第10話:勇者候補、試される
天空に広がった巨大な魔法陣が脈動を始め、空気が重くなる。
肌を刺すような圧力が、地面から全身を押し上げてくる。
神の目が俺を真っすぐ射抜いた。
『……面白い。では見せてもらおう、お前の力が本物かどうか』
「は? ちょ、ちょっと待って!? 試すって何を!?」
『決まっておろう。勇者候補としての実力だ』
背筋が冷たくなる。
第9話で“覚醒”したときのあれは、正直ほとんど事故だ。
もう一回やれと言われても、同じようにできる保証はない。
「いやいや! 俺まだ一回しか斬ってないんだけど!? 練習試合とかないの!?」
『容赦はせぬ』
魔法陣から光が溢れ、空間を満たす。
視界の端で元勇者が剣を構えた。
「光、構えろ! 試すってことは全力でくるぞ!」
「試すって言葉の意味おかしくない!? これ殺しにきてるだろ!」
賢者がにやりと笑い、肩をすくめる。
「まぁ死なねば試し放題じゃろ」
「死ぬわ!!!」
その間にも神の詠唱が完了する。
『《天衝・断罪の光雨》』
頭上から無数の光の矢が降り注いだ。
一発一発が地面をえぐり、瓦礫を粉々にし、耳を裂く衝撃音を響かせる。
「うわっ、マジで来たぁぁぁ!!」
反射的に走り出すが、光の雨は広範囲すぎて避けきれない。
背後で元勇者が叫ぶ。
「光! 反撃しろ! 撃ち返せ!」
「いやそんなスキル俺知らないんだけど!?」
「あるだろうが! さっき出したやつだ!」
(クソッ……! 俺の尊い家系図がここで断絶とか……笑えねぇ!!
二回連続で股〇危機覚醒とか、誰が読みたいんだよ!!)
「クッソォォォォォォォォ!!!」
右手に再び光が集まり、刃が形を取る。
「生存本能・絶叫断斬ッ!!」
刃が閃き、降り注ぐ光の雨を片っ端から両断していく。
その一撃が、神の術式をかすかに揺らした。
神は口元をわずかに歪めた。
『……やはり面白い。ならば、さらに強く試させてもらおう』
次の瞬間、魔法陣が倍の大きさに膨れ上がった。
俺の試練は、まだ始まったばかりだった。
勇者って子孫繁栄の危機で覚醒するんですね、、、(*°ㅁ°)ハッ‼、、つまりは私も子孫繁栄の危機になればワンチャン?




