第29話:服を買うための冒険
「聞いてくれ! 俺は変態じゃない! ただ服を買いたいだけなんだ!!」
俺は必死に叫んだ。
だが、次の瞬間――。
「……分かるぞ」
元勇者が、妙に真剣な顔で言った。
「え?」
「分かるぞ光……変態として――服なんか着たくないんだろ?」
「ちげぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
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「ハハッ! 勇者様の魂はもう“全裸の自由”を知っちまったのか」
タンクが肩を震わせながら煽る。
「筋肉を隠すのは冒涜だもんなァ!!」
「だから筋肉じゃねぇって!!!」
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賢者まで涼しい顔で頷く。
「ふむ……確かに、裸で戦えば全身が防具。理に適っておる」
「どういう理だよォォ!!!」
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変態の神は満面の笑みで羽を広げた。
「そうじゃ光! お前は既に一線を越えた! 服を着ぬ勇者――それこそが“変態の勇者”じゃ!!」
「称号にするなァァ!!!」
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女性冒険者は冷ややかな視線を向けたまま、剣を突きつける。
「……本当に変態なのね」
「違うっつってんだろォォ!!!」
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こうして俺の異世界での第一歩は、
服を買うか、それとも“変態勇者”を受け入れるかという、
人生で最もどうでもいい二択から始まってしまった。
次回、第31話「服を買うか、変態を貫くか」
尊厳か、裸の自由か――勇者候補・佐藤光の決断は!?
光変態(笑)みたいですね。




