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16話「決意る兵器」

俺とマリーネは、王都内の病院

に来ていた。そこには、今朝の

シャナ襲撃によって村人の殆ど

を殺された村、サータニャ村の

生き残りの少年、クレン君がいた。


「その……ごめんなさい!

君の家族を守れなくて……!」


俺はとっさに彼に何を言うべきか

考え、まずは彼の家族を、シャナ

から守る事ができなかった事を

頭を下げて謝った。


「気にしないでください。冒険者

さん達は頑張ったと思います。」


俺の謝罪を聞いても尚、彼は

顔色を変える事は無かった。

これはまるで……。


「君は、家族や村人が死んだ

事が悲しくないの……?」


その時マリーネが、クレン君に

そう聞いた。それを聞いた彼の

表情が、一瞬曇ったように見えた。


「……悲しいに決まってるじゃ

ないですか……さっきこのベッド

の上で起きた時は、悲しみの

あまり泣きましたよ。今朝起きた

出来事は、悪い夢なんじゃないか

って現実から目を背けもしました


……でも、今朝の出来事は全て

現実で起こった出来事で、僕の

家族も村の人達も、もうこの世界

にはいない、そうですよね……?」


クレン君は窓の外を眺めながら

自分の思ってた事を俺達に伝えて

くれた。そんな彼に俺達から

言える事は、ひとつしか無いと

思う。


「クレン君……君だけでも生き

残ってくれて良かった……!俺は

自分が無力だと思った。君が

生き残ったのも単なる偶然なの

かもしれない……けど……


生き残ってくれて良かった……!

……俺、決めたんだ。これから

俺はもっと強くならなくちゃ、

って……。だから俺は、俺達は

君が安心して生きられる世界を

作る為に、あの敵と戦う。


君にとって今日起きた事はとても

悲しい事だよね、だけど……

失った家族や村人達の分も……

君はしっかり生き抜いてくれない

かな。」


俺は俺の胸の内を洗いざらい

クレン君に打ち明けた。これが

今の俺に言える精一杯の台詞だ。


「……分かりました。マリーネ

さん、リョータローさん、もし

俺の家族のように、謎の敵の

危険に晒されてる人達がいたら

……今度こそ、助けてあげて

ください。」


俺の言葉を聞いたクレン君は

俺とマリーネにそう返した。

……うん、今度は負けない!


「分かった、約束する!」


俺はその約束を果たすと、

クレン君に誓った。そして

俺とマリーネは病院を後にした。


「マリーネ、俺のいた世界でも、

人がたくさん殺される事件は

あった。でもこんな身近でそんな

事件を体験するだなんて事無かった

から……正直言ってちょっと怖かった

んだ……。」


俺はマリーネにも、自分の考えて

た事を明かした。


「そう……そりゃそうよね、あんなの

慣れろって言う方が間違ってる

わ……。リョータロー君!私も

強くなる!特級……とまでは行けなく

ても、1級の上段ぐらいの強さには

なるから、必ず!」


マリーネは気合いを入れるような

ポーズをとりながら、俺にそう

言ってくれた。……思い違いじゃ

なければ、俺がクレン君に言った

あの言葉がマリーネにも響いた

……のかな?そうだと嬉しいんだ

けど……。


そして、会議まで時間があるので、

俺達は一旦家に帰った。


「じゃあ、私はお風呂に入るわね。

リョータロー君は好きにしてて!」


マリーネがそう言うので、俺は

家の外に出て、何をして時間を潰す

か考えた。


「うーん、何しよう……よし、

俺は強くなるって決めたからな、

取り敢えず身体を鍛えよう!」


そう決めたものの……俺の身体は

人の身体のように筋肉で構成され

てる訳じゃないけど……この身体、

人のように鍛えられるのかな?

なんか、考えてみると無理な気が

する……。


じゃあ……ゴーレムは外付けの

装備でしか強くなることはできない

……?なら鍛冶屋のグルさんに

装備をドンドン作ってもらう

しか……でもそれではお金がかかる

なぁ……とりあえず、今は持ってる

装備を有効活用しよう!今の俺には

フレイムナックルがある!


という訳で俺は火属性の魔術の

練習をした。練習を続ければ

独自の火属性魔術を使えるように

なるかも?と考え、魔力が尽き

そうになる限界までの1時間ぐらい

の間、魔術の練習を続けた。そして

1時間が経過した時、風呂から

上がったマリーネが姿を現した。


「魔術の練習をしてたのね?」


「うん……ねぇマリーネ、

気になってたんだけど、どういう

原理で無属性魔術しか使えない

俺がフレイムナックルを装備すると

火属性魔術を使えるようになるの?」


俺は気になってた事をマリーネに

聞いた。それに対して彼女は


「フレイムナックルの中にはね、

火山地帯で取れる火炎石って

いう魔石が入れられてて、その

魔石の力で火属性魔術が使える

ようになるのよ。魔石には色々な

属性のものがあるわ。」


と答えた。なるほど、そういう

訳か……。あ、それともう1つ

気になることが……。


「マリーネ、俺はゴーレムだけど、

冒険者になる事はできないかな?」


「リョータロー君が冒険者に……?

どうかしら……ゴーレムの冒険者

なんて聞いた事無いわ……リョータ

ロー君は冒険者になりたいの?」


冒険者になりたいか、かぁ。


「俺が冒険者になればマリーネ

から独立して1人で自由に行動

できるかも、とか?」


「そういう事ね、でもゴーレムには

魔力を供給する主人が必要なのだ

からそれは無理かもね。それに、

ゴーレム1人養うぐらい、私に

とってはどうという事無いわ!

安心してちょうだい!」


と、マリーネは自信を持って答えた。

それなら、しばらくはマリーネの

お世話になる事にしよう。


「さて、もうすぐ会議の始まる

時間だから、王都に行くわよ!」


「うん!」


マリーネは俺に時計を見せた。

時計の針は夕方の6時を示している

……これから俺は特級冒険者会議

に参加するのか、なんか緊張する

なぁ……まだ会ってない特級冒険者

の3人はどんな人達なんだろうか。







おまけ

Go!Go!ゴーレム!


特級冒険者会議の前に、家に帰った

マリーネは、シャワーを浴びて

いた。


マリーネ「ふぅ……久しぶりの

シャワーな気がする……昨日は

シャワー浴びてないから……。」


その時、彼女の頭にある事が

思い浮かんだ。


マ「はっ!?もしかして私……

臭かったんじゃないかしら!?

そんな状態でギルドマスターに

会ってたって事なら……私は

なんて失礼な事を……きっと

リョータロー君も私の事を臭い

と思って……


あ、リョータロー君はゴーレム

じゃない!ゴーレムに嗅覚は無い

わ!それなら問題ないわね!」


彼女の心配は杞憂に終わった。


マ「あ、でもギルドマスターには

嗅覚あるわね……。」


いや、そんな事は無かった……?



この度はこの作品を読んでいただき

ありがとうございました!「決意る 」

と書いて「きめる」と読ませたい。

これからもよろしくお願いします!

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