ハイドラの狂人46
...ゴーーーーーーーー...
...ゴーーーーーーーーーー...
...ゴーーーーーーーー...
...ゴーーーーーーーーーーーー...
...ゴーーーーーー...
空の大艦隊が雲から次々と降下してくる。
CICのウィンが叫ぶ。
「艦長!。艦隊 間もなく光学モニター圏内です。距離980000ノード。巡行速度52000ノード。降下し始めました。数373隻。識別灯...赤黄赤黄白赤。全て赤黄赤黄白赤!。ハイドラ部族軍です。」
この作戦の旗艦モガミはエメドラドの催事用シャトルギンターの護衛で来た。
この小型駆逐艦の全長は80mに満たない。
他の小型駆逐艦ジンズウ、アワ、アヅマ、カワノエも同じハクア型駆逐艦だ。
インティバルと同じ最新鋭艦でありながら古代ハクアの浮沈戦艦ヤマトの技術を継承している。
そのため航空戦闘艦にしては角張った型をしている。
まるで戦車のようだ。
この小型駆逐艦はアルマダイより出力の小さいアフロダイ高圧炉を搭載している。
戦闘力船速ともに低い。
しかしそのアフロダイレーダーの探知能力はレバンナの超長距離砲の射程を遥かに上回る。
そして精密機器を多く搭載しながらも耐久性が強い。
アルマダイ濃度の高い火山やローレライの干渉を受けても航行不能にはならない。
「....373隻....ほぼ部族軍全軍...。首長達は何を考えてる!?。境界にデューンやアマルが攻めて来てるのに!。」
ぺギリウムの光は昼夜を問わず燦然と樹海に眩い光を浴びせている。
B操舵手レイが叫ぶ。
「部族軍艦隊 旗艦はウルヘリア。 戦艦リオン級 12...。か、艦長っ!。レバンナがっ!。レバンナがいます!。後方255000ノード。ケラム地帯 第56シムトリア上空です!。」
「レバンナが!?。バカな!?。識別子は!?。」
「アルマダイの波長と電磁波を照合します!。」
「識別子 エヌヨンエヌヨンスラエヌ....ハ、ハイドラ部族軍です。汗。」
「ウルヘリアやリオンは内戦用の戦闘艦。恐るに足りない。しかし、レバンナやストラバルが相手では、援軍が来ても均衡を保てない。道を開けざるを得ない....。メシアも大神官もいる。こちらの艦隊はレバンナの超長距離砲だけで壊滅してしまう...。」
「メシアも大神官いるのです。いきなり無茶はして来ないでしょう。」
副長イルマが言う。
「部族軍の良識に期待したい所だ。」
「艦長!。ハイドラ軍第7艦隊間もなく防空識別圏に入ります。」
「艦長!。ハイドラ部族軍の艦隊が樹海に入ります!。63000ノード!。もの凄い速度です。後20分でここに到達します!。」
「第7艦隊にレバンナの存在を伝えろ!。」
「第7艦隊の構成 総数70。待って下さい?。識別不能艦が...。」
「識別不能艦?...。何だ?。」
「バシャール提督より入電。リガヤのアフロダイレーダーで捉えている。とのことです!。」
「な、何?。リガヤにアフロダイレーダーなどない!。もう一度確認しろ!。リガヤは大破しているはず...。」
「し、識別子...ハイドラ軍。エンエヌエンアールエース...やはりリガヤです。」
『....こちらはリガヤ艦長代行 リロイ・フェルト。レバンナに告ぐ。本艦は既に貴艦を射程内に捉えている。本艦は既に超長距離迫撃砲の発射準備を終えている。....』
「リロイ・フェルト.....。聞いたことが無い。」
「第7艦隊 距離2000 間もなく合流します。」
「全艦に命令。我々はこのまま第7艦隊と合流する。艦首そのまま。全艦停止。メシア、大神官を中心にシールドを展開する!。」
「はいっ!。こちらモガミ。全艦に告ぐ。主砲および艦首現状のまま、第7艦隊位置まで停船。護衛対象を中心にアフロダイシールドを展開!。ギンター!。及びユーフロートの操舵手!。聞こえるか!?。こちら旗艦モガミ!...。」
「ああぁっ!。ストラバル来ます!。部族軍。ストラバル...。」
「何だと!?。」
...ゴゴゴーーー...
...ボボボボボボ...
...ドドンドーーン...
...ドドンドーーン...
...ボボボボボボ...
モガミがストラバルの反重力板の出力で激しく揺れる。
上空を通過するストラバルは巨大だ。
同じ新鋭艦と言えどイルカとクジラほど大きさに差がある。
ストラバルが樹海に向かい下限主砲塔を稼働させている。
「なぜマジゥにそこまでこだわる...。」
樹海が燃えている。
ストラバルが樹海を焼き払う。
薙ぎ払う。
「第7艦隊 接近!。」
「部族軍接近!。止まりません!。」
「部族軍前衛艦隊!。樹海に砲撃を開始しました!。」
『...メシアがメシアが!。大神官がおられるのが分からないのかっ!。...』
イルマが部族軍に抗議をする。
『....こちらはハイドラ軍 第7艦隊提督 バシャール。ハイドラ部族軍に告ぐ。直ちに侵攻を停止せよ。我々は大神官及びメシアを護衛している。優先権はこちらにある。...』
『....ハイドラの国益を害する族を討伐せよ。従わぬ場合は貴艦隊を賊軍と見做し殲滅する。....』
『....何だと!?。貴様たちに何の権限がある?。直ちに停船せよ。軍規乗っ取り攻撃も辞さない。...』
『...我が軍はそちらの方針に関わらず即刻攻撃を開始する。こちらにはストラバルそしてレバンナがいる。...』
『...なぜマジウに執着する。マジウと供にハイドゥクの2人の子供も同行している。....』
『....その子供達をわらわれが確保する。出来ない場合は国賊として討伐する。従わぬ場合は貴艦隊も逆賊と見做し砲撃を開始する。...』
『....今内乱を起こしてはいけない。マジウと戦えば貴艦隊とて壊滅的打撃を受ける。...』
『...砲撃を開始する。...』
『...メシアが!。大神官様がいらっしゃるんだぞっ!。分からないのかっ!。...』
「こ、これは...。」
「あぁぁ...じゅ、樹海が火の海だ...。」
「ストラバル!。第7艦隊上空を越えました。」
「もし...もしここで我々が砲撃をしたら取り返しのつかないことになる。」
...ズズズーーーーーーーーーーーーーン...
...ゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ズズズズズズーーーーーーーーーーーーーン...
...ゴゴゴーーーーー...
「うわぁっ!。」
「何だ...どうした!?。」
「アヅマがっ!。アヅマがっ!。つ、墜落しますっ!。」
駆逐艦アヅマが黒煙を吐き墜落し始めた。
「リオン級がアヅマに接触!。ああぁっ!。ぎ、ギンターが...ギンターがっ!。」
「い、一体!。一体どういうつもりだ!。」
「こちらモガミ。ギンター!。聞こえるか!?。」
バランスを崩した、エメドラドのシャトル ギンターが回転し始めた。
「リオン級!。また来ます!。」
「ま、まずい!。かせっ!。全艦に告ぐシールドを強化!。エメドラド様をお護り...うわあああぁああぁっ!。」
...ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ...
接触している。
激しく揺れる。
「ぎ...ギンターが...ギンターがっ!。」
「うわああああああああああああっ!。」
「エメドラド様っ!。エメドラド様あっ!。」
「な、なんだっ!。」
...バリバリバリバリバリバリ...
...バリバリバリバリバリバリ...
「ま、眩しいっ!。」
「め、目がっ!。」
「うわああああああああああ!。」
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マジゥは大きな葛籠を背負いひたすら北へ進む。
トラフィンとサンザを乗せたエメドラドの催事用の大葛籠を背負いながら。
マジゥは損傷が激しく兵曹を完全には落とせない。
しかし樹海の深さと広大さは、本来なら小さな虫さえ逃さないはずの軍のレーダーやセンサーから、5mの兵曹と追従する剣歯虎を簡単に隠してしまう。
催事具のつづらは特殊塗装のジニリウム鋼で出来ている。
アマルの最新鋭戦艦ヒステリアと同じ装甲だ。
エメドラドの祈りによって高価な催事具が燃えたり、蒸発したり変質することを防ぐためだ。
マジゥ達はゴードブリフェンの北を目指している。
兵曹の状態とはいえ世界最大の浮島ゴードの中心部から外郭部分のゴードブリフェンまでの移動は、生半可な距離と過酷さではない。
樹海をマジゥは高速で走る。
後ろからヒドゥィーンタイガーが全力で追ってくる。
「ハル!。急ぐぞ!。」
マジゥは更に速度を上げる。
白いヒドゥィーンタイガーは必死で追いついている。
ハルが遅いのではない。
マジゥが速すぎる。
密林を抜けてから樹木の高さは30mを超えている。
...パンパンパン...
高速で走るマジゥの足が小川の水しぶきを跳ね上がる。
...バン...バンバン...
大木の枝がつづらに激しく当たる。
何度も何度も。
時折苔で足が滑る。
「兵曹を...兵曹を上げなさい!。サンザ!。トラフィン!。私は倒れてしまうかもしれない!。」
返事が無い。
「トラフィン!。返事をしなさい。」
「.........。」
「!。」
マジゥは、慌てて速度を落とした。
丁度太い小川のある開けた場所に出た。
小川の周りはまるで敷き詰められたように白い砂利が。
砂利の周りには黄緑の草が生えている。
黄色い花も咲いている。
樹海の奥に向かうにつれ、川の中の大きな岩が見える。
岩には苔が生えている。
何種類かの木が茂っている。
白い幹の木々。
深い緑の葉を茂らせている。
空には2番目の太陽の緩やかな光が。
この第二太陽が悪神の化身と言われる意味が分からない。
とても暖かく長閑だ。
雲ひとつない青い空。
透明な水。
水深は深く川幅は10m近くある。
深くなるに従って透明なブルーが広がる。
川は所々エメラルドがかった色をしている。
空気は涼しく澄んでいる。
マジゥは立ち止まった。
慌ててつづらを前に持ち替える。
毛布はまだかかったままだ。
...ゴゴーーーーーーーーー...
ハルが追いつきマジゥの元に走ってきた。
マジゥは毛布を取った。
小さなの吐息が聞こえる。
マジゥはホッと息をついた。
顔に安堵の色が。
2人は激しい振動の中でぐっすりと眠っている。
つづらの中で重なり合って。
「疲れていたのだな。無理もない。笑」
マジゥはつづらをそっと降ろした。
そして2人の頭を撫でてやった。
...ググゥ...
ハルも覗き込む。
心配そうに。
「安心しなさい。寝ているのだ。」
...ドスン...ドスン...ドスン...
マジゥは小川まで歩いて行き戦闘服の懐ろからひしゃげた水筒を出した。
そして小川の水を入れた。
水はびっくりするほど冷たい。
...ドスン...ドスン...ドスン...
ハルは双子の顔を見ながら座っている。
「おまえも水を飲むが良い。疲れただろう?。」
マジゥは小川を指差した。
ハルはマジゥの言うことを理解している。
立ち上がり小川に歩いて行った。
マジゥはハルを見て頷いた。
そしてまた双子の頭を撫でてやった。
濡れた冷たい手のままで。
トラフィンが半分目を開けた。
「ほら飲みなさい。」
トラフィンは喉を鳴らして飲んだ。
巨体のマジゥの水筒は大きい。
トラフィンはサンザの方を見た。
「水は豊富にある。好きなだけ飲みなさい。その小さな身体では飲み切れまい。笑」
マジゥはトラフィンの頭をまた撫でた。
トラフィンは水を飲み終えマジゥに返した。
...ズズズズスーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
遥か遠くで爆音が轟く。
地響きが続いている。
ハルが小川の水を飲むのを止め地響きのする方角を見た。
不安そうだ。
...チカチカ...
空が光る。
...ズズズズズーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
大地が揺れる。
トラフィンはマジゥを見た。
「心配するな。大丈夫だ。おまえたちにはこの兄がついている。」
マジゥはもう一度トラフィンの頭を撫でた。
マジゥはサンザの頬に水筒の口をそっとつけた。
サンザは一度寝ると外の要因で起きることが無い。
ハルは水を飲み終えてマジゥの元に戻って来た。
「ハルよ。もし私に何かがあればこの子たちをタンジアまで送り届けてやってくれ。」
「兄様...。兄様はどこかに行かれるのですか?。」
トラフィンが不安そうに聞く。
マジゥが水筒を置きサンザを抱き上げた。
「もし、部族軍やデフィンが来るのであれば、私が行かねばならない。」
マジゥはサンザを膝の上に載せサンザの耳元で何かを囁いた。
サンザが目を覚ました。
目を擦りながらマジゥに抱きつく。
マジゥは水筒を拾い上げサンザの口元に持って行ってやった。
サンザは水筒を両腕で抱えると喉を鳴らして水を飲んだ。
マジゥは嬉しそうに微笑む。
サンザを片手で抱いたまま、懐ろから小さな布の札のようなものを出した。
「トラフィン。おまえにこれを渡しておく。これはタンジアのキドー一門への入門証だ。」
トラフィンはその黄色い布の証文を受け取った。
布には黄色いマントラのような模様が書かれている。
...チカ...チカ...
...ズズズズズーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...チカ...チカ...
...ズズズズズーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
「近づいている。ハノイの援軍は間に合わなかったようだ。」
マジゥは再び水筒に水を汲みながら呟いた。
...ドスン...
...ドッスン...
...ドッスン...
大きな水筒をトラフィンに渡すと毛布をかけつづらを背負った。
「ハルよ!。樹海を抜ける!。この子たちにとって安全な道を行く。案内してくれ!。」
...ゴゴゴーーーー...
...ハルは歩き始めた。...
...ゴゴゴーーーーーーー...
ハルは振り向きまた歩き始めた。
まるでついて来いと言わんばかりに。
マジゥはハルの後をついて再び樹海の中に入って行った。
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「ガバディルさん。ダメです。ハイドラ部族軍が展開しています。」
「えぇ!?。な、何と...。アンドゥ殿のお話では...。」
「今も凄い船速で進んでいます。」
「迂回するしかない...。」
「燃料が全然足りません。それに軍艦の検索からは逃れられませんよ。下に降りるしか...。」
「いやそれはダメじゃ。甲殻熊も陸烏賊もいる...。一瞬で食われてしまう。」
「ではハイドラ部族軍の艦隊の中を突っ切るしか...。」
シャトルは樹海の上を滑るように飛ぶ。
ハイドラ部族軍の艦隊に近付いて来た。
ハイドラ部族軍の艦隊は横に展開し、遠くまで続いている。
迂回するにしても燃料がもたない。
「このまま気づかれなければ...。センサーにかからなければ...。脅威は航空戦艦の重力風だけ...。」
ハイドラ部族軍の巡洋艦が益々大きく見える。
光学モニターにはもはや灰色の鋼鉄しか見えない。
『.....その銀色のシャトル止まりなさい。ここは第1級戦闘空域だ。ん?。ハイドラ軍のシャトルだな?。止まりなさい。ハノイ678911sv117!。...』
「うっ....。」
『.....何っ?。貴艇から高レベルのアルマダイが...。何っ?。出力が...。ば、馬鹿な...。シャトルのアルマダイが戦艦の9000倍...。汗。な...。9999万VBsdを超えている...。な、な、何を積んでいる!?。』
「し、しまったっ!。巡洋艦のスキャナーにかかってしまった!。この子が...。」
「ど、どうしますか...?。」
「こうなったら部族軍艦隊の中を突破する!。攻撃もフライヤーも出せんじゃろ!。エレンさん全速で直進してくれ!。」
...ドゥーーーーーン...
シャトルのアフロダイモーターが点火した。
シャトルがフルスロットルで飛ぶ。
「ひいいっ!。ダメだガバディルさん!。部族軍のフライヤーにぴったり後ろにつかれてる!。」
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...バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ...
...バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ...
...バリバリバリバリバリバリバリバリ...
...バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ...
大気が白む。
...ドドドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ガラガラガラガラ...
リオン級の戦艦が炎に包まれる。
黒煙を噴き上げながらゆっくりと墜落し始めた。
...ウオーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ウオーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ウオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ウオーーーーーーーン...
艦隊のサイレンが...。
コンディションレッドの警報。
第1級戦闘態勢だ。
「ろ、ろ、ローレライ...!?。汗。」
...ボボボボボオオオオオオオゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガガガガガガガガガガーーーーーーーーーーーーーーー...
爆音が響く。
...ボボボボボオオオオオオオゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガガガガガガガガガガーーーーーーーーーーーーーーー...
何か巨大な生き物の咆哮が樹海に轟き渡る。
モガミが激しく振動している。
白い煙を纏い巨大な生き物が起き上がる。
...チカ...
...チカ...
...チカチカ...
「い、痛いっ!。」
「目が焼ける!。」
...バリバリバリバリバリバリバリバリ...
...ドドドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...バリバリバリバリバリバリ...
「ストラバル大破っ!。目前の物体から熱線が!。またストラバルを直撃します!。」
...バリバリバリバリバリバリバリバリ...
....ズズズズーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...バリバリバリバリバリバリ...
モガミが激しく揺れる。
「ストラバル墜落します!。ストラバル墜落します!。」
「何だあの光っ!回転している。!。」
「み、見ろっ!。ま、ま、マジアだっ!。マジア アンティカだ...!。」
「マジアがっ!。マジアが!。マジアがハイドラ部族軍の艦隊を攻撃している!。」
真っ赤な甲殻をまとった巨大兵曹がゆっくりと立ち上がる。
眩い巨大な放電翼を展開しながら。




