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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
132/364

ダヌアの空に1

AC13152 syndia 53th


--Hologram:Now Ryu2000 is displayed.--


母さん。父さん。シンタ。それから、ココロ。

元気かい?僕だよ。リュウだよ。

僕がアルバーンに来てから、もうすぐ2年になるよ。早いね。

母さんの手料理を食べたいな。母さんの作ってくれたマーツや、プスマケ。毎日思い出してるよ。思い出すだけで、よだれが出るね。笑

早くみんなに会いたいな。18歳の誕生日に休みが取れるから、その時帰るつもり。


ケントも、ダイダも、それからプロスティも元気だよ。母さんと、父さんによろしくって。


あれから、もう2年なんて信じられない。ケントもプロスティも身寄りがないから、家に呼んであげたこと、凄く喜んでいる。また、一緒に帰っても良いかな?


プロスティは、ケントのことがまだ好きみたい。やっぱり、僕は諦めることにするよ。せっかく、父さんに秘策を教えて貰ったのに、出せずじまいだったよ。笑


でも、黄色のスカーフ渡したよ。受け取ってくれた。本当は、プロスティはピンクが好きなんだ。やってしまったよ。


男らしくこれからは、友達として二人を見守るつもり。


大丈夫。僕はこれでも、結構モテるから。


本当に良い場所に配属された。

ここは、アトラ北軍の駐留部隊が目と鼻の先にいるけど、本当にのどかだ。


空気も景色も綺麗。歳の近いハイドラ軍の仲間もいっぱいいる。楽しいよ。ただ、配給食が不味いけど。


昨日は、アトラ軍のディライトって言う人と仲良くなって、アトラのチョコって言う菓子を貰ったよ。


少し苦くて、でも、甘くて、トロッとしていてとても美味しい。シンタとココロにも食べさせてあげたかったな。


後で、上官にこっ酷く調整されたけどね。笑。みんなの代わりに。笑。凄く痛いし辛かったけど、平気さ。プロスティが僕のために泣いてくれて、それが辛かった。プロスティが愛おしいよ。。でも、諦めなきゃね。


上官は、それが敵の作戦だって言うけど、アトラ北軍の人たちは、どこか他の軍と違う...温かいっていうか...あ!やべぇ。また、調整されちゃう。


まだ、村には新しい通信塔は入らないんだね。今年には入るって首長が言っていたのに。双方向でホログラム使えると嬉しいね。


アルバーンは、結構進んでるから、ますますシアバールの僕らの村とは格差が開く。


今日は、お父さんは、他の家族のところかな?。


シンタ元気?ルコント上手くなったか?帰ったら兄ちゃんがカーブするシュート教えてやるよ。


ココロ。もうお話しができるようになったってね?。

僕は、お前の兄ちゃんだよ。

シンタの兄ちゃん。

シンタや、みんなに可愛がって貰ってる?。

母さんも、父さんも、ずっとずっとお前のこと。お前が生まれるの待ってたんだよ。次は、女の子が欲しいって。


あ!いけない!俺、今日は装備の点検係だった!汗。また、調整されちゃう!笑。なんて、上官のショーン少尉、優しい人。厳しいけど。大丈夫。


愛してるよ。ココロ。シンタ。父さん。そして、母さん。


会いたいよ。


リュウ


__________________________________


AC13152 syndia 83th

--Hologram:Now Ryu2000 is displayed.--


母さん、父さん、シンタ、ココロ。

元気かい?。

僕だよ。リュウ。


今日は、ダヌアは雨だよ。土砂降り。アルバーンは、綺麗な場所だけど、スケールが大きい分、自然現象も激しいんだ。


もの凄い雨だよ。メジャラージっていうんだ。

まるで、ナイドロンの滝みたい。ホントに。

もし、シアバールに降ったら、全部の民家が倒壊してしまうね。笑。


僕達は、今ハイドラ軍の基地にいるから大丈夫。


でも、アルバーンとデューンの国境(ゾーグ平原)辺りにいる仲間たちは、本当に大変だな。


で、今日は、休みになったんだ。


ケントが、久しぶりの休みだから一日中寝るって言うから、プロスティとダイダとカードをしているよ。プロスティはずっと笑ってる。可愛いなぁ。はぁ。。


でも、ケントの奴、寝られないとか言って、出てきては、プロスティのカードにケチばかりつけて、プロスティを怒らせてる。ケントも、僕より今はプロスティの方が親しいんだね。


ま、でも男の友情は永遠だぜ。笑。


みんな、見えてる?反応が無いから、少し不安だな。届いてるよね。早く新しい通信塔入ったら良いのに。


シンタ。ココロ。

兄ちゃんだよ!笑。

見える?


ところで、父さん。


昨日、アトラ北軍のディライトさんと、ノーランさんが来て言ったんだ。


ヤバイことになったって。

何だろうヤバイことって。

ノーランさんは悲しそうだった。


また、チョコをくれた。

ケントにも、プロスティにも。


もし、次見かけても寄って来ちゃいけないって。


ホントはいつもあっちが寄ってくるんだよ。笑。


上官は、昨日は見ないふりをしていた。それどころか、ディライトさんと話をしていた。


ノーランさんが、アトラの小学校と子供の話をしてくれたよ。


タクくんって言う、半分サイバーパーツの男の子の話。凄いね?小さいのに勇敢だったって。


アトラの国って、進んでるね。未来都市みたいだよ。ハイドラじゃ太刀打ちできないかも。


ノーランさんがホログラムを見せてくれた。凄いね。ケイって女の子も。プロスティほどじゃないけど、凄く可愛いかった。俺アトラ人に生まれれば良かったなぁ。笑。


冗談だよ。


あ、そろそろ、次の人が使うって。長いって怒られた。笑。


父さん。ちゃんとトイレの後手を洗ってよ。笑


シンタ。父さんと母さんのこと頼むぞ。


ココロ。父さんと、母さんの言うこと聞いてね。


母さん。まだ帰れないけど、心配しないでね。母さんもちゃんとご飯食べて。


あ、ごめんなさい。ええ。すぐに。はい。


会いたいよ。みんなに。


愛してるよ。


リュウ。


__________________________________


AC13152 terdion 4th

--Hologram:Now Ryu2000 is displayed.--


部族軍の識別灯をつけた艦隊がダヌアの上空に留まっている。


もの凄い数だよ。


数えられないくらい。


青空に大きな魚みたいな銀色の艦隊が。


旗艦のレバンナがいる。レバンナだけ大きくて重厚だ。怒られそうだけど、レバンナってカッコ良い。でも、思ったより大きくて少し怖い。レバンナは、左舷がまだ修理中。ジニリウムがむき出しになってる。マジウ アンティカと闘ったって。互角だったって艦長さんが講話の時言ってた。流石レバンナ♡。でも、アンティカってどんなだろう。一度見てみたい。


もうすぐ、アトラ北軍のダヌア駐留基地に、一斉放射をするらしい。


もう、あの人達の事は口にしちゃいけない。


戦争が始まる。


僕は、僕達は元気だから心配しないで。全然平気だから、今は。...あ。


今日はいっぱい人が待ってるよ。ごめんね。みんなに会いたいよ。


愛してる。


リュウ


__________________________________


AC13152 terdion 7th

--Hologram:Now Ryu2000 is displayed.--


もうみんな寝てるよね。

だから、録画。あ、いつもか。

父さんにだよ。


とうとう始まった。部族軍の一斉放射。もの凄い音と光だ。ダヌアのアトラ北軍の基地は、最初の15分で蒸発したよ。


きっと、昨日のうちにアトラの兵士達は、逃げたんだと思う。


ダヌアの地面は一瞬で溶岩のようにドロドロになって、沸騰してた。


1000の航空艦隊の一斉放射は、本当に凄かった。光以外何も見えないくらいに。


この凄さなら、もしかしたら、デューンのバルデス大艦隊に勝てるかも。


でも、一斉放射は午前11:00だった。


もう午前2:00なのに、艦隊は基地に帰還しない。


識別灯は、煌々と輝いたまま。


なぜか分からないけど、第一級警戒態勢のままなんだ。


これだけの大艦隊が、一体何を怖れているんだろう。


上官が来た。

それじゃあ。


リュウ


__________________________________


AC13152 terdion 7th

--Voice mail:Speaker Ryu2000--


午前3:00突然招集ブザーが鳴った。


間をおかず、第一級戦闘態勢のサイレン。


一体何があったんだろう。


この2年間でサイレンは2回目。


前は、僕がここに来たばかりの時。


ケラム生物オライドーンの大群が押し寄せた時。


オライドーンは、一つ目の巨人。


人間に似ている。


でも、植物。人喰い植物。


体長が10m近くある。


こげ茶か、緑の人間みたい。


でも、全員が根で繋がってるんだ。


その時だって第二級だった。

その時はレバンナは来なかったのに。


何か...。


あ、でも、大丈夫、みんなが、


...s32672!何をやってるんだ!早く来い!...。


申し訳ありません!


ザッザッ.....


カチャ


__________________________________


AC13152 terdion 8th 04:55

--Voice mail:Speaker s-32672(rss5 grade3)--


こちらハイドラ軍 アルバーン支部 ダヌア 第5部隊 rss隊 s-32672 リュウ•アーデン


戦況をボイスレコーダーに残す。ラジュカムだと、盗聴されるからだ。...です。


このボイスメッセージは、僕の、

いや、自分の家族には絶対に、聞か、聞かせないでください。


この、ボイスメッセージって言うか、これから録音するもの全部。


家族が、かな、悲しむから。悲しむかもだから。


僕のことを聞かれたら、どこかに逃げのびたって言ってください。絶対。絶対!これだけはお願いします。


7日から、みんな寝てない。なぜなら、アルバーンと南アマルの国境から、南アマル軍が入って来たから。


上官の話では、アマル帝国との条約があるから、南アマルは侵攻して来ないはずなのに。


ハイドラ部族軍の人も、誰が結んだどんな条約なのかさえ知らないらしい。


アマルが何のために、ハイドラと条約を結んだんだろう。アマルがハイドラと対等に話し合いなんかに乗るのかな。


とても怖い。何かとてつもなく怖い。大きな大きな闇に呑み込まれるみたい。さっきまで勇ましかったハイドラ部族軍の艦隊が、そう、まるで荒れた海の中の小舟...いや、笹舟のように思えて来る。


リュウ•アーデン


__________________________________


AC13152 terdion 9th 11:24

--Voice mail:Speaker s-32672(rss5 grade3)--


ついに、アマル南軍が国境を越え始めた。もの凄い数。次々と入ってくる。

ダヌアは、国境から500km離れている。南アマルとの国境とダヌアは標高差が1200mある。ずっと見通しの良い緑の平原だ。


地平線の果てまでびっしりと南アマルの軍隊が続いている。


500kmなんて、あっと言う間だ。どうなってしまうんだよ。一体。


本気で攻めてきたりは、しないよね?

だって条約結んだんだもんね。


リュウ•アーデン


__________________________________


AC13152 terdion 9th 13:45

--Voice mail:Speaker s-32672(rss5 grade3)--


急な勾配の遠く、遠くに、膨大な南アマル軍が見える。


アマルの黒い戦闘服は蟻の大群のようだ。気持ち悪いくらい。


アルバーンの綺麗なエメラルドグリーンの草原。


遠く急な草原は、ずっとアルバーンを、ハイドラを、デューンや南アマルから護って来た。


空は、何?あれ?

遠く遠くの山の陰から、次々と...


南アマルの艦隊!?

南アマルは、航空艦隊を連れて来ないって言っていたのに。


国境のあれは...。あれはいったい?遠すぎて、流石に双眼鏡じゃ見えない。

まさか、舞楽隊?本当に戦争を?!


うそだ。条約が。

でも、整列し始めた。


えっ!動き出したぞ!?


...ブォーーーン

...ブォン

...ブォーーーン!


突然耳をつんざくような音が届いた。


えっ!えっ!

これ、進軍ホーンじゃん!?


本気!?本当に??


うそ?うそ!


うそ...うそだ。


地震みたいに揺れ始めた。こんなに離れているのに。


うそだょ。


うそだ。


条約結んだんだから、来ないって、南アマルは来ないって言ったじゃないか...


な、何だよこれ。。

全然1万じゃないよ。100万はいるよ....


うそだろ?!うそ....

どうする気、どうしたら...


...ドーーウン!

...ドーウン!

...ドウン!

...ドーーウン!

...ドーーウン!


ハイドラ部族艦隊が、上空で高圧炉を起動してる。


アフロダイ高圧炉だって...。アフロダイ?。


動き出すんだ。


音がこだまする。


南アマルの艦隊を叩くんだ!?


助かった!


リュウ•アーデン


__________________________________


AC13152 terdion 9th 14:06

--Voice mail:Speaker s-32672(rss5 grade3)--


なぜ一斉放射しない?


ハイドラ部族軍の艦隊が高度を上げている。


上から攻撃?


どうして?


高すぎて見えない。雲に入った。


何か後退している。さっきより全然後ろにいる。


まさか!?


僕達は置き去り?!

え!?


あぁ、一番最後の巡洋艦が回頭してる。180度。

回頭してる!?


え!?


待ってよ!


うそだろ....


あんな大群相手に高々3000人で闘えっていうの?


しかも艦隊がついてる。まだ国境にとどまってるけど...


何でだよ!うそだろ?

か、帰ってしまったら、ハイドラが、ハイドラが侵略されちゃう!


下がって、何か、何か作戦があるんだ。絶対!


そうだ。この上で撃ち合ったら僕達の基地に被害が出るからだ。


そうだ!絶対。


待ってるよ、ハイドラ部族軍のみんな!


それまで、ハイドラ部族軍の作戦が始まるまで、何とか...何とか.....


あ...。


あれは...。


きっと、レバンナだ。


もの凄い高さに上がってしまったけど。


レバンナだけは、止まっている。



リュウ•アーデン


__________________________________


AC13152 terdion 10th 6:03

--Voice mail:Speaker s-32672(rss5 grade3)--


寝てた。ケントに起こされた。プロスティがいないって。


アマル南軍は、中原で停止した。何かを待っている。


ハイドラ部族軍は、帰ってしまったって。そんなバカな。そんなはずないって僕が言ったら、ケントにお前みたいなお人好しいないって言われた。


プロスティのことで、殴り合いになった。


上官に止められた。あ、ここに録音することじゃなかったね。


リュウ•アーデン


__________________________________


AC13152 terdion 10th 15:13

--Voice mail:Speaker s-32672(rss5 grade3)--


プロスティは中原の伏兵として、駆り出されたって。


中原にある、隠し砦に。


突撃隊だって。


突撃隊は1000人。プロスティは、、プロスティは...女の子なのに。泣


女の子なのにどうして...。


僕が変わってあげたいよ。

心細いだろうな。

寂しいだろうな。


ケントのお嫁さんになっても良いから、戻って来て、返して欲しい。


プロスティは、僕の心の中でだけ、僕の大切な人。


あぁ。やっぱり僕はプロスティを愛してる。


リュウ•アーデン


__________________________________


AC13152 terdion 10th 18:06

--Voice mail:Speaker s-32672(rss5 grade3)--


プロスティは、慰安婦として...1000人の特攻隊の慰安婦として、それを条件に、特攻隊は、納得したって。


ふざけるな!ふざけるな!

ふざけるな!ふざけるな!

ふざけるな!ふざけるな!

畜生!畜生!畜生!畜生!


貴様らケダモノだ!

おまえらケダモノだ!


誰も...もう誰も信じない!

馬鹿野郎!



リュウ•アーデン


__________________________________


AC13152 terdion 11th 7:56

--Voice mail:Speaker s-32672(rss5 grade3)--


上官に志願を断わられたから、その上の上官に頼み込む。銃殺されたって良い!


あんまりだ!女の子を犠牲にして何がヒドゥィーン魂だ!


ケントの馬鹿野郎!

ただ泣くだけなんて、赤ん坊みたいな奴だよ!


見損なった。あんな情けない奴だとは思わなかった。死んじゃえばいいのに。


リュウ•アーデン


__________________________________


AC13152 terdion 11th 12:56

--Voice mail:Speaker s-32672(rss5 grade3)--


もうどうなっても良い。プロスティを助けに行く。途中で逃げたり、優しい女の子を慰安婦にしたり、みんな死ねば良い。


リュウ•アーデン


__________________________________


AC13152 terdion 12th 3:11

--Voice mail:Speaker s-32672(rss5 grade3)--


隠し砦まで外から行く。


ケントも来た。


でも、地鳴りがする。南アマル軍の比じゃない。遠くからの音のようなのに、でも、耳が聞こえなくなるほど、大きい。


何だ、あの光。遠くで緑色の光が...。まるでホタルみたいだ。


数が増えていく。何だろう。あの不気味な緑色の光は。


リュウ•アーデン


__________________________________


AC13152 terdion 12th 04:56

--Voice mail:Speaker s-32672(rss5 grade3)--


もうすぐ夜明けのはずなのに、全く明るくならない。


ちがう。


明るくならないんじゃない。


とうとうデューンのバルデス艦隊が来た。デューン軍の大艦隊だ。


もの凄い数だ。空が真っ暗だ。

緑色の光は、デューンの航空艦隊の識別灯だったんだ。


でも、これは偵察隊。

バルデス艦隊のほんの一部だって...。


もうだめだ。


デューンは、あの大艦隊で軍隊を運んで来る。ここを通り抜けて、いきなりハノイやザブルまで行ってしまうかも。


この巨大な戦闘艦で、多分100万以上の兵曹やアンドロイドを運ぶ。きっと。


そうしたら、何もかも終わりだ。

ハイドラは、終わりだ。

首長達のバカ!


大バカだ。!


...どうしよう。一体どうしよう。


リュウ•アーデン


__________________________________


AC13152 terdion 12th 07:00

--Voice mail:Speaker s-32672(rss5 grade3)--


僕とケントは、中原の砦に向かっている。


中原の砦。遠い。走り続けても、1日以上かかる。迂闊だった。


でも、プロスティのために、ケントと二人で辿り着くんだ。


喉が渇いた。

僕らはバカだ。

水も持ってこなかった。


今となっては、南アマル軍や、デューンの艦隊があることで、方向がわかる。


気候は穏やかでも、大自然は生易しくない。



リュウ•アーデン


__________________________________


AC13152 terdion 13th 1:16

--Voice mail:Speaker s-32672(rss5 grade3)--


南アマル軍がそこまで迫っている。


もの凄い数だ。


兵曹もいる。低級アンドロイドが...。僕ら人間が一番怖いのは、低級アンドロイド。奴らは殺人マシンだ。


大きな蟻のように、兵士や兵曹の間を埋め尽くしている。


南アマル軍があと数百メートルの所で、砦に入ることができた。


中原にある、地面の下にある、草に隠れた奇襲用の砦。


長い長い時間をかけて、ハイドラ軍は準備していた。


でも、100万の敵軍に対して、僅か1000人。


敵艦隊は約10000。

一体どうしたら良いのか。


リュウ•アーデン


__________________________________


AC13152 terdion 14th 9:05

--Voice mail:Speaker s-32672(rss5 grade3)--


爽やかな朝だ。


プロスティは元気にみんなにお茶を配っている。


長い長い地下の砦。ダヌア基地まで繋がっている。


明け方6:58分。空に激しい閃光が走った。力強く太い光の柱。


レバンナの超長距離砲。


レバンナの超長距離砲は、まず最初に南アマル軍の前衛隊を薙ぎ払った。


条約で攻撃はしないと、部族軍は言っていたのに。


強硬で過激。


砦の数センチ上は灼熱の熱風が吹き荒れた。


恐らく、数万の南アマル兵が蒸発した。


レバンナの超長距離放射は、数時間、数百回にも及んだ。


南アマル軍は、国境に向かって退却し始めた。


でも、アマルを本気で怒らせてしまったと思う。


光の玉がいくつもデューンの艦隊に向かっていく。かなりの上空を横切って行く。


昼間の月みたいだ。


これは、オグワンだ。


ハイドラの攻撃衛星だ。


ペルセアが来た。


ペルセアが国境を護りに来た。


30機のオグワンは、次々と光の巨槌を、バルデスに叩き落とし始めた。


また、閃光が。レバンナの超長距離放射だ。


.....おい!みんな!バハヌノアから第七艦隊が来る!レバンナと合流するぞ....。


通信担当のおじさんが、叫んでる。飛び跳ねて喜んでる。


ハイドラの人は僕達を忘れていなかった。


ハイドラ万歳!

ハイドラ万歳!

ハイドラ万歳!


....おい、ありえねぇぜ。部族軍は帰還しちまったらしい.......。


リュウ•アーデン

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