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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 春の問題は花だった。そこは一段と匂いが強い花が咲いてる個所。そして同じ花が咲いてた。紫色の小さな花だ。それが一面に咲いてる。今まではいろんな花が咲いてて、香りはしてたが、それがいつまでも鼻の奥に残る様な後味の悪さ的な感じはなかったんだけど、ここの花はそうじゃない。


「これは?」


 僕はそう言葉を零す。同じ疑問を持った会長が春の姫に言葉をつないでくれる。


「どうやらこの花が突然発生してから、周囲をどんどんと蝕んでるみたいだね。それを何とかしてほしいってこと。因みに炎とかで焼き払ってもすぐに生えてくるだって」

「なるほどね」


 でもそれなら一体どうすれば? 実際、簡単に焼き払おうかなって思ってたよ。けどそれでは解決にならないみたいだ。まあ普通は抜くとか焼くとかしてみるか……


「あれじゃないですか? 地中深くに根を張ってるとか?」

「だからって焼いたのに再生するのか?」

「まあLROですし」


 僕はとりあえず小さな紫の花の一つを抜いてみる。うーん、そこまでしっかり根を張ってる感じじゃない。だって簡単に抜けた。


「会長、何かわかるか?」

「それ貸してみて」


 手を差し出されたから、僕は抜いた花を会長に渡す。すると一回ペンでつつき、そして空中に凄い勢いでペンがコードを書いていく。


「それってもしかして……」

「うん、この花のコードだよ」


 そんな簡単に? コードってこの世界で個を構成する要素だよね? その全ての情報が詰まってるものだ。そんな簡単に見えるものじゃない。てかあってはならないというか……まあ会長だし……とおもうしかないか。


「あった」

「何か見つかったか?」

「うん、どうやらこの花の花粉が侵食をして他の生物を同じように変えるみたい」

「なんだそれ? こわっ」

「てか、それなら私たちも危ないのでは?」


 セラの言う通りかもしれない。花粉がヤバいのなら、こうやって花に触れたりしただけでヤバそうだけど……


「私たちのような大きな存在にはそれほど危険じゃないよ。けど、お姫様達は不味いかもね」


 とりあえずその事を話して、小人さんたちには距離をとってもらった。今までこれにちょっかいだしてなんの被害もなかったのだろうか? 抜いたりもしてたら、接触してるだろうけど……


「具合が悪くなってる人はいるみたいだね。何となくこの花がヤバイ事はわかってるから、私たちに対処させてるんでしょう」

「生贄みたいなものですね。上手くやれればよし。やれなくても彼女たちにとって損失にはならない」


 ふむ……まあしょうがないよね。だれだって他人よりも身内が大事だし、責任ある立場なら猶更だ。


「で、どうすればいい?」

「うーんどうしよっか?」

「おい」


 僕は会長なら答えを持ってきてくれるとおもってた。だが、どうやらこの植物は想像以上に厄介らしい。

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