1話「起きる兵器」
4歳の頃、テレビで見た特撮ヒーロー
が言ってた。
「守るべきものを守る事、それがヒーローの
使命だ!」って。カッコイイ台詞だと思った。
そんなヒーローに憧れて、今日まで俺は
生きてきた。それができれば、最高に
カッコイイヒーローになれるのかな?例えば、
俺みたいなヤツでも……。
「友達がトラックに撥ねられました!
すぐに来てください!お願いします!」
この声は……一真?俺の友達の……。
「良太郎君……しっかりして……お願い……
死なないで……!」
花菜さん……俺は……そうだ……俺は確か……
男の子がトラックに轢かれそうになった
から……その子を庇って俺が轢かれて……全身が
とても痛い……
「良ちゃん!しっかりして!……嫌だ……嫌だよ
こんなの……良ちゃん……!」
この声は……林檎ちゃんか……俺……死ぬのかな
……だったら……最後にせめて……何か……3人に
言い残してから死にたい……
「ぁ……ぅ…………」
ダメだ……声が出ない……そうだ……俺が庇った
男の子は……?
「うぅ……お兄ちゃん……助けてくれて……っ……
ありがと……!」
傷がほとんど無い…………無事みたいだ……。
「…………よ」
「良ちゃん!?」
最後の……言葉を……!
「……良かった……。」
_________________
「起動!」
それが俺が「そこ」で最初に耳にした
言葉だった。
______あ、俺生きてる…………病院の
ベッドの上かな……いや、違うかな……
ベッドの柔らかさを感じない……
「こんにちはゴーレムさん!私が貴方の主人、
マリーネよ!これから一生懸命、私に
尽くしなさい!」
お、女の人が俺の顔を覗いて変な事言ってる。
ゴーレム……?ゴーレムって……最近俺が
ハマってる異世界アニメに出てくるあの……
ゴーレム?
それにこの子金髪で、しかも緑色の瞳をして
いる……ギャル?ギャル苦手なんだよなぁ……
学校のギャル凄く……怖い……(俺高3)
ていうかなんで病院にギャル?
「あのー……誰ですか貴方……。」
「え……?」
ん?俺何か変な事言った?誰かって聞いた
だけなんだけど……。
「私は貴方の主人、マリーネ!マリーネ・
エリダヌスよ!」
え……外国人……?
「あ、えっと、ここは……どこですか?」
とりあえずここがどこなのかマリーネさんに
聞いてみよう
「ここは王国アストレアよ。」
「…………え?」
王国……アストレア……?王都……?何を
言って…………
「!?」
……この腕……なんだこれ……俺の腕なのか
これ……?て……鉄の腕……
俺は起き上がって自分の身体をじっくり
見てみた……俺の身体は……頭のてっぺんから
つま先まで……俺の……鬼島良太郎本来の身体
ではなくなっていた……。身体を叩いて
みると、コンコン、という音が出る。
「俺……ゴーレム……!?」
「貴方さっきから変よ?どうかしたの?」
どうかしたのって言われても……。
「俺……鬼島良太郎……という者なんです
けど……。」
「え……?」
俺の言葉を聞いたマリーネさんはさっきより
も驚いたような表情をしている。
「え……ちょ……どういう事?」
どういう事か……いや……えっと……あー……
うーん……。
「俺……人間なんですけど……ゴーレムに
なっちゃっいましたー……的な?事……
なんですかね……。」
「…………は?」
……マリーネさん凄く困惑してる。俺も凄く
困惑してる。
「ここって……日本じゃない……んですか?」
俺は改めて聞きたい事を聞いてみた。
「ニホン……?なにそれ……?」
うん、やっぱり日本じゃないみたいだ……。
「いや、あの……俺、人間なんです。」
「人間……だったの?」
「はい……目が覚めたら……こんな姿に……。」
どうしよう……俺はこれからどうすれば
いいんだ……?
「あの……俺……どうすれば……?」
「……ちょっと待って……貴方の正体を知る
必要があるわ。貴方……えっと……キ……キジ……」
キジ……?あ、俺の名前かな。
「鬼島……良太郎です……。良太郎って
呼んでください。」
「リョータロー君ね、分かったわ。この辺の
本棚に何か手がかりになる本があった
かしら……。」
マリーネさんは近くの本棚を漁りだした。
それから数十分後、マリーネさんは俺にある
本を見せてくれた。にしてもマリーネさん
の服……とてもファンタジーらしさのある
服装だ……。
「リョータロー君、見て?この世界には、
人、動物、モンスター、あらゆる生命を生み
出す神のような存在、ティアマトっていう
ものがいるの。そのティアマトによって
生み出される生物は、こことは違う世界の
生物の生まれ変わりかもしれない、という
仮説が学者によって唱えられてるわ。」
「な、なるほど……。」
ティアマト、か……よく分からないなぁ……
ていうかマリーネさん、今モンスターって
言ったよね?やっぱ異世界ならモンスター
いるよなぁ。
「つまり、貴方はこことは違う世界から
やってきたティアマトの子って事ね!
……なんでゴーレムになったのかは分からない
けど……。」
「俺が……ティアマトの子……。」
なんか……イマイチ実感が湧かない……。
「あのー……ティアマトってこの世界の何処に
いるんですか?その人(?)に会えば俺の今の
状態を詳しく知る事ができたり……
しませんか?」
「あ、ティアマトはこの世界には存在しない
わよ。」
……え?
「ティアマトはね、こことは違う世界、
つまり異世界とこの世界の狭間にいる、
と言われているわ。何せ何百人もの
人達がこの広い世界を何十年もかけて探
し続けても見つからなかったんだもの。」
「そうですか……それじゃあティアマト
には会えないって事ですね。」
「そういう事ね。」
「あの……俺はこれからどうすれば
良いんでしょうか。突然異世界に
来てしまって……右も左も分からない
んです。俺は一体どうすれば……。」
ゴーレムと化した俺には今何ができるのか、
何をするべきなのか。分からない事は
とりあえず目の前の人に聞いてみる事にした。
「うーん、貴方は私が作ったゴーレムだから
……私の元で生活する?」
「……良いんですか?」
「ええ、もちろん!」
「じゃあ、不束者ですが、よろしくお願い
します!マリーネさん!」
俺は自分が目覚めた大きな机から下りて
マリーネに挨拶をした。ていうかマリーネ
小さいな……いや俺が大きいのかな……?
ゴーレムだし。
これからはマリーネさんの世話になるって
事だよね……頑張るぞ!
「あ、敬語はいいわよ。さん付けもね。」
あ、敬語とさん付けはいいのね。
「あ……じゃあ……よろしく、マリーネ……。」
「ええ、よろしくね、リョータロー君!」
こうして、俺はとりあえずマリーネの世話に
なる事にした。にしてもゴーレムかぁ……
ゴーレムパンチ!とかゴーレムキック!とか
でモンスターをばんばんやっつけたり……する
のかな。俺運動は……できなくは無いけど……
ちょっと心配だな。えーっと……ティアマト
とかティアマトの子とかいう、謎だらけの
ものも解き明かしていけたらなー。
この度はこの作品を読んでいただきありがとう
ございました!この作品は改修に改修を
重ねて、やっぱりまだ改修すべきだと思って
改修しました。まず、キャラの名前を他作品の
キャラの名前を参考にするという事をしてた
のですが、自分の作品のキャラは自分で
決めた方がいいと、知人からアドバイスを
貰ったので、キャラ名は自分で考えた名前
にしました。そして、小説投稿サイトでの
小説の文字数の目安が2000〜3000字と
分かったので、これまで5000字程の
作品を投稿してましたが、2000〜3000字
に変えようと決めました。僕はやり直し
が効きますが、プロの人は1度小説を
世に出したらやり直しは効かないと思う
ので、そういう人達には敵わないなぁ
と感じます。でも、僕は僕なりに頑張って
いこうと思いますので、これからもよろしく
お願いいたします!それと、この作品は
より多くの人に見てもらいたいので、
アルファポリスでも連載してます。