2話「知る世界」
俺、鬼島良太郎は事故にあって
異世界に来てしまった。さらに
肉体はゴーレムになってしまい……
ゴーレムの主であるマリーネと
共にこの世界を生きていく事を
決めた……。
「リョータロー君!私、冒険者なの!」
「……冒険者……そういうのも
あるのか……。」
やっぱ異世界と言えば冒険者だ
よねー。
「冒険者には4級~1級までと、さらに
強い特級っていう階級があって、私は
2級冒険者!凄いでしょ?」
「2級か~、結構上だね。」
マリーネは2級か、マリーネは
見た目からして……魔術師、的なもの
だろうか。
「マリーネはどうやってモンスター
と戦うの?」
「私はね……いでよ!魔杖
サバーニャ!」
マリーネがそう叫んで右手を前に
突き出すと、彼女の手元に、木製の
細長い杖が現れた。長さはマリーネ
の背丈よりもちょっと短いぐらいの
長さだ。
「おぉ~。」
魔杖サバーニャか、結構良い
デザインの杖だなぁ、と思った。
「これで魔術を使ってモンスター
をやっつけるの!」
「そうなんだね。」
「せっかくだし、リョータロー君に
私の戦ってる所見せちゃおう
かしら!」
そうして、俺はマリーネに言われる
がままに王都に連れていかれた。
俺が目覚めた倉庫を出て初めて
気づいたけど、俺のいた場所は小さな
倉庫で、その隣にマリーネの家が
建てられていた。そして家から
少し離れた所に、この王国アストレア
の王都がある。
王都へ向かう道中で、俺はマリーネに
気になる事を聞いた。
「ねぇ、冒険者ってどんな事
するの?」
それに対してマリーネは答えを
返してくれた。
「えーっとまず、街や村の人達が
ギルドにクエスト依頼書を提出
するの。モンスターを討伐して
欲しい、とか山でキノコを採って
きて欲しいとか、みたいなの。
それをギルドが冒険者に提示して、
そのクエストを受けたい冒険者が
クエストを受ける。っていう
事をしているわ。
クエストをクリアすれば報酬金
がギルドから冒険者に支給される。
といった感じね。あ、モンスターには
危険度に応じたレベルがあって、
低い順から、獣、大獣
竜、大竜、神獣、
神龍って振り分けられてるわ。
モンスターを討伐する時はモンスター
のレベルをしっかり確認して、
自分の実力に見合ったモンスター
と戦う事が大事なのよね。」
なるほど、冒険者にもモンスターにも
レベルがあるから、自分に倒せる
モンスターを選んで戦う必要が
あるんだね。
「ねぇ、神龍レベルのモンスターは
どれくらい強いの?」
俺は気になった事をマリーネに
聞いてみた。
「うーん、1匹で王国を滅ぼせる
……と思うわ。」
え……国を滅ぼせるモンスター……
そんなのがいたら危ないじゃん!
「まぁ、そんなモンスターおとぎ話
の中の存在って言われてる程
目撃例が限りなく0に近いから、
安心して。」
そうかー、良かった。いやでも
「存在しない」とは断言しない
んだね……いつか神龍レベルの
モンスターと遭遇したりして……
なんて思ってみたり。
そうこうしている内に俺とマリーネは
王都を取り囲む外壁に設けられた、
王都への出入口の所まで来た。
そこには出入口を守る男性の兵隊さん
がいて、マリーネに声をかけた。
「身分証を。」
兵隊さんは、マリーネに身分証を
と言って、マリーネは腰に下げて
いたポーチからカードを取り出した。
「マリーネ、それは?」
「これは冒険者カード。自分が
冒険者である事の証よ。身分証
代わりにもなるの。」
マリーネはこれは冒険者カードだと
教えてくれた。
「マリーネ様、どうぞお入り
ください。そちらのゴーレムは
貴方のゴーレムですか?」
マリーネは兵隊さんにそう聞かれ、
首を縦に振った。
「では、ゴーレム様もお入り
ください。」
「あ、ありがとうございます。」
俺は兵隊さんにそう言って、マリーネ
と共に王都の中に入っていった。
「リョータロー君!これが王国
アストレアの王都、レガーよ!」
レガー、それがこの王都の名前だ
そうだ。中世ヨーロッパ風の建装
が特徴的な街だ……。そして、街ゆく
人の中には、顔が動物の人や、
耳が尖った人達がいる。アニメに
出てくる亜人や獣人っていうもの
だろうか。
「さぁリョータロー君、ギルドへ
行きましょう!」
「う、うん。」
そして俺は、街の風景を堪能し
ながら、マリーネ案内の元ギルド
へと歩いていった。歩くこと
10数分程で、俺達はギルドに到着
した。その建物からはギルドの
マークが付いた旗が立っていて、
建物の入口の扉にも、そのマークが
描かれていた。2本の剣が交差して
いて、その上に炎のような模様が
描かれたマークだ。
「ここがギルドよ。」
マリーネはそう言いながらギルド
の扉を開いた。建物の中には
机と椅子が並べられていて、何人かの
冒険者と思しき人達が座っている。
張り紙が敷き詰められた壁が1箇所
にあって、部屋の奥で冒険者っぽい
男の人と、制服のような服を来た女の
人が何か話をしている。
「ここがギルドか……。」
思わず俺はそう呟いてしまった。
「さ、クエスト選びを始めま
しょう。」
「う、うん。」
そうして、俺はマリーネと共に
クエスト依頼書の貼られたクエスト
ボードに向かい、クエスト選びを
始めた。俺でもできるクエストは
あるのだろうか……。
「これはどう?この国の北の村、
ルスタ村周辺に現れたバーサーク
ウルフの群れの討伐。」
マリーネはそう言ってそのクエスト
依頼書を指さして俺に見せた。
バーサーク……ウルフ?名前からして
強そうなモンスターだなー……。
「そのバーサークウルフのレベルは
どれぐらいなの?」
俺はマリーネにバーサークウルフの
レベルを聞いてみた。
「えーっと……」
よく見るとクエストボードの隣には
モンスターと、そのレベルが書かれた
張り紙が壁に張ってあった。
マリーネはその紙を見てバーサーク
ウルフのレベルを確認した。
「大獣レベルね。2級冒険者の
私なら大丈夫!いざという時は
リョータロー君は私が守るから!」
「うん、そのクエストにしよう……!」
マリーネの提案したクエストを
俺は受け入れ、バーサークウルフ
討伐クエストを俺達は受ける事に
した。マリーネはその依頼書を
受付に持って行って、受付の女性
(これがいわゆる受付嬢ってやつ?)
にその依頼書を渡し、こう言った、
「このクエスト、受けさせて
ください!」
と。それに対して受付嬢さんは
「分かりました。クエスト受注金
は300ラルクになります。」
とクエスト受注金を要求して、
マリーネはポーチから財布を取り出し
その中から数枚の硬貨を取り出して
それを受付嬢さんに渡した。
この世界の通貨はラルクって言う
のか……。これでクエスト受注は
完了したのかな?
「さぁ、リョータロー君!バーサーク
ウルフはルスタ村の近くの森に
身を潜めているから、そこへ行く
わよ!」
どうやらクエストは受注されたらしい
ので、マリーネは俺にそう言い、
これで俺達のクエストは始まった
ようだ。
初のモンスター討伐、緊張する
なぁ……。
この度はこの作品を読んでいただき
ありがとうございました!この作品
の序盤はかなりテンポが早くて、
もっと話をふくらませる必要がある
かなーと思ったので、序盤の話は
水増ししようかなーと思いました。
なので序盤のストーリーは改変前
と大分違う物になります。あと、
王国アストレアの王都には名前は
無かったですが、レガーという
名前を名付けました。これからも
よろしくお願いいたします!