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処刑投票の村に転生しました。僕だけ死に戻りできます

この村の朝は静かで、正確で、残酷だ。鐘が三つ鳴り、広場の石盤に名が刻まれる。多数決で選ばれた“ひとり”が神火に呑まれ、村は昼を迎える。
転生早々、その理不尽に投げ込まれた僕には、ひとつだけ救いがあった。処刑者が確定した瞬間、“前夜”に巻き戻る。記憶は残る。失敗は資産になる。
僕は観察する。言い淀み。視線の泳ぎ。パン屋の小麦の配分。祈祷師の指先の震え。井戸のロープの摩耗。ささいな差異が、別の明日を開く。
けれど、このゲームは人狼だけじゃない。石盤は票だけでなく“神意”を集めている。村は舞台で、観客は別にいる。票の流れを正せば人喰いは炙れる。だが、投票そのものが誰かの装置なら?
僕は繰り返す。守れなかった命を守るために。燃えてしまった真実を掬うために。煤けた寿命と引き換えに、たった一度の“正しい朝”へ辿り着くまで。
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