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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 秋の地域を見わけるのは簡単だ。なぜなら森の端っこ歩いてると、途中から明らかに紅葉してるからだ。落ち葉もあるしね。そしてやっぱり森から出たところは花畑になってる。違ったのは冬くらいだ。あそこは雪が積もってただけで、実は下には花があるのかもしれないけどね。夏が向日葵だったわけだけど、秋はなんと彼岸花だ。周りがまっかである。この場所は球体上になってるからか、太陽の昇り下りなんて関係ない。


 ずっと日はそこにある。けど、どうやら高さが違うようだ。春はまだ昇りかけの位置だったかな。そして夏は真上に来てて、そして秋は黄昏てる。冬は光は月明かりみたいになってた。夕暮れの様な茜色の空に一面の真っ赤な彼岸花……すごくなんか雰囲気がある。


 そしてやっぱりなのか、蜂とは違う羽音が聞こえてきた。蜂は突っ込んでくるイメージだが、トンボはカクカクというか、位置を移動しながら飛ぶよね。やっぱり羽で跳び方が変わるんだろうな。今度は僕達は姿を隠さない。とりあえず武器はインベントリへとしまってる。見える奴はね。きっとセラの奴は見えないところに武器を隠し持ってるだろうけど、気づかれなければまあいいだろう。

 会長はペンしかないからそもそも隠す武器を持ってない。うん……丸腰なの僕だけじゃん。まあ丸腰と言っても祝福は使えるし、いざとなればどうにか出来る。今は彼らに僕達が敵じゃないとわかってもらうのが先決だ。なので掌を向けて手を挙げてみる。武器を持ってませんアピールだ。するとそれが悪かったのかもしれない。


 いきなり向こうの騎士達が何組かに分かれて散会した。そして何やら唱えてる。ふむ……彼等が握ってる槍が何やら物騒に輝きだしてる気がする。


「もしかしてミスった?」

「種族が違えば文化も違うからね」

「責任取りなさいよ」


 おいおいセラは酷くない? だってこんな事になるなんて思わないじゃん。速攻で目的破綻しちゃうなんて予想外だから! 彼らは何やら言ってるが、やっぱりわからない。彼等にはLROの翻訳が機能しない。そういう設定になってるってことなんだろう。じゃあ一体どうやってって……きっと体でジェスチャーでも使えって事なんだろうけど、既に失敗したからな。無害だとどう表明すれば信じてもらえるんだ? 


 咄嗟にはそんな動作が思い浮かばない。そうこう考えてる間に、彼らの槍が放たれる。赤い槍は串くらいの大きさだ。とりあえず風で狙いを反らせばいいか……とおもった。けどなんとその槍は僕の頬をかする。チクッとした。


「え?」


 確かに僕は風を操った。あんな串くらいの槍なんか簡単に吹き飛ばせる筈だ。けど、全く影響なかったかの様にかすっていった。掠ったのはもともと狙いがそこだったからだ。反れた訳じゃない。僕の目にはそれがわかる。


(全く影響を受けないなんて……)


 てかなんで全部の槍が僕を狙ってる訳? おかしい……ここにはあと二人いる筈なんだけど……僕はゴクリと喉を鳴らす。

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