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悪役令嬢は断罪回避に尽くします  作者: 夜桜 舞
1章 幼き日の悪役令嬢

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7話 悪役令嬢とお勉強

「いやだ、やりたくない。私、勉強したくない」

「わがまま言ったってやんなきゃいけないんだから、ちゃっちゃとやった方が楽でしょ」


どちらがお姉ちゃんかわからないようなルイシュアの発言に、私はプイっと机から顔を背ける。


私とルイシュアは今、5年後の魔法学園入学に向けて勉強会を開いていた。


しかし、ルイシュアは自頭が良いらしく、私が頭を抱えた問題に「これぐらい簡単に解けるでしょ」と言われた時は、反射的に裏切り者! と叫びそうになってしまった (もちろん我慢したよ!?)。


元々前世からの勉強嫌いもあるのだろうが、何よりも、この世界で求められるレベルが非常に高い。もうやだ、勉強なんてやりたくない。そもそも、勉強を喜んでやるような人間、この世に存在するのだろうか?


「……ねぇ、ルイシュア」

「なあに?」

「私ってこれでも侯爵令嬢じゃない?」

「これでもね」

「侯爵家って身分はかなり高めじゃない?」

「まぁね」

「すなわち、勉強なんてしなくても、私の今後の人生なんて保障されたようなもんなんだよね」

「すまし顔でとんでもないこと言わないでよ」


ほれ、勉強とルイシュアに促され、私は渋々筆を持ち直す。


「はい、じゃあ僕が適当に問題を出すから、紙に書きだしてって」

「了解です……」


まるで先生ポジションのような佇まいのルイシュアに納得がいかず、お姉ちゃんは私なのにと思いながらも、ルイシュアの問題文に耳を傾ける。


「第一問。現在のアリメシア王国の第一王子は?」


アリメシア王国とは私たちが住まう国の名前であり、アリメシア王国の王族がまほ王の舞台である魔法学園を運営している。


そして、そんなアリメシア王国の第一王子はまほ王のメイン攻略対象であり、まほ王をやりこんだ私が間違えるわけない!!


「ティルセラ・アリメシア!!」

「様をつけて、様を。一応僕らはティルセラ様に仕える身なんだから」

「……はい」


正解したのに怒られて、シュンとしそうになるが、ルイシュアの言い分が正論なのはわかっているので、気を取り直して次の問題に取り掛かる。


「はい、じゃあ次。光魔法はどの属性の魔法に強い?」

「これは簡単です! ずばり、闇魔法!!」

「正解。次、風魔法は何魔法に強くて何魔法に弱い?」

「水魔法に強くて炎魔法に強い!!」


よくよく考えれば風が水に強くて炎に弱いとか意味が分からないが、ゲームの開発者にしかその真相は分からないだろうし、私が考えたって結論は出ないだろう。


「正解。次、アリメシア王国の初代国王の名は?」

「…………」


初代国王……なんだっけ。ゲームではティルセラルートで1、2回ぐらい、名前だけ出ていたはずなんだけど……。


「ライリア・アリメシア……様?」

「おぉ、正解。適当な名前をほざくと思ってた」

「……ま、まぁ、これぐらい、私にかかれば朝飯前だよ!!」


冷や汗をダラダラと流しながら、私は調子に乗った発言をかますが、ルイシュアの冷めた視線が痛い……。


「まぁ、いいや。じゃあ、次。アリメシア王国初代王弟の名前は?」

「……………………」


し、知らねぇ……!!


初代国王の名前はゲームにも登場したから分かったけど……。ゲームに登場すらしない王弟の名前なんてわかるわけないじゃん!!


「……ギブで」

「は~い。正解はイレイヤ・アリメシア様。テストにもよく出る問題だから覚えた方がいいよ」

「……はい」


ルイシュアのありがたい助言を聞き入れ、私は紙にさらっとメモをする。


イレイヤ、イレイヤ……淹れ嫌…………。だめだ、変な覚え方をしそうになるから、頭の中で繰り返すのはやめよう。


「ジャンジャンいくよ。次の問題は……っと」


勉強会は、まだまだ続く……くそっ、早く終われよ!!!






「ねぇ、ルイシュア。ここ最近、ずっと勉強続きじゃない?」

「うん、そうだね」

「だからさ、少し体を動かすためにダンジョンにでも……」

「僕は知ってるよ。姉さんが毎日、夜な夜なダンジョンに行ってるって」

「……」


ジト目のルイシュアから顔を背けるように本へと向き合う。


あぁ、昼間っから人目をはばからずにダンジョンに行きたいなぁ……あれ? というか、いまだルイシュアからレベルやステータスについて聞けていないような……。


まぁ、今聞いてみたって答えてはくれないだろうし、無理に聞き出す必要もないか。


「姉さんはさ、もっと危機感もったら? たしかに、学園入学まではあと5年もあるけど、きっと5年なんてあっという間だ。加えて、あの信用できない両親たちなら、血のつながりなんてお構いなしに、僕らと絶縁するかもしれない。だから、姉さんも侯爵令嬢だからって調子に乗ってると、絶望する未来が待ち受けているかもなんだよ?」

「はい……ごもっともです」


ルイシュアの言葉は反論を見いだせないぐらい正論だった。


それに、もしも私が断罪されて王都から追放された後、物理的な力だけではなく知識も役立つ場面があるかもしれない。だから、勉強をしても損はない。それは分かっているのだが……。


それはそれとして、勉強すんのはめんどくさい!! ……我儘すぎるな。もっとまじめに勉強しよ……。

結局、この話で作者は何を書きたかったのか。それを知るために、我々探検隊はアマゾンの奥地へと向かうのであった……。

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