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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
162/364

ダヌアの空に14


あぁぁ...。


フォォーーーーーゥゥーーーーーーーン...


第七艦隊を覆っている光のドームが消えて行く。青白い光のドームが。


ドゥーーーーーーーーーーーーーーーンズズズズズズズズズズズズ.......


艦隊総シールドが消滅する。


第七艦隊全体で作り上げていた、強いエネルギーシールドの防御が...。


個別艦ごとのシールドの防御力は、艦隊総シールドの1/4以下。


これからは、圧倒的に不利な状況に立たされる。


シラヌイが撃墜されたことで、第七艦隊は、艦隊総シールドを保てなくなった。


もう我が艦隊に勝ち目はない...。


みな、歯を食いしばって恐怖と戦っている。死ではなく、愛するものを護れない恐怖。


ビルよりも高いファイヤーバード艦内のメインモニター。

コンテナの各フロアの壁に設置されている。


メインモニターの自動捕捉システムは、アマギを追っている。


ズゴーーーーーーーーーーン!!

ズゴーーーーーーーーーーーーン!!

ズゴーーーーーーーーン!!


無数の緑の光の柱がアマギを追って走り抜ける。ジルカンダー隊のエネリウム砲だ。


シラヌイが離脱したことで、アマギには大きな死角が出来た。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーー


コンテナの壁面のサブモニターが、もうもうと黒煙を噴き上げながら、墜落して行くシラヌイを捉えている。


墜落して行く1000m級の船。


シラヌイ...。


幼い頃からの憧れだった。

俺の故郷。サリンジャーの第18基地にいた。


片田舎の唯一のヒーロー。

男の子みんなの憧れ。


学校に行く時、空軍基地の開閉格納庫の上から見える、シラヌイの艦橋を見て、いつも自転車をこいだ。


子供のころ、いつかあれに乗るんだ。

ずっとそう思っていた。


何も誇れるものの無い片田舎。


湾岸で初恋の人に告白した。


12年上の兄貴の恋人。


どうしようもなく、泣きじゃくった夕方。


湾岸に着水していたシラヌイが、やさしく見守っていてくれた。


泣き崩れた顔を夕日から隠してくれた。


シラヌイがいてくれた。

シラヌイ中心にみんなの生活が回っていた。


名もない貧しい片田舎の町。


人を殺す戦闘艦だけど。


よその土地の人は誰も分かってくれないけど。


俺たちはみんなシラヌイだけを誇りに頑張って生きてきたんだ。


第五主力艦 シラヌイ。


さよならシラヌイ。


ズゴーーーーーーーーーーーーーン!

ズゴーーーーーン!

ズゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!


墜落するシラヌイに、追撃する何隻ものジルカンダーが、容赦無く砲撃を浴びせる。


...ズッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!


エネリウム砲が地上の黒煙の中でさく裂する。


あぁぁ...。泣。


シラヌイは爆炎の中に消えた。


....


.....


ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!

ドドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!


....


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ....


一際大きな爆発が...。


俺たちの乗った1200m四方のコンテナが激しく揺れる。


ガンガンガラガラガラガラガラガラ


オイルの缶が金属の床を転がって行く。


...ドゴン!

...ゴゴン!

...ゴゴゴゴゴゴ


ズッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!


容赦無く第七艦隊の戦艦は堕とされていく。


ここまでか。


もうダメなのか?。


ようやくここまで来たのに。


ゴゴゴゴゴゴーーーーー


ジゼルベットの黒い巨体が、アマギに襲いかかる。体当たりする気だ。


キズついた銀色のシャチに黒いイトマキエイが襲いかかっている。


背後から複数のジルカンダーが!。


フラッシュをはじめる。


まずい!。


デンジネードだ!。


バシッ!!


バシッ!!


バシッッッ!!!


バシッ!!


バシッ!!


バシッッッ!!!


....


ズ、ズ、ズ...


ズドドドドドーーーーーーーーーーーーーン!!!!ズドドドドドーーーーーーーーーーーーーン!!!!ズドドドドドーーーーーーーーーーーーーン!!!!


アマギが黒煙を噴き上げる。


!!?


アマギの動きが止まった。


空でゆっくりと回転し始めた。

制御が効いていない。


気絶したクジラのようだ。


急速に高度も速度も落ちて行く。


アマギが黒煙を噴き上げている!。汗。


『...ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーピピッピピッピピッピピッピピッ...』


...ピッピピピピッピピッピピッピピッ

...ピピッピピッ


フロアでいくつものラジュカムのロックオンセンサーが鳴る。


ダンのも鳴っている。

隊長格のラジュカムは、アマギがロックオンされるとアラートが出る。


アマギが終われば全てが終わるからだ。

地上部隊も、ジゼルベット一隻に薙ぎ払われてしまう。


「アマギが、ジ•ハーン、ジルカンダーにロックオンされた!。リリー!解析を!。リリー!!急げ!!リリー!!!」


ダンが叫ぶ。


あわわわ...。


ま、ま、ま、間に合わない。


それぞれが旗艦の危機に気づく仕組みだ。

それぞれが対処を考えラジュカムでペルセアに報告...。


ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ!!!!!


間に合わない!!


ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!


やられる!!

や、やられる!!

やられる!!!

アマギ!!

アマギー!!


チカチカチカチカ


チカチカチカチカチカチカ


空が光る!。


ズッゴーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!ズッゴーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!ズッゴーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!ズッゴーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!


大気が真っ白だ...。

何も見えない、何も聞こえない。


ゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーー


!!!?


爆炎を引きちぎり、アマギが姿を現わす。

アマギのスフィンクスのような船体が。


艦首砲も無事だ...。


アマギは悠然と旋回している。


アマギの発する強風が爆炎を吹き飛ばして行く。


おぉぉ...。


い、息を吹き返した!。


メインモニターに映し出される。


ゴゴゴーーーーーーーーーー


ジルカンダーが爆発し続ける。複数のジルカンダーが、音を立てて墜落して行く。


チカチカチカチカ


ドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!


空から、光の巨柱が!。


「...見ろ!オグワンだっ!...。」


フロアの背の高い男がメインモニターの上の方を指差した。


「...どこだ...?。」


確かに。

メインモニターの端に昼間に眩く光る星が...。緑や、紫、青に光っている。

ペギリウムの凄まじい光。


「...かなり高度を下げてる...。」


オグワンだ。南アマルの牽制をやめて、オグワンが戻って来た。


数は30機以上だ....。


チカチカチカ


ドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!


チカチカチカチカ


ドドド

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!


次々と粒子衛生砲がジルカンダーに炸裂して行く。


「...見ろ!あれは...」

「...何だ、何か来たぞ!...」


え?!


彼方から艦隊が...。


2つの艦隊。


フロアの兵士がモニターを指差し叫んでいる。


数は少ないが、あれは...。


チカーチカー


チカーチカーチカー


し、識別灯だ!!


チカーチカチカーーーー


チカーチカチカーーーー


識別灯が光る。

ペギリウムの強い光。


チカーチカチカーーーー


チカーチカチカーーーー


識別灯でメッセージを送ってくる。


「...タチアガレ...ワガトモヨ...だ。...」


近くに立っている若いヒゲの男が声に出した。


「...タスケニ...キタ...」


隣の太った男が。


「...コチラハイドラ...ハイドラダイハチ..カンタ...第八艦隊が!?...」


友軍だ!


『...第五艦隊、第八艦隊合流!ルートを開けろ!!繰り返す!第五艦隊、第八艦隊合流!...』


き、来た...!


『...第五艦隊旗艦ベイルーブ、第八艦隊旗艦ハリーヤ 待機ポジションに入ります。艦隊総シールド待機ポジションに...。」


き、来た...。艦隊総シールドの影響範囲に入る!!。


「レ、レ、レバンナ級が来たぞーーー!!!。ヒューーーーー!!二隻も!!二隻も来たあ!!!。イエーーーーーィ!!!。」


リュウが、リュウアーデンがコックピットから大声で叫ぶ。飛び跳ねて喜んでる。少しおかしくなってるなあいつ。笑。


...ワッハッハッハ

...おい、やったな!


...ズズズズズズズズズ....ウォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!

ガガン...ズゥーーーーーーーーンウィンウィンウィンウィーーーーーーー.... ゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーー!!!


『...艦隊総シールド復帰!!艦隊総シールド復帰します!!。笑。...』


...ウォーーーーーーーー!!


艦内の大人達も飛び跳ねている。


ホントかよ!。


やったぜ!。


アルバーンは、アトラ北軍が占有していたから、ハイドラは航空戦力を対アマルのため、タンジアの第七艦隊に集中させていた。


第七艦隊は、アルバーンのダヌア第六艦隊と合流してバルデス大艦隊と激突した。


ザブル、ハノイ、シアバール、アルバーン、ザザルスの艦隊は、100に満たない。総数でも618と第七艦隊に及ばない。


ミノスや、バハヌノアに至っては、艦隊が無い。


それでも、レバンナ級の戦闘艦がそれぞれの艦隊にある。


ハリーヤ、ベイルーブの艦首中距離砲は、レバンナと同様に連射は効かない。


でも、二隻いる。


ザブルとハノイの防衛を止めて援軍に来た。


ブゥゥヲーーン...


うわっ!。

アマギが艦首砲を放つ。

反撃開始だ。


キュワーーーーー!!!!

キュワーーーーー!!!!

キュワーーーーー!!!!


うわぁぁ...。

眩しい...。

目が目が...。


ゴゴーーーー


ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!


光の洪水が...。


三方向に別れて進む。


来たぞ。


バシ!バシバシ!バシィツ!!


強い光。


ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!


「インティバルだ!」


バシ!バシバシ!バシィツ!!バシ!バシバシ!バシィツ!!


ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!


ストラバルが!


ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!


「...アギトだ!...」


三本の光の巨柱は反射して、バルデス主力艦隊の上弦を舐めるように薙ぎ払っていく。


ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


...



ズッドーーーーーーーーン!!!!!


...


ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド


...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ゴンゴーン!!...ドガン!...ドゴーーーン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ゴンゴーン!!...ドガン!...ドゴーーーン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ゴンゴーン!!...ドガン!...ドゴーーーン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ゴンゴーン!!...ドガン!...ドゴーーーン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ゴンゴーン!!...ドガン!...ドゴーーーン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!


白だ。


真っ白だ。


どこを見ても真っ白だ。


ファイヤーバードの爆音すら聞こえない。


ファイヤーバードは、激しく揺れ、上に下に横に移動する。


固定バーにただただしがみつくが、激しいGに固定ベルト以外効果が無い。人間は非力。


この激しいアトラクションはいつまで続くのか。


呻き声しか出せない。


ファイヤーバードが空中分解しないのが不思議だ。


『...バルデス主力艦隊17%し、し、し、消滅...。』


...。


...。


や、やったぞ...。


やった!。やったぞ。


ゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


アマギがオグワンの作った道を進んで行く。


!!?


アマギの周りを衛星のようにゆっくりと回転していた駆逐艦達が回転をやめ、追従している。


ダメージを受けた?。


ゴゴゴゴゴゴゴ....

ゴゴゴゴゴゴゴ....

ゴゴゴゴゴゴゴ....


!!?


並走している駆逐艦ジンズウ、アワ、カワノエ、モガミが変形を始めた。


キュワァァァーーーーーーーーーーーー

キュワァァァーーーーーーーーーーーー

キュワァァァーーーーーーーーーーーー

キュワァァァーーーーーーーーーーーー


バルデス主力艦隊は、ダメージが大き過ぎて反撃できない。


ウィーーーーーーーーン

ウィーーーーーーーーン

ウィーーーーーーーーーーーーーン

ウィーーーーーーーーン


アマギが前方4つの方向にアームを出した。巨大なアームだ。


ウィーーーーーーーーン

ウィーーーーーーーーーーーーン

ウィーーーーーーーーン


後ろにも...。


ガゴーーン!

ガゴーーン!

ガゴーーン!ガゴーーン!!


アームの形が変形する。


アマギと7つの駆逐艦は並走している。


何を....。


ズゴーーーーーン!!

ズゴーーーーーーーーーーン!!

ドッドーーーーーーーーン!!!


ゴンゴン...


こっちにまで振動が伝わって来る。


ドッキングし始めた!。


アマギと並走している7隻の駆逐艦がドッキングを。


ズゴーーーーーーーーーーン!!

ズゴーーーーーーーーーーン!


ウィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!


アマギも変形し始めた。スフィンクスの腕のように開いていた船体はまた1つに。船体の前方、後方が伸び太い巨大なフレームがむき出しに。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...


アームのついたリングがそれぞれフレーム部に移動していく。


ドーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!


ズゴーーーーーーーーーーン!!


リングとフレームが一体化した!。


1000mを超える戦艦。更に巨大化した。


第1艦橋の後ろ、フレームを中心に四方向に分かれたアーム。


第3艦橋の前、フレームを中心に三方向に別れたアーム。


7隻の小型駆逐艦がドッキングした。


7隻の駆逐艦を握りしめたは前後の巨大リングは、アマギを中心にゆっくりと回転し始める。


おおぉぉぉぉぉぉ...。


艦内から呻き声の渦が広がる。


驚きだ。


し、知らなかった...。


アマギにこんな形態があるとは...。


艦内の、いやハイドラ軍の誰もが唖然としてる。


あんぐりと口を開けている。


グルルルギュググググウォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン


ドッキングしたアマギの周りを強い光が覆って行く。


アマギの巨大な船体をドームのように覆って行く。


アルマダイシールド。


強力だ!。


こ、こんなシールド見たこと無い。


ハッ!!?


危ない!!。


背後からジルカンダーが!


眩しい!!


ズゴーーーーーーーーーーン!!


エネリウム砲だ。


アマギはかわさない!。


ダメだ!!


沈む!!


バシュウ!

バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!


弾いた!?。


アマギのシールドが...。


ジルカンダーのターシーエネリウム砲を弾いた!?!。


アマギが主砲を放つ。


キュワァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!


さっきまでと違う。

格段に光が激しい。

目が、目が...。


ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!


急旋回をしてジルカンダーがかわす。


威力は凄いが、やはり予備動作が...。


発射までの時間がかかり過ぎだ。


ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!


えっ!!?


連射...。


ズドーーーーーーーーーーーン!!


爆発した...。


ジルカンダーに命中した。

ジルカンダーの艦橋が吹き飛んだ。


初めてだ...。


本艦隊のジルカンダーが...。

火を噴き上げている。


呆気なく。


ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!


ズッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!


まただ!!


別のジルカンダーを貫いた!。


...


ズッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!

...


アマギの逆襲だ...。


今度は、バルデス大艦隊のジルカンダーが、割れ物のように砕け散る。


アマギの今の形態...。


アフロダイとアルマダイの両方のエネルギーシールドの結合に成功している。


着弾と同時に巨大なバリヤーが張られる。


鉄壁の防御だ。


小型駆逐艦の攻撃力を加えた艦首拡散反射迫撃粒子砲は、恐らくジハーンのターシーエネリウム砲の攻撃力を遥かに凌ぐ。


不規則に変化するので、発射タイミングが遅くても命中する。しかも、エネルギー蓄積量が多いため連射可能。


ジルカンダーが撃って来る!。


ズゴーーーーーーーーーーン!!


バシュウ!

バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!


ジルカンダーの攻撃は、今のアマギには全く効かない。


アマギの艦首砲が光る。


キュワーーーーー!!!!

キュワーーーーー!!!!

キュワーーーーー!!!!


ゴゴーーーー


ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!



...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!


...ゴンゴーン!!...ドガン!...ドゴーーーン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!

...ボボウン!!


何隻ものジルカンダー、ジゼルベットが炎を噴き上げる。


ブゥヲーーーーーーーーーーーーーー!!!!


ズズドーーーーーーン!!!

ズズドーーーーーーン!!!

ズズドーーーーーーン!!!

ズズドーーーーーーン!!!


ズズドーーーーーーン!!!

ズズドーーーーーーン!!!

ズズドーーーーーーン!!!

ズズドーーーーーーン!!!


アマギの主砲がジ•ハーンをとらえた。

ジ•ハーンに着弾した。


初めてだ。


ジ•ハーンの防御が効かない。


ジ•ハーンはかわせない。アマギの砲撃をかわせなくなった。


ドドーーーーーーン!!!

ズドドドーーーーーーーーン!!!


ジ•ハーンの輝く船体から初めて爆発が起きた。


!!!?


キュワーーーーー!!!!

キュワーーーーー!!!!


またアマギが艦首砲を放つ。


ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!バシ!バシバシ!バシィツ!!

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!

バシ!バシバシ!バシィツ!!バシ!バシバシ!バシィツ!!

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!


再び、我が軍の最新巡洋艦が反射迫撃艦とドッキングする。


威力の増した光の巨柱は、再びバルデス主力艦隊の上弦を舐めるように薙ぎ払っていく。


ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


...



ズッドーーーーーーーーン!!!!!


...


ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ゴンゴーン!!...ドガン!...ドゴーーーン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ゴンゴーン!!...ドガン!...ドゴーーーン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ゴンゴーン!!...ドガン!...ドゴーーーン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ゴンゴーン!!...ドガン!...ドゴーーーン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!...ゴンゴーン!!...ドガン!...ドゴーーーン!!...ボウン!!...ゴゴン!...ドゴン!!...ボボウン!!


バルデス主力艦隊が...。


バルデス主力艦隊が火の海だ。


!!?


ボウウウゥン!!!

アギトとドッキングしていた反射迫撃艦が、エネルギー許容量をオーバーして、爆発する。


インティバル、ストラバル、アギトはまた次元潜航を始めた。


アマギは、攻撃の手を緩めない。


艦首砲、主砲、副砲、魚雷、生体ミサイル...。あらゆる攻撃をバルデス本艦隊にブチ込んでる。


『...全艦撃ち方用意!!目標、バルデス本艦隊!!...』


ベイルーブ、ハリーヤが艦首砲を放つ。


キュワーーーーー!!!!


ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!


キュワーーーーー!!!!


ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!


バルデス主力艦隊も、更に1000隻以上の船を失っている。


ジルカンダーすら今のアマギには何の抵抗力も無い。


『...バルデス主力艦隊39%消滅。バルデス全艦隊の33%消滅。バルデス主力艦隊39%消滅。バルデス全艦隊の33%消滅。...』


『... バルデス、後退して行きます。バルデス大艦隊後退!。...』


...ウォーーーーーーーー!!!

...ウォーーーーーーーー!!!

...ウォーーーーーーーー!!!

...ウォーーーーーーーー!!!


艦内から大歓声が上がる。


『...バルデス大艦隊が後退して行く!バルデス大艦隊後退!...』


『...勝ったぞ!勝った!!我々はバルデスに勝った!!...。』


?。いや、それは...。

それは違う。


若いCIC担当だ。


勝ってなどいない。


違う!。


『...バルデス大艦隊後退して行く!...』


違う!。


ジ•ハーンが残っている!!。


...ウォーーーーーーーー!!!

...ウォーーーーーーーー!!!

...ウォーーーーーーーー!!!

...ウォーーーーーーーー!!!


統制の取れていなかったバルデス艦隊が引き上げ始めた。


逆に攻撃しにくい。


ジハーンが、肝心なジハーンが残ってる。


これは作戦だ!。


これは罠だ!。


歓喜の声が渦巻く。


...ウォーーーーーーーー!!!

...ウォーーーーーーーー!!!

...ウォーーーーーーーー!!!

...ウォーーーーーーーー!!!


「待て!まだ終わっちゃいない!!」


俺は叫んだ。


誰も気に止めやしない!。


隊長と、副隊長、そしてバンは気づいている。


フロアでは大歓声がやまない。


フォォーーーーーン!

戦車のクラクションを鳴らす者まで出てきた。


リュウは?。

リュウアーデンも、首を傾げてる。


そうだ。

まだ、喜ぶのはまだ早い。


ジ•ハーンがまだいる。


しかも、敵は最小数の艦隊を残している。


良く見ろ!お前達!。


撃沈したら代わりの戦艦を背後から補給する。長期戦に持ち込む気だ。


良くない状況だ。


どうやら、シシィドールが出て来たらしい。


...バババ...


...あぁ...


...ババババババババ....


メインモニターの映像が激しく乱れる。


艦内からため息が漏れる


映像が...。


通信すらままならないのか?


そんなに緩み切ってしまったのか?


ヤバい!。


...おぉぉ...


何だ?


メインモニターに映し出される。


フードをかぶった若い男が...。


『...通信を乗っ取られている!。気をつけろ!。これは、我が軍の通信ではない!。...』


CICが慌てている。


『...警告をする。このままではアマギは沈む。ハイドラの艦隊は全滅する。このままでは諸君らは誰1人ゾーグで生きてはいられない。...』


...ふざけるなぁ!

...消えろこのクソ野郎!!

...貴様何者だ!


ガゴーーン!

モニターに、誰かが物を投げつけた。


この艦の巨大モニターに映し出された男。

顔は良く見えない。色は白く小太りだ。


『...俺はアトラの戦術予報士。ハイドラ軍の諸君。よく聞け。デューン軍の旗艦は、ハイドラ軍旗艦の前方下弦から攻撃を仕掛けて来る。今すぐ旗艦を後退させろ。その位置に取り付かれたら終わり。気をつけろ。ファーレーンが来ている。逃れられない。そこは死角だ。この地形、戦況。シシィはそれを知り尽くしている。...』


ファーレーン?。

ファーレーンだと?。

一体何を言っている?。


ファーレーンは3年前に発生したばかりだ。

あの恐ろしいスーパージェット気流は、第1太陽と第2太陽の軌道が重なるマルダンの年。108年に一度しか来ない。


こちらもファーレーンについては、十分に調べている。


あり得ない。

絶対にそんなことは...。


...絶対...に...。


こいつは何者なんた?。

デューンの陽動作戦なのか。


「...何だ?...」

「...ファーレーンだと!?...」

「...バカな!...」

「...どうしたんだ?...」

「...誰だあいつは?...」


みんな動揺している。


『...諸君らは、地上軍の展開を身を呈して護れ。我々の陽動は成功している。そして、艦隊を解放し逃げろ。逃げ延びろ。レバンナが来るまで。...』


陽動?。


艦隊総シールドを解け?。


何を言ってるんだ。


この男は。


少なくとも今は劣勢ではない。


!!?


こ、これは...パスタップだ...。

パスタップで通信をして来ている。

ば、バカな...。

スーパーシナプスフレームのペルセアの最新の変化暗号をこいつは解読している!?!。

こいつ...。

そんなはずは無い。

そんなバカな...。

まさか!?。


「...アトラの戦術予報士...お、おい!アトラの戦術予報士だぞ!!!...。」


帽子の男が叫んぶ。


何だって!!?。


「...トゥアだ!。アトラのトゥア!!。」


アトラの戦術予報士トゥアが!。


モニターは、今またアマギの銀色の機体を映し出している。


陽動とは?。


一体なぜアトラのトゥア•スガワラが...。


今から3年ほど前、アトラ北軍は、ベルシンベル戦で、ザネーサーを撃退した。


西のクシイバ ザネーサーはアトラ西軍120万を率いて、突然北アトラのベルシンベルに侵攻した。


その時、北軍は、デューン、南アマルを牽制するために60万近い兵力をデビドアンに、そしてアルバーンに7万の兵力を展開していた。


北軍のクシイバ ジェニファーは、ザネーサーには敵わない。しかも、マバナカタールに集結できたのは、僅か17万。


しかし、老傑ジェニファーは、アトラ最強の兵曹ザネーサーを10日で撃退し、僅か17万の軍隊は、アトラ最強の西軍を追い払った。


トゥア•スガワラは、その時アトラ北軍に勝利をもたらした戦術予報士だ。

この男はまだ子供だったそうだ...。


ウウゥゥゥゥゥーーーーーーーーー!!!!

キュウゥゥゥゥーーーーーーーーー!!!!


空を切り裂くような回転音が響く。


ジ•ハーンが動き始めた。

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