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4話「目覚める力」

ゴーレムとなった俺、良太郎と、

ゴーレムの主マリーネは王国

アストレアの森で凶暴なモンスター、

バーサークウルフを討伐するクエスト

を無事クリアした。のだけれど……。


「ウォォォォォン!!」


俺達の前に、バーサークウルフよりも

強いモンスター、タイラントウルフが

現れたのだ……。


「マリーネ!このモンスター

ティアマトの子でしょ?ティアマトの

子って普通のモンスターより強かった

りしないの?」


俺はマリーネにそう聞くと彼女は


「稀に普通のモンスターよりも力や

魔術が優れてるモンスターが生まれて

くる事はあるわ。だから気をつけて!」


と返した。このモンスターに、俺達は

勝てるのか?


「グルルルァ!!」


その時、タイラントウルフが

唸り声をあげながら俺達に向かって

きた。


「ここは私が!フレイムバレット!」


タイラントウルフの行動に対して

マリーネが敵の前に立ち塞がり、

杖を敵に向けた。そして彼女は

フレイムバレットと叫び、炎の

弾、フレイムバレットを敵に

放った。


「グォン!」


フレイムバレットは見事に敵の

頬に直撃。敵はその衝撃で怯み、

後ろに飛び退いた。


「マリーネ……頑張って!」


俺はというと、ただマリーネを見守る

事しかできなかった。当然の事だ

けど、俺はモンスターとか、魔術とか

とは無縁の世界で生きてきたので、

戦闘経験0の俺があのモンスターと

戦っても勝てる自信が無い。


そしてマリーネは2度目の攻撃を

しようとした。しかしその時……!


「まだまだ!フレイム……え!?」


「グルルルルル……!」


タイラントウルフの周りに突如黒い

霧のようなものが現れた。敵はとても

禍々しいオーラを放っている。


「マリーネ!あれは一体!?」


「私にも分からないわ!タイラント

ウルフの生態は図鑑で見た事あるけど

……あんなの知らないわ!」


俺は咄嗟にマリーネにあの霧は

何なのかと聞くが、マリーネにも

その正体は分からないそうだ。

……もしかして、タイラントウルフが

ティアマトの子だからか?あいつは

普通のタイラントウルフじゃない

……だからあんなものが……!?


「とにかくやるしかないわ!

フレイムバレ……!?」


放っておいたら何をするか分から

ない、俺もマリーネも同じことを

考えていたのか、彼女はフレイム

バレットを撃つべく、杖を構えた。

しかし、タイラントウルフの放った

霧の中から、黒い触手が飛び出し、

その触手がマリーネの杖に絡み

ついた。


「グルルァ!!」


そして、触手で杖を捕らえた

タイラントウルフはその杖を遠くに

ほおり投げ、マリーネを無力な状態

にした。


「杖が……!」


「マリーネ……魔術って杖が無いと

できないの?」


「杖を使わなくても使える魔術は

あるけど、アイスバレットとか

フレイムバレットみたいな攻撃魔術

は杖が無いと威力が落ちるわ……!」


俺がマリーネの後ろから彼女に

質問をすると、彼女はその答えを

教えてくれた。


「グルルルァ!!」


その時、無防備な状態のマリーネ

にタイラントウルフが襲いかかろう

とした。今の彼女は攻撃力を

削がれた状態だ……俺が助ける

しかない!戦闘経験0?そんなの関係

ない……!俺がやるしかないんだ!


「うおりゃー!!」


俺はタイラントウルフと戦う覚悟を

決め、敵が標的にしてるマリーネの

前に立ち塞がり、向かってくる

敵に回し蹴りをお見舞いした。


「リョータロー君!?」


そんな俺にマリーネは少し驚いている

ようだ。俺が蹴りを食らわせた

タイラントウルフは軽く吹っ飛び、

後ろの木に体をぶつけた。


「リョータロー君……いける?」


マリーネは俺にそう聞いた。


「俺がやるしかないでしょ……

任せて!」


俺は拳を構えてマリーネに答えた。


「グルルァ!!」


その間に態勢を立て直したタイラント

ウルフは、またも黒い霧を体から

吹き出し、その霧の中から黒い

触手が俺に向かって伸びた。


「うわっ!?」


その触手は俺の右腕に絡みつき、

右手を強く縛り付けた。でも、

負けていられるか!


「このっ!」


俺は触手をなんとかできないかと

思い、拘束されてない左手の先を

ピンと立てて触手に振り下ろした。

すると手刀は上手いこと触手を断ち

切り、俺の右手は自由となった。


「今度はこっちの番だ!」


俺は相手を倒すべく敵に向かって

いき、右手の拳を腹の横に構えて

敵の顔に一撃を叩き込もうとした。


「おりゃー!!」


俺は右手を大きく振りかぶり、敵の

横っ面にパンチを与える事に成功

した。


「その調子よリョータロー君……

あれ?確かこの前本で……。」


その時、マリーネは後ろで何か

呟いていたけど、戦いに集中してる

俺にはそれがよく聞こえなかった。


「どうしたのマリーネ?」


俺がマリーネに質問すると、彼女

は手を出して俺を自分の方へと呼び

寄せた。


「何?マリーネ……」


「リョータロー君。ある事を思い

出したわ。この王国の科学者が

自分の研究した物についての本を

出版したの。それを私は買って

読んだのだけれど……」


「グォォォン!!」


その時、マリーネの話を遮って

タイラントウルフが触手で俺の首

を捕らえた。


「リョータロー君!!」


マリーネは咄嗟に俺の名前を叫んだ。

……しまった……!首を……このまま

首を捩じ切られでもしたら……!


俺はさっきのように触手を手刀で

切ろうとした。しかし……


「ふんっ!……な!?……切れない

……!」


触手はさっきのように切れな

かった。よく触手を見てみると、

なんとその触手は、複数本の触手が

絡み合って1本の太い触手となって

いたのだ。


一体どうしたら……何かできる事は

無いのか……!?俺は自分に何か

できないのか、と必死に考えたが、

魔術が使えないのではどうしよう

も無い。でも諦める訳には……その

時。


「リョータロー君!右手を突き

出して!そして魔術を使って!」


……え?マリーネ、さっき俺は魔術が

使えないって言ったのに、魔術を

使えだって……?


「さっきの学者の話だけど、その人

は、「人の魂は魔力の塊である」

っていう説を唱えていたの!ゴーレム

に魂は無いから魔術を使えないけど、

リョータロー君の魂はゴーレムの中に

あるのでしょう!?だったら魔術が

使えるかも……!」


マリーネ、それ本当!?だったら

……!


「ハッ!」


俺は敵に首が捩じ切られる前に

急いで右手を敵に突き出した。

すると、なんと右手から、三日月

状の刃が飛び出し、触手を細かく

切り刻み、そのまま敵の方に飛んで

いき、その鋭い刃はタイラント

ウルフの首を切り落としたのだ。


「で……出た……!」


「やったわねリョータロー君!」


魔術を使えて驚く俺にマリーネが

近寄り、嬉しそうにやったね、と

言った。


「マリーネ……今の魔術は……?」


「飛翔する刃を飛ばす魔術、

スラッシュショットよ。よくできた

わね!あの本の説は正しかった

のよ!」


マリーネは笑顔でそう言っている。

まあとにかく、この場を切り抜けた

から、結果オーライか……。これで

クエストは無事達成だね。






おまけ

Go!Go!ゴーレム!


良太郎とマリーネは、まだ見ぬお宝

を求めて王国アストレアの地下

ダンジョンに潜入していた。しかし、

骸骨モンスター、スケルトンが彼らの

道を阻む……!


マリーネ「アイスランス!」


しかし、モンスターの危険度を測定

する、通称「モンスターレベル」で

言えばスケルトンのレベルは1番下の

獣レベル、それに対してマリーネの

冒険者としての階級は、かなり

強い2級冒険者だ。当然、スケルトン

が束になってもマリーネに勝てる

はずも無く……


「アイスバレット!フレイム

バレット!まだまだ!アイス

ランス!」


マリーネが魔術を連発するだけで、

スケルトンはその攻撃魔術を食らい、

粉々に砕け散るのだった。


良太郎「凄い……あっという間に

スケルトン達が……!」


マリーネの圧倒的力を見て驚く

良太郎。マリーネは、スケルトンと

戦った部屋の中であるものを

見つけた。それは……。


マリーネ「見てリョータロー君、

宝箱よ!」


そこには、宝箱が1つだけ置かれて

いた。2人はそれを開けてみる事に

した。


良太郎「宝箱か~、ワクワクする

な~!」


マリーネ「じゃあリョータロー君、

開けてみる?」


良太郎「え?でも俺何もしてない

し……マリーネの方が頑張ってた

じゃん?」


マリーネ「別にいいわよ。宝箱

を開けるべきなのは1番頑張った

人、だなんてルール無いもの。」


良太郎「本当?じゃあ……いくよ?」


そうして、良太郎は宝箱を開いた。

鍵は閉められていなかってので、

楽に開ける事ができた。そして

宝箱の中身は……。


良太郎「赤い……宝石……?」


マリーネ「これは……スカーレット

宝石ね!売ればかなりの金額になる

わ!やったわね、リョータロー君!」


良太郎「うん……これでこの地下

ダンジョン攻略は成功、って感じ

かな?」


マリーネ「ええ!」


そうして、2人はスカーレット宝石を

手に、地下ダンジョンを後にした。

その後スカーレット宝を質屋に持って

いくと13500ラルクで売ることができ、

マリーネはオシャレな洋服を、

リョータローはゴーレムの関節の

動きを滑らかにする為の潤滑油を

買ったんだとか……。



この度はこの作品を読んでいただき

ありがとうございました!この作品

を書くことを決意したのはもう

2年ぐらい前になります。それから

最初は展開も行き当たりばったりで、

ストーリーを書くのも直感で小説を

書き始め、それから設定や

キャラクター像をしっかり練ってから

自分の作品を何度も書き直し、今に

至ります。これからも日々精進して

いこうと決めたので、これからも

よろしくお願いいたしします!

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