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第26話 信西の首

藤原信頼が打倒信西のために各地から兵を集めている。源氏の棟梁源義朝にも怪しい動きが見られる。騒乱を起こさないために翻弄する優たちであったが...

朝廷にて


「何?この都で戦が起きるとな?」


「はい。各地の武士がとある貴族の館に集まっております、上皇様。」


保元の乱の後、後白河天皇は天皇の位を二条天皇に譲り、自身は上皇とした権勢を振るっていた。


「して信西よ、一体誰が反乱を起こすというのか?」


「藤原信頼でございます。今彼奴は私の存在が邪魔でしょうがないでしょうから。それに源氏の源義朝も私に恨みを持っているそうです。」


「信頼がそのような大層なことをするだろうか。可愛がってあげているが反乱などとてもとても...」


「いえ、上皇様、彼奴は欲深い人物です。気を付けてくださいませ。」

「できるだけ御所の警備を固めることをお勧め致します。」


「...そうだな、頭に入れておこう。」



義朝の館にて


「えぇ!?父上がいない?」


「義朝さんどこいったか知らないか頼朝?」


「父上は確かあ、藤原...信頼?の館へ行くと言っておりましたがどうかされましたか?」


「不味いなぁ....父上やる気満々だよ、重盛と戦わなければいけないのか?」

「流石に幼馴染とは戦いたくないって....」


「???何かあったのですか?」


「(そうか頼朝はまだ今回の騒動についてまだ知らないのか)なぁ頼朝、一応聞くが初陣って済ましてるか?」


「いえ、まだですけど...」


「....明日から稽古をより一層厳しくする。覚悟しておけ。」


「えぇ...わかりました。」


数時間後 とある雑木林にて


「おう、やっときたか重盛。」


「一体何なんだよ、今夜中の二時やぞ。」

「しょうもない事だったらお前の玉を一つ潰し...」


「単刀直入に言う。父上が戦を起こすつもりだ。」


「....まじ?」


「まじ。狙いは恐らく信西だろうなぁ。」


「........信西殿を討ち取るとなると父清盛が黙っていないな。それに仮に父が旗揚げするとなると俺も出陣しなければいけなくなる。」


「そうすると自動的に源氏と平家は戦うことになる」

「負ければどちらかは滅びる....」


「ねぇ優、未来から来たんだろ?この後戦が起きるかわからないの?」


「悪いけど覚えていないな、ゴメンよ。」


この時もしも俺が現代の記憶を忘れずにいたら歴史は変わっていたのかもしれない...


「とりあえず数日後俺たち平家一門は熊野詣に行くから、起こるならその間だろうな...」


「...平家がいない間に信西を討ち取るか、現実的ではあるな。」


「義平、これはあくまでも俺の予想だけど義朝さんは絶対負ける。」



「何故ですか?」


「仮に信西を討ち取っても、その取り巻きをどうにかしないと勢力図は大して変わりはしない。それに信西は上皇様の右腕だ。いくら可愛がっている信頼でも信西を討ち取ればタダでは済まない。」


「あぁ。それに勅命でも無い限り信西殿を討ち取るのは大義がない。この襲撃が成功しても直ぐに討伐されるのが目に見える。」


「フゥーーっ。父上、頼むから変な気だけは起こさないでください...」


藤原信頼の館


「では決行日は平清盛が熊野詣に行く日にちで調整を....」


「我ら源氏は私と息子の義平、頼朝も同行させます。信頼様、ご心配なく。」


「ンふふふふ、これで信西の時代も終わり、義朝、父や弟の仇を取れて良かったのぉ」


「信西は信頼様同様我ら源氏を蔑ろにしてきました。この絶好の機会逃す訳には行きません。」


「しかし信頼殿、勅命でも無い限り我らに大義はございませんぞ。」


「安心せい源頼政、ちゃんと策はあるぞ。」


この数日後藤原信頼は打倒信西のため大胆な行動にでる。そしてその騒乱は平安時代最後のクーデターとなるのだ...


数日後


「義平、頼朝、それに優殿こちらへ。」


「...どうされましたか父上。」


「先程平清盛一行が熊野詣へと出かけた。この好機を見逃す訳にはいかん。」


「義朝さん、まさかそれって....」


「あぁ、我々は藤原信頼殿と協力し信西を討つ。そして反撃に出るであろう平家一門を打ち破り源氏の世を作るのだ。」


時間は誰にも戻せない

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