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閻魔大王だって休みたい  作者: Cr.M=かにかま
第4章 〜憎まれ子〜
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Fiftiefourth Judge

ボクはまた罪を犯した...

ボクの大切な査逆を斬った、あんなに優しくてボクのことを救ってくれた査逆を...!

ボクは昔からそうだ、ちょっと興奮すると自分を抑えることができない悪い子なんだ!お父さんがずっとそう言ってたんだ、ボクのいない所でコッソリと!

兄さんだってそう思ってるに違いない、だってずっと、50年間もボクのことを放ったらかしだったんだ!


あぁ、どうしてボクはこうなんだろう

兄さんと違ってどうして戦い出すと見境がなくなって楽しみのあまり止まることができないんだろう...


もういっそのこと、こんな理不尽な世界ごと.....!




「アァ、うぅ、ウゥァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッ!!」


「コレは、さッきのいや、サイズは比べモンにならねェくらいでけェ!」


再びヤマクロが村正を手に握ると地獄中の瘴気が村正に集中する

量も力も先程とは桁違いに大きくとても防げる一撃ではない


「あれこそが妖刀村正の真の姿...!」


「査逆...」


「刀は持ち主を選び主人に仕えると言われてるがアレは違う、持ち主を選び刀が持ち主を支配する!精神的にも肉体的にも!」


そう、妖刀村正は大きな負の感情を持つ人物を好みまるで意思があるかのように己の依存性のある瘴気を放ち握らせて支配する

つまりヤマクロは妖刀村正に魅入られ支配されている状態となっている


「ナンでンなこト知ってテ今まで黙ってたんだァ!」


「今知ったのよ、ヤマシロから今しがた連絡が来てね」


ついでにそのヤマシロが今ここに向かっていることを話す

査逆の一言に天狼は軽く舌打ちをする


「....天狼?」


「アレはまだ完成してはいないンダロ、俺が少しでも時間を稼ぐ!」


その言葉を残し天狼は再び大気中の瘴気を体内に取り込む、もうその動作に慣れ適量も理解したのかわからないが取り込んだときの負担が少ない気がする

あくまでも外面的だが...


「イくぜ!」


天狼は全速力でヤマクロの元に走る

脚に瘴気を集中させているためそこまで時間は掛からなかった


そしてヤマクロの首目掛けて全力で回し蹴りを放つ


が、


「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」


「なッ...にィ...!?」


普通であれば喉が弾け飛びそうな程の声量の衝撃が天狼に襲う、天狼は一時的とはい大地から足を離していたため衝撃を受け止められずそのまま後方へと吹き飛ばされる

その後、何度か近づいたり炎を放ってはみたものの音の壁を越えることができず村正に瘴気が集まり次第に完成に近づいていく


「クソ!」


「まずい、あんなモノ振り回されたらマジで地獄が真っ二つになるぞ!」


時間だけがイタズラに過ぎて行き次第に村正のサイズも先ほどの倍近く大きくなってしまっている


「ァァァァァァ、ァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」


叫び声も次第に大きくなり、辺りにヒビが生じ始める


すると、ヤマクロに向かう三つの影を天狼と査逆の瞳が捉えた



ヤマシロ達が到着した



「亜逗子、査逆と天狼さんを頼む!」


「了解!」


「煉獄は適当に邪魔にならないように援護を頼む!」


「何その命令!?」


亜逗子はその場で立ち止まり、ヤマシロはヤマクロに真っ直ぐ走り、煉獄は潜影術でヤマシロの後を追う


「大丈夫か!?」


「俺はイいから査逆ヲ頼む!」


「あ、あぁ」


普段と違う天狼の雰囲気に押されるもすぐさま脳波を展開し、査逆の治療を始める

紅亜逗子という赤鬼は戦闘こそ本職だが、脳波による細かな治療も得意としておりその正確さは裁判所内でも群を抜いてトップクラスである


一方、


「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


「いつまでも泣き喚いてんじゃねぇよ、それでも俺の弟か、閻魔か、ヤマクロォ!」


ヤマシロはヤマクロにギリギリまで近づき、右の拳を突き出す

すると淡く白い光がヤマシロの右拳を包み込みヤマクロの瘴気を浄化し始める

そう、初代閻魔大王ヤマトの力を宿した腕輪の力である


「お前は瘴気なんかに囚われてちゃいけないんだ、お前は何も悪くないんだからよ!」


瞬間、白い光が地獄を包み込み妖刀村正に集まった瘴気は跡形もなく綺麗に消え去った


同時に金色に輝く腕輪にピキピキッと亀裂が走った...


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