第37話:断ち割れの峡へ
投稿遅くなってすいません!!
あと全く関係無いのですが、
大分先にはなると思うのですが今後新作も投稿予定です!
『異世界スライムくん、現代で“おもちゃ”として売られる』
魔王の力で生まれたはずのスライムが、なぜか現代日本で“特価298円”のおもちゃに……!?
ギャグあり、不思議ありのスライム奮闘記です。
(※エロくありません。100%健全な話です)
夜明けを背に、元勇者は瓦礫の街を離れ、ひとり荒野を歩いていた。
焚き火の炎に映し出された記憶は、まだ胸に重く沈んでいる。
「……俺は何故、自ら“例外”になったのか。その初心を忘れちゃいけねぇ」
秩序神の理を拒み、転生の間から力づくで逃げ出した。
膨大な魔力を叩きつけ、天界を経由し、この現世へと戻った。
それがどれだけ無茶で、どれだけ“例外”だったか――神ですら想定していなかったのだ。
だが同時に、それがあったからこそ賢者もタンクも、俺の開いたトンネルを通ってこちらに辿り着けた。
「……あのババア、エルフ史上最強の魔法使いなんて呼ばれてたな」
生まれながらに魔力に愛された種族の中で、なお修行を続け、努力を積み重ねた異端。
普通なら鼻で笑って怠けるエルフの常識を、徹底的に裏切ってきた。
だからこそ俺の残した道を辿り、次元の壁を突破できたのだ。
タンク? あいつはただ賢者の転移魔法に便乗しただけだ。
(負荷で体が木っ端微塵になってもおかしくなかったが……あの肉体バカめ、妙なところでしぶとい)
元勇者は苦笑し、歩を進めた。
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荒野の先に、地形が裂けたような峡谷が広がる。
空気が揺らぎ、光が歪み、そこだけ世界の縫い目が露出しているかのようだった。
「……ここか。“断ち割れの峡”」
秩序神の光を裂いたときに、ほんのわずかに残された痕跡。
俺が例外として戻ってこられた“縫い目”だ。
ここに立てば、あの瞬間の自分と、もう一度向き合えるはず。
足元から風が吹き上げ、ひときわ強く魔力が迸る。
勇者は目を細め、月を見上げて息を吐いた。
「修行も、力を求めるのも、その先だ。
今はまず――俺自身を見極める」
静かに拳を握り、峡谷の縁へと歩みを進めていった。
次回、第38話「裂け目の記憶」
――秩序神に迫られた“あの日”。元勇者が選んだ道と、背負った痛みが明らかになる。……かも?
勇者「人の回想(妄想)を勝手に覗くな!!」
私(作者)「黙れ主人公一時期奪われてた癖に」
勇者「……」




