第17話:勇者候補の選択肢が地獄
空を裂く光と羽ばたき。
秩序の神と変態の神が、完全に真っ向から激突していた。
『勇者は秩序の象徴! 世界を守るための正義の剣!』
秩序の神が、重く厳かに宣言する。
「いやいや勇者は変態の象徴! 殻を破り、形を変え、無限に進化する蝶なのだ!」
変態の神が、虹色の羽をブワァッと広げてポーズを決める。
「いや比喩がキモすぎるんだよ!!」
俺は全力でツッコむ。
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「……なぁ光」
横で元勇者がぼそっと言った。
「秩序と変態、どっちにつく?」
「二択が地獄すぎるんだけどォォォ!!」
「まぁ、ワシなら変態の方が正しいと思うがの」
賢者が涼しい顔で呟く。
「お前まで冷静に変態肯定すんなよ!?!?」
タンクが腹を抱えて笑いながら叫んだ。
「いや光! もう開き直れ! どうせお前、神から“変態認定”されてんだからよ!」
「やめろォォォォォ!!!」
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二柱の神の力がぶつかり合い、街の残骸がさらに吹き飛んでいく。
瓦礫が宙を舞い、地面が波打つ。
『さぁ、選べ!』
秩序の神が手を差し伸べる。
『勇者候補よ。秩序の剣となれ!』
「いや選ぶべきはワシだ!」
変態の神が派手に回転しながら割り込む。
「光よ! お前は変態の蝶となり、羽ばたくのだァァァ!!」
「なんで俺だけ意味不明な比喩で変態扱いされんだよォォ!!!」
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元勇者が頭を抱えて呟く。
「……神々の争奪戦が、ここまで茶番じみるとは思わなかった……」
「茶番言うな! 俺の人生かかってんだぞ!」
その時、変態の神が決め台詞を放った。
「やはり人間は“変態”を経て、無限に成長するのやァァァ!!!」
誰も望んでいない名言が、世界に響き渡った。
次回、第18話「勇者候補、第三の選択肢を探す」
秩序か変態か――地獄の二択を拒絶する光に、果たして逃げ道はあるのか!?




