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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 僕達はトンボの騎士達と共に、彼岸花畑の一角に来てた。どこまでも続いてそうに見えてた彼岸花畑だが、何故かそこだけぽっかりと穴をあけてる。花は枝垂れ、茎は腐り、大地は茶色に腐ってる。一体なぜここだけこんな事に……そんなことをおもってると、何やらこの場所の中心には土が盛り上がったような物がある。


「あれが奴らの巣みたい」


 そういう会長の言葉通り、何やら土の盛り上がりゴソゴソとしだす。そして天辺から一メートル大の半透明っぽい薄緑色した虫が出てきた。


「デカ!」


 僕たちでさえそう思うサイズ。あれはアブラムシという奴かな? 足が長くて、頭が小さく体が丸っこい。うん気持ち悪い。あのサイズなら、このトンボの騎士たちにとっては確かに脅威。けど、僕たちにとってはそこまで脅威でもない。


 だって脅威を示す色も緑位だ。なら問題ない。そう思ってると、なんとあの巣から次々と出てきた。その数ざっと三十くらい。


「うげ……」


 そういう会長の気持ちもわかる。女の子は引く様なビジュアルだ。向こうはやる気満々だな。


「奴らは油みたいなの吐いてくるみたい。あとは体当たりとかしないみたいだけど、倒したら直ぐに離れてね。倒した時に、あの大きく膨らんでる体が弾けてステータスを弱体化させるみたい」

「なるほどね。了解だ」


 きっとこの情報はトンボの騎士達の犠牲の上で得た情報なんだろう。有効に使わせてもらおう。トンボの騎士達には下がってもらって、僕たち三人がアブラムシに対峙する。僕が一番前に出て、その後ろにセラ、そして会長が後衛だ。まあ僕とセラだけで終わりそうだけどね。


 アブラムシの半数が飛んで、更に半数が正面から地面を走って向かってくる。僕はとりあえず地面のアブラムシに対応する事にする。既にセラが聖典を飛ばしてるから飛んだアブラムシはそっちに任せればいいだろう。


 向かってくるアブラムシの体が、何やら赤黒く濁りだす。すると案の定吐いてきた。なんとわかりやすい呼び動作。これだけわかりやすかったらこの目がなくても簡単に避けれそうだ。とりあえず手近な奴をフラングランで叩ききっていく。流石に一撃でスパッとはいかないが、僕は二刀流なので、スパスパっと二発入れれば倒せるから簡単だ。


(楽勝楽勝――つっ!?)


 余裕ぶっこいてたら、足元がつるっといった。どうやら奴らが吐く油が原因のようだ。早く態勢を整えないと……と焦ると、更に滑る。なにこれ……かなり鬱陶しい。そしてそこにどんどんとアブラムシが向かってくる。とりあえずフラングランで迎撃することを優先するけど。


「バカ!!」


 そんな言葉が聞こえたが遅い。その場を移動できないのに、アブラムシを倒したらどうなるか……フラングランに斬られたアブラムシは爆発して、その体液を僕にあびせる。すると一気に体が重いような……鈍いような、明らかにいつもと感覚が違う。


 どうやらステータスが急激に下がってるみたい。聞いてたのに……あせってしまって判断謝った。さっきの声、セラだよな……これはバカといわれて仕方ない。どんどんと群がってくるアブラムシ。倒せば倒す程にステータスが下がってしまう。


 なんという悪循環……これがこいつらの必勝パターンか。絶対にこっちに集中しだしてるよなこれ。


「防御くらい出来るでしょ? しなさい」


 そんな無慈悲な声にセラを見ると、何やら上を指さしてる。どうやらこっちにアブラムシ達が集中してるから、聖典を集めて三機が上空で円を描いて回ってる。それは先端をこちらに向けて三機を合わせて一つの陣を転換してる。

 収束砲かよ! 確かに一気に倒せるだろうけど! 僕はフラングランをクロスさせて更に、風を収束させる。けど、あまり強くするとセラの攻撃の邪魔をしてしまう。ある程度食らうことは覚悟するしかない。これは僕の油断のせいだしな。


 セラは無慈悲に光の柱を撃ちたてる。それは僕とアブラムシを包み込んだ。

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