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探偵紳士と人魂ツバメ・プロローグ
別に友人な訳じゃなかった。
別に愛しいほどに好きではなかった。
別に面識らしい面識も大してなかった。
だけど……
疑問だったから――探した。
好奇心猫を殺すと言うけれど、
わたしに好奇心を押し殺すなんてできないから。
そして、知ってしまったから。
気付いてしまったから。
誰が一番悪いのか。
誰が、あの人を殺したのか。
だから……
わたしは、
わたしの進むべき道を、
過酷で絶望的な道だと知りながら、
進んでいくことを、
決めたんだ――――
後悔は沢山あるけれど、
未練も沢山あるけれど、
あの人の想いにだけは応えたい。
わたしは……
魂を導くものだから。




