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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
201/364

ダヌアの空に37

【...ググゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォォォーーーー!...】


まるで錆びた鉄塔が折れ曲がるような鳴き声。


レンガ色の岩を噴き上げながら爆走してる。


割れたコックピットシールド越しに迫って来る。


歯の代わりに生えてる黒く光る無数の脚で。


下顎の無い頭だけの巨大な坊主。


老人の肌にも近い色。


目も眉も鼻も耳もある。


僅かに残る白い髪や上唇までも。


でも、目はカマキリのような緑色の複眼。


眉は(うごめ)く触覚。


鼻の下は奇形のように潰れている。


こいつは人間の形を真似ただけの巨大な昆虫。


ゴーグ。ワイナ語で坊主という意味だ。


嫉妬深いデューンの皇帝達は、神を信じ、慎ましく生きるアバウクの人々が許せなかった。


神や自然に近い、その神聖な生き様に我慢がならなかった。


第13代皇帝 グノサスは、とうとう手を下してしまった。


アバウクの市民の面前で生きたまま高僧たちを食らわせた。


人々が神々の次に崇拝していた高僧たちを。


食べた者に擬態するカンディルクリプトスという生き物に。


高僧たちは、食われながらゆっくりと死んでいった。


今のゴーグのこの姿は、世界史に残る名僧 タルタカタを模したものといわれる。


南エイジン大陸に秩序と愛をもたらした名僧。


ゴーグとなったカンディルクリプトスは、それ以降別の個体を真似なくなった。


その代わりに、ありとあらゆる生物の特性を吸収することで、極限まで攻撃性を高めた。


奇跡も、神聖も、崇高さも、圧倒的な力の前には無力だ。


アバウクという国の無力さは、不吉な前例を歴史に残してしまった。


...ズドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドド...


無数の脚が地面を蹴り、爆走して来る。


ヤドカリのような脚で。


この大きさの昆虫の力は壮絶。


一撃で岩山をも崩してしまう。


ジャミーなんてひとたまりも無い。


...ズドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドド...


左パネル下LEDが点滅してる。

レバーのロックが解除されたまま。


パルチザンだ。


あのが知らせてる。


...ガチャガキィッ!...


レバーを。


...ドーンゴーン...


ダンバーの感覚だけを頼りに...。


下がったサイドハッチからパルチザンの柄が迫り上がる。


『...ば、バカ、リュウ!!無茶するな!!まともにぶつかるな!!あ、危ない!!...』


...ゴゴゴゴゴゴゴゴ...


手探りでパルチザンを引き抜く。


無意味にぶつかったりはしない。


...ズドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドド...


来る!。


シールド一杯に化け物が見える。


...ボボボボボボゥゥゥ!...


パルチザンと機体が擦れてる。


...ゴゴ!...


パルチザンが、鈍い銀色の光を放ってる。


刃先は丁度、コックピットの前だ。


来る!。


...


...ドッ!バッスンッ!!...


...ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ


パルチザンが奴の複眼を引き裂く。


【...ググゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォォォーーーー!!ググゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォォォーーーー!!ググゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォォォーーーー!!...】


...ブシュャャャャャャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!...


奴の左の複眼がパックリ割れ、黄緑色の体液が噴き出してる。


見たか!パルチザンの威力。


【...ググゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォォォーーーー!!ググゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォォォーーーー!!ググゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォォォーーーー!!...】


...ドゴン!!ズズーーン!!ダダーン!ゴドン!!ドドン!!ズズーーン!!...


地面が激しく振動する。


のたうち回っていやがる。笑。


バルカン!。


...ドーン!ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボ...


...バスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバス!バスッ!バスッ!バスッ!バスッ!ブシャ!バスゥッ!...


【...ググゴゴゴオオオォォォ!!ググゴゴゴオオオォォ!!ググゴゴオオォ!!...】


くるくる回っている。笑


バルカンが奴の頭を蜂の巣にしていく。


甲殻が硬い訳でもない。


大した奴じゃ無い...。


!!?


『...J1!!後ろだ!...』


...ズドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドド...


もう一体...。


ジャスミンをかじっていた奴だ。


ジャンプ!。


アクセルを踏む。


...ゴーーーーー!...


スラスターが噴射。


もう空にいる。


やはり84とはパワーが違う。


...ズッドーーーーーーーーーーーーーーーン!!...


地上でゴーグ同士が激突している。

目の見えない赤ん坊のように。


...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...


土煙が巻き上がっている。


『...リュウ...まるでデュークだ...いつの間に...』


乙型に比べれば84はまるでおもちゃ。


操縦も言われているほど違いは無い。


『...あ、あの人...ほ、ホントにグレードワン...?ですか...』


『...そうだ..この作戦に参加する前はダヌアのRSS隊だったんだ...』


『...RSS!?...』


アギュラーラムダがレッドアローに横付けされた。


ゴーグは僕がここで始末する。


「ジャスミン!何してる!さっさと逃げろ!」


何やってる。


死にたいのか?。


『...はっ!?はいっ!え?...』


...ゴゴゴ...


...ビュオウゥゥ!!...


僕のジャミーがゴーグ目がけて落ちて行く。


急降下するアトラクションのように。


命綱無しの。


...。


...ズズーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!...


...ボン!ガジャ!ゴーーーン!ガンガンガーーーーン...


シールドの破片が落ちていく。


...ゴギゴギゴゴゴゴゴゴ...


ダンバーを通して感覚が伝わって来る。


パルチザンがゴーグにめり込んで行く。


【...グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!...】


ゴーグがのたうってる。


まるでロデオのようだ。


でも振り落とされる気はない。


『...そいつは脳幹を斬らないと死なない。...』


バンさんの声だ。

バンさんは戻って来た。

帰って来てくれた...。


『...リュウ。リリーとバンがおまえのモニターになってくれる。アギュラーラムダ1だ。...』


『...リュウ。おまえ変わったな...』


...チカチカ...


...チカチカチカチカ...


!!?


空が真っ白に...。


....ズズズズズズズズズズズズズズズズ...


...ドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!...


ゴーグごと激しく揺れる。


『...撃墜。敵軍事衛星を撃墜!。オグワン28号がソランを撃墜しました!。オグワン28号がソラン一機を撃墜。レバンナチャージを再開します!。...』


...ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!...


レバンナのアルマダイエンジンが唸りを上げる。


真夜中の工事現場みたいに静かに点滅していた光は、狂った発電機のように音を放つ。


まるで太陽のような光を放射しながら。


くっそ。


脳幹はどこなんだ。


『...リュウ!人と同じ!後頭部の中首と頭のつなぎ目だ!。...』


パルチザンじゃ届かない。ましてや上からじゃ...。


...ドボゥワァーーーーーーーー!!...


ゴーグが、ゴーグが飛び上がった!?。


違う。


そうじゃない。


『…リュウ!ゴーグが形態を変えた!...』


『...ジャミー隊ポイント108より全軍撤退中...』


形態を変えた!?。


『...ダルカンラキティカ ササーンがバックアップに入ります!...』


...キュワワアアァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!...


光が増していく。


レバンナの艦首砲だ。


対閃光シールドも何も無い。眩しくて目が焼けそうだ。


ササーンはゴーグを倒したのか?。


兵曹の存在感が増していく。


...。


...。


...ズズズズズーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンン!!...


『...レバンナ艦首砲、ダルバサ岩壁ポイント103.2828、2338.456に命中。...』


『...不十分です。は、半分も崩れていません。再チャージ開始。...』


『...ま、間に合わない!。止められない!。ウィンテルンが...』


『...ま、待って!待ってください!ダルカンから高エネルギー反応。ダルカンラキティカから高エネルギー反応。ササーン撃ちます!!。ササーンが粒子砲を撃ちます!!。...』


ダルカンがレバンナの代わりを…


【...グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!...】


ゴーグはますます激しく暴れる。


…キュワアアアアアァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!...


空からじゃない。


…チカ!チカッ!チカッ!...


…チカチカッチカッ!チカチカッチカッ!チカチカッチカッ!...


空がはげしくフラッシュしている。


ポイント108の方だ。


ダルカンだ。


ダルカンの粒子砲だ。


…ズズズズズーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!...


『…リュウ!降りて!!粒子砲を撃つ!!...』


…ドルン…ドドドドドドドドドドドドドドドド…


来た。


レオパードのルイスだ!。


最重量戦車シムセプト


重厚で幅が広く車高が低い。


まるでスポーツカーのようにも見える。


普通のシムセプトの倍以上ある。


2門の大きな砲身をこっちに向けている。


レオパードのアルマダイエンジンが唸りを上げる。


…キュワアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…


砲身が強い光を纏う。


パルチザンはゴーグの頭に根元まで刺さっている。


…グググウウゥゥウウウウウウ…


引き抜く鈍い振動がダンバーから伝わって来る。


【...グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!グゴゴゴ!!...】


ゴーグが暴れている。


...ガゴ!バスッ!!...


ジャンプだ!。


軽く踏んだだけでスラスターが反応する。


…ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


強いGがかかる。


遥か下で粒子砲が炸裂している。


…ズドーーーーーーーーーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーーーン!!...


レオパードの二つの砲身が立て続けに火を吹く。


ゴーグは頭甲の半分が吹き飛んだ。


『…生体反応6!!生体反応6!!ゴーグ!!ゴーグです!!…』


!!?


何!?。


『…ビスター!!ビスター!!位置!座標を!!...』


『…座標、ざ、座標は…ざ、ざ、座標、座標…』


『…落ち着け!!どこなんだ!!対処する時間がいる!!急げ!!...』


『…123.1136、8...ま、ま、ま、真下!真下です!!...』


『...戦隊復旧率78%。前衛隊始動。戦隊復旧率78%。前衛隊始動します!...』


...ババババババババババババババババババーーーーーーーー...


...ボボボボボボボボゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...


...ドーーーーーン!ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!...


...ババババババババババババババババババーーーーーーーー...


...ボボボボボボボボゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...


...ドーーーーーン!ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!...


...ババババババババババババババババババーーーーーーーー...


...ボボボボボボボボゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...


...ドーーーーーン!ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!...


...ババババババババババババババババババーーーーーーーー...


...ボボボボボボボボゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...


次々とゴークが。


回転しながらダルバサの硬い大地を突き破って出て来る。


『...ペネループ運用を再開する!。アギュラーラムダ統合開始。回線を開け!。全アギュラーラムダ。回線を開け!。戦略室統合開始!。...』


いよいよ全軍が始動する。


無事に全機調整できたことは大きい。


ゴーグにジャミーが着地する!。


…バッスウウウウウウン!!...

…ドバシュゥッ!!...

…ズバボウゥ!!…


ゴーグの頭に機体がめり込む。


レオパードのルイスに吹き飛ばされたゴーグの頭に。


『...リュウ!!脳幹を断って離脱しろ!!第2射を行う!!...』


レオパードのルイス。


狙いは的確だ。


威力をセーブして拡散させてる。


誰にも真似できない...。


!!?。


人間が、人間に似た生き物が埋まってる。


ゴーグの吹き飛んだ頭の中に。


色が異常に白い。


食われて溶かされた人間?


『…リュウ!!脳幹は人の形をしている!!...』


リリー伍長の声だ。


え?


『…ゴーグの脳幹だ!!...』


ピンク色の肉片に埋まった顔がこっちを向いた。


まるで鳥もちに捕らえられたように膜を引いている。


!!?


本体と同じ顔。


子供くらいの大きさ。


苦しそうだ。


命乞いをしてる。


気味が悪い!。


【…ギギギィ…】


こいつがウルヘリエスを殺した。


くらえ!!


【...ギュィィ...】


...ブゥウウウォォォン!!...


パルチザンが唸る。


...ブッシャアアアア!!...


ゴーグの脳幹は飛沫になって飛び散る。


アクセル!。


...ゴゴゴゴゴゴーー...


ジャミーが飛び上がる。


ゴーグが倒れる!


レッドアローの方向に。


まずい!。


レオパードだ。


…キュワアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…


砲撃を。


…ズドーーーーーーーーーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーーーン!ズドーーーーーーーーーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーーーン!!...


ゴーグの頭甲が粉々に吹き飛んで行く。


!!?


ゴーグが倒れる。


...ブゥウオオゥゥゥゥーーーーーーーー...


いつの間にか、擬人頭の下は、何かの幼虫のように変化してる。


幼虫とナメクジの間の外見。


ねっとりとしていながら、巨大な蛇腹の長い身体。


目のない頭部。


どこまでも気持ち悪い奴だ。


擬人頭を乗せて、巨大な尺取り虫のように立ち上がっている。


ヤドカリのようだった黒い鋼鉄の脚が地面をしっかりと捉えている。


ジャミーがダルバサの大地に着地する。


...ズズーーーーーーーン!!...


振動も84に比べて小さい。


倍以上の重さがあるのに。


...ドドドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!...


...ズズドドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!...


擬人頭を吹き飛ばされて、真っ二つにされた、ゴーグの身体が地面に激突する。


...チカー!チカーーーーーーーーー!チカ!チカーーーーーーーーー!チカーーーーーーーーー!チカーーーーーーーーー!...


空がまた激しくフラッシュする。


...。


...。


...ズズズーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!...


『...オグワン13号!衛星粒子砲第2射命中!!。第2射 ウィンテルンの群れに命中!!ウィンテルン残存率39%!ウィンテルン残存率39%!...』


…ズドーーーーーーーーーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーーーン!ズドーーーーーーーーーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーーーン!!...


直立したもう一体にレオパードの砲撃が集中する。


巨大な蛇腹のハイヒールのようだ。


頂上には大きな擬人頭が。


レオパードのルイスは的確に擬人頭を破壊して行く。


まだ、制動リングを装着している。


本当の破壊力はこんなものじゃない。


レオパードのルイスも…。


辛いだろうな。


フィアンセだったんだ。


アキーユ•バレンティン。


今だ!。


行くぞ!ジャミー!。


…ゴゴゴーーーー!!...


スラスターの噴射音と同時にジャミーは空にいる。


17mの巨人はまるで忍者のように身軽。


【...ギャアアア...】


擬態のはずのその姿は、明らかに恐怖に打ち震えている。


殺されることを知っている。


脳幹はそれだけで高い知能を持っている。


もっと怖い思いさせてやる。


ウルヘリエスが味わった1000倍の恐怖と苦しみを与えてやる。


そんな暇はない。


残念だ...。


消えろ。


...ブゥウウウォォォン!!...


...ブッシャアアアア!!...


…ズドーーーーーーーーーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーーーン!ズドーーーーーーーーーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーーーン!!...


ルイスがまた、別のゴーグの頭をふきとばした。


アクセル!!。


…ゴゴゴーーーー!!...


乙型はむしろ軽い。


...ブゥウウウォォォン!!...


...ブッシャアアアア!!...


…ドッスーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!ドッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!ゴーーーーーーーン!!


『…キャアア!!...』


!!?


レオパードに激突している。


三体のゴーグに囲まれてる。


まずい...。


いつの間にか。


ゴーグは変体を止めた。


学習したんだ...。


【...ギュワアゴゴゴゴオオオォォォーーーー!!...】

【...ギギゴゴオオオォォォーーーー!!...】

【...ググゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォォォーーーー!!...】

【...ギュワアゴゴゴゴオオオォォォーーーー!...】

【...グゥオオウググゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォォォーーーー!!...】


!!?


また増えてる...。


ゴーグが一斉にレオパードに突進して来る。


!!?


レオパードが潰される!!。


「ルイスさん!!今...」


『...離脱し...J..逃げて!!リュウ!!リュウ!!逃げて!!キャアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーー!!...』



...ズドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドズドドドドドドドドドドドド...

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