第14話:笑われても叫べ
楽しくなってきた……!!
《エクリプス・ゼロ》の輪はなおも回転を続け、空間を削り取っていた。
光の一閃でかすかに揺らいだものの、その力は健在だ。
『……ほう。やはり、その力……ただの**偶然**ではないな』
神の言葉に、場の空気が一瞬止まった。
「……なぁ勇者候補。お前、今……神に変態って言われたよな?」
タンクが吹き出す。
「いやいや!! 漢字見て! “偶然”だから! 変態じゃないから!!」
「どっちにしてもダサいことに変わりはないのぉ」
賢者が涼しい顔でトドメを刺す。
「うるせぇぇぇぇぇ!!」
俺の怒鳴り声をかき消すように、《エクリプス・ゼロ》が再び唸りを上げる。
輪の中心から奔流の光が放射され、地平線まで一瞬で焼き尽くした。
「光! もう一回だ!」
元勇者が叫ぶ。
「その技、ダサかろうがなんだろうが――お前にしか使えねぇ!」
「……マジかよ……!」
俺は喉が裂けるほど息を吸い込む。
どうせダサいなら、堂々と叫んでやるしかない。
「生存本能ッ!! 絶叫――断斬ッ!!!」
刃が閃き、奔流を再び切り裂く。
世界に残響のような軌跡が走り、焼き払われた大地に裂け目を刻んだ。
『……フフ。悪くない』
神が小さく笑う。
『勇者候補よ。その恥ずかしい叫びを、どこまで続けられるか見せてもらおう』
「恥ずかしいって言うなぁぁぁ!!!」
試練は続く。
笑われても、ダサくても、尊厳や誇りを失っても――叫ぶしかない。
次回、第15話。
「ん? 呼んだ?」
まさかの“変態の神”登場!?
勇者候補の運命は、さらに予想外の方向へ――!




