ユウジ
「はぁ……はぁ……」
(汗を拭いながら、荒い息を整える。)
「おい、お前ら……まだ燃え尽きてへんよなぁ?」
(フロアから「Uooooohhh!!」の声)
「ハッ、せやろ? そんくらいじゃ終われへんやんなぁ?」
(少し笑って、マイクを傾ける。)
「俺らな、今まで何回もぶっ壊れてきたんや。うまいこといかん時も、しんどい時も、もうアカンって思う時もあった。」
「せやけどな――」
(照明がゆっくりと赤からオレンジへと変わる。)
「それでも、立ち上がるって決めたんや」
(静かに、けれど力強く言い切る。)
「タクミも、光也も、ケンゴも、そして俺も……俺らが、もう一回ここに立てたんは、お前らがおったからや。」
(フロアのあちこちで、拳が上がる。)
「この曲は、そんな俺らの決意の曲や。」
「何回でも蘇る。何回でも叫ぶ。何回でも立ち上がる。」
(ひと呼吸置いて、ニヤリと笑う。)
「せやから、お前らも一緒に来いや! 飛べるかぁ!?」
(マイクをタクミに託し、背を向ける。)
「最後の曲や――!」
「『PHOENIX』!!!」
(ギターが閃く。轟音がフロアを飲み込む。)
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