ダヌアの空に55
ペネループは、いや、防御翼のファザスは完全に動きを止めている。
1ミリも動くことが出来ない。
...ゴン..ゴン....ゴン...ゴゴゴゴ..ゴン...ガガガガガガガガガガ...ガ...ガガ...
シールドが地面にめり込んでいる。
60000tの重みに耐えきれず。
巨大蜘蛛の雪崩が防御翼を踏み潰すのは時間の問題。
何とかしなくては...。
何とか...。
提督殿はただ静かに目を瞑っている。
作戦GQ194がモニター7に変わった。
モニターの中央を爆走する巨大なコブラ。
まるで砂獣のように。
途轍もなく大きい。
頭をもたげたムカデ...。
全長300mの巨大な妖怪。
シンニアジャの特異固体 インノァだ。
ゾーグの土砂とクヌンを噴き上げながら爆走している。
《...ヤーベ...イヒ..ニ...アマケ...ヌ...アマン..ウヌ...カナヌ...ノコナ...イ...ニヒヌアハ...ミ..エガヌコノアマタ...》
インノァの咆哮をジグルス14(フォーティーン)が拾っている。
《...音声変換中...》
《.......................》
《...アバウク語 : 今こそ積年の想いを果たさん。蘇り我らに力を。神の兵。ウィルハよ。民のために世界のために。...》
時速は777km。
猛烈なスピード。
両サイドにジャミー84が3機ずつ。
ジャミーがまるで白蟻のようだ。
乙型はインノァの前方を左右に移動し攻撃を仕掛けている。
リュウ•アーデンの機体だ。
並みのパイロットなら簡単に潰されてしまう。
左右で援護しているのはヤマトとザラ。
巧みな操作。
まるで曲芸だ。
しかしインノァは速度を落とさない。
《...ナハ...マルマーハ...ダハヤーベ..ニ...アマケ...ヌ...アマン...ニヒヌアハ...ミ..エガヌコノアマタ...》
《...音声変換中...》
《.......................》
《...アバウク語 : 我らが理想のため人々への愛のため。集いたまえ。ウィルハよ。神の兵。ウィルハ。...》
インノァは、高僧タルカタカナを喰らい模したため、その記憶を無意識に宿しているという。
そして、この言葉に意味は無い。
ウィルハは遥かに13万年前に滅んだのだ。
卑しいゾーグのムカデと結合されて。
ウィンテルンとなって...。
またリュウアーデンが空に舞い上がる。
鷹のように華麗に。
!!
インノァの頭の中央を捉える!。
仕留める!。
あのガタガタのパルチザンで。
『...攻撃してはダメだ!。リュウ!。インノァは攻撃して来ない!。...』
J24だ。
何を言っている?。
『...行け!。リュウ!...』
『...やったか?!。リュウ!。...』
84のパイロットの声。
ヤマトとザラ。
二人の天才パイロット。
それがバックアップに回っている。
あのリュウ•アーデンの...。
『...ダメだ...。はずした。シンタ2号が...』
??
『...シンタ2号て?。...』
『...いや、こっちの話しだ...』
またアーデン少尉は飛び上がる。
空中でゆっくりと回転する。
いいぞ!。
『...くっそ!。こらっ!。シンタ!。...』
?!
直前で失速する。
なぜ。
【...リュウアーデン。退きなさい!。インノァを攻撃してはいけない!。...】
?!
ルイス...。
レオパードのルイスからだ。
『...なぜです!?。もう少しなのに!。...』
そうだ。
「少尉。命令だ。」
【...少尉。命令だ。...】
!?
アンヌ提督殿。
...ザッ...
55名のクルーが一斉に提督殿を見る。
「中佐。GQ194を解除。ジャミー隊は本艦の防御に。」
「ハッ!」
!!
何か作戦が?。
《...ナルバヤハーン...ダハ...ナハ...イムル...ナハ...ハ...ダハヤーベ..ニ...アマケ...ヌ...アマン...》
《...音声変換中...》
《.......................》
《...アバウク語 : 我はこの時を待っていた。卑しき者に身を落とし。意識の限りなき深き闇に身を隠し。...》
インノァは語りを止めない。
...ギュウウゥワアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
ジャミナキラが猛り狂っている。
完全に停止した我等のファザスフォーメーションシールドの前で。
【...GQ194解除する。ジャミー隊は直ちにペネループの防衛に入れ!。...】
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ガッスゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
キリークが弱ったファザスを縫ってペネループを攻撃して来る。
『...了解!。...』
..バサザザザーーーーーーーーッ...
...ゴンガンガンガンガンガンガン...
弾け飛んだ土砂がペネループにぶつかる。
いつ大きな鋼鉄の爪が直撃してもおかしくない。
ペネループを突き刺そうとしている。
...ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ...バチ...ブチィ..バチ...バチィ...
ジャミナキラ3(スリー)の目が光を放っている。
焼けるような激しい光を。
放電している。
さっきまで熱線を放っていた目が。
目の縁が焦げ煙が巻き上がって行く。
まるで怒り狂っているようだ。
...ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
ジャミナキラが口から粒子線を...。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
熱線がキリークの半身を吹き飛ばす。
凄まじい威力。
ジャミナキラは完全体に近づいている。
...ゴゴゴゴギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー...
...ゴゴゴゴギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー...
ジャミナキラ達は益々パワーアップして行く。
...ズバババ...
キリークがジャミナキラ2(ジャミナキラツー)に爪を振り下ろす。
...バァッスゥゥッッ...
民家よりも大きな爪を。
...シャアァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーー...
ジャミナキラ2が体液を噴き上げる。
引き裂かれ体内が露出している。
キリークが何本もの脚を振り上げる。
如来頭の阿修羅はご自慢の巨大爪で戦闘植物を切り裂こうとしている。
ジャミナキラ2(ツー)は絶対絶...。
!!
風船のように膨らみ始めた。
200mを超える巨大な風船...。
...メリメリメリメリメリメリメリ...
ジャミナキラの口が裂けて行く...
....ブボボボボボボボボボボボボボボ...
ジャミナキラ2(ツー)が口をヘビのように広げキリークを飲み込んで行く。
鋼鉄の切断機がジャミナキラの堅い皮のような身体に飲み込まれて行く。
捻じ曲げられ詰め込まれて行く。
あっと言う間に飲み込んだ...。
...
...ゴボウウゥッ...
...ボボウッ...
...プシューーーーーーーーーーーーーーーーーー...
消化している。
...
...ゴボウウゥッ...
...ボボウッ...
...プシューーーーーーーーーーーーーーーーーー...
ジャミナキラが一瞬で収縮して行く。
元の大きさまで。
ジャミナキラは食虫植物。
アモイの不死身の怪物。
ジャミナキラ2(ツー)がキリークを、60mの金属の蜘蛛を食っちまった...。汗。
...グボォアッッ...
別のキリークがジャミナキラ1(ワン)の目をくり抜く。
...ボボウッ...ボコボウッ...
一瞬で再生した。
...ドン...ボボボボボボボボボボボボ...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ババババババババババババババババババババババババババババババ...
衝撃波が起きる。
ジャミナキラ1(ワン)が両前脚でキリークを殴った。
前脚の速度...。
初速でマッハ14を超えている...。
音速を遥かに超えるパンチ。
凄まじい威力。
キリークの硬い甲殻すら簡単に粉々にしてしまう。
バネの様にせり出した。
12000tの怪獣が巨体を回転させながら上空に吹き飛ばされて行く。
キリーク達が逃げ始めた...。
総シールド上から。
...バチーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
ジャミナキラ3(スリー)の舌が捉えた。
100m先。
逃げかけたキリークを。
まるで鳥もちのように。
ジャミナキラは捕食する気だ。
また口を身体の半分以上まで開けて待っている。
ジャミナキラの目が血走っている。
...ギュワッ...ギュワッ...ゴゴゴ...ギィーーー...
キリークが怯えている...。
明らかに。
ジャミナキラは貪欲だ。
...バッスーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
キリークが舌を切断した...。
切れて残った舌がキリークの脚に絡みつく。
自由を奪った。
...バッターーーーーーーーーーーーーーーーーン...
別の舌...。
...バチーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
ジャミナキラの舌は何本もある。
二本の舌がキリークを口の中に一気に引きずり込む。
...ズズズズ...
...ギュワッ...ギュワッ...ゴゴゴ...ギィーーー...
徐々に手繰り寄せられている。
...ズズズズズズズズ...
...ギーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
キリークが怯えている。
...ズズ...ズズズズ...
口がキリークに被さった!。
....ブボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボ...
...ゴボオォウゥゥゥゥッ...
ジャミナキラがキリークを呑み込んだ。
...
........
....
...ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ...
な、何だ...。汗。
「げっぷしてやがる...。汗」
!!
いつの間にかピーカー同士が連結して巨大な腕に...。
10体以上が連結している。
まるで防御翼に付いている腕のようだ。
レオパードの作った土手を超え、頂上のピーカー達がキリークの群れに飛び込んで行く。
群れの奥へ進んで行く。
「艦長!。ピーカーが粒子線を吐きます!。」
モニター2がピーカー達を探し出す。
金属の蜘蛛の山の中から。
ピーカーはキリークの群れの真ん中いながら、回転し、メチャクチャに粒子線を吐いている。
....バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ...
運搬用シムゴード アルハリドのアフロダイプロペラの音が轟く。
ガルバオレオのレオパード L2を運んでいる。
キリークの作った山脈を越えていく。
ガルバオレオは自らの忠実なピーカー達と命運を共にする気だ。
ジャミナキラ3(スリー)が追従する。
追ってキリークの壁を登って行く。
命をかけて母親を援護している。
!!
来る!。
...ドドドドドド...
インノァ引き連れるシンニアジャ、ゴーグの群れがメインモニターの範囲に。
...ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...
シムゴードの巡航速度を軽く超えている。
「回避!。回避!。回避!。回避!。回避!。」
【...防御翼ALL!。全速前進!。防御翼ALL!。全速前進!。...】
「た、倒すぞ!。行くぞ!」
「..右、右..オリ...ハント!」
「了解!」
「...レバーダウン!..レバーダウン!...何やってる!..早くしろ!...」
「良し来い!」
「やってるよ!。やってますよ!。」
「お、おーりゃあああぁぁぁ!」
「こん畜生!」
「レバーダウン!。レバーダウン!。レバーーっ!」
「おおーーーーーーらぁぁぁぁっ!」
「フルスロットル!フルスロットルフルスロットル!フルスロットル!」
操舵手そして全軍コントローラ達はここが山場だ。
...
...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
一気に加速する。
加速して行く。
...ググググググググググゥゥッググググググググググググググググググググググググググググググググググググググググ...
凄まじいGだ。
...ギャアアアァァァァ...うわあああああ...キャーーーーーーーーーーー...ヒィィィ...ギャアアアァァァァ...ウォォォォ...あぁぁ..ウォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーー...ギャアーーーーーーーーーーーーーーー...ウオーーーーーーーーーー...ギャアアアァァァァ...うわあああああ...キャーーーーーーーーーーー...ヒィィィ...ギャアアアァァァァ...ウォォォォ...あぁぁ..ウォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーー...ギャアーーーーーーーーーーーーーーー...ウオーーーーーーーーーー...ギャアアアァァァァ...うわあああああ...キャーーーーーーーーーーー...ヒィィィ...ギャアアアァァァァ...ウォォォォ...あぁぁ..ウォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーー...ギャアーーーーーーーーーーーーーーー...ウオーーーーーーーーーー...
防御翼全軍が力を振り絞り進路を開けて行く。
クルーだけじゃない。
防御翼全員が悲鳴を上げている。
...ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
インノァの引き連れる群れが。
隊の後方が巻き込まれそうだ。
急げ!。
急げ!。
早く!。
早く!。
...
...激突する。
キリーク達とインノァが。
激突...。
つ、つ、遂に...。
キリーク本隊とインノァ率いるシンニアジャ。
...
....
...
激突した。
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
大地が揺れる。
大気が歪んでいる。
広範囲に渡って。
我々も無傷では居られない。
押されたキリーク達が防御翼前方に雪崩れ込む。
シンニアジャが来る。
大型のものばかり。
防御翼を囲むように。
まるで防御翼を護っているように。
キリークに対して防護壁を展開するように。
シンニアジャは完全に統制が取れている。
インノァを中心に群れ全体に緑の光を灯している。
シールドのようなものだ。
【...ラムダゼロから攻撃翼全軍へ。オリファント1号、2号、3号、4号、5号、6号、7号、8号、9号。ブラックドッグ発射用意。繰り返す。オリファント1号、2号、3号、4号、5号、6号、7号、8号、9号。...】
始まった。
【...こちらラムダ7。スティングレイ1号から8号。スティングレイ12号から16号。長距離砲射用意。...】
一斉掃射だ。
【...ラムダ8よりスティングレイ隊。9号から11号。18から26号。35号から40号。発射用意後待機。第2射に待機。...】
【...ラムダ1よりスティングレイ27号、28号...】
「艦長。ティゲル系シムゴード全機、所定位置にスタンバイしました。」
オオタカだ。
私は頷いた。
「シンニアジャ。数10000!。数10000!。プリズムホールから異動。」
物凄い数のシンニアジャがキリークを囲む。
インノァ率いるシンニアジャが今度はキリークを圧倒し始める。
モニター1が...。
ササーンが辺りを...。
見回している?。
モニター...。
!!
い、いない!。汗。
...ど、どこだ...。
消える筈が無い!。
あんなデカイ物が。
!!
モニター1。
消えた...。
...汗。
ど、どこに一体。
ジーンの前から...。
【...き、消えた。...】
いつの間にか移動している?。
プリズムホールの場所が移動している!。
虹色の輪郭。
空に浮かぶ直系100mの暗黒のトンネル。
!!
6本の足で這っている。
モニター2!。
全長300mの巨大なイモムシが。
甲虫のような黄土色の甲殻。
背中にも同じく6本の足。
甲殻グマにも人にも似た化け物。
人に見える。
獣人に見える。
目もあり顔もある。
直立した。
【...ボ、ボ、ボ、ボルボーレ!。ボ、ボルボーレだぁぁぁ!。...】
【...うわあああああああああああああーーーーーーーー!。...】
【...ひぃぃっ!...】
【...ら、ら、ラムダ0がボ、ボ、ボ、ボルボーレに...。...】
...トゥルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル...
...ドゥンドゥンドドドドドドドドドドドドドゥンドゥンドドドドドドドドドドドド...
攻撃翼の中。
丸く牙のついた口にラムダ0を咥えている。
...トゥルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル...
...トゥルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル...
...トゥルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル...
...ドゥンドゥンドドドドドドドドドドドドドゥンドゥンドドドドドドドドドドドド...
...トゥルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル...
ボルボーレがいきなり隊列の真ん中に現れた。
わ、ワープして来た...。
一瞬で100kmも。
絶対絶命だ...。
今度こそ...。




