ダヌアの空に12
ドーーーーン!!
「...おぉぉ...。」
あぁぁ...。
艦内に悲鳴に近いどよめきが。
みんな巨大なメインモニターを見上げて、唖然としている
ドーン!ドーン!
ゴゴゴゴ...
ガガガガガガガガガーーー
シラヌイの艦首が...。
ジルカンダーが右舷をシラヌイにぶつけた。
ギィーーー
ググゴウォォゴゴゴウォーー
ドン!ドーン!ドーーーン!!
ジルカンダーの右舷装甲も、硬いシラヌイの艦首にえぐられていく。
「や、やられたぁ...。」
バンガルーロ軍曹は放心状態だ。
「だ、大丈夫ですよ。シラヌイはあれくらいでは沈まない。」
リリアーノさんだ。
「なぁに言っとるんだアホンダラ!。艦首砲が撃てなくなったらおしまいだろが!。」
確かに。
でも、ここの所、軍曹は余裕がない。
生物兵器対策のプロフェショナル。バンガルーロ軍曹は、陸戦に入る前に、アマギかシラヌイの艦首砲による一斉掃射が必要だって、ずっと言っている。
ボルボーレの数を減らさなければならないから。
ボルボーレが土に潜っても、アマギやシラヌイの艦首砲なら、ボルボーレにダメージを与えられる。
アマギとシラヌイの艦首砲は、出力が桁外れに大きい。
拡散する艦首砲のアルマダイ粒子スピンが、ボルボーレの粒子エンジンのコアを破壊するらしい。
それは、リリアーノさんが言っていた。
あの人、ホントに詳しい。
軍曹は嫌な顔をしてた。
!!?
ゴゴゴゴゴゴ...。
二時の方角に別のジルカンダーが。
う、うわっ!。
眩しい!。
い、いきなり撃って...。
ズゴーーーーーーーンッッ!!。
!!?
...うぉーーーーーー!...
...キャーーーーーー!...
この艦も揺れている。
台風に揺さぶられる小枝のように。
艦首エネリウム砲だ!。
や、やられる。
シラヌイ!。
あぁ...。
バシ!バシバシ!バシィツ!!
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!
は、反射してる...。
な、何が?
?。
!!?。
ドドーーーーーーーーーーーーーーーン!!
エネリウム砲が反射して、撃って来たジルカンダーを直撃した。
ジルカンダーは、かなり遠方にいる。
でも、ゆっくりと旋回してるのが、よく分かる。黒煙を噴き上げながら。
大きな戦艦が...。まるで風に舞う木の葉のように。
凄まじい光景。
だれも声すら出せない。
ズドドドーーーーン!!
ズズズズズズ...。
また、爆発した。
かなり遅れて振動や音が伝わる。
黒煙を噴きあげてる。
ボウウウゥン!ゴーーン!
爆炎が噴き上がる。沈没する船の様に傾き墜落していく。
1000mを超える巨体が...。
だったの一撃で。
凄い迫力だ...。
それほど強烈な攻撃。
ターシーエネリウム砲。
ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ジルカンダーが加速しながら墜ち始めた。
この世の終わりのようだ。
これが大都市なら、大惨事だ。
都市ごと壊滅してしまう。
ズドーーーーーーーーーーン!!
金属がこんなに燃えるのか...。
ドーーーーン!!
また、爆発した。
デューンのクルー達。怖いだろな...。
あ、あ、...。
ズズズ...ズッドーーーーーーーーーーーーン!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...。
ジルカンダーがゾーグ平原に墜落した。
キノコ雲が空に広がって行く。
さっきのあれは...。いったい。
大気が揺れている。
大きく三箇所...。
プリズムのように虹色に光っている。
....キュワーーーーーーーー
ボボウウ...キュワーーーーーーーー
ボウウウ...キュワーーーーーーーー
ボボボウウウ
!!?
何か出て来た。
次元潜航?。
銀色の戦闘艦だ...。
三隻だ。
ゆっくりと、波の間から三頭のイルカが現れるように、高速で移動しながら姿を現わす。
大きな反重力翼を広げたその姿は、まるで、巨大な戦闘機だ。
全くと言って良いほど直線が無い。やや角張った流線型をしている。
鏡で出来た飛行機みたいだ。
「...おい!見ろっ!。...」
突然フロアの誰かがさけんだ。
あれは...。
「...見ろ!。インディバルだ!!。...」
そう。インティバルだ。
固唾を飲んで見守っていた皆んながいっきに騒ぎ始める。
「...あれは!一体...。...」
「...ストラバルも!。...」
ホントだ!。そして、あっちのは、アギト!。
「迫撃反射艦とドッキングをしてる。」
え?
リリアーノさんだ。
そうか...。あの丸い巨大な反射板は迫撃反射艦のものだ。
『...ファイヤーバード3号着陸に成功!繰り返す...。』
『...ファイヤーバード14号標的に到達!!繰り返す。ファイヤーバード14号標的に到達...。』
『......ファイヤーバード9号。地上軍 第25、第26、第27、第28大隊、ポイントユーカリプスに展開中!。......』
ウオォーーーーーー!!
ウオォーーーーーー!!
ウオォーーーーーー!!
ウオォーーーーーー!!
ウオォーーーーーー!!
艦内の皆んなが雄叫びを上げる。
反響して耳がキーンと鳴る。
「おい!降りたぞ!。」
「やったな!!。」
ハイタッチをする人。
抱き合う人。
顔を見合わせ握手する人。
また、国歌を歌ってる。笑。
ウィーーーーーーーーン
ウィーーーーーン
ウィーン
ウィーーーーーーーーン
シラヌイの4400mm口径 主砲全てが、目前のジルカンダーに向いて行く。
ハイドラ軍では、アマギに次ぐ威力を持つ粒子主砲。
ボウウウゥン
ブウウウウウン
シラヌイがシールドを展開した。青白いアルマダイエネルギーシールド。
ジルカンダーは、右舷の損傷が大き過ぎて、右舷のシールドが大きく開いている。
キュルキュルキュルキュル
ジルカンダーの主砲もシラヌイの方を向いている。エネリウム粒子主砲。恐らく口径は3000mm。
主砲の威力はほぼ互角だ。
ズドドドーーーーン
ジルカンダーの主砲が火を噴いた。
キュワーーーーーーーーー
シラヌイの全ての砲門が光を増す。
ズズドーーーーーン!!ズズドーーーーーン!!ズズドーーーーーン!!ズズドーーーーーン!!ズズドーーーーーン!!ズズドーーーーーン!!
クワァアッ!!
ズズドーーーーーン!!
バスバスバスッ!!バスバスバスッ!!バスバスバスッ!!バスバスバスッ!!バスバスバスッ!!バスバスバスッ!!
激しい光の応酬だ。
ゴガーーンン!!ドドドーーーン!!
ズズドーーーーン!!ズガーーン!!
ズガーーン!ドゴーーーーン!!ゴガーーンン!!ドドドーーーン!!
ズズドーーーーン!!ズガーーン!!
ズガーーン!ドゴーーーーン!!ゴガーーンン!!ドドドーーーン!!
ズズドーーーーン!!ズガーーン!!
ズガーーン!ドゴーーーーン!!
シールドの欠けているジルカンダーが、船体に直撃を受けている。
ボウウウゥン!!
うわっ!。
シラヌイの上弦、第一艦橋が吹き飛ばされた。
ズズドーーーーーン!!ズズドーーーーーン!!ズズドーーーーーン!!ズズドーーーーーン!!ズズドーーーーーン!!ズズドーーーーーン!!
ゴガーーンン!!ドドドーーーン!!
ズズドーーーーン!!ズガーーン!!
ズガーーン!ドゴーーーーン!!ゴガーーンン!!ドドドーーーン!!
激しい撃ち合い。
ガチンコの殴り合いだ。
ズドーーーーーーーーン!
ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
ボゴン!
ジルカンダーの反撃が止まった。
動きが完全に止まった。
ジルカンダーが爆発し始めた。
ズドーーーーーーーーン!!!パリン!ドドン!
ズズズズズズズズズズズズズッドーーーーーーーーーン!!ズゴーーーーーーーーーーン!!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーー...
ジルカンダーがまた、墜落して行く。
黒煙を噴き上げ、ゾーグ平原に墜落して行く。
シラヌイが勝った!。
チカチカチカチカ
...ドドーーーーーーーーン!!
...ボウン
...ゴゴン
...ドゴン
...ボボウン
チカチカチカチカ
...ズドーーーーーーーーン!
...ゴンゴーン
...ドガン
...ドゴーーーン
...ボウン
...ゴゴン
...ドゴン
...ボボウン
あちこちで空が光る。
ストラバル達が攻撃している。
元々ステルスな上に、同時に次元潜航もする。バルデス前衛艦隊には捉えることが出来ない。
密集したバルデス前衛艦隊の中央に現れては、メチャクチャに粒子砲を撃ちまくってる。
ブゥワァッ
ビューーーー
ダクトから熱風が入って来る
こんなに離れているのに
みんな、メインモニターに釘付けになっている。
ファイヤーバード17号のシナプスフレームも、僕らの軍の最新鋭巡洋艦の位置を捉えられない。
あっ!。
アギトがロックオンされた!。
危ない!。
!?。
「アギト!。真っ二つに折れたぞ!。」
また、軍曹だ。
「違いますよ。ドッキングと離脱を繰り返してるんです。前のは反射迫撃艦です。」
リリアーノさんが。
「...そ、そうなのか...。」
「...あいつ、やけに詳しいな...。」
フロアの兵士達も、リリアーノさんの説明に耳を傾けて、だんだん近づいて来る。
この爆音の中で。
バルデス艦隊の攻撃が全く当たらない。 そして前衛艦隊の数は多すぎる。
普通はアマギやシラヌイの主砲に比べて、巡洋艦の主砲のエネルギー量は10分の1。
攻撃力の高い最新鋭艦でも、ジルカンダーを沈める力は無い。
「これじゃキリが...。」
いつの間にかフロアの兵士達が、僕たちのいる場所に上がって来た。
ダン隊長と、ジャイロ副隊長は、今4階の第1作戦会議室にいる。
!!?
空を切り裂くような音が。
ブゥゥヲーーン...
キュワーーーーー!!!!
キュワーーーーー!!!!
キュワーーーーー!!!!
眩しい!。
ど、どこから...。
ゴゴーーーー
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!
「...レ、レバンナだ!!...。」
誰かが叫ぶ。
レバンナの超長距離砲だ。
でも、全然方角が...。
「見ろ、ストラバルだ!。」
空間が歪んで、銀色の巡洋艦が現れた。
バシ!バシバシ!バシィツ!!
ズウゥーーーーーーーーーーーーーーーン!!
ストラバルに反射した、レバンナの超長距離砲が、バルデス前衛艦隊を薙ぎ払う。
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!
ズドーーーーーーーーーーーーーーーン!
ドドーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!
...ボウン..ゴゴン...ドゴン.ボボウン...ゴンゴーン...ドガン...ドゴーーーン.ボウン...ゴゴン...ドゴン...ボボウン
「す、凄えぇ...。」
リリアーノさんだ。
兵士達がザッと、振り向く。
視界に入る限りのバルデス前衛艦隊は、全て爆炎を噴きあげている。
ブゥゥヲーーン...
キュワーーーーー!!!!
!!?
え!こ、今度は?
アマギの艦首砲だ!。
アマギの艦首砲塔が、焼けるような光りを放ってる。
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!
拡散迫撃粒子砲は、また、明後日の方角へ拡散して行...。
バシ!バシバシ!バシィツ!!ズウゥーーーーーーーーーーーーーーーン!!バシ!バシバシ!バシィツ!!バシ!バシバシ!バシィツ!!ズウゥーーーーーーーーーーーーーーーン!!ズウゥーーーーーーーーーーーーーーーン!!
反射してる!。
今度は三隻別の場所に現れて反射してる。
しかも。直前に反射迫撃艦とドッキングを...。
ズドドド...
...ズッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!
ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
ズッ...。
ブツッ。
鼓膜が破れた。
真っ白だ...。
うわあぁぁぁ。
ファイヤーバードが激しく揺れる。
お、墜ちる!。
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!!!!
破れて無かった...。
音が戻って来た。
でも、けたたましい、凄い音だ!。
ドン!ドン!ドーン!
ファイヤーバードが何かにぶつかったみたいに激しい衝撃を受ける。
...ボウン..ゴゴン...ドゴン.ボボウン...ゴンゴーン...ドガン...ドゴーーーン.ボウン...ゴゴン...ドゴン...ボボウン...ボウン..ゴゴン...ドゴン.ボボウン...ゴンゴーン...ドガン...ドゴーーーン.ボウン...ゴゴン...ドゴン...ボボウン...ボウン..ゴゴン...ドゴン.ボボウン...ゴンゴーン...ドガン...ドゴーーーン.ボウン...ゴゴン...ドゴン...ボボウン
光の洪水が消えて、少しずつ見えるようになってきた...。
見渡す限り、ジゼルベットが火を噴いている。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーー!
立て続けにゾーグの沼に堕ちて行く。
墜落して行く戦艦の中にはジルカンダーもいる。
インティバル、ストラバル、アギトに反射した、アマギの艦首拡散迫撃粒子砲は、バルデス前衛艦隊のど真ん中から、外に向かって炸裂した。
全てのエネルギーの直撃を受けたバルデス前衛艦隊は、途轍も無い打撃を受けている。
ガンガンガンガン。ドタ。
ダン隊長だ。戻って来た。
誰かと話してる。
「ゴトラは、アマギ、シラヌイ側、つまり艦隊の外角に絞って艦隊総シールドを張り巡らせていた。内側は手薄だ...。」
「まぁ、普通はそうする。艦隊の内側に入れる訳がないからな。」
ジャイロ副隊長だ。ファイルを右脇に抱えている。二人とも作戦会議から帰ってきた。
「お疲れ様です。今のところ、全て成功はしてますね。」
リリアーノさんだ。
「おい。何だ全てって。」
「作戦ですよ。」
「リリアーノ。気づいていても、口にするな。軍法会議ものだぞ。」
「あ、はい。汗。申し訳ありません。」
「何でこいつが知ってるんです?。」
「知っているかどうか俺は知らん。」
「注意深く情報を集めている我が軍の兵士なら全てではなくても、ある程度は分かることだ。」
軍曹は真っ赤な顔をしてる。怒ってるのか、慌てているのか分からない。
「それぞれ自分の任務を果たせ。それ以外のことは気にするな。エキスパートとしてな。」
ポンポン。
副隊長が軍曹の肩を叩いた。
シラヌイとアマギが、バルデス前衛艦隊の周りを旋回しながら、後部のハッチを開いている。
「... 見ろ!。また何かやるぞ。 ...」
「...小型駆逐艦だ。...」
「あれは分かるぜ。」
軍曹はホッとしたように言った。
ハッチから、次々と小型駆逐艦が滑り落ちて来る。
小型駆逐艦は、滑り落ちた後、半重力水平翼を広げ、スラスターを点火して行く。
モガミ、ジンズウ、アワ、イヨを既に排出しているアマギからは3隻。シラヌイから5隻。子鯨が母親から生まれるように次々と滑り落ちて来る。
そして、戻ってきたモガミ、アワ、ジンズウ、イヨもふくめ、小型駆逐艦達は、シールドを展開して、ゆっくりと母船の周りを回り始めた。
「あれなら、敵の主砲を防げるはずだな。」
軍曹は、腕組みをして言った。リリアーノ伍長も頷いている。
ここの所、軍曹と伍長はギスギスしていた。軍曹は、リリアーノさんの知識や分析力に劣等感を感じてるのかもしれない。
昔は凄く仲が良かったらしいけど。
でも、副隊長のさっきの一言で、少し和んだ気がする。
バンガルーロさんは、生物兵器のエキスパートなんだ。
「おい。リュウ。」
「は、はい!。」
隊長だ。
「おまえ歳は?。」
「は、はい。16歳であります。」
「そうか...。」
「急に大人びたな。」
副隊長だ。
この二人、一見仲悪いけど、本当は副隊長は隊長を凄く尊敬していて、隊長は副隊長を凄く信頼している。
やっと分かったよ...。
バウン!!
バウン!!!
バウン!!
小型駆逐艦のバリヤーが、ジルカンダーのエネリウム砲や、ジゼルベットの粒子砲を弾き飛ばす。
100%弾きかえしている。
でも、これは奇跡に近いことだ。
バリヤー担当の人たちは、スーパーコンピューターよりも精度が高い。
リリアーノさんによると、小型駆逐艦バリヤー担当の精度は科学では説明がつかないそうだ。
ズドーーーーーーーーン!
ズドン!
ズドーーーーーーーーン!
「始まったな。」
隊長と副隊長だけ顔を見合わせている。
何がだろう?。
「実弾...か?。」
リリアーノさんだ。
「隊長が頷く。」
実弾...。
いつの間にか、アマギとシラヌイの主砲塔が長いものに変わっている。
ズドーーーーーーーーン!
ズドン!!
ズドーーーーーーーーン!!
発射した瞬間、砲塔から爆炎が噴き荒れる。
弾丸は発射した瞬間から音速を軽く超えている。ロケットのように3段階に本体を切り離し、最後にはいくつかの弾頭に分かれる。
!!?
ジルカンダーのシールドを簡単に突き抜けてる。
シラヌイ、アマギの粒子砲は、予備動作があるから、ジゼルベットを捉えることはできても、ジルカンダーを捉えることができない。
でも、ダンガード砲は違う。
バスバスバスッ!!バスバスバスッ!!バスバスバスッ!!バスバスバスッ!!バスバスバスッ!!バスバスバスッ!!
ヒューーーヒューーーーーーヒューーーーーーヒューーーーーーヒューーーーーーヒューーーーーーヒューーーヒューーーーーーヒューーーーーーヒューーーーーーヒューーーーーーヒューーーーーー
ズズドーーーーーン!!ズズドーーーーーン!!ズズドーーーーーン!!ズズドーーーーーン!!ズズドーーーーーン!!ズズドーーーーーン!!
ゴガーーンン!!ドドドーーーン!!
ズズドーーーーン!!ズガーーン!!
ズガーーン!ドゴーーーーン!!ゴガーーンン!!ドドドーーーン!!
ズズドーーーーン!!ズガーーン!!
ズガーーン!ドゴーーーーン!!ゴガーーンン!!ドドドーーーン!!
ズズドーーーーン!!ズガーーン!!
ズガーーン!ドゴーーーーン!!
アマギとシラヌイの生体ミサイルがスコールのようにバルデス前衛艦隊に降り注ぐ。
ゴトラの制御を振り切って、集結したバルデス前衛艦隊は、ただの鉄の棺桶のように、滝の様に降り注ぐ生体ミサイルの爆発に身を委ねるしかない。
生体ミサイルはアルマダイのエネルギーを使ったミサイル。
威力は途轍もない。
今アマギとシラヌイが発射している実弾は、ダンガード砲だ。
ドドーーーン!!
ズズズズズズズズズズズズーン
粒子砲や迫撃砲が開発される前の時代、世界制覇すると言われたハイドラの技術。
初速から音速を超え、宇宙ロケット並みの速度で蛇行する粒子爆弾だ。直撃すれば粒子砲以上の破壊力がある。
シールドが効かないから、密集したバルデス前衛艦隊の中で、拡散したミサイルは必ず敵艦のどれかには当たる。
「見ろっ!。艦隊総シールドが!。」
バルデス前衛艦隊を覆っていた、緑色の光が消えていく。
バルデス前衛艦隊の数は既に、3000を切っている。
第七艦隊も400に減ってしまったけど...。
厳しい厳しい闘いはまだまだ続く。
ハイドラ第七艦隊の攻撃が一斉に火を噴く。
3回目の猛攻だ。
バシッ!!
バシッ!!
バシッッッ!!!
バシッ!!
バシッ!!
バシッッッ!!!
「で、デンジネードだ!!。ふっ、伏せろっ!!!。伏せろぉぉおーーーーーーっ!!!。」
違う!。
猛攻を受けるのはこっちの方だ。
....
ズ、ズ、ズ...
ズドドドドドーーーーーーーーーーーーーン!!!!ズドドドドドーーーーーーーーーーーーーン!!!!ズドドドドドーーーーーーーーーーーーーン!!!!
黄金の光が無数に集まって来る。
ズゴーーーーーーーンッッ!!。
ズゴーーーーーーーンッッ!!。
ズゴーーーーーーーンッッ!!。
エネリウム砲が雨の様に降り注ぐ。
次々と第七艦隊の戦艦が沈められていく。まるで瀬戸物のように簡単に砕け散る。
凄い数のジルカンダーが...。
空が真っ黒に染まる。
「来たぞ...。バルデス主力艦隊だ。」
ついにバルデス主力艦隊が来た。
もの凄い数。
同じジゼルベット、ジルカンダーでも今までのものとは色が違う。
「...あれを見ろ!!。」
大きい...。
巨大なアンコウか、オコゼのような巨大な戦艦。黄金に光っている。
ジルカンダーが鏡面なのに、巨大な戦艦は細かい多角形の模様が黄金の装甲に刻み込まれている。
イエローダイヤモンドのように、黄金のように眩い光を放っている。
「...敵の旗艦だ!。...」
「ジ•ハーンだ!。」




