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妖少女  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四節 雪女
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連絡係

 翌日、学校に着くと、教室の前に立っているホウキ頭の男が立ち塞がった。

 本日はさすがに四度目の運命の出会いはなかった。

 ちょっと残念に思う私が居たりするのだが、別に女の子に会いたいと思っているわけじゃない。

 素敵な男の人を期待してたのさ。それなのに、出会ったのがコレかよ。


「よぉ」


「あ……」


 どっかで見た事あると思ったら、こいつ私に告白して振られた……じゃなかった、雪花先輩にラブレター送ろうとしてた奴。

 こうやってよく見てみると、はっ。なんだ所詮なんちゃって不良君の失敗面じゃありませんか。


 そんなんでよくラブレターとか出そうと思ったな。

 ある意味勇者だよ。

 けっ。さっさと振られてしまえ。


「お前が手紙破り捨てたらしいじゃねぇか」


 げぇっ、バレとるっ。

 なぜだ? なぜこいつにアレがバレた?

 私は喋ってないし……アレか、大方よっちー辺りが口滑らしたんだろう。

 全く、本当に節操のない口ですな。

 直接は言いませんよ。私、良い子ちゃんですから。


「まぁ、それはいい。一応読める状態で連絡付いたみたいだしな」


 連絡ついた? ってことは小雪に渡した手紙が雪花さんに辿り着いたことを知ってるのかこの人。

 それってつまり、雪花さん自身から聞いたってこと?

 まさか、まさか雪花さん、こんなヤローの告白を受けたのか!?


 ……ん? 待てよ、ホウキ頭の男ってもしかして……

 そうだ。そこになら繋がりはある。

 だったら……青い髪の女……まさかっ。


「彼女たちに連絡してくれる? 今日の放課後、市民公園」


 私は男にそれだけ伝え、教室へと入って行く。

 男も何も答えることなく、教室前から立ち去って行った。

 私の考え、当ってるだろうか?

 全ては小雪の言葉からの推測でしかない。

 それでも……可能性は高い。




「有ちゃん有ちゃん、聞いたでぇ」


 昼休憩、いつもの如く机をくっつけ食事を始めた私達だったが、よっちーがなんかしたり顔で近づいてきた。

 こういう顔のよっちーはあまり関わりたくない。

 絶対変な事考えてるはずだし。


 私は耶伊香と響子に助けてと視線を送る。

 けれど二人とも即座に顔を逸らしやがった。

 仕方なく、私はよっちーに話を振る。


「で、何かねよっちー」


「ふっふっふ。なんと、真奈香を部屋に入れたそうやないか」


 ニヤリとほくそ笑むよっちー。

 ……なぜそれを知っている?

 いや、真奈香から聞いたのだろう。

 なんかよっちーとは幼馴染だとか言ってたし。


「え? ちょっと有伽ちゃん真奈ちゃんとついに!?」


「ちょ、響ちゃん、違うから。何もなかったですよ。ただ真奈香が家に来たいというから家に上げただけで、話しだけして丁重にお帰り頂きましたがな」


「ほほう。つまり、認める訳ですな。真奈ちゃんを部屋に連れ込んだことを! それはつまり、中で何が起こったのかは本人たちのみぞ知るってヤツやんな」


 ぐっ。よっちーの瞳が不敵に笑っている。

 このままではまた要らぬ伝説が増えてしまう。

 もう、見知らぬ人が女殺しTの新たな被害者として校内新聞に取り上げられるのは嫌なんだ。


 よっちーが噂流したら、絶対T、ついにUと一線を越える!? とか掲載されるに決まっている。

 ただでさえ小雪やら雪花さん関連で話のネタが増えて困ってるのに、これ以上伝説量産してどうするよ!


「まぁ、なんや。折角やしこうなったら真奈ちゃんの家にも向うべきちゃうんかな思うんよ」


「どうしてそういう話になる!?」


 言葉の脈絡が今無かった気がするぞ。

 真奈香の家とか死亡フラグとバッドエンドしか先が見えないし。

 

「まぁ、そのな。真奈ちゃんから、有ちゃんの家に行けたから、今度は有ちゃんに家に来て貰って両親に挨拶してほしいと言われてなぁ。ほら、ウチってば親友に優しい女として有名やん? ここは一肌脱いだろか思ってな」


 親友だと思うのなら私を救ってくれ。


「まぁ、なんや、そういう訳で、真奈ちゃん家行ったってぇな」


「無理だから」


「ええー。なんでぇ!? 私の家来るだけでいいんだよ?」


「いや、マジごめん。行ったら監禁される未来しか見えないし。よっちーはボクを地獄に付き落として真奈ちゃんを犯罪者にしたいのか?」


「いくら真奈ちゃんでもそこまではせぇへんって」


「そうだよ。いくら私でも有伽ちゃんを監禁なんて……監禁……うふ。えへへ……」


 真奈香さんが涎垂らしながらトリップした。

 怖い。なんか背筋がゾクゾクしだした。


「……あー、その、なんやぁ有ちゃん。ウチが悪かった」


「分かればよろしい」


 未だ真奈香が返って来ないが、放置してしまっても良いだろう。

 それよりも、刈華だ。

 呼びだすのはいいし、説明は隊長に任せるべきだろう。

 でも、私としては隊長に丸投げするのだけは出来ない。

 なんとか隊長の助けができるようにしないとね。


 自分で作った野菜弁当のキャベツを丸かじりしながら、放課後の話し合いに付いて考える私だった。

 ちなみに、この野菜弁当の構成は、キャベツ半玉、玉ねぎとネギの野菜炒め。ニンジンしりしりで構成されている。

 え? ご飯? 白いお米? 何ソレ、食べれるの?

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