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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 目の前にはちょっと種類が違うような蜂に乗った騎士。最初の接触は失敗したが、もしかしたらさっきの奴らとは違うのかも? としたら友好的な関係を築けるかもしれない。けど、もしかしたら部隊が違うだけとかの可能性も無い訳じゃない。だって何て言ってるかわかんないし……


「どうする?」

「うーん、気づかれてないのならちょっと様子を見ようよ。どうやら森の方に向かってるし、私たちを追ってた人たちと鉢会うかも」

「そうだな」


 そんな都合よくいくかわからないが、もしもこいつらが僕達を追ってきてた奴らと鎧とかが違うだけの仲間ならここで見つかるのは悪手だからね。僕達はこっそりと蜂の騎士達の跡をつける。この向日葵は背丈ほどもあるから、こっそりとついていくのには都合がいい。一応匂いとかも気にしてるよ。風を操ってそこら辺の対策はばっちりだ。少しすると彼らは森の手前まで来た。そこで止まって何やら前方に声を荒げてる。


 すると森の奥から僕達を追ってきてただろう蜂の騎士達が現れる。


(やっぱり仲間?)


 とか思ったが、何やら険悪な雰囲気だ。言葉は全くもってわからないが、双方が怒鳴り合ってるのはわかる。


「どうやら仲間という訳ではないみたいですね」

「そうだね。でも安易に接触したら同じようになる気がするよ」

「それはそうだな。やっぱりあいつらにかかわらずに神殿に向かった方がいいか」


 僕のそんな言葉に会長とセラは頷く。なので僕達はこっそりとそこから離れて再び森に入る。春夏秋冬のエリアが綺麗に分割されてるこの小さな世界で、ただ一つ季節が影響し合ってるのがこの森で、そして祭壇はどの季節の影響も受けてないと情報には載ってた。どういうことなのか、正直わからない。僕達は再びその祭壇を目指す。今度はウインドウを出したままにして、ここの地図を見ながら進む。

 情報的にはこの森の中央に神殿はあると書かれてた。なら地図を見ながら、進めば必ずたどり着ける。だって地図上には親切に自分の位置が表示されてるし、矢印になってるからどっち向いてるかもわかるんだから。これなら迷いようがない。なんだけど……


「何故だ……」


 僕達はちゃんと歩いてた。地図を確かめながら確実に進んでた筈だ。けど、何故か森の外にいた。


「スオウ」


 そういうのは会長だ。僕はそれだけで会長が何を言いたいのか分かった。確かめないといけないって事だ。セラは何も言わないけど、無言でついてくるから納得してるんだろう。けど結果だけいえば、どれだけ歩いても神殿につくことは出来なかった。そんな事はネット上には書いてなかった筈だ。やはりこの場所に生命が現れてる様に、変化が起こってるとみるべき。となると

やはり一番の変化っぽいあの蜂の騎士達に接触してみるのが一番なのかもしれない。


 何回か森から出されて秋と冬の地域にも出た。やっぱりそれぞれ騎士たちの格好は微妙に違った。けど乗り物は秋と冬は顕著に違った。秋はトンボに乗ってたし、冬は昆虫がいないからか、鳥だった。なら夏はセミだろうとか文句言いたいが、別にどうでもいい事だね。とりあえずどこに接触するのかが問題だ。春は既に敵対的になってるから無しで。


「私的には秋ね」


 そう真っ先に言ったのはセラだ。珍しいこいつはメイドだからそこまで積極的に意見を言う奴じゃない。嫌な感情は隠さないけど……でもそんなセラだから理由が気になる。


「なんでだ?」

「だって夏は暑いし、冬は寒いじゃない。春がダメなら後は秋が一番居心地いいわ」


 単純な理由だった。まあ確かに単純なだけにわかりやすい。別段異論もなかったし、僕達は秋の場所に向かって進みだした。

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