...】


『...シエル達が遅れている。間に合うのか?。...』


《...ダンパー!。ブリュイエール!。カルパ!。そして俺が先に行く。オパとマセナはディーチーとファザスを組んで後から合流!。サビアノーア!。サビアノーアが加わる!。...》


《...これ以外は遅れやしねぇ!。ワールボールで痺れてやがる!。大丈夫だ!。間に合わせる!。...》


【...ベイルーブ全艦一斉掃射用意。...】


...キュワアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...キュワァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


ベイルーブがチャージを開始した。


耐え難い程の爆音。


チャージ音以外に何も聞こえない。


《...トル!。下ろすぞ!。...》


《...ハイっ!。...》


サビアノーアの光がイブラデ達の場所に到達した。


《...シエーーーーール!。シエーーーーーーール!。どこですかーーーーーーー!。シエーーーーーーール!。...》


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


トルカカを降ろすと同時にサビアノーアが炉を点火する。


《...助けに来た!。助けに来たよぉ!。みんなぁ!。戻って来て!。僕の所に!。ここだよ!。ここだ!。プリマス(ペギリュウムライト)を見て!。みんなぁ!。来て!。ここに!。...》


...チカッチカッチカッチカッチカッ...


トルカカが飛び跳ねている。


プリマス(ヒドゥイーンの狼煙)を頭上に掲げて。


【...ハリーヤ。全艦一斉掃射用意!。...】


...キュワアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...キュワァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


僅かに逸れてシエルの光。


シエルのメロウの光。


ダンパー。


カルパ。


そしてブリュイエール。


ラジュカムが兵曹の咆哮を変換する。


《...サビオ兄ちゃんもいる!。シエルさんも!。みんなぁ!。助けに来たんだ!。出てきて!。...》


トルカカが叫んでる。


声の限り。


掃射が始まれば集結が難しくなる。


もう時間は無い。


イブラデ達が集まって来る。


微かに白い光を纏う者もいる。


闇夜の害虫に見えるイブラデ。


地味でお荷物な彼ら。


しかし、それぞれが高い志を持っている。


恵まれない境遇から立ち上がって来た者達。


己を律して這い上がった者達。


幼いが立派な人格を備えている。


どのイブラデも。


雑魚ではない。


誰もが宝石だ。


《...シエル!。どこですか!。追いつきました!。シエル!。...》


青い光の女兵曹。


オパ。


征天大剛の娘。


続いて、カルティアンの黒輝を纏う最も大きなイブラデ。


ディーチー。


そして、ラキティカに最も近い女兵曹マセナ。


強い桃色の光。


【...ベイルーブ。ハリーヤの準備を待たず一斉掃射を開始する。ベイルーブ全艦に告ぐ。一斉掃射を開始する。...】


《...ふぅ。何とか間に合ったぜ...》


《...トルカカ!。シエルだ。良くやった!。皆は集まったか?!。...》


《...えーっと...えーっと...》


トルカカは数を数えるのが苦手なようだ。


人間に例えるなら焦って真っ赤な顔をしている。


《...大丈夫です!。323体。残存しているイブラデ全ています!。そうだろ?。トル?。...》


《...はい!。3人いないけど...。死んじゃって...》


【...ハリーヤ。連絡系統をパスタップaudiに変更。本隊から切り離す。...】


《...よし!。みんな用意しろ!。できる者はシーアナンジンを叩き起こせ!。みなで一つになろう。全員で一丸となって。オパ!。頼むぞ!。...》


《...みんな!。オパよ。待たせたわ!。いい?。隣の仲間を掴んで。みんなで固まって!。手を繋ぐの!。肩を組むの!。抱きしめ合うのよ!。一丸となって!。一斉に力を送って!。近くの大きなイブラデに。近くの好きなイブラデに!。力を送るのよ!。光を放ってる大きな兵曹に。難しいことは要らない。エネルギーを高めて!。光るイブラデを強く意識して!。一番大切な者のために!。一番大切な人に!。そう!。アルマダイを送るの!。あなたの愛を送り届けるのよ!。...》


...ゴゴゴゴォォ...ゴゴ...ゴ...ゴゴゴゴ...


シエルとオパの号令でイブラデの集団が強い光を纏い始める。


エネルギーシールド。


ファザスフォーメーションシールドだ。


【...ハリーヤ。チャージ97%。ハリーヤチャージ97%。一斉掃射開始用意。...】


やはり、シエル、オパが強く輝く。


一際明るく強く。


多くのイブラデに信頼を寄せられている証拠。


が、今それより強く輝く者がいる。


最も強く輝く者。


ともすれば地味な戦士。


だが、最も強い光を放っている。


サビアノーアだ。


今、最も多くの者に希望を託されている。


みんなは見ていた。


サビアノーアの振る舞いの全てを。


【...ーーーーーーーーーー!...】


...キュワーーーーー...キュワーーーーー...キュワーーーーー...ゴゴーーーー...ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...ズズドーーーーーーン...ズズドーーーーーーン...


眩い閃光の嵐。


爆音と強い光の洪水。


目を開けていられるものは居ない。


【...ハリーヤ。チャージ完了!。ハリーヤ。チャージ完了!。一斉掃射用意!。繰り返す。一斉掃射用意!。...】


...キュワーーーーー...キュワーーーーー...キュワーーーーー...ゴゴーーーー...ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...ズズドーーーーーーン...ズズドーーーーーーン...


【...ハリーヤ!。攻撃開始!。全砲!。撃ち方始めーーーーーーーーーーっ!...】


...ズズドーーーーーーン...ズズドーーーーーーン...ボウン...ゴゴン...ドゴン...ボボウン...ゴン...ゴーン...ドガン...ドゴーーーン...ボウン...ゴゴン...ドゴン...ボボウン...クワァアッ...ズズドーーーーーン...バス..バス..バスッ...バス...バス...バスッ..バス..バス.バスッ.....バス..バス...バスッ....バス...バス...バスッ...バス...バス...バスッ...ヒューーー...ヒューーーーーー...ヒューーーーーー...ヒューーーーーー...ヒューーーーーー...ヒューーーーーー...ヒューーー...ヒューーーーーー...ヒューーーーーー...ヒューーーーーー...ヒューーーーーー...ヒューーーーーー...ズズドーーーーーン...ズズドーーーーーン...ズズドーーーーーン...ズズドーーーーーン...ズズドーーーーーン...ズズドーーーーーン...ゴガーーン...ドドドーーーン...ズズドーーーーン...ズガーーン...ズガーーン...ドゴーーーーン....ゴガーーン...ドドドーーーン...ズズドーーーーン..ズガーーン....ズガーーン....ドゴーーーーン...ゴガーーンン...ドドドーーーン...ズズドーーーーン...ズガーーン...ズガーーン...ドゴーーーーン....クワァアッ...ズズドーーーーーン...バス..バス...バスッ....バス..バス...バスッ...バス..バス...バスッ...バス...バス...バスッ...バス...バス...バスッ...バス...バス...バスッ...ヒューーー..ヒューーーーーー...ヒューーーーーー...ヒューーーーーー.....ヒューーーーーー....ヒューーーーーー....ヒューーー...ヒューーーーーー...ヒューーーーーー...ヒューーーーーー...ヒューーーーーー...ヒューーーーーー....ズズドーーーーーン...ズズドーーーーーン...ズズドーーーーーン...ズズドーーーーーン.....ズズドーーーーーン...ズズドーーーーーン......ボウン...ドゴン...ゴゴーン...ドドーーーーーーーーーン...ズズズズ...ゴガーン...ドゴン...ドスン...ズドーーーーン...ゴーン...ドゴーーーーーーン...ズズーン...ガン...ゴン...バリン...パリン...ゴーンゴガーン...ドドン...ガガガガ...ドーーン...

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