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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
199/364

アユム11

(...エイジンネットワーク スーパーアイドル伝説虹色プリズムXタイム...)

(...虹色プリズムくらぶにようこそ!...)


鮮やかな緑色。


芝の色のことである。


「...ガルシアさーーーん!ながら作業は危ないわよー!...」


リツコ氏が何か叫んでおる。


ここの芝の色は、とっても鮮やかなのだよ。


諸君。


(...突然ですが!...)

(..番組のスタートはこれ!...)


ハイドラの北部から取り寄せた特殊な芝なのだ。


ハイドラとアトラは昔から仲が良いのだ。


歴史的にでござる。


童貞のガリ勉くんと南国の戦士の関係なのだ。


ど、ど、童貞のが、が、ガリ勉くん...。


キャハハハハハァ!

うひっ!うひっ!

ンガァァァァァーー。


この芝の色。鮮やかだが、選手の目には優しいのだ。


(...プリズムX事件簿...)

(...今日も、虹プリに起きた内緒の出来事をコッソリ教えちゃいます♪...)


太陽を受け、何やらアルマダイというイオンを放出するらしきなのだ。


寿命は10年。


毎年少しずつ張り替えるらしいぞなもし。


ずうっと見ていたいぞなもし。


カナコ氏のように!。


キャハハハハハァ!

うひっ!うひっ!

ンガァァァァァーー。


(...カナコ、ネオトキ物語PART2!...)

(...先週に引き続きいいんですか...)

(...膨らみますもんね、初めてのネオトキは...)


上手くは説明できませんが、穏やかな安らぎと、かすかな胸の高まりを感じるぞ。


そう。


最愛の恋人と再開するような...。


恋人なんていたためしが無いが。


キャハハハハハァ!

うひっ!うひっ!

ンガァァァァァーー。


(...信号待ちしてたら、目の前に停まった車の中から指さされてジェスチャーされるんですよ...)

(...知り合いだったわけじゃなくて?...)


我輩の恋人はカナコ氏のみ。


カナコ氏のみぞなもし。


今一番の推しメン。


カナコは我輩の嫁だぁーーー。


てか。笑


キャハハハハハァ!

うひっ!うひっ!

ンガァァァァァーー。


え?。


ウザい。


良く言われる。


オタクだからな。


キャハハハハハァ!

うひっうひっ!

ンガァァァァァーー。


(...不思議ですね。じゃあまたネオトキに行ったときに、何かあったら教えてください!...)

(...わかりました!...)


エイジンビッククラウドルコントスタジアム。


舌を噛みそうに長い名前だな。


白いライン、白いゴールポスト、白い観客席のブルーのシート。


チリ1つないのだ。


とても綺麗なのだぞい。


薄いグリーンの壁に、鮮やかなオレンジ色のトラック。


スプリンクラーが水をまく音、そして、振りまかれる水。


虹らしきものが見えておるぞ。


虹プリだけに...。


キャハハハハハァ!

うひっうひっ!

ンガァァァァァーー。


(...虹プリくらぶによーこそー!私達、今会えるアイドル!虹色プリズムX!!からの、カナコアンドアーチャンの全力自己紹介!...)

(...本日はサオリンがお送りします!て、何でだよ!...)


ん?。


我輩の喋り方で、情景が頭に入って来ない?。


申し訳ござらぬ。


清掃会社のリツコ氏がホースを使って水撒いてる。


透き通る水。


染みるぜぇーーーってか?


(...さ!虹プリくらぶは実は「会員限定」デス。でも誰でも聞けちゃうけど。メールが紹介されると会員になれちゃいます!ということで!今日もいっぱいメールがとどいてマス!では!早速!...)


リツコ氏は社長ぞなもし。


濡れた芝、微かな水たまりが、穏やかな2つの太陽の光を反射しておる。


雲1つない青空なのだ。


どこまでも続いておる。


明日は 久しぶりのルコントの試合なのだ。


(...パルマ市キララらぶさんから。こけた時のカッコイイ一言は?...)

(...笑。えー何だろう。最近あんまりコケないからなぁ。みんなは?...)


強豪チーム フィッツアとの。


我輩には、全く興味がないのだが。


我輩の関心はカナコ氏のーーみ。


「ガルシアさーーーん!。こっちは終わったよー。」


リツコ氏が手を振っている。


この前のトライアウトで、フィールドはガタガタになってしまった。


(...危ないっ!みんな伏せろ!的な...)

(...土のぉー匂いっ。...)

(...アリさん可愛い!...)


あの大きなオカマの大男のせいで。


だが、やっとフィールドの修繕、フィールドの整備も終わったなり。


業者にはハンコを押して返してやったなり。


あとは、リツコ氏の掃除ぞなもし。


汚れ落し。


フィールドのススや焦げや血が中々落ちぬから、清掃業者のリツコ氏を手伝ってやっておるのじゃ。


スス落としの男が怒って帰ってしまったから、リツコ氏の仕事は遅れ気味なのだ。


最後のcloseは、このガルシアが任されてるから、リツコ氏が遅れると、ガルシアの帰宅も遅れるのだ。


だから我輩も手伝っておるのだ。


(...それでは、次のメールです!アンドリア市痩せて握手会行くぞーさんから。大事な試験の日に1時間寝坊しました。そこで一言...)

(...大事な日に寝坊することってあるよね?...)

(...あるある!...)


決して色気にごまかされてるワケじゃないのだ。


「ガルシアさーん!。悪いけど、血の所、やってくれない?」


リツコ氏は、アユム氏の兄氏がタイプらしい。


リツコ氏みたいな、スタイルの良い美人は、短足のブ男を好きになりやすい。


これは遺伝子の問題だぞい。


8頭身と8頭身が結婚したら、子どもは16頭身になるかもしれぬのだ。


短足の3頭身と短足の3頭身の子どもは、もっと短足の2頭身になってしまうのだ。


そしたら、人から仲間と思われなくなって、いじめられるのだ。


だから、人はバランス取れる相手を遺伝子で好きになるのだぞい。


10000人の顔の平均値を取ったら、美男、美女になる。


これはどこの星でも同じぞなもし。


信じられぬなら、試して見ると良いのだ。


カナコ氏もそういうことだ。


だから我輩も、いつかカナコ氏の宝物になるのだ。


(...さて。私たちは、さっきいた場所から移動して「別な部屋」の前に来てマス!今日は、ここ!「ブラックプリズムの部屋」です!。いつもの「呪文」で扉を開けマス、せーの...)


「ガルシアさーん!。フィールドの血は落ちた?。」


いつの間にか我輩が掃除屋の手先にされているのだ。


おかしい。


でも、リツコ氏は気が強くて、美しいから、逆らうことができないのであーる。


今夜は、久しぶりに夜のマキバ街に行き、トマトカレー食べ、新しいマンプラのSGシリーズを探すのだ。マンプラとは機動戦士マンダムのプラモデルのことだぞい。


ガルシアは、マンプラジオラマアートの全国大会で、金賞をGETしたことがあるのだ。


そして、メイドカフェ。


そして、そして、MOMO氏のライブを観ねばならぬ。


しかし、中々落ちぬ。


このおびただしい血の跡。


あのオカマ男の血なのであーる。


中々落ちぬのであーる。


あのオカマはどこかに消えてしまったのであーる。


深傷を負ってるのに、亡骸が見つからないのであーる...。


それにしても、バカ力だったのであーる。


勇敢だったであーる。


流石に、このガルシアも少し感動したであーる。


(...ホント。すっごい楽しいから、みんなも試してみてね!...)

(...さてさて、続きましてー...)


...ゴーーーーーーーーーー...


リツコ氏が清掃車で陸上のトラックを磨いているのであーる。


...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...


リツコ氏マシンの音が...。


違うぞなもし。


地面が揺れてるぞなもし...。


(...さて、虹プリくらぶではメンバーを募集しています。メンバーになりたいという方はメールで番組に参加してください!メールを採用された方には私たちが手書きで名前を書いたメンバーズカードをプレゼントたくさんのメール待ってます!虹プリくらぶでね!バイバーイ!!...)


終わってしまったのであーる。


何やら...。


...ドンドゥーーーーーーーーーーーーーーーン。ドンドゥーーーーーーーーーーーン。...


こ、これは...。


...ゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーー...


身体がビリビリと震えるぞなもし...。


こ、この大きな音は何ぞなもし。


「ガルシアさーーーん!あ、あれ、あれ見て!!」


リツコ氏が慌てておるのだ...。


空を指差し...。


あっ!!?。


アトラ中央軍の航空戦艦なり...。


ど、ど、ど、どうして...。


「ガルシアさーーーん!!あ、あれ、あれアロワスターじゃないかしら!!一体どうしたのかしら...」


リツコ氏が慌てて走ってくるなり。


...ドンドゥーーーーーーーーーーーーーーーン!ドンドゥーーーーーーーーーーーン!...


...ゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーー...


「三隻もいるわ...。こ、これは一体...」


「リツコ氏!。このガルシアがついておる。安心しなさい!」


とは言っても、このガルシア。


足が震えておるのだぞぃ。


キャハハハハハァ!

うひっうひっ!

ンガァァァァァーー。


「やだ、ガルシアさん。何で今笑うの...?」


そんなこと言っても、怖いと笑ってしまうのだからして、しょうがないのだぞ。


アロワスターは1番デカい戦艦のことだぞい。


「...嫌だわ...何があるのかしら...」


長距離スラスターとドッキングしておらぬ。


てことは、この辺りで何かあったのでござる。


朝から、戦闘機も飛びかっている。アパッチやホーネットじゃなく。


「..ガルシアさーーーん。ちょっとお昼行って来るわね?。今日お弁当忘れちゃったのー。あと、そこだけだから早く終わらせて帰りましょ?...」


リツコ氏は出て行った。


風が涼しいなり...。


虫が鳴いておる。


...ドンードンドーン...

...ドンードンドーン...

...ドンードンドーン...


確かに、銀色の戦艦が止まっておる。


青い空の彼方に。


でも、何もないでござろう。


よっこらしょ。


芝の感触が気持ち良い。


良い匂いでござろう。


あぁ疲れた...。


ちょっと休憩なり。


リツコ氏の清掃マシーンが止まると、途端に静寂が訪れるなり...。


今日は木曜日。


出店もブースもお休み。


...カチッ...


(...どんなどんな困難でもー♪...)


(...きっときっと立ち向かえるー♪...)


(...1人じゃ挫けそうだったとしてもー♪...)


(...助け合えば大丈夫ー♪...)


(...迷わず進めばいいー♪...)


(...風を切り光の矢を放てー♪...)


...。

...。

...。

...。

...。

...。


...ドンードンドーン...ドンードンドーン...ドンードンドーン...


上空で響くエンジン音が心地良い...。


うとうとしてしまうなり...。


(...3時のニュースをお伝えします。最初は嬉しい話題からです。昨日、カルマン州のルコントチーム ユルダームのトライアウト選考会が行われました。今回のトライアウトでは5人が選考されましたが、凄い映像を入手しました。通常、トライアウトでは選手の実力により、最初から対メンとしてアンドロイドを起用しますが、な、な、何と、10体のアンドロイドを着けながら、成功してしまった子がいます。早速ご覧ください!「カモン!アユ...)


あぁ気持ちよき。なり...。


...

...

...

...

...

...

...

...

...

...


《あ!か、か、カナコ氏ではないか!?な、なぜこのような所に...。》


《そんなこと、カナコ。恥ずかしくて言えない。》


《ま、ま、まさか、このガルシアに会いに来てくれたとか...》


《ガルシアさんのバカ...。分かってるくせに...》


《かっかっかっカナコ氏ーーーーーーー!!!》

...

...

...

...

...

...

...

...

...

...

...

...

...

...


...ズドーーーーーーーーン!...


「ん!はっ!ほぇ!?。」


...ジュルジュル...


ん?。


どした?。


何で?。


あ...。


スタジアムか...ここは...。


おぉ。18時...。


...カァ...カァ...カァ...カァ...


カラスが飛んで行く。


寝てしまったなり...。


夕焼けが...。


大分暗くなってしまったぞなもし。


...リツコ氏は?...


清掃車もホースも片付いておる。


ん?ん?


...ザワザワ...


何だこれ?。


なぜメロンパンが...。


な、な、なぜメロンパンがっ!。


こ、これは...リツコ氏の仕業なのか!。


こ、こ、これはリツコ氏の仕業なのかぁーーっっ!!?。


...カタ...カタ...カタ...カタ...カタ...カタ...


な、な、何だ、何だ、何だ?。


地面が揺れておる...


地震か?


地震だ!?


地震だ!?!


...ズドーーーーーーーーン!!...


「おわふ!!。」


何だ?。


...ズドーーーーーーーーーーーー!!...


...ドドーーーーーーーーーーーーーーーーン!!...


爆発した!!何かが...。


「おわふ!!おわふっ!!」


な、な、なんだ...。


夕陽がオーロラビジョンを照らしておる。


...ブゥワーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!...


...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...


何か!何か!デカいモーターの音なり...


とてつもなくデカい...。


「何!!何だ!?何だ!!。何だぁっ!!!」


す、す、スタジアムごと揺れておる...。


ゴールポストが浮き上がったぞなもし...。


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!...


...バッキィ!!バン!!バンッ!!...


お、お、オーロラビジョンがっ...。


...シューーーーーーーー...ドーーーーーン!...ガッシャアーン!!...


「おおおおおおおおーーーーー...」


ぱ、ぱ、パネルが、パネルが落ちた...。


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!......ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!...


...ユッサ!ユッサ!ユッサ!ユッサ!ユッサ!...


激しく!激しく!揺れておる!


な、な、波打っておる...。


芝が芝が...。波打っておる。


このデカいスタジアムごと。


...バキバキバキバキ...


オーロラビジョンが割れた。


...ガッシャアーン!!...ガッシャアーン!!...


パネルが崩れておる。


な、な、何が爆発してる!?!


フィールドが波打っておる。


「おわふっ!!おわふっ!!おわふっ!!」


...ババババババババババババババババババババババババババババババババババババ...


フ、フィ、フィールドからつ、つ、土がっ。


ふっ、ふっ、噴き上げておるっ!。


せ、せっかく整備したのに...。


て、おいおい。


...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...


!!?


ヒッ!!


うわっ!うわっ!うわっ!!うわあああぁ!!


何か出て来た。


何か出て来た!。


何か出て来た...。


デカいのが


何だあれは...


デカい...。


仁王だ...。


黒い鉄の仁王...。


我輩の実家は神社だから、神社だから、分かるなり...。


あれは仁王...。


顔だけでオーロラビジョンより大きい。


...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


赤い丸い目が8つ。


赤く、強い、強い光を放ってる。


...チーン...


鐘の音が...


...チーン...


なぜ?


...ブゥオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...ドドドド、ドドドド、ドドドド、ドドドド...


スタジアムの外に、仁王が...。


うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!。


黒い鉄のとんでもなくデカい仁王が...。


見上げるほどデカい!。


スタジアムの高さの上に膝が見える!。


一踏みでスタジアムなど潰れてしまう...。


腕が五本もあるぞい...。


あ、あ、阿修羅様?仁王の阿修羅様が...。


重そうな鋼鉄の足...。


太く極限まで筋肉が隆起した腕。


黒い巨大な仁王。


背中に大きな大きな羽根が4つ。


まるでトンボのような羽だ...。


赤や青。緑、黄色、ピンク。


羽のあちこちが色んな色に光っている。


暗闇に。


まるで電飾のようなり。


陽は沈み暗闇に眩しく光りを放つ。


赤い8つの目が、羽根が。


腕の1つに地面まで届く槍のようなものを持っておる。


あ、あれは、しゃ、しゃ、錫杖しゃくじょうなり...。


ついの左側の腕だけが無い。


!!!?


「グワァアアアアアアアアゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


ほ、ほ、吼えた...。


ひっひっヒィィィィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーー!!


こ、こ、声が出ないぞい...。


...ブウワッ!!...


...ブウワッッッ!!...


仁王が4つの羽根を動かし始めた。


交互に。


電飾だらけの羽根を...。


...ブウワッ!!...


...ブウワッッッ!!...


...ブウワッ!!...


...ブウワッッッ!!...


...ブウワッ!!...


...ブゥゥヲオオオーーーーーーーーーーーーーーーー!!...


うわっ!!。


か、か、か、身体が飛ばされるぞなもし!!。


芝の上を滑っているなり!!。


...ビュウウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!...


...ドーーーーーン!...


ゴールポストが倒れたなり。


...ガシャドゴゴゴゴゴーーーーーーーー...


オーロラビジョンの残骸が吹き飛ばされておる。


巨人が浮き上がる。


と、と、と、飛んだ...。


「...ゴアアアガッガッガッガッ!!ゴアアアガッガッガッガッ!!ゴアアアガッガッガッガッ!!ゴアアアガッガッガッガッ!!...」


こ、こ、鼓膜が破れる!。

バケモノが吼えておる。


「...ゴアアアガッガッガッガッ!!ゴアアアガッガッガッガッ!!ゴアアアガッガッガッガッ!!ゴアアアガッガッガッガッ!!...」


笑っておるのか?。


仁王が笑っておる。


「...ゴアアアガッガッガッガッ!!ゴアアアガッガッガッガッ!!ゴアアアガッガッガッガッ!!ゴアアアガッガッガッガッ!!...」


な、な、なぜに仁王が笑っておる!?。


何がそんなに可笑しいのだ??。


仁王に似た、怪獣が、飛び去って行く。


日の落ちた夜空を。


ネオヤマトの方角に。


静かに暮らす無数のカルマンの人々の上を。


街の光の上を。


...ゴアアアガッガッガッガッ。ゴアアアガッガッガッガッ。ゴアアアガッガッガッガッ!!ゴアアアガッガッガッガッ。...


彼方で笑い声が聞こえるなり...。


(...臨時ニュースです。イシュタール州において、大手機械メーカーの施設が継続的に破壊されている件、どの施設も壊滅的な打撃を受けています。破壊された施設は昨日だけで17拠点、17拠点になっています。この未曾有の被害に対し、政府研究調査会は、大きな戦闘力を持つ軍事兵曹による破壊行為との調査結果を発表しています。経済的被害は計り知れず、政府はすでに第一級戦闘艦アロワスターをイシュタール、カルマン、ユーベネッサなど近隣の州に派遣することを決定しました。これに先立ち...)

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