訓練GO!
目が覚めた。
少し寒いので布団からでたくない~と思ってしまった。
が、そのような気の抜けた心持で2秒ほど経過した瞬間、昨日の約束事を思い出した。
その内容は朝の10時に昨夜、模擬戦闘をした部屋に行くというものだったはずだ。
僕は急いで枕元に置いてある携帯で時間を確認する。
時刻は10時ジャスト。やっちまった・・・
僕は速攻で組長に電話した。
「・・・どうした?ねぼうか?」
「そのとうりです。すいません・・・」
「ははははは!ええよええよ、まぁゆっくりきて」
「はい、すいません。それじゃぁ」
「ちょっとまった。」
「はい?」
「朝ご飯食べてないやんな?」
「はい?」
「ならうちと一緒に朝飯食べへん?おいしいで?」
「えっ!?いや、悪いですよ。」
「たべてほしいな~一緒に食べてくれへんかったら佐々木君がきる体操服うちが着よっかな~?」
「えぇ?!」・・・それは、ご褒美なのでは?
「まぁいいですけど、せっかくなんでいただきます。」
「うん、おいでおいで。じゃぁ罰ゲームとして寝ぐせなおさんときてな~」
「えぇ?」
ブチッ
やられた!!!!!!
「はぁ」
僕は急いで制服に着替えて、充電された携帯と財布をもってダッシュで訓練場に向かった。
ちなみに歯は磨いた。
そして、昨夜模擬戦闘をした部屋・・・というか教室のようなところについた。
僕は急いでいたのだが、いきなりドアを開けておくれました!!といって入る勇気が持てなかったので窓から覗いて中の状況を確認した。
部屋の中には昨夜と同じように組長と美月さんと五月さんが談笑していた。
僕はそれに安心して昨日入った方の扉から教室に入った。
「すいません、遅れました!」
僕は謝罪しながら組長のもとに向かおうとした。
すると後ろから誰かが突進してきた。
かなりの衝撃で「ぐぅっ」とカッコ悪い声が出てしまった。
そしてその誰かは俺の腰のあたりをがっちりとホールドして離さない。
後ろを向いて誰なのか確認しようとした瞬間さっきまで談笑していた三人の後ろから弓をもった女性がかなりのスピードで飛び出てきた。一人は栗色の髪をした美人で一人は緑色の髪をした、おとなしそうな顔の子だ。
二人は矢じりの部分がピンクのボールが付いた矢を弓に矢を携えて構えている。
普通の人ならなすすべがないだろうが、僕の体はこの事態に迅速に対応した。
異人の扉を開け、左足を踏みだしながら右手に2本左手に一本、固有武技を出し右手で投げようとしている。
僕は右手を振りかぶった状態で我に返り自分がどれ程恐ろしいことをしようとしていたのかを理解してフリーズしてしまった。
するとその瞬間、弓矢を構えていた女性二人が同時に矢を放った。
かなり早いスピードだったが僕は臆することなく右手のナイフと左手のナイフでたたき落とした。
矢が地面にベチッという音を立ててからしばらくあたりは静寂につつまれた。そして僕はいそいで固有武器をしまった。
「な、すごいやろ?!」
組長はそんな一言でこの空気をリセットしてくれた。
「まぁ、たしかにすごいことはすごいね、特に戦闘モードに入るスピードが速い、いい即戦力ね。」
僕をそう評するのは、ついさっき僕に弓を放った栗色の髪をした美人さんだった。
「戦いなれはたしかにしてますねぇ~いい練習台が来てくれました。」
そんな恐ろしいことを言うのはさっき僕に弓を放った緑色の髪をした人だった。おとなしそうな顔をしているのに・・・
次にしゃべり始めたのは僕の腰を固定した人だ。
「ごめん、ごめん。かわいい後輩にこんなことしたくなかったんだけどやっぱ組長を倒した実力がみたくてね・・・・」
そんなことをオレンジ色の髪の毛をした小型の少女がいってきた。
かなり小さい身長が僕の胸までぐらいだ。
小型の脳筋キャラか?!
次しゃべり始めたのは僕が入った反対方向のドアの待ち伏せをしていた赤黒い髪の毛の少女だ。
「ふん、しかしまだ我が宿敵を倒せるほどの実力の有無がまだわからんな、やはり私直々に勝負せねば気がすまないな」
・・・・そういえばこの子よくみると右と左別々の色のカラーコンタクトをつけてる・・・まぁいろんな女の子がいるっていいよね?!
「・・・・・・あの、このチームに入らせてもらえることになった佐々木 日差です。よろしくお願いいたします。」
すると組長が「うん!ようこそ!うちらのチームは佐々木君を歓迎するで!よし、みんな集合!」
「自己紹介していくで!・・・えーと佐々木君が部屋に入ってきた瞬間狙い撃ちすることを提案した調本にん高宗 早百合ちゃん栗色の綺麗なロングヘアーと美少女フェイスで佐々木くんをねらってくるからきおつけや~」
栗「おい!」
「はい、むしむし~続きましてその作戦にノリノリで参加した人が雨屋 鈴、緑色の髪の毛とおとなしそうな顔で弓矢で動くものを狙うのが大好きなサイコパス予備軍」
緑「ちょっと~」
「で、ドアのところで佐々木君をがっちりホールドをしたのはこのチームを支えるオレンジ幼女。小石 静、名前に反してうるさいし、体小さい癖にパワー系っていうギャップ萌えで佐々木君狙ってるからきおつけや~」
オ「おい~!」
「んで、反対のドアのまちぶせをしてくれた優しいやつ、黒色 清花、かなり中二病入ってるけど性格はいいしTPOもわきまえるし、そこそこ強いし隠れ優等生やな。」
「残りはうちと美月と五月やな・・・美月と五月は昨日しゃべったからなんとなくわかるやろ?・・・どう?わかりやすかった?」
「はい、覚えやすかったです。」
「よかった、よかった、ならさっそく佐々木君はご飯タイムにしよか~」
「はい」
「他は軽く組手とか自主練とかやってな~」
「「「「「「はい」」」」」」
すげぇ、メリハリがあるな。
「あの~質問いいですか?」
「ええよん、まぁあらかた予想はつくけど。」
「このチームの男性はどこに?」
「あぁ、全部うちが食ったわ」
「!?」
「冗談!冗談!そんな顔で見んといてよ~」
僕は無意識のうちに化け物を見るような目をしていたらしい。
「じゃあどこに?」
「佐々木君ハーレム好きって昨日いたやん?」
「え?わざわざこの状況つくったんですか?」
「というかこのチームこれで全員やし」
「えぇ!?」
「ははは!その顔が見たかってん!」
「男子禁制のチームだったりします!?」
「ちゃうよ、ちゃうよ、なんか知らんけど男入ってこうへんねん。それにもう今年からはチーム募集せえへんから佐々木ハーレムは安定するな!」
しちゃうんだ?!・・・・うれしい!!!!!
「・・・・・」
「どうしたん嬉しくない?」
「いや、嬉しいんですけどこうそんないやらしい目でこのチームの人を見るのは気が引けるなぁ~と」
「あぁ、大丈夫、大丈夫うちのセクハラで慣れてると思うしまぁ、余程のことをやらかさんかぎり受け入れてくれると思うで!」
「・・・・いいチームですね、雰囲気とか、」
「うん!ありがとうな・・・そうやった!朝飯食べよか」
「ありがとうございます。」
「はいサンドイッチ」
「え?」
「あれ?サンドちゃん嫌いやった?」
「あぁ!違うんです、大好きです。」
「そう?ならよかった、飲み物は牛乳でいい?」
「はい、ありがとうございます。」
彼女は僕にサンドイッチと紙パックの牛乳を渡してくれた。
すると彼女は鞄の中からさらにサンドイッチと牛乳を出した。
「組長も朝ご飯まだなんですか?」
「うん、一緒に飯食いながらおしゃべりしようや」
組長は嬉しそうな顔をしながらそんなことを言った。