32話「見えぬ瞳」
俺とマリーネは、セリエと
共に東の王国ミズノエにやって
来た。この国の村近くに現れた
人喰いモンスター、シーグール
を退治する為に。
「あ……言い忘れてたけど……
私……目が……見えないの……。」
カノト村へ向かって歩いている
俺達は、セリエからそう
言われた。この人盲目なのか
……でも、アニメや漫画だと
盲目のキャラってかなり強い
んだよね?もしかしてセリエ
も……?
と俺が考えている内に、俺達は
カノト村の門の前に来た。門の
前には門番の男性が2人いる。
門番さんはセリエの顔を見ると、
俺達に声を掛けてきた。
「セリエちゃんじゃねぇか!
その2人は?」
門番さんのうちの、老けてる方の
男性がセリエにそう聞いたので、
俺とマリーネは名前を名乗った。
「俺、ゴーレムのリョータロー
です!よろしくお願いします!」
「マリーネ・エリダヌスです。
セリエの友人です。」
と、ちょっとした自己紹介をした。
「あんたらもしかして冒険者
かい?」
そしたら若い方の門番さんが
そう聞いてきたので、マリーネ
が「はい」と言って頷いた。
「そうかそうか!もしかして
シーグールを討伐しに来たの
かい?」
老けた方の門番さんのその質問に
対しても、マリーネが「そうです」
と答えた。
「そうか!ありがとよ!」
マリーネの答えを聞くと、若い方の
門番さんがそう返した。
「さぁ、入りな3人とも!村長
さんに会いに行くといい!」
老けた方の門番さんはそう言うと、
門の扉を開けてくれた。
「ここがカノト村か……。」
初めて来る村を前にして、俺は
思わずそう呟いた。
石造りの建物が並んでいて、
人の数は流石にアストレアの
王都レガーの方が多いかな。
「さぁ……村長の所へ……
行きましょう……。」
「村長さんには挨拶しておかない
といけないからね。」
セリエの言葉に、マリーネが
そう返し、それにセリエは
「それも……そうだけど……
村長は……私の……義理の父親
……でもある……。」
と答えた。2人は義理の親子なの
か。そりゃセリエはティアマトの子
だから、本当の親はいないんだ。
そうして、俺とマリーネはセリエ
に案内され、村長さんの家にたどり
着いた。
セリエが玄関のベルを鳴らすと、
中から30代ぐらいの女性が
出てきて、セリエの顔を見るなり
嬉しそうな表情を浮かべた。
「セリエ!久しぶりね!」
と女性が言って、セリエに
抱きついた。
「アリアお姉ちゃん……
人前なんだよ……。」
それに対して、セリエは恥ずかしげ
な表情を浮かべていた。この人は
アリアさんって言うのか。
「あら?この人達は?」
「私の友達の……マリーネと
……ゴーレムの……リョータロー
……。」
アリアさんは俺達の事をセリエに
聞き、彼女は俺達の名前をアリア
さんに教えてあげた。
「シーグール討伐クエストを
受けて来ました。よろしく
お願いします。」
とマリーネはアリアさんに言った
ので、俺も
「マリーネの相棒のリョータロー
です!よ、よろしくお願い
します!」
と挨拶した。相棒って言ったけど
合ってるのだろうか……。
「村長に……カイさんに……
挨拶しに来た……。」
そして、セリエがアリアさんに
そう言うと、アリアさんは俺達
を家にあげてくれた。
ゴーレムを家にあげてくれる
なんて……ゴーレムってこの世界
では割と普通の存在なのかな?
アリアさんは俺達を村長さんの
いる部屋に案内してくれた。
「貴方、セリエと、それから
シーグール討伐をしに来た人達
が来たわよ。」
アリアさんは村長の部屋の扉
を開けて村長にそう伝えた。
貴方って呼び方……アリアさんは
村長の、カイさんの奥さんって
事かな?
「入りなさい。」
と、部屋の中から村長の声と思しい
声が聞こえたので、セリエから先に
部屋に入り、その後でマリーネ、
俺の順で部屋に入っていった。
村長さんの部屋には本が沢山ある。
何をしてる人なんだろうか。村長
さん本人は椅子に座って机の上の
書類を眺めていた。着てるのは
白衣で、見た目は医者っぽいな。
「シーグール討伐依頼、引き受けて
くれてありがとう。」
村長さんは俺達の顔を見てそう
言い、俺達をソファーに座ら
せ、自分もソファーに座った。
「今、お茶沸かしていますからね。」
アリアさんはそう言うと、部屋を
後にした。その後、マリーネが
気になっていた事を村長さんに
質問した。
「教えてください村長さん。
何故ミズノエのクエスト依頼書
がアストレアにあったんですか?」
とマリーネは村長さんに聞いた。
それに対して彼はこう答えた。
「それは……ミズノエの冒険者は
謎の敵にやられてしまって、シー
グールを倒せる冒険者がいなく
なってしまったからだよ。」
との事だ。謎の敵に……冒険者
が?まさか……影の一味?
ミズノエにも、影の一味の魔の手
が……?
「シーグールが現れたのが1週間
前。その時直ぐに私は王都に
クエスト依頼書を送ったのだが、
クエストを引き受ける冒険者は
来なかった。
冒険者が来ない理由が気になった
私は王都へ向かった。その時既に
……王都のギルドが謎の敵の手に
よって瓦礫の山と化していた
のだ。」
と村長さんは説明して、アリア
さんが持ってきたお茶を1口
飲んだ。
「だからアストレアにクエスト
依頼書を送ったのですね。」
とマリーネは村長さんに聞き、
彼は「そうだ」と答えた。
「だったら……シーグールは
俺達に任せてください!一匹
残らずこの村には手出しさせ
ません!」
気づいた時には俺は立ち上がり、
村長さんにそう宣言していた。
つい勢い余ってこんな事をして
しまったんだけど……。
「そうか、なら冒険者である
君たちに任せるとしよう。」
村長さんは俺の手を握って、
そう言ってくれた。俺はこの時
思った、この人の期待に答え
たい、と。
「私も頑張ります!シーグール
討伐、任せてください。」
「私も……最善を……尽くす
……。」
マリーネとセリエも、俺に続いて
そう宣言してくれた。
この3人で、この村を守るんだ
……!
こと度はこの作品を読んでいただき
ありがとうございました!この作品
の登場人物であるセリエ・ミカヅキ。
彼女の名前の由来は、彼女は目が
見えないという設定で、目は英語で
eye。それを人の名前っぽくなる
ように弄ってセリエにしました。
姓は、彼女の生まれた国では、
日本語に似た言葉が使われてる
のでミカヅキという姓がある、と
いう設定です。これからもよろしく
お願いします!




