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コント小景

ご婦人とオミ

作者: すのへ

◎東京下町にて


「ウーン」

「お嬢さんどうしなすった」

「しっかりしなせえ」

「てーへんだ救急車を」

「このコート敷いて寝かせて。ワかな」

「おい、あっちにも倒れてるぜ」

「なんだジジイじゃねえか。ほっとけ」

「なんか言ってるみたいだぜ」

「おい爺さんしっかりしな」


「フガフガ」


「オミじゃねえか。やっぱりほっとけ」



◎女子大周辺で


「どうしたんですか、おばあさん」

「だれか水を」

「しっかりして。いま救急車を」

「あっちにも倒れてるわ」

「ジジイよ。いやねえ。ほっときましょう」

「そんなこと言うもんじゃないわ」

「なにか言ってるわよ」

「お爺さん大丈夫?」


「フガフガ」


「やだ!オミじゃない。とどめ刺しときましょ」



◎名古屋市栄、錦周辺


「どうしやあた、ネエちゃん」

「胸が。ううう」

「いかんて無理しやあすな。救急車呼んだげるで」

「打てゃぁたきゃワ」

「あすこにも倒れとらっせるぞ」

「ジジイだがや。ほかっとけ」

「気の毒だで」

「爺さん大丈夫きゃあ」


「フガフガ」


「たわけ、オミだがや」

「とろくしゃあ、霊柩車呼んだれ」



◎広島某所


「姐さ、どがいした」

「胸がにがるんじゃ」

「そらいけん。待っとりんしゃい。救急車呼ぶけん」

「あそこにも誰か倒れとるが」

「うん?ジジイじゃけえ、ほっときゃええがの」

「あがーに苦しんどるが」

「ジさま、どがいな」


「フガフガ」


「こいつオミじゃ」

「おどりゃあ! ぶちまわしたるけーの」


(にがる=痛い)



◎博多中州


「娘しゃん、どげんしたと」

「胸がばり痛かと」

「そらいけん。横になるとよか。救急車呼ぶけん」

「あそこにも人が倒れとー」

「爺ぃばい。せからしか」

「あげん苦しんどろうもん」

「しゃーしい。爺しゃん、なんしようと」


「フガフガ」


「こりゃオミじゃ」

「ばりムカつく。くらしちゃるばい!」



◎浅草でアメリカ人が


-There's someone down over there.

-He's a dirty old man. Leave him.

-Don't be cruel.

-Hey, old man, are you OK?


「フガフガ」


-Oh, no! This is Omi.

-Omi, who?

-Japanese Fauci!

-Oh, fuck you!


(だいたい同じ展開で、最後、「オミって誰」「日本のファウチだ」。ファウチはアメリカの感染症対策の責任者で常に言を左右にする卑怯者、陰険な人物で蛇蝎のごとく嫌われている)



◎日本在住のフランス人が


-Qu'est-ce qu'il y a, madame?

-J'ai mal au cœur.

-Hélas. Je vais appeler une ambulance.

-Il y a quelqu'un là-bas aussi.

-C'est un vieux sale. Laisse-le.

-Ne sois pas cruel.

-Hé, le vieux. Vous allez bien?


「フガフガ」


-Non! C'est Omi.

-Qui est Omi?

-C'est le diable au japon.


(これも同じネタをフランス語にしただけです。最後のフレーズは「オミは日本の悪魔だ」)



◎ヴァーチャル株板にて


「ノムーラはん、女のひと倒れてはる」

「ほんまや。ねえさん、どないした」

「急に胸が」

「ひょっとしてワ」

「救急車呼ぼ」

「あっちにも倒れてまっせ」

「ジジイやん。ほっとこ」

「なんぞ言うてはる」

「爺さん、どないした」


「フガフガ」


「オミやんけ。ほっとこ」

「このネタもうやめまひょか」


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