1,もう戻らない日常
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私は、冬美中学校に通う一年生。私のクラスである一年二組は、一人一人個性が強く、明るい。その中でも、目立つ程明るい3人は、この学級のムードメーカーだ。
しかし、あの日から私たちのクラスは明るさをなくした。
あの日、クラスメイト3人が、ムードメーカーが死んでしまったあの日。
『また明日ね!』
そう言って別れたあの子は、その日のうちにいなくなってしまった。
私たちだけを残して。
担任の先生も私たちの保護者も揃って心配するほど、明るさがなくなり、教室には重い沈黙が降り立っていた。
「なんで死んでしまったの?」
静かな教室でクラスメイトの誰かが呟いた。
その問いには誰も答えず、ただ、悲しそうな表情をうかべた。
「3人に会いたいよぉ…」
西尾が言う。3人と仲が良かった西尾はポロポロと溢れてくる涙をぬぐいながらそう言った。
『かわいそうに…』
「えっ⁈」
西尾が驚いた声を上げた。
「…い、今の、何⁈…」
みんなも声が聞こえていたのか、あたりを見回して声のするほうをさがす。
『私が力を貸しましょう!』
「ど、どういうこと⁈」
チラッとみんなを見て見るが、声を出した人はいないみたいで、私と同様にみんなも戸惑っているみたいだった。
「…それって…また、みんなと会えるって…こと…?」
声の主は、『ウムッ』と言った。
教室の地面が光り出す。きりが出てきて、前が見えずらくなった。
『3人に会えるといいね』
きりの中から声が聞こえなくなり、さらにはきりがなくなると、私たちは教室ではなく見たこともない知らない場所の竹林の中に立っていた。
「どう、なっているのに?」
「さっきまで教室だったはずなのに…いてッ!」
竹の折れていて鋭かった部分が刺さり痛くなって反射的に指を引っ込める。
みんなも竹を恐る恐る触り、現実かどうかたしかめる。
「お前たち、何者だ!」
竹林の中から鎧を着て、やりを持った人が3人現れた。
「ど…どうなってるのよこれはぁ⁉︎」
西尾が訳がわからないと首を振り、考えるのをやめようとため息をついた。
私は目の前の人を見て、ゴクリと息を呑んだ。
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