22話「探す希望」
王様に集められた俺や冒険者達。
王様の話は終わり、ゴーレムである
俺共々昨日の戦いの功労者である
冒険者達は報酬金、7000ラルクを
貰い、その場から解散する事と
なった。
「いや~王様の話長かったな~!」
あくびをして王様への不満を
零すドラコの頬を、タウラスが
お仕置と称してつまみ上げた。
「お前さっき王宮で寝てただろ!
国王を前にしてグースカ眠れる
奴なんてお前ぐらいだよ!」
「だ、だって王様の話長くて
退屈だったも~ん!」
タウラスの言葉を聞いてもなお、
ドラコは反省していない様子だ。
それを聞いたらタウラスだけで
なく、ベルも怒りを顕にした。
「アンタが何かヘマやらかして
怒られると、私達も連帯責任で
罰を受ける事になるのよ……?」
そう言うベルの顔はかなり剣幕
な表情をしていた。
「まぁまぁ、そう怒るなよ
2人とも!」
そこにガオレオが割って入り、
タウラスとベルを制止した。
「それよりも…これから…
どうする…?」
皆にそう聞くセリエさん。俺と
マリーネにはやる事があるから
……今からそれをする?
「マリーネ、これからどうする?」
「お師匠様探し、やると決めたから
には今すぐやるわよ!」
マリーネはとてもやる気に満ちて
いる。彼女がそう言うなら、俺も
手伝おう。あ、そう言えば……。
「あの皆さん、皆さんはイブさん
の事知ってるんですか?」
俺は気になっていた事をタウラス
達に聞いてみた。昨晩の会議の時
は「イブって誰?」なんて言ってる
人はいなかったし。
「もちろん知ってるぞ。イブさんは
私達に魔術や戦闘の訓練をしてくれた
人だからな。」
ソレイユさんは自分達とイブさんの
関係を話してくれた。なるほど、
イブさんがこの人達を鍛え上げたと
いう事か。
「イブさんはめっちゃ強くてな、
神獣レベルのモンスターを1人で
容易く倒しちまうんだ!」
今度はガオレオがイブさんの事を
語った。神獣レベルは確か
モンスターの危険度の中で上から
2番目の強さを指すレベルだっけ?
「あの人…2年前…私達の前から
…姿を消した…。」
セリエさんが言うにはイブさんは
2年前に消えたそうだ。
「本当?マリーネ。」
「ええ。あの人は2年前、突然
「お前はもう私がいなくてもやって
いける。もうお前に教える事は
無い。さよならマリーネ。何も
詮索してくれるな。」って言って
私の前から姿を消したの。」
俺がマリーネに確認すると、彼女
はそれで合ってると答えた。でも
本当にその理由で合ってるのか?
実は本当の理由があるのかも……
一体何故イブさんはマリーネや皆
の前から姿を消したんだろうか。
「お師匠様は詮索するななんて
言ったけど、私達にはどうしても
お師匠様が必要だわ。私はこれから
王都でお師匠様の居場所を知ってる
人がいないか聞いて巡るわ。
リョータロー君はどうする?」
俺は……。
「確かマリーネの家に本が沢山あった
よね?それを読めばイブさんの居場所
が分かるかもしれないから、本を
読んでみるよ。」
まぁ、俺にできる事といったらこれ
ぐらいしかない気がするけど、
無駄じゃないと信じたいな。
「そう、じゃあ任せたわよ!」
マリーネは俺に本による情報収集
を任せてくれた。
「じゃあ頑張れよ!マリーネ!
リョータローのダンナ!」
ガオレオはそう言って俺達に別れ
を告げた。ガオレオと共に他の
冒険者達も自宅に帰っていった。
「じゃあ俺家帰るから。」
「うん、じゃあね!」
俺とマリーネも、別々の行動を
開始した。マリーネの家というか、
俺が目覚めたあの倉庫には沢山の
本が本棚に並べられていた。
あの中にイブさんを探す手がかり
があれば良いんだけど……。
俺は家に帰る途中で、リコや
タウラス、ソレイユさん達が冒険者
をやってる理由を考察してみた。
冒険者は人々の依頼を達成する事で
収入を得られる仕事……あれを仕事と
呼んでいいのかな?まぁそういう物
なんだろうけど、やっぱ皆目当ては
収入かな……でも正義感でやってる
人もいるのかも。
もし俺が人の姿でこの世界に転生
したとしたら……スローライフ?
モンスターのいる世界じゃそんな事
やってる暇無い筈だし。悪役令嬢?
俺男だし……追放されるのは嫌だ
なぁ。となると冒険者をやる他無い
のか?生身の身体ならゴーレムに
できない事あるんだろうけど、
ゴーレムはゴーレムで生身の身体で
はできない事あるからな。
話がそれてしまった。俺に接して
くれた冒険者の人達は皆良い人だ
から、きっと強い正義感で冒険者
をやってるんだろう。そう信じ
たい。俺だってこの世界の人々を
影の一味から守りたい。なら
戦うしかないよな。よし、
頑張ろう!と考えながら俺は拳を
強く握りしめた。
そうこうしてる家にマリーネ宅に
到着。倉庫の中から本を引っ張り
出してそれをじっくり精読しよう。
俺はすぐに倉庫から家に本を移す
作業を始めた。ゴーレムは疲れ
を感じないので沢山の本を楽に
運ぶ事ができた。ゴーレムだから
楽という感覚すら無いのかもしれ
ないけど。
「よし、始めるぞ!」
俺は拳を握りしめて気合いを入れる
ポーズをとり、本の精読を開始した。
まぁこれだけの数の本を1日で読み
終えるのは無理だから、数日かけて
読んでいこう。マリーネも頑張ってる
んだ、俺もやってみせるぞ!
この度はこの作品を読んでいただき
ありがとうございました!最近
小説の話を考えてみて、「この話
良いんじゃないかな」と思ったもの
があったので、その話も小説にして
みたいと思ってます。これからも
よろしくお願いします!




