ダヌアの空に23
ブゥゥゥゥゥゥゥゥンン....ズズーーン!ゴゴーン!ブゥゥゥゥゥゥゥゥンンズズーーン!....ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...ゴゴーーーーーン!ドルゥドルゥドルゥドルゥ....ズズーーーーーーン!ブゥゥゥゥゥゥゥゥンンゴゴーーーーーーーーーーン!....バババババババババ...ドルゥドルゥドルゥドルゥ....ゴゴゴゴッゴッ....ゴゴゴゴッゴッ....ドルゥドルゥドルゥドルゥ....ズズーーン!ブゥゥゥゥゥゥゥゥンン....ゴゴーーーーーーーーーーン!ブゥゥゥゥゥゥゥゥンン....ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...ドルゥドルゥドルゥドルゥ....ブゥゥゥゥゥゥゥゥンン....バババババババババ...ドルゥドルゥドルゥドルゥ....ゴゴゴゴッゴッ....
ジャミーのコックピット内にも、爆音と振動が響いて来る。
ジャミー乙型、ジャミー84型、シムゴード(空中戦車)、シムセプト(陸用大型戦車)、装甲騎兵、最後は装甲歩兵が続く。
約1000機の機材、800の装甲兵達。
グレードワンと、RSSだけで編成された特別隊FI隊だ。
作戦室のアギュラーラムダ7号車だけは、熟練の兵士が乗っている。
でも、僕たちと同じくニューカマー。
指揮を取るのは初めてらしい。
... ゴガーン、ズズーーーン、ゴゴーーン、ズゴーン
僕のジャミーは、快調に走って行く。ダヌア基地で出会ったあの整備部長のおかげだ。確か、リサ•ライコンって名前だった。あの人元気かな...。
コックピットシールドを通して見る景色は、やや暗い。でも、鮮明だ。目視よりも落ち着くし、よく見える。
視界187度以外はスモークシールドになってる。オールクリアより戦闘力が高まるらしい。スモークが不安を隠し、パイロットの集中と第六感を呼び起こす。
クリアシールドには、様々なデータやゲージが表示される。
作戦が開始されると、慌ただしく移り変わる。
白、四角、散布図、緑、点滅、円グラフ、スコープ、青、レーダーチャート、赤、丸、帯グラフ、...まるでロボットの頭の中に入ったみたい。
パイロットシートは、ジャミーの起動と同時に、中腰の姿勢になる。でも、シートが各起点で全ての体重を支えてくれるので、寝るよりも、座るよりも楽だ。
両手両足は、操縦桿や、アクセル以外に螺旋状にワイヤーが絡まっている。
ダンバーと言われるこれが、パイロットの筋肉の動きに呼応する。
84は、教練用ジャミー ホークと違って、反対側にダンバーを切らなくても、直ぐに反応してくれる。
仕様としては、乙型よりも新しい。最新式。
ジャミーの歩行は見た目以上に滑らかだ。まるで高級車に乗っているみたい。
コックピットの外を、色あせた大地が川のように流れては、消えて行く。
微かに漂うオイル、プラスチック、そして合成皮革の匂い。
今の武器は、火炎噴射砲。それからバルカン、メーザー砲、そして、ハンドアックス。
乙型のような生体兵器(アルマダイ、アフロダイ系の兵器)は無い。
乙型も84もアフロダイエンジンだけど、乙型は攻撃用アルマダイ高圧炉を持っている。
それで、粒子砲や、生体ミサイルを生成している。
生体ミサイルは、ジャミー乙型の体内で作られる。あまり気持ちの良いものじゃない。白くて蠢いたりする。まるで、何かの幼虫みたいに。
生体ミサイルや、生体爆弾は、核の数万倍のエネルギーを持つ、生命エネルギー、アルマダイを利用した破壊兵器。
生体ミサイルも、生体爆弾も、ある意味生き物だ。
粒子砲も含めて生体兵器は、ケラムの生き物や、兵曹。アルマダイの力で異常な生命力を得ている者たちを無効化する。
『...うぅうわあぁぁぁ!!!。...』
『...キャァーーー!!!。...』
『...な、何だこれっ!うわあぁぁぁ!!!。...』
『...J1アーデンだ。どうした!。J8,5,4!報告を!。...』
『... 先遣隊ジャミーJ4。アップス!。ぜ、前方800ノードに生体反応!。アギュラー7!。砲撃の許可を求む。 ...』
『... こちらアギュラー7。J4。チャンネルはFI解放。指示はJ1リュウアーデンに。 ...』
...リリアーノさん?
『... リュウでありますか?。 しかし... ...』
『... しかし何だ?。今回は、J1がキャプテンだ。...』
『... いえ。 ...』
『...J1。リュウアーデン。FI解放でもう一度伝えろ。指揮を取ることを。 ...』
『... は、はいっ!。こちらFI隊キャプテン。J1リュウアーデン。ゴーン中佐の命により、今回は、ぼ、わ、私が指揮を取る。J4!。生体反応の座標とデータをアギュラーラムダに電送!。 ...』
焦り過ぎて、鼻水が垂れそう...。
『... こちらJ4。あれは巨大ヒルだ。射程距離内。射撃を開始する。 ...』
『... ダメだ!。J4。座標とデータをアギュラーラムダに。焦るな。 ...』
『... なんでだ!。アルマダイ、アフロダイ反応共に無し。一般生物!。 ...』
『... 駄目だ!。判断は、照会の後だ。判断をするのは君じゃない。作戦室だ。...』
『...いいぞ。リュウ。そうだ。...』
...この声、リリアーノさんだ...。
『... チッ。了解!。アギュラー7に電送中。 ...』
データが僕のジャミーにも流れて来る。クリアシールドに化け物の映像が。
な、何だこれ...。
巨大な餅か、マッシュルームみたいだ...。
10m以上はある。
溶岩が沸騰するみたいに、あちこちで口が空く。
赤とオレンジの輪が幾重にも重なったような口。1番外側には濃いピンクの牙が口を囲うように生えている。
そのいくつもある口で鳴き叫んでる。
お腹を空かせた赤ん坊のように。
そして、ゼラチンのようにグニョグニョしながらこっちに来る。かなりのスピードで。
これはやはりゾーグヒルだ。血を吸われると人間どころか、牛や馬、もっと大型の生物でも干からびてしまう。
血だけではない。骨だけ残して吸い込んでしまう。特殊な体液で相手を溶かして。
『... こちらアギュラー7。これはゾーグヒルだ。パンデミア亜種3項...』
こんな危険な生物なのに、ハイドラ軍では恐れる人はいない...。
軍にとってネズミくらいの小物。
...ズドドドーッーーッ
...ズドドドドドドドドーーッーーッッ
...ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ
!!?
バルカン砲の音だ!。
音が大きい。
乙型のバルカンだ...。
いったい、誰が...。
『... もう、無理!こんなの!気持ち悪過ぎる! ...』
...ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドーーッッ
『... くたばれこの化け物め!! ...』
ジャミーのバルカンが光の球となって地平へ飛んで行く。
あ、あいつら...。汗。
『... ヒャッホーウ!! ...』
『... やったわ!!木っ端微塵よ! ...』
え?!
!!?。
あぁ...。
え?。
え!!?。
ホントに....。
くっそ!。
何やらかしてくれてんだよ!。
クソ!。
俺たちだけじゃ済まない。
小物だって対処法を間違えたら後がないんだ!。
FI隊どころか、第七師団、いや、ハイドラ軍全軍に影響が。
しかも、全部アンヌ大佐の責任になる。
僕らを死なせないように、敢えて訓練をさせてくれた。
勝手に攻撃するなんて...。
えっと、えっと....。
『...全軍停止!。第一級警戒体制!。こちら、J1。アーデン。全軍停止!。第一級警戒体制!。そのまま待て!。 ...』
最悪。
勝手に砲撃するなんて。
『...何でよ!?倒したわ!。...』
『...このまま進むぜ!キャプテン!。...』
マジで?。
最初に習ったろ?。
特戦隊って習わないのか?。
ウソだろ?。
分かってないの?。
『...タブル!!リノー!そのまま待機!ダメだ。動いちゃ!。...』
『...ふざけんな!ゾーグヒルなんて雑魚じゃねぇかよ!...』
『...そうよ!私達の任務は、ボルボーレを倒すこと!こんな雑魚に構ってられない!。...』
『...おまえらゾーグヒル分かってんの!?退がれよ!ダブル!リノー!!。...』
『...嫌よ!。冗談じゃないわ!。何で特戦隊の私達が、84の落ちこぼれの言うこと聞かなきゃなんないの!?...』
『...実戦経験も無いお前に指図はさせねぇ!陸ヒルなんて珍しくもねぇ!。...』
『...ゾーグヒルは違う!!しかも亜種なんだ!!...』
『...ウルヘリエスだよ!J18。乙型特戦隊。あんたらあたしよりランク下だよな!?リュウの言う通りだよ!下りな!タブル!リノー!。あと、アップスも!。じゃないと私があんたらぶっ殺すよ!...』
『...ダブル!リノー!おめぇら!反逆罪だぞ?!俺はナムジー。J13。...』
『......』
『...こちらアギュラー7。FI隊!後退しろ。もう無理だ。訓練は終わりだ。急げ。...』
『...J1。了解!。全軍退却!。装甲兵を護りながら退却。急げ!...。』
『...え?!何で!退却するの?...。』
『...まだ10分も経過してない!。...』
『...アギュラー7だ。全員、生体探知機を見ろ。赤じゃないぞ、黒いところが地面だ。ゾーグヒルの大群が来る。今の砲撃で。仲間を呼び寄せてしまった。このヒルは、パンデミア亜種だが、もはや三項じゃない。共鳴官能が異常に高い。我々の予測よりも遥かに進化している。この辺りのヒル全部がこっちに向かってる。...』
『...な!...な、何...こ、この赤い点滅。も、もの凄い数。...。』
『...ゾーグヒルの大群、時速60キロノードでこちらに向かっています。数111万...』
『...えぇ...ひ、ひ、111...泣...。ひ、ひゃく...。...』
『...ぁぁ...やっちまった...。こちらアギュラー7。バンさんと俺。出るよ。...』
『...こちらJ4。アップス!。高圧炉を起動する。粒子砲撃の許可を!。アギュラーラムダに告ぐ!。生体ミサイル、生体兵器の数を!...』
『...バカか!!!。おまえいつからそんなに偉くなった?!。まだ分かんねぇのか!!あほんだら!!ヒルに使える生体兵器なんざ一個もねぇ!!。あほんだらが!!。高圧炉起動もダメだ。絶対にダメだ!!。ウィンテルンどころか、ゾアーグやシンニアジャまで呼び寄せちまう!!お前ら3人死んでこい!!あほんだら!!。敵はボルボーレだけじゃねぇ!!...』
ウィルテルン?...?。
ゾアーグ?。
...バンさんはブチギレてる...。
『...バンガルーロ軍曹。私だ。ダンだ。大佐殿からアルマダイ爆弾の使用許可が出た。一発だけだ。一撃で追い返せ。このままでは、我々が進軍速度を上げる前にウィルテルンが来てしまう。...』
何だろう。あの地面を走る流体金属...。ジャミーを追い抜いて行く。あれがまさか...。
ハッ!!?。
ち、違う!。
ひ、ヒルだ...。
さっきの砲撃で粉々になったヒルだ。
細切れになったヒルが、猛烈なスピードで追い抜いていく。それぞれが、また無数の口を持ってる。
時速は60キロノード。
装甲兵を狙ってる!。
間違いない。
分散したゾーグヒルは、アメーバーのように微かな隙間から進入して来る。
人の体内に入り込むなんて容易い。
この調子じゃ直ぐに追いつかれる。
『...こちらJ1アーデン。分裂したヒルが、装甲兵を追ってそちらへ。!アギュラー7!指示を!。...』
『...捕捉できたか!。良し!。リュウ。火炎砲で焼け。殺せはしないが動きを止められる。ジャミー隊の指揮を。...』
『...了解!。...』
『...こちらS1。アクロン。シムセプトグレードワンのリーダー。J1、J1、応答求む。...』
俺?。何だろう?。
『...S1、アクロン。S1、アクロン。こちら、J1リュウ•アーデン。応答している。どうぞ。...』
『...リュウ•アーデン。聞いてくれ。我々は、今、装甲兵の真後ろに位置している。アルマダイシールドを展開するが、回り込まれたら終わりだ。我々が直前にシールドを展開する。ジャミー隊が我々のシールドにヒルを追い込んでくれ!。ファザスのアルマダイシールドに激突すればケラムの生き物ですら黒焦げになって死ぬ。...』
ハイドラ軍のフォーメーションシールドは、世界屈指だ。
シムセプトは、連携シールドで敵戦車隊や要塞を潰したりする。もちろん逆もあるけど。
数だけではなく、いかにシンクロできるかでシールドの強度が大きく変わる。
そして、ファザスは、通常のアルマダイと全く逆の波長。粒子砲と同じく破壊し続ける方向にエネルギーが向かう。
『...こちらリュウアーデン。了解!。シールドが完全に展開し終わるまで何秒かかる?!...』
アクロンって奴、凄く冷静。シムセプト隊の中でも特に優秀だって聞く。きっと、鬼のルイスに鍛えられているからだ。
『...こちらS2!ギルスだ!。コンマ5秒だ!コンマ5秒でシールド揃えられる!。ファザスは俺たちの必殺技だぜ!笑...』
『...聞こえた!?ジャミー隊のみんな!?こちらJ1。僕の横に並んでくれ!。...』
『...任せとけぇ!上がるぜ!チキショー!。笑。...』
!!?。
ウウゥゥ....
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーー!
アギュラーラムダ7が猛スピードで逆走して来る。
砂埃を上げて。
ヒルの大群に向かってる!。
!!?。
バンガルーロさんだ!。
ハッチを開けている。
危ない!。
飛びつかれでもしたら...
『...リュウ!!並んだぜ!。指示を!!。...』
よし!。
『...ジャミー隊。地面を焼きながら進む!。火炎砲用意。機材間隔10メートル。暑いけど我慢だ!...』
『...リュウ!J4とJ8がいない!。J5も!。まだ、前衛にいるみたい!。...』
『...揃っただけで行く!準備はいい!?隙間は特戦隊のキラ、アスラン、そしてウルヘリエスの3人が埋めてくれ!。頼むぞ!J2ヤマト!J3ザラ!J18ウルヘリエス!。...』
『...こちらJ2ヤマト。了解です。キャプテン。...』
『...J18ウルヘリエス。ヤッホー!。任せて!!。...』
『... J3ザラ。了解!。 ...』
『...ジャミー隊、低速前進!0から60。位置を揃える。火炎噴射放用意!耐熱ジェル解放!...』
ググゥーーーーー
..ドスゥン..ドスゥン..ドスゥン..ドスゥン
スゥゥーーーーーーーーー
両脚のアクセルを少し踏むとダンバーが動き出す。
リズム感とかタイミングが大事だ。
初心者なら、ジャミーは全く動かない。
ググゥーーーーー
ジャミーが沈むように安定して走り出す。
みんな加速のスピードはまちまちだ。
こんな所でも、技術の差が出る。
ダンバーが押し返して来る。
J24とJ16が遅れてる。サムサとイデアだ。
必死で食らいついてくる。
頑張れ!サムサ、イデア。
もう少し!
良し!
『...火炎噴射砲用意!カウントダウン。!。J19耐熱ジェル解放しろ!。...』
『...こちらJ19!キャプテン!レバーが効かない。れ、耐熱ジェル...』
『...コンパネ右下、ロック外したか?できなければこっちから遠隔で...』
『...キャップ!耐熱ジェル解放しました!キャプ!解放OK!...』
『...良し!速度60から150へ!...』
これ以上の速度はついてこれない奴が出る。
一気に地面が狂ったように流れ出す。大きな震度も無く、音はジャミーの足音だけだ。
『...ラジャ!...了解!!...』
『...ヒューーー!!ジャミー隊!カッケーーー!!...』
『...こちらJ2ヤマト。キャップ。馬蹄形への変形を提案します。...』
『... 了解!行けるか?ザラ、ウルヘリエス?...』
『...問題ない。....オッケーよ!....』
みんな馬蹄形も、練習しているはずだ。
ジャミーの訓練で毎回最初に隊列で走る。
こんな風に役に立つ。
『...隊列馬蹄形へ変形。...』
全機体から、グリーンが返って来る。
クリアシールドに。
ジャミーが馬蹄形に整列していく。
一機遅れてる。
J16頑張れ!。
良し!。
『...ヒルに追いつくと同時に70まで減速。僕の機体にシンクロ。ダメな時には手動で。...』
『...キャップ。レーダーでヒルを補足した!。前方1800ノード。シムセプト隊まで更に600ノード。...』
『...減速開始!足並みを揃える。-r23。当機体にシンクロ開始。火炎噴射砲用意。...』
『...こちらザラ。先頭からキューをおくった方が良い。キャップ。右舷先頭はナムジーだ。...』
『...J13ナムジー行けるか?。...』
『...あぁ!任せてくれ!。...』
『...J13ナムジーと同時に点火。J13にシンクロ。灯かなければ手動だ。...』
目標が近づいて来る。
しめた!。
ヒル達はほぼ横一列だ。
『...噴射!!。...』
プシューーーゥ
ゴゴゴ...
ズドーーーーーーン!!!!
ブッウゥオオオオオオーーーーーーー!!!!
ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボ
J13が噴射した。
すげぇ...。
噴射口から、真っ青な炎。
拡散した真っ赤な炎が広角に、まるで赤い毛糸の束のように、地面を覆い尽くす。激しく真っ黒な煙。
まずい、見えなくなる。
『...クリアシールドを、電磁波モニターに切り替えろ!J19スイッチはヘッドセットの下。音楽を聴くのと反対側だ!...』
『...あ、、あ、ありがとう!ありがとうございます!キャプテン。...』
目視で見えなくても、ジャミーの電磁波モニターが目の代わりをしてくれる。
時折、目視と全く違う見え方をする。それはきっと人の視力が、数億年の記憶と経験の積み重ねで作り出されたものだから。
ジャミーの複数の電磁波の反射で作り出される、より高度で複雑であるはずのその世界は、なぜか、ただの記号でしかない。でも、脳はその記号を読み取ることに既に慣れている。
ズドーーーーーーン!!!!ブッウゥオオオオオオーーーーーーー!!!!ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボ
ズドーーーーーーン!!!!ブッウゥオオオオオオーーーーーーー!!!!ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボ
ズドーーーーーーン!!!!ブッウゥオオオオオオーーーーーーー!!!!ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボ
ズドーーーーーーン!!!!ブッウゥオオオオオオーーーーーーー!!!!ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボ
一気にジャミー隊が火炎噴射砲を解放する。
『...全てのヒルは、馬蹄の中に!馬蹄の中にいます。炎から逃げています!。...』
『...ううっ...あぁ...』
『...みんな、もう少しだ..頑張れ!!。...』
みんなもう少しの我慢だ。
ジャミーのコックピットが、痛いほど熱くなって来る。
操縦桿もだ。
もう少し。
『...あと、500ノード!。...』
『... 火炎噴射砲停止の合図と同時に離脱!!シムセプトに絶対ぶつかるな!。 ...』
『... 了解!。...了解だ!!。 ...ラジャ! ...オッケー!。 ... 了解!。』
『...カウントダウン!10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、火炎噴射停止!総員離脱!!!...』
ブッウゥオオーーーーーーーン!!!
ブッウウウン!
ブウウウン!!
ブウウウン!!
ブウウウン!!
ブウウウン!!
ジャミーが次々と離脱して行く。
『...!?!リュウ!早く!リュウ!リュウ!!リュウーーーーーーー!!!...』
シムセプトが緑色の光を放ち始める。眩い光を...
ブウウオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーー!!!!
ウウゥ....
バーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
ファザスが!ファザスフォーメーションシールドが立ち上がった!!。
『...おい!離脱だ!リュウ!離脱しろ!!リュウーーーーーーー!リュウーーーーーーーーーーーーーー!!!...』
眩しい光の壁が!!
バッシュッ!!!
バーーン!!
ボウン!!!
ボボウン!!!
ズババババン!!
ズドーーーーーーン!!!
次々とヒルが激突して黒焦げになって行く。
バッシュッ!!!バーーン!!ボウン!!ボボウン!!!ズババババン!!ズドーーーーーーン!!!バッシュッ!!!バーーン!!ボウン!!ボボウン!!!ズババババン!!ズドーーーーーーン!!!バッシュッ!!!バーーン!!ボウン!!ボボウン!!!ズババババン!!ズドーーーーーーン!!!
次々とゾーグヒルが...。
まるで高圧電線に触れたように、火を噴きながら黒焦げになって弾け飛んで行く。
まるで炭のようにカチカチになって、次々と地面に突き刺さる。
グググググググググ...
僕のジャミーが一気に方向を変える。
凄い右Gが。
ググググググググググググ.....
タンタンタンタンタン...
ジャミーが悲鳴をあげてる。
ガキン!!!
ネジが飛んだ。
ファザスに平行に、ギリギリで僕のジャミーが走って行く。
バシュ!
バリバリバリバリ!
僕のジャミーの肩が時折ファザスに触れる。
機体が慣性の力でファザスに近づいて行く。
持ち堪えてくれ。ジャミー。
激突したら、僕もジャミーも一貫の終わり。
ううっ...。
操縦桿が滑る。
バシッ!バシバシッ!!!
だ、ダメか...。
止まった!。
..ドスゥン..ドスゥン..ドスゥン..ドスゥン
やった!。
ファザスを通り抜けた。
シムセプトが走りすぎて行く。
『...リュウ!リュウ!やったな!!?...』
『...こちらJ2ヤマト。ヒルは全て撃破した。...』
『...こちら、J3ザラ。上出来だ。一体も残っていない。...』
『...J18ウルヘリエス。ちょー熱かったぁ。...』
ジャミーを減速、停止させる。
『...リュウのジャミー、左の塗装完全に落ちちまってるぜ...』
『...こちらS1。アクロンだ。ジャミー隊。良い仕事だ。流石だ。...』
『...ウォーーーーーーーー!!!...』
みんなの歓声が。
みんながジャミーごと飛び上がって喜んでる。
『 ...こちら、アギュラーラムダ7。この先の谷にアルマダイ爆弾を投下する。...』
バンさんの声がする。




