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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
189/364

ダヌアの空に30

深い深い漆黒の闇。


神のバケツでぶちまけられた煌めきの洪水。


無限に続く...。


彼方まで。


ゾーグ平原の夜風は冷たい。


コックピットシールド越しに見える強い光は、航空戦車シムゴードのもの。


ジャミーのシールドは、はっきりと暗闇の正体を見せてくれる。


TT11 アキーユさんのシムゴードが、ペギリウム灯でゾーグヒル達を照らしている。


人の作る光で最も強い光。


ウィンテルンに寄生され、神経を乗っ取られたヒル達は、赤色に発光をしている。


まるで、ビルの信号灯みたいに。


孵化はもう間近だ。


100万の赤い光が、地平のはるか彼方を超えて光ってる。


...ゴゴゴ...ゴゴ...ゴゴーー....ゴゴゴゴゴ...


空から音が。


うわっ!。


眩しい。


『... 来たぞ!。 ...』


アキーユさんの声。


シムゴードが霞むほどの強い光。


『... オグワン※だ。 ...』


〔※オグワン:ハイドラの攻撃衛星〕


Z3 デュークさんが。


デュークさんはジャミーのエースパイロットだ。


オグワンは、思った以上に大きく、強く光ってる。


まるで、黄泉の世界で輝く太陽。


そして、人々を導く神のようだ。


無数のヒルは、恐怖にひれ伏す人々のようだ。


『... 違う!。見ろ。ビスタックだ。 ...』


!?


リリアーノさんの声だ。


アギュラーラムダセブン(ハイテク戦略装甲車)からだ。


TT1が操舵するシムゴードに運ばれ隊に帰還している。TT16が護衛をしてる。


...ゴゴゴ...ゴゴ...ゴゴーー....ゴゴゴゴゴ...


衛星は、猛烈な速度で銀河を横切って行く。


バンさんは!?


『... バンさんの容態は!?。 ...』


『... 呼吸が弱い。心拍数も。が、大丈夫だ。呼吸器を着けさせてる。スミルフを打った。幸いウィンテルの毒は身体に付着してない。それでも、ここまで弱っている。この屈強で強靭な男が。毒のかかったバンドル※や服はあっという間に沸騰して腐った。ジニリウム合金はまるで水のように蒸発した...。』


〔※バンドル:腕時計型携帯スパコン〕


『...バンさん!...』


『...バン!。バン!頑張れ。もう少しだ。 ...』


『...救護隊の手配は?予め呼び出しておいた方が良いぞ。隊に合流する前に引き渡した方が。...』


『...そ、そうだな...』


『...CR-43 こちらカイル。いや、ダメだ。ウィンテルンが潜んでる。レッドアローは、装甲車とはいってもアギュラーよりも脆い。絶対ダメだ。...』


『...連絡は俺が取った。解毒専用車が来る。アロー15号だ。合流後だ。おい!。リリー。準備をしてくれ。あと10分で隊に合流する。 ...』


『... 了解。ありがとう。今の内に言っておく。あの衛星はオグワンじゃない。ビスタックだ。 ...』


『... ビスタック?。 ...』


『... あぁ。軍事衛星だが、オグワンじゃない。ここまでペルセアが出張でばって来てる。ゴトラをハッキングするつもりだ。ゾルクヌート※に遮られてる地上の情報をゴトラから奪い取るために。...』


〔※ゾルクヌート:ゾーグ平原のマジックミラー層。クヌン粒子の作る膜。〕


ペルセアは、ハイドラの最大、最強の人工知能。


神経の組み合わせを、最も小さい時間の内に10000回も変える。だからシナプスフレームと呼ばれている。そして、アルマダイ原子の回転を使って計算してる。


そうリリアーノさんが言っていた。


一つの大きな施設に何兆個の原子が使われているか考えれば、途轍もない人工知能だ。


ブラバーチという人が作った。


アトラから来たという。


「... ユーカリプス..苦戦..ゾアーグ ...」


なんだ?

混線?


『...来たぞ。始まった。ペルセアがハッキングを始めた。通信が乱れる。注意しろ!。...』


...ドコドコドコドコドコドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...


何だ?

地鳴りが....


!!?


うわっ。

ウィンテルンが!。

物凄い数だ。


『... うわぁぁ!来た!ウィンテルンの群れ!ひ、ひ、100はいます!。 ...』


『... リュウ!粒子ライフル!かまわん! ...』


了解!。


鉄塔のように大きなライフル。

レーザーポインタに似た、多角形と円柱の間の型。


各面の中央には大きな光の溝がある。


薄い緑の光は波打ちながら砲身を突き抜けている。


おぉりゃあ!


...ズドーーーーーーン!

...ズドーーーーーーーーン!


...バッシュゥン!!

...ドバッシャアアアア!!

...ズバシャアア!


ウィンテルンが空中で弾け飛ぶ。

如来の顔が吹き飛ばされながら、空中で腸のような口を広げる。


気持ち悪い。


でも、そんなこと言ってられない。


あぁ...!


危ない!。


数10体のウィンテルンが、乙型に飛びかかった。


尻尾の巨大な毒針がZ3のいるコックピットに!。


《... サバラ...ン パン..デ....ア方面 ルビ....に二つ...高エネ...ルギー...応! ...》


「... と!?...ルカンは...ぜ押されて...攻撃.........倒的に ...」


〔... ××××××× ジェニファー ha!××××ジェニファー。ha!ha!ha!ha!××××××アトラ ...〕


〈... いゃあ、関係ないっしょ。 ...〉


Z3が飛び上がってウィンテルンをかわす。


空中で旋回しながらバルカンを撃った。


...ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボ


バシュ!バシュ!バシュウ!バシュ!バシュ!バシュウ!バシュ!バシュ!バシュウ!バシュ!バシュ!バシュウ!バシュ!バシュ!バシュウ!バシュ!バシュ!バシュウ!


ウィンテルンの肉片が飛び散る。


まるで曲芸だ。


ズドーーーーン!ズドーーーーーーン!ズドーーーーーーン!


着地と同時に両腕から粒子砲を放っている。


乙型は武器のデパート。


Z3は、もう半分以上ウィンテルンを倒してる。


僕も10匹は...。


でも、次々と現れる、キリがない。


《... んな...はない..ルビアナ...ない ...》


通信の乱れ...ここまで?


まるでイベントの会場にいるようだ。


物凄い数の通信が混線してる。


これじゃ聞き取れない。


危険だ。


〈... おまえ見たか?あの化け物、 ...〉


『... TT11だ。こちらから牽制する。ジャミー隊!射線から出てくれ。 ...』


TT11(ティーティーイレブン)アキーユさんだ。ティゲルワン(シムゴード)の下限の主砲が二門光っている。


ダメだ!

今、撃ったら!。

タブルの乙型に、ウィンテルンの繭に当たってしまう。


『...ダメだ!TT11!待って!待ってください!。...』


「... 左翼ダルカン...一時...退...ます! ...」


え?!こ、これ、どこの師団?汗


ダルカンが...強靭なダルカンが退却?


「... 駄.......は...ルチア大佐...ネループが...何とし ...」


〈... あぁ。とんでもないのが。坊主の巨人かと思ったら、それが ...〉


『... アキーユ!。TT11!。撃つな!。生体爆弾化したジャミーがある!。ティゲルワンの粒子砲は出力が強すぎる! ...』


デュークさんだ。


肝心な、仲間の声が、キャッチできない。


すぐ近くにいるのに。


混線の津波に飲み込まれた。


《... アルマダイ...巨大な影....移動...います。 ...》


《... エネル...トリプル...ハイドラ...ありません。 ...》


副作用だ。


ペルセアのハッキングの。


〔... ××××××ハイドラ×××××オグワン××××××HA!HA!HA!HA!AHA! ...〕


〈... 変だな。俺が見たのは、如来みたいなムカデ ...〉


《... 80000...回り込みま ...》


...バッスンッ!!!


うわあぁ!。


『...リュウ!ぼうっとするな!。』


後ろからウィンテルンが!。


デュークさんが弾き飛ばしてくれた。


〔... ××××、××××、×××××××ジルカンダー×××××× ...〕


きっと上空の敵艦隊だ。


今も交戦してる。


あぁ!!


頭上に。


見上げる崖の上にウィンテルンが。


あいつ!崖の上からZ3のコックピットに飛び降りる気だ!。


...ガッチン!...ガキン!


粒子ライフルの砲身を2回回転させる。


遠方射撃モードだ。


引き金を通して、照準がシールドに映し出される。


...ウィーーーーーーーーーーーーン!


...バッスゥゥウーーーーーーン!


....ブッシャア


...ギギギギギギギギギギ


ウィンテルンの頭が吹き飛んだ。


「... あぁぁ!...られる!大佐!た、...が!! ...」


〈... 何かおかしいな?音が混線してる。大佐ってどこの? ...〉


この隊どこだ?かなりヤバい...


〔... ××××××!××××××!パスタップ××××××ハイドラ××ハイドラ!××××××××× ...〕


《... 識別子...TTT6A5KK...あぁ!アトラ..アトラの...曹...! ...》


《... な....兵曹...! ...》


アトラの兵曹?!


な、な、何でアトラの兵曹が...。


ど、どこ?


ハッ!


...ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボ


バシュ!バシュ!バシュウ!バシュ!バシュ!バシュウ!バシュ!バシュ!バシュウ!バシュ!バシュ!バシュウ!バシュ!バシュ!バシュウ!バシュ!バシュ!バシュウ!


あわわ...。


『...バカヤロウ!リュウ!集中しろ!死にたいのか!。...』


危なかった...。


〔... ×××××××××××ジルカンダー!××××××× ...〕


『...すいません!...』


うっ!光が...。


あ!!


戻って来た。


...ゴゴゴ...ゴゴ...ゴゴーー....ゴゴゴゴゴ...


あぁ!!


『... Z3!デュークさん!衛星が谷に向かってます!。見て! ...』


「... あぁぁ!!...ル...ボーレ、ボルボーレが...うわぁぁ!! ...」


〈... おい!。こ、これ、全部筒抜けだぞ。さっきのデューン語だろ!? ...〉


『... ペルセアがゴトラを。ゴトラの制御を、拠点を崩してる!。制御ベンチマーク23%に上がります。 ...』


〔... ゴトーラ××××××クセルクス××××××××××× ...〕


〔... マイロガルダ×××××××××××××××ハイドラ?××××××××バグー×××××××× ...〕


〈... 聞いててみろ。確か第五師団とか ...〉


『... リュウ!ウィンテルンの繭を!J5の機体を谷に!こいつは生体爆弾と同じだ。ここで爆発すれば師団への影響は避けられない。 ...』


あぁ...。


やっぱり、来た。


ついにこの時が。


〔... テオラールー、メ、デーアーユーー。ユラーアー、ニデナーーハーー ...〕


これは、どこの音楽?


心地良いギターの音。


やはりデューンの言葉?。


女の人の綺麗な歌声。


静かな夏の夜を連想させる音楽。


言葉は、ワイナでも、テユワイでも、ハクアでもない。


「... ... ...」


デューンにも、温かい家庭があるのかもしれない。


僕たちと同じように。


ここでおしまいか...。


『... J1!返事をしろ!リュウ! ...』


はっ!?


『... は、はい! ...』


母さん。プロスティ...お別れだよ。


〈... おおい!大変なことだぞ。これは ...〉


〈... リュウってあの?メニューをパスタップで仲間に知らせたあの? ...〉


《... ヤー...大群.....ます!。た...退避...退 ...》


「... ば、化け物...ボ、ボル ...」


〈... おい。ボルボーレだと。 ...〉


〔... オオ!セレントシシィ×××××セレント、ア、ヤ、シシィ•ドール!×××××××××××××××××シシィ!シシィ! ...〕


『... リュウは、ここでデュークの背面を護れ 。俺が行くぜ。デューク。 ...』


アキーユさん...。


『... いや、84よりティゲルの方が...。もう、僕は。僕のジャミーはウィンテルンに有効な武器を持ってません。それに、そっちもスラスターに全出力を使ことになります。格好の標的に ...』


『...そうだ。ウィンテルンはウィルハの名残で光線を吐きやがる。寧ろティゲルは危険だ。...』


〈... 関係ねぇよ。俺たちゃコックなんだから。コックに出来ることなんざ何も無い ...〉


《... アトラ...カー...ウ...スラ...交戦..開始.....た! ...》


《... な....ハイカ...と!!?そん...は ...》


〈... でもよぉ。おまえ ...〉


『... いや、84では間に合わない。ティゲルなら、俺なら、衛生砲の前に帰ってこれる。少なくとも可能性がある。リュウが行くなら、リュウは繭と道づれだ。...』


『... アキーユ...。ここでウィンテルンを止めることは必須だ。今、多くの機材がオーバーホールしている。本当は俺が行ってやりたいが...。84はここで止められない。84では...』


〈... かまうことはねぇ。いざとなりゃ逃げるだ。俺たちゃ、ただのコックだ ...〉


〈... でも、どこへ?逃げるたっていったい何処へ ...〉


〈... どこへっておまえ ...〉


『... 俺が行く。ここは俺の命令に従ってもらう。隊は違うが俺が上官だ。J1ならやれる。デューク。信じてやってくれ。 ...』


「... た...助けを...援軍を...こちらポイントユーカリプ ...」


『... すまない...。恩にきる。アキーユ...。泣。 ...』


デュークさん...。


『... ついたぞ!バン!バン!しっかりしろ!バン!バーーーン!!こちらラムダセブン!ラムダセブンだ!着いた!着いたぞ!15号!どこだ!早く!早く!15号!...』


バンさん!


『... ゾーグヒル、111万、全て停止!ゾーグヒル111万全て移動を停止。気をつけろ!微かなアルマダイで孵化してしまう! ...』


!?


通信が治っていく...。


少しづつ、静かになっていく。


嵐の後の空みたいに。


『... ペルセアが勝った。 ...』


『... ビスタックから通信。ペルセアの制御ベンチマーク89%に上がります。 ...』


『... ペルセアが制圧したぞ!。俺たちのバックにペルセアが着いた!。これからはシシィとペルセアの対決だ! ...』


...ゴゴゴ...ゴゴ...ゴゴーー....ゴゴゴゴゴ...

...ゴゴゴ...ゴゴ...ゴゴーー....ゴゴゴゴゴ...


『...見ろ。点滅し始めた。こ、これは狼煙...』


ビスタックがプリマスを始めた。


プリマスは、僕たちヒドゥイーンが太古から使っている、狼煙やペギリュウム交信のことだ。


僕たちヒドゥイーンは、世界で最も早く光を手に入れた民族。ペギリュウムという、強く、明るく、鮮やかに大地を照らす光を。


ペルセアのプリマス...。


地上に対して、警戒を促している。


この光り方、ジャワ族の狼煙と同じだ。


僕たちヒドゥイーンなら、大半の人が分かる。


ダンヌの狼煙とは真逆の意味だ。


青い光。


待機の狼煙だ。


一回赤く光る。

一個進んだっていう概念。


赤、赤、白、緑、青。

それぞれ長さが違う。


反撃の狼煙の言葉。


白の点滅が。


10の数字。


今度は5だ。


中の概念。


赤青赤青。


反転した!


白の点滅。


撃つのは...。


『...TT11!J1!。衛生砲は15分後だ。...』


...キーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...


ティゲルワンが、タブルのジャミー目掛けて降下して来る。


旋回しながら、アームを出している。


ごつい四本の拘束アームが、航空戦車を、突然巨大な昆虫に見せる。


キーーーーーーーーーーーーーーーー


ティゲルワンのペギリュウムライトは、小型の太陽のようだ。


『...J1!来たぞ!...』


『...うわあぁぁぁぁ!...』


もの凄い数だ。


1000?2000?


ウィンテルンが...。


...ギギギギゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー!...ドコドコドドドドボコボコドドドドドコドコ...ギギギギゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー!...ドコドコドコドドドドボコボコドドドドド...コドコドドコドコドドドドボコボコ...ギギギギゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー!...ドドドドドコドコドコドコドコドドドドボコボコドドドドドコドコドギギギュワー...ギギギュワーギギギギゴゴゴゴーーーーーーー!...ドコドコドドドドボコボコドドドド...ギギギギゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー!...ドコドコドコドコドコドドドドボコボコドドドドドコドコドギュワー...ギギゴゴーーーーーーーーーーーーーー...ギギゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー!


シムゴードのペギリュウムライトが、暗闇のゾーグヒルを映し出す。


いつの間にか、ゾーグヒルの赤色発光がやんでる。


ヒルは10mの透明なテントのようになってしまった。


ウィンテルンの黒い蛇腹のような身体が中で蠢いている。


寄生していたウィンテルンが全てを食い尽くして、ヒルは皮だけになってしまった。


...ギギギギゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー!...ギギギギゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー!...ギギギギゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー!


次々とヒルを食い破って出て来る。


ティゲルのアームがタブルのジャミー乙型を掴み始めた。


もうタブルの悲鳴は聞こえない...。


さよなら。タブル...。泣


助けてあげられなくて、ごめん。


...ガスッ!


...ゴンガンゴゴゴン!


乙型をしっかり掴める場所を、アームが探している。


シムゴードは、いろんな物をアームで掴むためのデータベースを持っている。


巨大なカブトムシのようだ。


...ガゴッ!


...ガンガンガンガンゴゴゴン!


シムゴードは、良く他の機材を移動させたり、持ち上げて連携攻撃をする。


乙型や、砲台。時には最重量戦車レオパードを持ち上げる。


...ガゴッ!


...ガンガンガンガンゴゴゴン!


...ガスッ!


...ゴンガンゴゴゴン!


ティゲルワンがタブルの乙型を掴んだ。


『...Z3!J1!行くぞ!ここは任せた!...』


キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


タブルのジャミー乙型が浮き上がった。


...ズドーーーーン!


ジャミーの左足が地面に落下した。


変質してジニリウムじゃなくなってる。


...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーードドドドドドドドドドドド


ティゲルワンが、ジャミー乙型を釣り上げながら回頭してる。


ま、まずい!。


全てのウィンテルンの注意が、頭が、ティゲルワンに向いている。


繭が女王の繭だから?。


『... J1!準備はいいか!...』


『...はい!...』


『...粒子ライフルのチャージが切れた時がヤマだ。覚悟しておけ。 ...』


『...はい!...』


『...この谷から一匹も外に出すな!...』


『...はいっ!...』


...ギギギギゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー!...ドコドコドドドドボコボコドドドドドコドコ...ギギギギゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー!...ドコドコドコドドドドボコボコドドドドド...コドコドドコドコドドドドボコボコ...ギギギギゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー!...ドドドドドコドコドコドコドコドドドドボコボコドドドドドコドコドギギギュワー...ギギギュワーギギギギゴゴゴゴーーーーーーー!...ドコドコドドドドボコボコドドドド...ギギギギゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー!...ドコドコドコドコドコドドドドボコボコドドドドドコドコドギュワー...ギギゴゴーーーーーーーーーーーーーー...ギギゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー!


...キーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴドドドドドドドド


ティゲルワンが浮上して行く。


!?


ウィンテルンが...


チカーーーーーーーーー!


模様だけのはずの如来の顔。

口が、ムカデじゃない方の口から、光線が。

顔が裂けずに如来の顔の口から...。


ムカデの注意は確実にティゲルワンに集中してる。


...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーードドドド


ティゲルワンはまだ加速中。


あ、あ、あ!


危ないっ!。


チカーーーーーーーーー!チカーーーーーーーーー!チカーーーーーーーーー!チカーーーーーーーーー!チカーーーーーーーーー!


緑色のレーザーが。


レーザーショウみたいに。


ティゲルワンを掠める。


命中するのは時間の問題だ。


アキーユさん。


『...Z3!Z3!どうすれば!...』


...ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボ

...ボボボボボボボボボボボボボボボボボボ

...ボボボボボボボボボボボボ


バシュ!バシュ!バシュウ!バシュ!バシュ!バシュウ!バシュ!バシュ!バシュウ!バシュ!バシュ!バシュウ!バシュ!バシュ!バシュウ!バシュ!バシュ!バシュウ!


...ギギギュワーギギギギゴゴゴゴーーーーーーー!ギギギュワーギギギギゴゴゴゴーーーーーーー!


はっ!。

Z3のバルカンが。

ウィンテルンの頭を吹き飛ばしてていく。


『...リュウ!ぼやっとするな!援護だ!。...』


『...は、ハイッ!...』


そ、そうだ。


粒子ライフルで。


...ズドーーーーーーン!

...ズドーーーーーーーーン!


...バッシュゥン!!

...ドバッシャアアアア!!

...ズバシャアア!


しまった。

遠距離射撃のままだ。


...ズドーーーーン!...ズドーーーーーーン!...ズドーーーーーーン!


ジャミー乙型の手首が折れて、代わりに粒子砲塔が。


...ズゴーーーーーーーーーン!

...ズゴーーーーーーーーーン!

...ズゴーーーーーーーーーン!


...バッシュゥン!!

...ドバッシャアアアア!!

...ズバシャアア!


一気に、ウィンテルンの首を吹き飛ばして行く。


いいぞ!。


光線を放つ前に、頭を吹き飛ばせ!。


...え!?


...えぇ!?


...ズドーーーーーーーーーーーーーーーン!!!


ティゲルワンが、ティゲルワンのスラスターが爆発した!。


『...TT11!アキーユさん!...』


当たってないはずなのに。


ウィンテルンの光線は、僕たちで完全に封じてる。


『...見ろ!リュウ...』


!?。


あぁ...。


タブルのジャミーから、巨大な尻尾が。

落ちた左足の付け根から。

蠍の尻尾みたいな...。


ウィンテルンの毒針を巨大化したような尻尾。


...ズドーーーーーーーーーーーーーーーン!!!


あぁぁ...。


また尻尾が直撃した。


ティゲルが落ちる!


...ズドーーーーーーーーーーーーーーーン!!!


『...アキーユさん!!...』

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