第4話 ー偽笑罪ー
「あの。少しいいですか?」
「は?何あんた?」
「なになに?もしかしてナンパ?ww」
「違います。」
「じゃあ、何なん?」
「志郎ー。煽られてんぞー。」
死んだ目→輝く目
「あの〜。お名前なんて言うんですか〜?」
「よかったら連絡先交換しませんか〜?」
「は?え?なになになに?」
ウゼー。こいつら…
「で。ちょっと聞きたいことがあるんですがいいですか?」
「まぁ。ちょっとなら聞いてあげないこともないけど〜?」
飯島のおかげで何とか会話のチャンスがもらえたな。
「んで?話ってなに〜?」
「このチェーンメールに見覚えあるか?」
「あー。これね。中島が送ってきたやつ。」
「何で中島だって分かるんだ?」
「はぁ、めんどいからもういい?」
「……。冬斗。頼む。」
「え?なんかわかんねーけど、おっけー。」
「ねぇ!頼むよ!教えてくんない?」
「まぁ、冬斗君がそこまで言うなら〜♡」
やっぱウゼー。
「とりあえず、文章見てなんか気づくことない?」
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ナンドモクルシイオモイヲシナガラ
カゾクガシヌノモ
ジカンノモンダイダゾ
マダオクリオワッテナイノカ?
シンダラヒトハサイゴ、オワリナ
ンダヨ!!!!
ヤッパ、マダオクッテナイノカ?ハヤクシロ!
Longitudinal readingより
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「なんか変な区切られ方してるな。」
「確かに、だけどそれよりも気になるのは最後の『Longitudinal reading』ってところだな。」
「それは俺も思った!これどういう意味だ?」
「日本語訳は『縦読み』っていう訳だよ♡」
「ってことはー。頭文字かな?えっとー。
な か じ ま し ん や」
「なるほどそういうことか。ありがとうございました。一旦戻ります。」
「犯人見つけたら言ってね!冬斗君!♡」
「りょーかい!」
「……。」
「とりあえず真也にこのこと話した方がいいなー。」
「あぁ。」
まぁ、だいたい検討はついてるけどな。匿名で人に嫌がらせしたり、困らせたりするものなのにわざわざ人の名前を入れるってことは中島に罪をなすりつけたい人物がいるってことだろう。
俺と飯島は部室に戻り、中島を呼んだ。
「何か掴めたの?」
「あぁ。今回の事件はちょっとひどいな。」
「え?一体どういうことだい?」
「あ、部長。実はですね。」
俺はさっき考えた仮説を説明した。
「ふむ。その確率は高いな。」
「かもっスねー。」
「あぁ。だけどわるい。現状じゃ犯人はわからない。」
「そっか、高校生活初日から散々だよ…。でも、調査してくれてありがとう!」
「またなんかあったら、言ってくれよなー!」
こうして、俺と飯島の初の事件は犯人を見つけられずに幕を閉じた…………ん?ちょっと待てよ。本当に幕は閉じたのか?思い出せ!確かあれは中島が依頼をしに来た日……
「なるほど、こういう内容か。」
「うん…。」
中島が俺たちにチェーンメールの内容を見せてホーム画面に戻った時、メモのアプリに通知が来てた……。!?。