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閻魔大王だって休みたい  作者: Cr.M=かにかま
第4章 〜憎まれ子〜
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Fiftiethird Judge

「えっ....?」


時間が停止する、何もかもがスローモーションとなり天狼は声を出そうとしても出なかった

査逆に傷を入れたヤマクロですら驚きながら目を大きく見開いている

そして、査逆は力なくその場に膝をつき膝が彼女自身の体重を支えることができなくなり、そのまま大地に体を預ける


「査逆ぃぃぃィぃぃィィィ!」


「う....あっ、え?」


天狼は査逆に駆け寄り、ヤマクロはショックのせいかそれとも査逆を斬りつけてしまった自責のせいかはわからないが手から村正を離し、カランカランッと音を立てながら転がり落ちる


「査逆、しっカリしロ!」


「わ、私は大丈夫...そこまで傷は深くないわ...」


「けど...」


実際査逆の斬り傷はそこまで深くない、包丁で誤って指を切ってしまった程度の傷だろう

しかし刀に纏わりついていた瘴気が傷口に侵入して細胞の再生が鈍くなってしまっている、傷が浅いのが幸いだろう


「まさか、坊ちゃんは...!」


天狼はヤマクロの方に視線を移す

おそらく無意識だろうがヤマクロは査逆を斬りつける一瞬に刀の軌道をずらしたか力を緩めたのだろう

ヤマクロは今でも査逆のことを大切な存在として認識しているのかもしれない、今は大量の瘴気を浴びて精神的にも不安定な状態だが希望はあるかもしれない


「う、あぁ...ぅぅう、ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァォァァァァ!!」


「坊ちゃん!」


「あ、アれは...!!」




一方、天地の裁判所


「ちくしょう、何なんだこの巨大な瘴気は、一体何が起こってるんだ!」


天国から戻ったヤマシロが亜逗子と待ち合わせをしている場所に目指していた

天国で走りでは間に合わないと思っていた時に偶然だが、スポーツカーに乗った信長と出会い空港まで送ってもらえたので予想よりも早く到着できたのでもしかしたら亜逗子はまだ来ていないかもしれない


「亜逗子ァ!」


「あ、閻魔様〜何なんすか緊急事態って、あたいも暇じゃないんですから少しは「この仕事が成功した曉には給料を倍にしてやる!」遠慮なんていらないっすよー!じゃんじゃん仕事持ってきてくださいよー、あたいは仕事するために生まれてきた鬼なんすからね!」


...少し効果が強過ぎたが大丈夫であろう、というよりも毎度のことだが彼女に給料の話を持ち出せば必ずと言っていいほど協力してくれるのでもしもの時は彼女の上司としてこの一言で彼女を動かせる

最近なんかでは金関連のことでは大抵のことも引き受けているらしい


「今すぐ戦闘態勢を整えて地獄へ向かうぞ!」


「戦闘!?一体何しに地獄まで行くんですか!?」


「お前は感じないのか、この異常な量の瘴気を...!」


ヤマシロの質問に亜逗子は目を点にして頭から蒸気を出しながら首を傾げる、一体どこに知恵熱の原因があったかはわからないが今は時間がないのでスルーする


「ヤマクロの封印が解けた、今は天狼さんと査逆が食い止めてくれているが俺たちも直ぐに向かうぞ!」


「坊ちゃんの、封印が!?」


「詳細は走りながら説明する、一先ず急ぐぞ!」


「お、おぅ!」


すると、何を思ったのか顔を真っ赤にし亜逗子は服を脱ぎ始める


「何で服を脱ぐんだ!?」


「え、戦闘態勢って言われたので着替えを...」


「ここで脱ぐなよ、更衣室とか他にも部屋があるだろ!なんで俺がいるのにそんなにも堂々と着替ようとするんだお前はッ!!」


こころなしかヤマシロの頬も若干赤く染まっている


「え、閻魔様なら...別に見てもいいっすよ?」


「今そういう雰囲気じゃないから!シリアスな雰囲気を壊さないでもらえますかねー!」


説得の末、裁判所内にある更衣室を利用してもらえることに成功した


ヤマシロは亜逗子をただじっと待っているのも暇なので地獄が見える位置に移動する

そこでは巨大な瘴気の刀が地獄から突出して出ているのが目に見えた


「あれは、妖刀村正か!?」


ヤマシロは普段の地獄から感じることのできない程の量の瘴気を肌で感じながら冷や汗を拭う


「クソ、あんなモノまで持ち出していたなんて...」


「困ってるみたゐだな、五代目」


ヤマシロが焦るに焦っていると背後から声をかけられる、亜逗子ではない

亜逗子と同じ赤く長い髪ではあるが共通している点はそこだけで他に外見的共通点は見出せないがヤマシロの部下であることにも間違いない


「煉獄...」


「亜逗子ちゃんも行くんだろ、俺も同行させてもらうぜ、彼女を守るのは俺だからな!」


煉獄 京、確かに戦力にはなりそうだ


「それにあの上司もどっか行っちまったしラノベも読み終ゑちまったし試したゐことも山ほどあるんでね」


「お前の上司もそこにいる」


「なら尚更行くべき理由ができちまったな...」


「どうせ止めても止まる気はないって顔してるぜ、亜逗子が許可するなら行ってもいいんじゃないか?」


その一言に煉獄はニヤリと口を歪めた


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