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最後で最大の後始末


 永暦元年(1160年)2月


 こんにちは。ものすごく遠江に帰りたい平重盛です。


 でも、こなさないといけない事がいくつかあります。


 まずは、かねてから話のあった藤原親盛殿の娘、少輔掌侍との縁談。

 親盛殿としてはすぐにでも、という考えだったらしいが、僕が1度、遠江に戻り、向こうの片付けをして京に帰ってきてからにして欲しいとお願いしたところ、今年の4月に婚儀ということに決まった。

 4月でも早すぎると思うのだが仕方ない。


 そして、もう1つのこなさないといけない事が源頼朝の配流先の決定。


 「伊豆はお止めください!」


 清盛パパに談判した。


 「そういえば、以前、源氏を流すならどこにするか問うてきたな。このことを予想してのことか?」


 清盛パパは胡乱うろんげな目つきで僕を見る。


 「いくつか起こりうる状況の1つとして想定はしていました。できれば斬首して終わらせたかったのですが。父上とてそうでしょう?」


 「ふん、まあな。戦場で討ち取っておけば良かったわ。」


 やはり清盛パパも助命はしたものの、できれば殺しておきたかったようだ。


 「で、話を戻しますが、坂東は源義朝が勢力を築いた地。伊豆では義朝の勢力を頼朝が引き継いでしまいかねません。別の地に流しましょう。」


 「ふむ。例えばどこだ?」


 清盛パパが試すように問うてきた。


 「隠岐です。」


 隠岐の島。後に承久の乱で後鳥羽上皇が流され、後には後醍醐天皇が流された地だ。これが、僕が出した答えだ。

 西国でも坂東でもない。現状で頼朝が再起できる可能性のない地だ。

 ここなら清盛パパも納得してくれるだろう。


 「隠岐っ! ダメに決まってるだろ!」


 清盛パパは焦ったようにして即座に否定した。

 あれ? 思っていた反応と違うな。


 「何故ですか?」


 「うしゃぎさんが怒ったらどうすんだ! 頼朝は伊豆! これで決定だ!」


 清盛パパは早口に言って、さっさと部屋を出て行ってしまった。

 なにがどうなってるんだ? うしゃぎさん? 前にどこかで聞いたような気がするな。いつだったか。


 って。そうじゃなくて!

 頼朝の配流先だよっ。

 「父上っ。隠岐がダメなら備前でも阿波でも安芸でも良いのです! 父上!」


 急いで清盛パパを追いかけたが、結局、配流先は伊豆に決定した。

 くー! なんてことだ。頼朝の挙兵に備えないといけないじゃないか!


 仕方ない。気分を切り替えよう。

 次だ、次。


 源義経。こいつも始末しておかないといけない。

 これは任せてもらおう。鞍馬山に隠れていて、牛若丸か遮那王のどちらかを名乗っているはず!


 「そのような者はおりませんな。」


 がっくしと膝をついてしまったではないか!

 鞍馬寺を訪ねましたが、いませんでした。寺が匿っているわけでもなさそうです。だって、ちゃんと金を握らせて調べましたから。


 どこにいったー!

 ダメだ。もう制限時間いっぱいだ。泣く泣く遠江に向かうことにした。


 基盛に引き継ぎが終わったら急いで戻って来よう。



重盛「義経どこ行ったー!」

ペンギン「大和に逃げてるペン。」


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