ダヌアの空に67
...ブゥオオオオオォォォゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
爆風が吹き荒れる。
灼熱の。
...ドゥン...ドーン...ゴゴ...ズドーーン..ドドン...ドドダダダダ...ドゴン..ズゴーーーーーーーーーーン...ゴゴ...ゴン...ゴン...
数十メートル級の岩が吹き飛ばされている。
激震が大地を縫って行く。
...ブゥオオオオオォォォゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ドーン...ゴン...ゴ...ズドーーン..ドドン...ドドダダダダ...ドゴン..ズゴーーーーーーーーーーン...ゴゴ...
まるで山...。
転がって行く。
途轍もない速度で。
地面を激しく揺さぶりながら。
衝撃波に掘り起こされた。
無数のブラックドッグそしてジーンの砲撃の。
吹き荒れる粉塵そして巨大な塊がめり込む。
激突する。
あらゆるものに。
全てを溶かし灰に変え行く、灼熱のハリケーンの中で。
...ゴゴゴ...ゴ..ゴ....ゴ...ゴ...ゴ...ゴ..ゴ...ゴ....ゴ...........ゴ......ゴ..ゴ...ゴ.........ゴ......ゴ...ゴゴ...ゴ..ゴ...ゴ..........ゴ.....ゴ...ゴ..ゴ....ゴ...ゴ......ゴ.....ゴ...ゴ...ゴ..ゴ...ゴ.....ゴ...ゴゴゴ...ゴ..ゴ....ゴ...ゴ...ゴ...ゴ..ゴ...ゴ....
煮えたつ大気の彼方。
無数に立ち上がるキノコ雲。
...ブボォォオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
爆炎が大地を吹き荒れる。
火の粉や、焦げた残骸が大気を舞う。
大きな大きな塊の。
まるで塵のように容易く。
狂ったように。
ゴ...........ゴ......ゴ..ゴ...ゴ.........ゴ......ゴ...ゴゴ...ゴ..ゴ...ゴ..........ゴ.....ゴ...ゴ..ゴ....ゴ...ゴ......ゴ.....ゴ...ゴ...ゴ..ゴ...ゴ.....ゴ...ゴゴゴ...ゴ..ゴ....ゴ...ゴ...ゴ...ゴ..ゴ...ゴ....ゴ...........ゴ......ゴ..ゴ...ゴ.........ゴ......ゴ...ゴゴ...ゴ..ゴ...ゴ..........ゴ.....ゴ...ゴ..ゴ....ゴ...ゴ......ゴ.....ゴ...ゴ...ゴ..ゴ...ゴ.....ゴ...
...シューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
ガスが噴き上がる。
...バシュゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
空まで。
...シャアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
宇宙まで。
...グチャ...ボチュ...ボ...ボ.....ゴ.....ゴ...ゴ..ゴグチャ.....ピチャ...ボゥッ...ボ...ボ...ビチャ..ボチャ...ボボ...ゴゴ...
沸騰する大地...。
...ブゥオオオオオォォォゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ボボボーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ...
...ゴゴゴ...ゴ..ゴ....ゴ...ゴ...ゴ...ゴ..ゴ...ゴ....ゴ...........ゴ......ゴ..ゴ...ゴ.........ゴ......ゴ...ゴゴ...ゴ..ゴ...ゴ..........ゴ.....ゴ...ゴ..ゴ....ゴ...ゴ......ゴ.....ゴ...ゴ...ゴ..ゴ...ゴ.....ゴ
...ゴゴゴ...ゴ..ゴ....ゴ...ゴ...ゴ...ゴ..ゴ...ゴ....ゴ...........ゴ......ゴ..ゴ...ゴ.........ゴ......ゴ...ゴゴ...ゴ..ゴ...ゴ..........ゴ.....ゴ...ゴ..ゴ....ゴ...ゴ......ゴ.....ゴ...ゴ...ゴ..ゴ...ゴ.....ゴ
...ゴゴゴ...ゴ..ゴ....ゴ...ゴ...ゴ...ゴ..ゴ...ゴ....ゴ...........ゴ......ゴ..ゴ...ゴ.........ゴ......ゴ...ゴゴ...ゴ..ゴ...ゴ..........ゴ.....ゴ...ゴ..ゴ....ゴ...ゴ......ゴ.....ゴ...ゴ...ゴ..ゴ...ゴ.....ゴ
気温は6000いや8000度を超えるだろう...。
...グチャ...ボチュ...ボ...ボ.....ゴ.....ゴ...ゴ..ゴグチャ.....ピチャ...ボゥッ...ボ...ボ...ビチャ..ボチャ...ボボ...ゴゴ...
地面が沸騰する。
宇宙の始まりのように...。
正に地獄。
いや、それ以上。
生き物が生息できない環境。
人間はこれが想像出来なかった。
が....。
しかし。
ひと時で収束に向かう。
元の大地に戻る。
時空を巻き戻すように。
何も無かったように。
屍の山だけを残して。
野蛮な獣達の。
残骸だけを残して。
『...見て!。変だわ...。おかし過ぎる。オシロレータの数値が急激に落ち込んでる。これ。...』
なぜなら...。
『...エマ。こっちも見てくれ。気温が...。そもそも気温がこんなに。あり得るか?。...』
私がいるから。
『...ねぇ!。ここ!。まるでブラックホールだよ!。...』
私がエネルギーを頂いている。
『...落ち着け。リタ。おまえまで。計器が乱れてる。ペリシーダ...いや直接ペルセアと同期だ。...』
私の名はイモーラン。
闇と地の神。
両生具有の。
『...待ってください。艦長。計器正常です。カリギュラも。カリギュラ8、7、1。全て同期。全くずれはありません。同じ現象を計測。...』
これくらいは許されるはず。
『...うをおぉ!。...お、おい!。た、大変だ!。アルマダイの残存量が0.1%を切ってる!。全軍の。...』
無関係な次元に手出しをする訳ではない。
『...あわわ...。ほ、ホントだ!。汗。こ、これ。サーマルリアクターでは間に合いませんよ。全軍の機能が停止してしまう。ま、まずいですよこれ!。...』
私はエネルギーを集めに来ただけ。
『...こ、攻撃どころじゃねぇぜ。こ、こ、これは。一機でも同期落ちたら復帰できねぇ。全体として。...』
上様のために。
そして、あるもの達への愛着と恩返しのため。
『...爆発規模が予想以上に大きくなったせいだ。...』
ナジマが来るなら構わない。
『...聞いたこともない。ファザスで燃料切れなんて。100年は持つはずなのに...。...』
ナジマの苦手なウラノスが迎え撃つだけ。
『...ペネループと交信。ゴーン大佐殿に許可を得る。粒子結合方式で回復を図る。それしか無い。サーマルリアクトではダメだ。各アギュラーラムダの粒子結合で...。...』
私の代理に......。
?
移動している。
緑色の光が...。
噴き上がるガスの合間に。
何だ?。
巨大な光の塊が。
ゆっくりと。
真っ暗に曇った爆炎の中を。
何かを探している。
....。
フッ。笑。
明王か...。
ハイドラの。
気づいたらしい...。
面倒な。
しかし、恐るるに足りない。
ダルカンなど。
《...貴様は誰だ?...》
!
問いかけて来やがった。
応える必要はない。
やり過ごそう...。
《...何をしている?...》
うるさい奴め...。汗。
今の私は小さい。
こやつですら見上げる高さ。
山ほど大きい。
どうやらジーンと言う名。
全身が焼けて真っ赤光っている。
この者の肉体はジニリウム。
ジニリウムがなぜ溶けない?。
この熱で。
思い出せない。
急激に忘れ始めた...。
いつもそうだ。
記憶は人間の身体に残してきた。
離れると忘れてしまう。
下らない設定など。笑
が...。
私はなぜここにいる?。
《...なぜ盗む...》
?。
盗む?。
〔...何のことだ?...〕
《...おまえが食らっているものだ。...》
私が食らっている?。
あ?。
あぁ。
〔...熱や光はバルバロイには効かぬはず。...〕
《...それは俺のものだ。...》
〔...熱か?。光が?。...〕
折角食らってやったものを。
こんな不味いものを。
明王はバカなのか?。
味方を焼き尽くしたいのか?。
私が吸収しなければ、今頃ハイドラ軍は消滅している。
蒸発して。
兵曹のみ残して...。
《...冥界の王イモーランよ。...》
しまった!。汗。
か、完全に気づいている...。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
明王から爆発音と振動が...。
《...これ以上は控えろ。これは俺のもの。これからの戦いの...》
ふん。
...キーーーーーーィ...ーーーーーーーーィ...ーーーーーーーーーーーキィ..ーーーーーーーーーーーィ...ーーーーーー...キーーーーーーーーーーーー...
好きにするが良い。
しかし...。
私はなぜこんな安いエネルギーを吸っている?。
三流の妖怪みたいに。
...。
....。
そう。
胸が締め付けられるからだ。
そうしなければならないからだ。
心が叫んでいる。
悲しい。
寂しい。
痛いほど...。
そして温かい。
心!?。
悲しい!?。
温かい!?。
この私が!?。
私には心どころか心臓も無いのに?。
はっはっはっはっは!。
あっはっはっはっは!。
これは滑稽だ。
下等な人間達のようだ。
あっはっはっはっは。
あっはっは...。
あは...あっは....。
あ...。
苦しい...。
悲しい...。
な、なぜ...。泣
人間をバカにすると。
なぜ。
なぜこんなに痛い...。
なぜだ...。
なぜ。
一度肉体を持ってしまったから?。
また、人の身体に戻らねばなるまい。
思い出すために。
この痛み、苦しみは何なのか...。
知るために。
あの声を聞いた時思い出した...。
さっき。
...キーーーーーーィ...ーーーーーーーーィ...ーーーーーーーーーーーキィ..ーーーーーーーーーーーィ...ーーーーーー...キーーーーーーーーーーーー...
爆音が私の意識を現実に戻す。
不安定な雑音...。
耳障りな...。
...ゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
......どうやらこの者は。
この者の炉は熱や光を食らうらしい...。
明王の身体が回復して行く...。
この気違い染みた熱と光を吸って。
明王が光を増す。
爆炎の嵐の中で。
上体に纏わりつく光の滝、エネルギーの滝が。
青白く。
これはアルマダイの青。
シカムの色。
にも関わらず気温が下がる...。
『...ジーンも熱を...。凄いです!。温度の下がり方が。...』
声が聞こえる。
『...じゃ、他に何かが。さっきのは他の...』
カメムシの方からだ。
金属の。
デカい。
「13」と書いてある。
『...いや、あり得ません。ジーンでしょう。さっきのも。こんな大規模な沈静化を行えるのは。...』
...汗。
『...いや、デューンの新兵器かもしれねぇ。...』
...。
『...今更?。ですか?。デューンがアルマダイを?。アルマダイを無効化する技術を?。今更使います?。...』
『...降って来たぞ!。...』
『...かなり大きい。...』
『...シールドは解けないな。...』
...ボウン...ゴゴン...ドゴン...ボボウン...ゴンゴーン...ドガン...ドゴーーーン...ボウン...ゴゴン...ドゴン...ボボウン...ボウン...ゴゴン...ドゴン...ボボウン...ゴンゴーン...ドガン...ドゴーーーン...ボウン...ゴゴン...ドゴン...ボボウン...ボウン...ゴゴン...ドゴン...ボボウン...ゴンゴーン...ドガン...ドゴーーーン...ボウン...ゴゴン...ドゴン...ボボウン...ボウン...ゴゴン...ドゴン...ボボウン...ゴンゴーン...ドガン...ドゴーーーン...ボウン...ゴゴン...ドゴン...ボボウン...ボウン...ゴゴン...ドゴン...ボボウン...ゴンゴーン...ドガン...ドゴーーーン...ボウン...
残骸と言うにはあまりにもデカい塊。
降ってくる。
私の上にも。
...ダーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
クッ!。
落ちて来た...。
直撃しやがった。
目玉だ...。
でかい。
デカい目玉。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
人の身体より大きい。
....
...
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
腕。
...ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
脚。
...ドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
顎。
...ズダドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
また脚。
指...。
...バスーーーーーーーーーーーン...
鋼鉄の身体。
降り注ぐ。
バルバロイの身体が。
数メートルの塊が。
滝のように降って来る。
...ボゥン...バギィ..バッチィィ...ドンッ...ボゥン...ボゥン...バギィ..バッチィィ...ドンッ...ボゥン...ボゥン...バギィ..バッチィィ...ドンッ...ボゥン...ボゥン...バギィ..バッチィィ...ドンッ...ボゥン...
残骸と明王の放電翼が接触して爆発している。
重い塊が、弾き飛ばされて行く。
まるで紙切れのように。
...
...スゥーーーーーーーーーーー...
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーバッチァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
降ってきた。
毒々しい色の塊が。
腸か...。
いや、脳みそだ。
バルバロイの。
【...作戦は成功だ。...】
《...受信中...》
《.......Դա լուրջ բան էր: . Անհետացավ տասը հազար բարբարա: ...》
『...何だ?...』
《...Եթե նման բան գիտի Մեծը: Պետք է զանգահարենք Սիսիդոր: ...》
『...これは...。め、めメルケセス!。メルケセス語だ!。デューンの通信だ!...』
《...Խնդրում եմ ինձ տեղեկացրեք Սիսին: Այն արագ հասնում է Մեծի ականջին: ...》
《...音声変換中...》
《...Ցանկանում եք մեռնել: ...》
《...変換ERROR code464...》
《...ロックがかかっています。Ndecode パスタップrf44。高度な暗号方式。パースに失敗しました。...》
『...rf44でも解けないって...一体...』
『...腐ってもデューンの国家メインフレームだ。ゴトラは。...』
『...ゴトラの支配、弱まっています。...』
《...Ոչ մի կերպ չկա, որ մեր զորքերը մինչ այժմ պայքարեն այս չորս ...》
『...ペルセアがハッキングを開始しました!。...』
《...անկյուններում այս թույլ պետության մեջ...》
完全にデューンを目覚めさせてしまったようだ。
『...かなり慌てている。...』
総攻撃を仕掛けて来るだろう。
『...それはそうだろ。全滅させたんだ。笑38000ものバルバロイを一瞬で。...』
今までのものとは比べものにならない。
『...クセルクの名前が出てくる...』
恐らく。
『...シシィドールも...』
デューンの皇帝は、やっとこれでここに紛争が起きていることに気づいただろう。
『...ペリシーダのシュミレーターでは壊滅している。666個ものブラックドッグの直撃だ。逃れられる訳がない。笑...』
残念ながらハイドラに勝ち目はない。
『...アギュラーラムダ8、1、7、13。直列同期開始。デューン軍生体反応検索。...』
規模が違いすぎる。
『...間も無くペネループから検索結果が出る!。...』
国としての...。
未だ途轍もないエネルギー量。
本来なら。
1000万のバルバロイを殲滅して、まだ余るエネルギー量。
とっておきの作戦だった。
恐らくハイドラに取っては。
...ゴ...........ゴ......ゴ..ゴ...ゴ.........ゴ......ゴ...ゴゴ...ゴ..ゴ...ゴ..........ゴ.....ゴ...ゴ..ゴ....ゴ...ゴ......ゴ.....ゴ...ゴ...ゴ..ゴ...ゴ.....ゴ...ゴゴゴ...ゴ..ゴ....ゴ...ゴ...ゴ...ゴ..ゴ...ゴ....ゴ...........ゴ......ゴ..ゴ...ゴ.........ゴ......ゴ...ゴゴ...ゴ..ゴ...ゴ..........ゴ.....ゴ...ゴ..ゴ....ゴ...ゴ......ゴ.....ゴ...ゴ...ゴ..ゴ...ゴ.....ゴ...
『...視界拓けます。...』
【...こちらペネループ 統制•作戦長ピート。ペネループから全軍へ。検索結果を音声でも伝える。半径500km圏内 生体反応...。ボルボーレ。キリーク1278体。インノァ。及びシンニアジャ814体。ゴーグ...】
『...見ろ。キリークが!...』
『...キリーク!。あれが?。...』
『...溶けてる!。キリークが!。...』
キリーク...。
あの銀色の巨大蜘蛛は。
複数の如来の頭を幾つも持つ金属の怪物は。
溶けてしまっている。
まるでデカいアイスクリームのように。
熱。
そして、途轍もなく重い自重によって。
水銀の池のように。
金属のなだらかな丘のように。
このゾーグの茶色の大地に似つかわしく無い銀色の丘。
変形し大地に融着している。
頭同士が融着しているもの。
顔だけを残し湖のようになってしまっているもの。
苦しげに塔のような巨大な脚を動かす。
どいつも。
死にかけのカナブンかセミのようだ。
やがて息絶えるだろう。
一匹残らず。
あの生き物は、あの銀の甲殻に無数の呼吸穴を持っている。
だからキリークはあの食虫植物が恐怖だ。
この僅かな時で恐怖が染み付いた。
遺伝子の奥深くまで。
キリークに近づくことの出来ないハイドラ人は知らない。
一方...インノァは無傷。
同じデューンの巨大な昆虫兵器。
他のシンニアジャやゴーグ達と連携して強力なバリアを作っている。
インノァは結合し倍加する術を知っている。
人間の軍隊と同じ。
直列連携。
知能の高い者は生き残り、愚かな獣は死に絶える。
愚かな獣ならば。
愚かなだけの獣ならば...。
《...イブラデ隊 出る!。行くぞ!。みんな!。...》
《...楽勝だぜ!。...》
《...生体反応0だよ。さっさと片付けてアギュラーラムダの護衛に戻ろう。笑。...》
《...ついてるわ!。私達の1番の難所はここですもの。...》
《...私語を慎みなさい!。あなた達!。...》
《...オパは真面目過ぎるよ。肩に力入り過ぎよ。...》
『...こちらラムダ13 ジャイロだ。出撃待て!。ペリシーダの検索結果が出るまで待機だ!。...』
《...こちらシエル。もし生きていたら復活は早い。一刻を争う。...》
《...そうです。シエルの言う通り。連携して反撃されたら例え残党が1000いたとして、5分の遅れは致命的です。...》
《...あれ食らって生きてられるバルバロイいるかな?。...》
《...おまえは黙っていろ!。シューマ!。今大事な話をしてる!。ジャイロさんと!。....オパの言う通り。1000も残っていないかもしれない。しかし...》
『...ジーンから入電。ジーンから。ジーンも待てと。...』
《...何だって!?。ジーンが?。ジーンまで?。...》
《...い、一体なぜ!?。...》
【...ペネループ。こちらピート。検索中。バルバロイの生命反応は認められない。バルバロイの生命反応は0だ。しかし、指揮命令権はラムダ13にある。イブラデ隊は指揮命令系統を遵守。...】
《...私にはイブラデ隊を護る義務がある。もし対応が遅れればとどめを刺すどころではなくなる。我々が壊滅する恐れもある。...》
『...だからこそ待て。何かがおかしい。...』
《...第一戦で危険な思いをするのは我々なんですよ?。装甲も無い。生身でバルバロイと闘うのですよ!?。敢えて危険を犯す理由は!?。納得できません!。おかしいと感じられる根拠は何なのです?。...》
『...貴様ら!。ガキは大人の言うこと聞くもんだ!。黙って言う通りにしてりゃいいんだ!。...』
《...おい。またガレスだぜ。ムカつく。...》
《...叩きのめしてやろう。...》
『...おい。あまり刺激をするなガレス!。...』
『...そうよ!。相手はティーンなんだから!。...』
《...ふざけるな!。ティーンエイジャーだから何だ!。...》
『...艦長。ジーンから入電。待てと。...』
『...おい。シエル。他の奴らを黙らせろ!。...』
『...ラムダ7 リリアーノ大尉から。全速離脱を。リリアーノ大尉からです。...』
《...何だとガレス!。...》
『...ジーンが下がれと言っていますよ!。こちらリタ。ジーンは貴方達の格上な存在でしょう!。そのジーンが言うのです!。貴方達はジーンに逆らう気なのですか?。...』
《...数段格上?。数年後は俺の方が上に行ってるぜ!。俺はエフライムから指示されてる!。俺もエフライムもセティだ。ジーンは御三家のどこでも無い。聞いたことの無い流派だ。そんなどこの馬の骨とも分からないやつに従えるか!。...》
《... ディーチー!。やめろ!。 ...》
『...ジーンからまた入電です。下がらせろイブラデを...です。急げと言っています。...』
『..........良し。イブラデ隊。全軍後退。全速後退!。攻撃翼、ティゲル隊、スティングレイ隊直下422度線まで。直ちに全速後退!。シエル!。オパ!。仲間を信じるんだ!。...』
《...な...。そ、そんな!。ここまで来て残党の復活を見逃す気ですか!。一体誰がバルバロイを倒すのです!。想定値は最大で1500なのでしょう?。...》
《...一体誰が1500ものバルバロイと!。復活したバルバロイを倒せるのですか!?。我らでは無理です!。食われるだけです。私達はラキティカじゃないんですよ!。...》
《...ジャイロの言うことなんか無視してやっちまおうぜ?。出撃だ!。...》
『...あなた方!。ジーンが懸念してることをなぜ...』
『...リタ!。下がってろ。ジャイロだ。全速後退だ。生体反応0はおかしい。下がれ。全速で。仲間を護りたいなら今すぐ後退しろ!...』
...ダン..ドン...ダンッ
『...何だ?。この振動は...』
...ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ...
《...じ、地面が揺れてる...》
【...い、いかん...。逃げろ...に、逃げろ...。逃げろ!。逃げろ!。逃げろっ!。逃げろおぉぉ!...】
『...!?。どうしたピート?。か、艦長。ペネループのピートが。...』
...ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ...




