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星人──ほしびと──

人と人の関係は、星と星の関係に似ている。

そう思って書いてみた詩です。



 ねぇ。


 あの天空(そら)が見える?


 あの星たちが、見える?




 それがいつからか、君の口癖になった。





 天上で光輝く、あの星たちのように。


 僕たちはきっと輝いている。


 性格はみんな違う。人生の重みも光る理由も、みんな違う。


 暗い色かもしれない。冷たい光かもしれない。


 それでも確かに僕たちは、僕たちの光りを持っている。



 嗚呼。


 僕たちはきっと、地上の星なのかもしれない。


 色んな出会いをして、時には砕け散って、時にはそのまま周回軌道に乗って。


 そうしてきっと僕たちは、


 キレイな夜空(まち)を作っていく。




 彼方の星たちが、ばらばらでないように。


 僕たちにも星座がある。


 集まり方はみんな違う。見え方だってみんな違う。


 それは家族かもしれない。学校かもしれない。もしくはもっと大きな──社会かもしれない。




 嗚呼。


 僕たちはきっと、地上の星座なのかもしれない。


 角度を変えれば、距離を変えれば、それは自由に形を変える。所詮はそう見えるだけ。


 それでいい。


 永遠に続く星座など、家族など、ありはしない。





 そう言って笑った時。


 君が見せた哀しい笑顔が忘れられないよ。








 ねぇ。


 聞こえているかい。


 いつか二人で見上げたあの夜空を、星が渡って行くよ。


 鈴の音が、静かに聞こえるよ。




 君のお気に入りだった、闇に包まれた丘の上。


 今日も僕は問いかける。


 ねぇ。


 君はどれなんだい。


 衛星になりたがっていた君が、流星になってしまってから一ヶ月が経つよ。



 ねぇ。


 そろそろ、教えてくれてもよくないかい?


 君をあの天空(そら)に見つけられたなら、


 僕はきっとその星を目指して、手を結びに行くのに。


 ほうら、これで星座の完成だ。


 そう言って、笑えるのにさ。





 光のあふれる、あの無限のセカイに。


 僕はまだ、ぽつんとたった一人で浮いている。







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